ヒナの兄はG3になりたい   作:曽流斗

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Q.恋愛要素は書かないの?
A.恋人がいない歴=年齢の作者に求めないでくれ。泣くぞ。

Q.地の文と比べてセリフめっちゃ多くね?
A.ほんまやん……

大変お待たせいたしました。アビドス編8話、始まります。


A08話.呉越同舟:アビドス連合VSゲヘナ風紀委員会

 

【2年前】

 

 

 

 

───蛇の口から光が放たれることはなかった。

 

その代わりに何(・)か(・)が出てきて、それがユメ先輩を飲み込んだんだ。

 

あの人を飲み込んだそいつは、人の形をした泥人形とも呼べるような姿になった。

あまりに不可解なことに蛇と私も動けなくて、泥人形が蛇に近づくのを見ることしかできなかった。

 

蛇のすぐ側に近づいた泥人形は、右手を蛇にかざす。

 

するとなぜか、その右手に蛇が吸い込まれていく。

蛇は口から光を放つけど、それも右手に吸い込まれた。

体を捩ったり尻尾を砂に深く突き刺しても、嘲笑うかのようにするすると体が泥人形に近づいていく。

 

そして、とうとう手に触れてしまって、蛇までもが飲み込まれていった。

 

奴が動きを止めている隙にユメ先輩を助けたて武器を構え始めたけど、再び泥人形に変化が訪れた。

 

頭が隼っていう鳥とそっくりの見た目になり、翼が生えて、全身に包帯が巻かれていき、右腕がさっきの蛇とそっくりの見た目になった。そして最後に頭の上に王冠も被って、変化が終わったみたいだ。

 

『お前は……誰だ……?』

 

 

────── ────── ──────

 

【現在】

 

 

私は今、アビドス廃校対策委員会のメンバーであるセリカ*1、アヤネ*2、シロコ*3、ノノミ*4の4人と一緒に困惑していた。

 

柴関ラーメンのある方角から爆発音が聞こえたので現場に向かってみれば、そこには……

 

「俺の勝ち。なんで負けたか、明日まで考えときな。特に主犯のアコと主戦力のイオリ!お前らは反省文多めに書いとけよ!」

『くっ……!』

 

青いオートマタが、よその自治区から来たらしい生徒と争っていたからだ。

 

「……これってどういうこと?青いオートマタが1体だけで、違う学校の人たちを圧倒してるようにしか見えないんだけど」

『そうとしか見れませんが、まだ分かりません。ゲヘナ学園の生徒と見られる集団が、学校に向けて進軍しているところを食い止めているようにも見えます……』

「確かに。でも、そうとも見えるけど、あの青いオートマタを武装して追いかけていた可能性もある」

「……そのどれかだとしても、油断はできませんね」

“あの声、聞き覚えがあるような……。”

 

そう、どこかで聞き覚えがあるのだ。

具体的に言うと、昨日聞いたばかりのような……

 

あっ!

 

“ジョウの声だ!”

「ジョウ?誰なの、そいつ?」

『ジョウといえば……もしかして、空崎ジョウのことでしょうか?』

 

ヘルメット越しの声だから少し自信は無いけど、最近会ったばかりだし声も覚えてるから、間違いはないはず。

 

「知ってるの、アヤネ?」

『はい、シロコ先輩。……空崎ジョウ。ゲヘナ学園の生徒会に該当する組織、万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の議長をやっていて、同じ学園の風紀委員会っていう、治安維持組織の委員長である空崎ヒナの兄でもあります』

「私も少しだけ知っています。昔、私の実家に来たことがある人です」

「ノノミ先輩の実家っていうと、たしか……」

「そんなことは今どうだっていいじゃない!両方ともゲヘナなんだったら、注意しなきゃ!ちょっと、アンタたち!」

 

セリカが注意しに向かおうとすると、青いオートマタがヘルメットを外しながらこちらに向かってきた。

私の記憶は正しかったようだ。

 

「よっ!久しぶりだな、先生」

“やっぱり、ジョウだったんだね。”

「そういえば、この姿を見せるのは初めてだったかな」

“その装備のことも気になるんだけど……何をしてたの?”

 

そう問いかけると彼は少し悩む素振りを見せ、話し始めた。

 

「ああ、うちの……風紀委員会の天雨アコ行政官が指名手配犯を捕まえるって名目で先生を狙ってたから、戦闘訓練と言い張って食い止めてた」

“……えぇ?!”

