ヒナの兄はG3になりたい   作:曽流斗

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前回と同じ11話ですが、こちらはオリジナルフォーム等が無い話になっています。



予告した日から遅れてしまい申し訳ありませんでした!

でもできれば高評価とかお気に入りとかしてくださると嬉しいです!



A11話.I’m on it(さぁ、やろうか)

 

 

ゼッツドライバー*1を袈裟懸けに巻き、インパクトカプセムを取り出す。

 

インパクトカプセムをゼッツドライバーにセットし、セットしたことで上がったレバーを押す。

 

『インパクト!メツァメロ!メツァメロ!メツァメロ!』

 

サムズアップした左手の親指を口元に持ってくる。

 

「なに、その構え?」

「まあ見てろって」

 

ホシノのツッコミを流し、口元に持ってきた指を右から左へ動かし顔の左側で指を鳴らす。

 

「I’m on it.

変身」

 

そのまま左肩から右脇腹へ左手を落とす勢いで、光っているドライバーにセットされたカプセムを回す。

 

それを隙と見たか、ホシノがショットガンを撃つが、今の俺は夢と現(うつつ)の境界線。

今を生きる生徒の現実(銃弾)では干渉できない。

 

『グッドモーニング!ライダー!ゼ・ゼ・ゼッツ!』

 

仮面ライダーG3(現実の武装)が……

仮面ライダーゼッツ(夢の怪物)へと入れ替わる。

 

G3を黒い靄が包み、次第に晴れていく。

そこには───

 

 

 

『インパクト!』

 

 

 

赤い目と、赤いラインを引いた、緑と黒の怪物が立っていた。

 

「なんなのそれ?」

「さしずめ、『超変身』ってところだ」

 

ガンモードにしたブレイカムゼッツァー*2の銃口をホシノに向ける。

 

「お前に夢を見せてやるよ。とっておきの悪夢をな」

「まだ寝るには早いんじゃないかな。夜はまだまだこれからなんだからさぁっ!」

「やかましいわ!とっとと寝させろッ!」

 

ホシノがさっきと同じ蹴りを食らわせに来たので、咄嗟に腕をクロスし防御する。

 

戦いは新たなラウンドを迎えた。

 

 

────── ────── ──────

 

 

「……さっきとは全然違うね」

 

蹴りを受け止められて、出た言葉がそれだった。

 

本当にさっきとは違う。

見た目も、力もだ。

実力は拮抗しているかもしれなくて、私が一方的に攻撃できた時とまるで異なる状況。

唯一同じなのは私と彼が戦っているということだけ。

 

「そりゃそうだろ。貴重なエネルギー源を使ってるんだから、これくらいできないと俺が困る」

「へぇ。じゃあ、どこまでできるか確かめないと……ね!」

 

言葉を終えると同時に、もう一度強く蹴るけど掌で難なく防がれた。

それどころか……。

 

「捕まえた」

 

足を掴まれ、引き寄せられる。

 

「まずっ……!」

「もうおそい!脱出不可能よッ!」

 

直後、掴んだ手とは反対の腕がはち切れんばかりに膨らみ、拳を握っているのが見えた。

 

「オラァッ!」

「がぁ……っ!」

 

咄嗟に盾で受けて直撃を免れたけど、防ぎ切ることもできずに吹っ飛ばされてしまった。

 

意識が飛びそうなほどの衝撃に耐えるけど、地面を2度3度跳ね、その度にまた意識が飛びそうになる。

 

どうにか着地して彼を探すけど、どこにも見当たらない。

左か右か、はたまた後ろか……全部の方角を探しても影すら見えない。

 

残るは……

 

「上っ!!」

「はぁッ!!!」

 

空高くからダブルスレッジハンマー*3を叩きつけてくるのが見えた。

 

盾で防ごうにも、さっきのダメージもあって受け切れないと判断した私は、空振りさせた後の衝撃にも備えるために大きく避けることにした。

 

ドガンッ

 

思った通り地面に叩きつけた時の衝撃は大きく、砂塵や瓦礫が3メートルくらい離れた私に襲いかかってきたけど、視界を確保する分を除いて無視する。

 

この先、彼が何をしてくるか分からない以上、大袈裟に防ぐのは悪手だと思ったからだ。

現に、彼自身が作ったクレーターの中で両手を解き、地面に手をついて逆立ちのような体勢をとっていた。

 

何をするのか警戒しながら盾で弾くか受け流す用意をして待ち構えると、答えはやってきた。

両腕をバネにして一瞬でこっちに向かってドロップキックをしてきた、というのが答えだった。

 

