※登場人物に男性はいません。
【別世界の話】ミレニアム防衛部副部長、氷川マコ
ミレニアムサイエンススクール
それは、千年難題を解き明かすべく創設され、その技術力を持ってキヴォトス三大校と呼ばれるまでに至った学園である。
今回は、その学園の部活の1つの物語。
これは、ゲヘナにG3が存在しない物語。
ミレニアムで事件発生。
現在、エンジニア部が制作したロボット3体が暴れているとのこと。
特徴は、尻尾にノコギリの刃が生えたワニが1体、紫色の空飛ぶシュモクザメが1体、三日月形の黒い尻尾を持つオオカミが1体。
氷川くん、行ってくれる?
「了解。直ちに現場へ急行します」
────── ────── ──────
ダダダダッ!
ドカーンッ!
「ぎゃー!」
「ちょっと、誰よ!機械ワニを重装甲にしようなんて言ったの!!?」
「すまない、私だ」
「ウタハ先輩ー!?」
現場へ駆けつけると、機械のワニが大口を開けてエンジニア部の生徒に襲いかかっていた。
「ウタハ先輩、停止スイッチはどこにあるんですか!?」
「そんなもの、ワニにはないよ……」
「先輩ー!?」
追い掛けられてるのに騒ぐ余裕はあるみたいだ。けど、早く助けた方が良さそう。
私はホルスターから自動小銃、『GM-01〈スコーピオン〉』を取り出し、背後にあるドローンから、自動小銃に取り付ける追加パーツを取る。
『GG-02……Active!』
オペレーターから使用許可を受理されたことをインカムで聞きながら、〈スコーピオン〉に追加パーツをセットする。そうすることで『GG-02〈サラマンダー〉』という名のグレネードランチャーへと姿を変える。
丁度いいタイミングで
「皆さん、伏せてください!」
「君は……任せたよ!」
彼女たちが注意を聞き入れ、私の横を通り過ぎ伏せたことを確認する。
その頃にはワニの口が目の前にまで迫っていたけど、問題無い。
ダァン!
……ドッカーーーン!!!
口の中にグレネードを撃ち込むことで中から爆発。
内部から派手に破裂したワニはスクラップとなり果てた。
目の前にいた私は爆発に巻き込まれたけど、煤だらけになっただけで怪我はしていない。
「助かったよ。私たちだけだと他の発明品にまで被害が及ぶかもしれなかったからね」
「いえ、これが私の仕事ですので」
「そうか。すまないが、他にも暴走した発明品があってね。そっちの対処も頼めるかい?」
「それって、あのサメと狼のことですか?」
「…………流石だね」
私が指差した先には、シュモクザメは銃弾による蜂の巣に、狼は一刀両断されていた。
────── ────── ──────
私たち防衛部はミレニアムの焼肉店で打ち上げをしていた。
「かんぱーい!」
カカンッ!
部長の小沢さんを始め、各々がグラスをぶつけ合い乾杯をして飲み始める。
「ふぅ……。やっぱりエールは最高ね!」
「小沢さ〜ん……ジンジャーエールをエールって略すのやめましょうよー。お酒飲んでるっておもわれるじゃないですかー」
「なによ尾室くん。私の飲み物をなんて呼ぼうと私の勝手じゃない。それとも……私の口にする物にケチをつけようってわけ?」
「違いますって!そういうんじゃないですから!」
「お待たせしました!こちらタン塩3人前になります!」
小沢さんと尾室さんのやり取りを止めるタイミングを図っていると、注文した物を持って来た店員が、横から空気の読めなさそうな朗らかな声でやってきた。
「あれ?津上くんじゃない!今日はここでバイトなの?」
「はい。俺、料理研究部ですから!それと、前にも言いましたけど、俺の本名は沢木ですって」
「本当に立派ねぇ。津上くん、ついこの間まで記憶喪失だったとは思えないくらい前向きで立派よ」
「ですから沢木ですって……まあ、いいです」
そう言いながら肩を落としている彼女の名は津上さん。
記憶喪失だったけど、色々あってミレニアムに転校した後に記憶が戻った生徒だ。
本名は沢木だったけど、津上と呼び慣れてしまったせいで皆からが本名で呼ばれなかったりする。
……私も津上さんと呼び慣れてしまっている1人ではあるけれども。
「そうですね。私も津上さんの前向きさには見習うべきものがあると思っています」
「……俺の場合、前向きというか、生きることは素晴らしいって思いたいですからね。生きるっていうのは『美味しい』ってことだと思うんです。だから、生きてもっと『美味しい』を知るためにも、俺は修行をしているんです。なので……これ、俺からのサービスの冷奴です!」
「ありがとうございます、津上さん!」
「いえいえ、編入の手続きとかでお世話になりましたから」
私たちの前に豆腐を置いていく津上さん。
豆腐は好物なので嬉しい。
嬉しい……のだけど……。
「はぁ……はぁ……!」プルプルッ
豆腐って箸で掴むのが難しい!