「ちょっと!先生を狙ってるってどういうことよ!?」

『違います!あの男の妄言です!』

「黙らっしゃい!こちとらまるっとお見通しなんだよ!」

 

天雨アコが弁明しようとするけど、ジョウが静止して自らの推理を語り出す。

 

「まず、風紀委員会は便利屋68っていう指名手配犯どもを捕まえるために、部隊を編成してここまでやって来た」

『今まで我々が手を焼いていた相手。相応の規模で殲滅するのは当然じゃないですか』

「たった今、俺がコテンパンにした規模の何倍も用意しておいてか?」

 

倒れている部隊の規模は一個中隊と呼べる規模だ。その数倍となると……。

 

“たった4人を相手にするには多いかな……。”

「そう。いくら便利屋が強いとはいえ、数が多すぎるんだ。まるで、た(・)っ(・)た(・)数(・)人(・)で(・)大(・)所(・)帯(・)を(・)相(・)手(・)に(・)勝(・)っ(・)た(・)奴(・)と(・)戦(・)う(・)こ(・)と(・)を(・)想(・)定(・)し(・)て(・)い(・)る(・)かのようにな」

『なっ……!』

 

数人で勝ったというと……私が先生として就任した日のことか。

まだそんなに日数が経っていないのに、よく調べてるね。

 

『そんな保護者のような目で見ないでください!』

「まだあるぞ?」

『なんですか!?』

 

他にも理由はあるらしいけど、なんだろうか。

思いつくのはヒフミと会ったことくらいだけど……。

 

「最近、トリニティ*5の生徒が先生と接触したそうじゃないか。うち(万魔殿)の方でも情報が上がってきてたぞ」

“ヒフミのことだね。”

「そう。トリニティの生徒会と接点のある阿慈谷ヒフミ*6だ。奴を経由して先生をトリニティに独占されると危惧したお前は、先に先生をゲヘナで囲い込もうと画策した。それが今回のあらましだ」

『……』

「そういうことだったのね。それなら合点がいくわ」

 

後ろから声がしたので振り向くと、先日アビドスと戦った便利屋68のカヨコがいた。

更に後ろから、カヨコに続いてアルたちも向かっているのが見えた。

 

“来たんだね、カヨコ”

「いつまでもじっとしてたら、袋叩きにされるかもしれないからね。それに……」

「ご飯を食べてるだけで何も知らずに守られてるようじゃ、アウトローに相応しくないじゃない!」

“アルたちも来たんだ、頼もしいね。”

『便利屋まで来ましたか。ですが、あなたたちを捕えることも視野に入れているので問題はありません。それにジョウ議長、そのベルトのランプ、少々心許ないのではありませんか?』

 

ジョウの腰を見ると確かに、右端まで輝くように設計されているように見える赤いランプが、左から4分の1程度までにしか輝きが灯されてなかった。

 

“それ、大丈夫なの?”

「いんや、全然ダメ。納品されたばかりだから充電が足りてなかったみたいだ」

 

ダメらしい。

だったら、こちらから手を貸すことはできないだろうか。

 

“ジョウ。”

「どうした、先生?」

“君の手伝いをしてもいいかな?私は今、ゲヘナの風紀委員会に狙われているから、君と一緒に戦うのもおかしくはないと思うんだけど。”

「……いいね、これは名目上、実戦を想定した戦闘訓練ということにしてある。実戦ならイレギュラーがあっても不思議じゃない」

 

ジョウからは承諾を得た。あとはシロコたちに……

 

「ん、だったら」

「私たちも戦いますね☆」

 

と思ったらシロコとノノミが先に参戦する意志を見せた。

 

“いいんだね。”

『もちろんです。あの人たちにアビドスで暴れられても困りますから』

「それに、便利屋は私たちの学校を襲ったんだから、私たちが捕まえなくちゃね!」

 

アヤネとセリカも戦うつもりだ。

私も、ジョウはもちろん、アビドスのために戦おうとする彼女たち、それに一緒に戦ってくれる便利屋の皆のサポートをしないとね。

 

「これで、俺の側の戦力が大幅に増えたわけだ。引き返すなら今だが、どうする……アコ?」

『ジョウ議長、正気ですか!?便利屋を味方につけるなんて!!?』

「なに言ってるんだ。実戦を想定してるんだから、呉越同舟も有り得るだろ?」

『そんなの無茶苦茶です!』

「無茶苦茶で結構!自由と混沌、それがゲヘナだろう!」

『それでも限度があります!ああ、もう……イオリ、チナツ!やりますよ!』

 

向こうも戦闘態勢に入ったようだ。

 

「それじゃあ先生、指揮よろしく!」

“うん。みんな、いくよ!”

「ん、行こう!」

「狙撃なら任せてちょうだい!」

 

 

────── ────── ──────

 

 

“ムツキ、東から来る敵を爆弾で牽制してくれる?”

「おっけー!」

“アルはムツキの止めた相手を狙って。”

「分かったわ!」

 

“ハルカは前に出て。カヨコは後ろからハルカの援護をお願い。”

「わ、分かりました」

「任せて」

 

“ノノミは西の敵を掃射して、セリカは撃ち漏らしを狙って。アヤネは索敵して2人のサポートをお願い。”

「分かりました☆」

「ええ、行くわよ!」

『任せてください』

 

“シロコは褐色肌の風紀委員と戦って。ジョウはシロコのサポートをしながら周りの皆に火力支援を。”

「ん、分かった」

「俺の負担デカすぎない!?できるけど!」

 

不満を言いながら『GM-01〈スコーピオン〉』にアタッチメントパーツを取り付けて完成した狙撃銃『GB-EX〈ペガサス〉』を持ち、ノノミ側とアル側の敵を狙撃していき、シロコを狙う奴は『GX-05〈ケルベロス〉』で薙ぎ払っていく。

 

しかし凄いな、これが生で味わう先生の力か。

ここ最近じゃ1人で戦うか、自分が指揮して戦わせることしかしてなかったから、誰かの指揮下に入るなんて久しぶりだし、全体的な動きも最適化されているみたいで気持ち良く戦えている。

それに、イオリの相手をシロコにさせることで、シロコ自身の成長を促している点も面白い。

 

「くそっ、戦いにくいな!」

「ん、それはアナタに先生が付いていないから」

「なんだとっ!!」

“ジョウ、シロコの相手を狙って!”

「OK!」ズドンッ

「ぐぅ……ッ!」

 

遠距離に強いというスナイパーライフルの利点を潰すため、徹底的に近接戦闘を仕掛けていたシロコに業を煮やしたイオリが蹴りを放とうとしたところに、俺の銃弾が彼女の横っ腹に突き刺さり攻撃を中断することになってしまう。

 

「ありがとう、2人とも。これで……トドメッ!」

 

感謝を述べたシロコが隙を逃すこと無く、持っていたアサルトライフルから銃弾を放つ。

イオリの額に命中し、アビドスの連中がくる前から受けていたダメージもあってか、気絶することとなった。

 

 

────── ────── ──────

 

 

「おつかれー。俺たちが勝ったわけだけど、なんかある?」

 

先生のおかげで特に苦戦することも無く、俺たちの前に全滅した風紀委員会達が倒れることとなった。

 

『くっ……訓練にお付き合いいただき、ありがとうございます……!』

「おう!」

 

大量の敵を倒してアビドスの生徒たちが安堵する中、アコの元に通信音が鳴り出す。

 

『……え?ヒナ委員長から連絡……?』

『アコ』

『は、はい……』

 

 

「今どこ」

 

 

*1:
アビドス高校1年。黒髪ツインテールで猫耳と尻尾のあるツンデレ。詐欺に騙されやすい。

*2:
アビドス高校1年。エルフ耳の眼鏡っ娘。アビドスのインフラを把握している。

*3:
アビドス高校2年。灰色の狼の耳を持つ、趣味が銀行強盗の生徒。

*4:
アビドス高校2年。実家が金持ちでよくダンベルを買ってるイメージのゆるふわ女子。

*5:
トリニティ総合学園。ゲヘナとライバル関係にある、お嬢様だらけのマンモス校。

*6:
トリニティの2年。普通の生徒と自称している銀行強盗団のリーダー。




喋るキャラが10人くらいいる状況でセリフ書くの難しかった……



そろそろオリジナルフォームが出るから注意書きとか書かねば……!
え?原作に無い武器とか出してただろって?

……クックックック(目逸らし
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