難しすぎて箸で食べる物ではないと思うほどにだ!
「……ああっ!?」ポトッ
また落としてしまった……。
小沢さんたちからの呆れた視線を向けている気がするが、気のせいだと信じたい。
「あらら……ダメですよ氷川さん、無駄な力を入れちゃ」
「無駄な……力?」
「そうですよ。氷川さん不器用なんですから、気をつけないと」
不器用……私が、不器用……。
「ところで津上くん。前から言っていたこと、考え直してくれた?」
「あ〜、防衛部に入る件ですか?この前も言いましたけど、俺は料理を修行中の身なんで、そっちに集中したいんです」
「……やっぱり答えは変わらないかー。津上くんって、いい感じに力が抜けてるから、氷川くんとコンビを組めると思ったんだけどね」
……確かに、津上さんは私よりも器用だ。
そんな津上さんの方が、不器用と言われた私よりも良いのだろうか。
「いやいや、そんなにおだてられても入りませんって。それに、俺と組まなくても氷川さんはちゃんと強いですって。ただ不器用なだけで」
カチンッ
「そんなことありません!人のことを不器用不器用と!第一、なんですか豆腐なんて!こんなものスプーンで掬えばいいだけの話だ!…………あっ」
やってしまった。
不器用と言われたことが図星だったのかもしれない。
「……すいません」
「……ま、氷川くんは氷川くんで良いところはちゃんとあるから、無理にコンビを組ませようとは思ってないわよ。だから安心しなさい。そういう真っ直ぐなところも含めて、防衛部の副部長に任命したんだから、誇りなさい」
「そうですよ!僕なんて戦いに関したら氷川さんの足元にも及ばないんですから!」
「……ありがとうございます。小沢さん、尾室さん。津上さんも、申し訳ありませんでした」
「いいんですよ、俺だって言い過ぎましたし。俺の方こそ、ごめんなさい」
私が頭を下げて、津上さんも頭を下げる。
お互いに下げ合った頭が一向に上がらないまま時間が過ぎていく。
「2人とも、漫才はその辺にしましょ。せっかくのお肉が悪くなっちゃうわ」
「それもそうですね。では皆さん、ゆっくりしていってください」
「あ、はい。津上さんも頑張ってください」
津上さんが去っていき、打ち上げの続きを始めよう。
そう思っていたら───
「ん?
小沢さんの端末に、セミナーの早瀬さんから連絡が来たようだ。
業務時間外ではあるけど、何か緊急事態でも起こったのだろうか?
「……え?棍棒を巡って争いが起こっているから、手を貸して欲しい?あれまだ流行ってたの!?ゲーム開発部が流行らせたのって随分前じゃない」
……棍棒?
たしか、あの件は木の伐採のしすぎで流行が収まったはずだが、まだ続いているところがあったのか。
尾室さんの方を見ると、困惑の表情を浮かべていた。
どうやら同じ気持ちらしい。
「……しょうがないわね。この借りは高く付くわよ……2人とも、話は聞いての通り。行くわよ」
「「はい!」」
小沢さんの言葉に私たちは現場に急行する。
「まったく……本当に退屈しないわね」
背後から聞こえる、その言葉に同意しながら。
『もしも仮面ライダーアギトの氷川誠がキヴォトスの生徒だったら』という形で執筆してみました、いかがでしたでしょうか?
後でこの話にアンケートを付けますので、よろしければ投票をお願いいたしまし。
あと評価とか感想とかお気に入りに登録とかおねg(ry
キャラ設定:
【氷川マコ】
防衛部副部長、16歳、真っ直ぐな性格で正義の人、不器用で豆腐を箸でつかめない。
【津上さん】
料理研究部、16歳、元オデュッセイアの生徒のはずだが経歴が消えている、過去に七囚人の護守ナナミと戦ったことがある、本名は沢木。
【葦原さん】
水泳部、16歳、月一で事故に遭う不幸体質、夏休みにクルージング旅行で嵐に巻き込まれ海に投げ出されそうになった所をマコに助けられている。
【小沢さん】
防衛部部長、17歳、『全知』の称号持ち。
【尾室さん】
防衛部、16歳。
【北条さん】
17歳、保安部、小沢さんとは互いに少し気に食わないと思っている間柄。
氷川マコが主役の話、どうでしたか?
-
別の小説として連載したら読む
-
番外編のままでいい