「はやっ!?」

 

なんとか弾いたけど、咄嗟のことで衝撃を逃し切ることができなくて左腕が震える結果になっちゃった。

 

「これも防ぐか。なら、これはどうだ?」

 

そう言って取り出したのは、装甲を纏う前に使っていた、何かを防ぐような絵が描かれた緑のカプセル。

 

それを胸の赤いカプセルと入れ替えてボタンを押す

 

『バリア……メッツァーメロォゥ!メッツァーメロォゥ!』

 

胸のカプセルをさっきとは逆に回して、目と胴体の赤と緑の色を無くし、目は緑に、そして体には新しく緑の模様が描かれていく。

 

『グッドモーニング……ライダー……ゼッツ・ゼッツ・ゼェッツ!バリア!』

 

変化が終わった時には、両腕に盾を取り付けた緑と黒の怪物になっていた。

 

「防御には防御。粋なもんだろ?」

「そういう気遣いができるんだったら、おとなしくしててほしいんだけどね」

「残念。うち(ゲヘナ)の校風は自由と混沌なんだ。むざむざ倒されるまで大人しくしてなんかいられねぇな!」

 

よほど盾に自信があるのか、彼は真っ直ぐに突っ込んでくる。

1度だけ力を込めて撃ってはみたけど、結果は……

 

「効かないねぇっ!盾だから」

 

衝撃で少しでも動きが止まると思ったけど、そんなことは無かった。

マスクに覆われて顔は見えないけど、心なしかドヤ顔しているような気がしてムカつく。

 

「だったら……!!」

 

こっちも盾を構えてぶつけ、押し合う。

左腕はまだ痛みで震えてるけど、赤い姿よりも力が劣っているみたいで、押し合いは拮抗していた。

これなら……。

 

 

盾を彼の物より下に滑り込ませて打ち上げようと試みる。

けど、なかなかできない。

それどころか、押しつぶされそうになってきた。

 

「おっと!体格を活かして打ち上げようとしても無駄だぞ」

「それはどうかな?」

「なに?」

 

直後、彼の足下で複数の爆発が起きる。

 

私の本命は打ち上げることじゃない。彼の下に何個かグレネードを投げ込んだことを気付かれないようのするためだ。

盾を下にしていたおかげで私だけ爆風に巻き込まれずに済んだけど、彼は直撃したはず。

これでまともなダメージを受けてくれると嬉しいんだけど……。

 

『バリア』

 

爆風で作られた煙が晴れると、緑色の透明な膜……さっきから機械が言っているからバリアとでも呼べばいいのだろうか、それに包まれた彼がいた。

胸のカプセルが回っているのを見るに、アレで防御したのだろう。

 

「アレで無事って……反則でしょ」

「夢の力は自由だからな。これくらいできて当然だ。そして……」

 

『バリア』

 

また胸のカプセルを回すと、今度は両手を覆うようにバリアができた。

 

「ラウンド2だ。殴り合おうぜ」

「それ当たったら痛そうだし嫌なんだけど」

 

私の拒否する態度に構わず、また攻めてきた。

 

「まったく……しつこいなぁ!」

「そう言うなって。こっちだって滅多に使えない力を発揮してるんだ。もっと戦おうぜ!」

 

バリアと纏った拳で何度も殴りかかってくるジョウ。

それを盾で止めたり弾いたり受け流したり、反撃でショットガンを撃つけど両腕の盾を合わせることで大盾にすることで防がれる。

試しに盾を振り回してハンマーのようにぶつけても、びくともしない。

だったら蹴り上げてみようかと試したけど、そもそも腕と一体化しているようで、多少は動いたけど外れることは無かった。

 

「なら……!」

 

今の彼に足りていないはずの『速さ』で翻弄して盾のない場所から攻撃する!

 

駆け出し、前後左右ジグザグに動きフェイントをかけ、彼が気付きやすい位置でグレネードを投げて、そのグレネードごとショットガンで撃ち抜くことで防御を強要させる。

 

グレネードが爆発して、爆風で視界が塞がっている内に背後に回り込んで隙だらけの背中を全力で蹴り抜く。

 

「ぐあッ!……チィッ!」

『バリア』

「……?……閉じ込められた!?」

 

まともにダメージを与えたところまでは良かったけれど、追撃をすることは許されず、咄嗟に出されたバリアに閉じ込められた。

 

「お返しだ」

 

バリア越しに、彼は取り出した銃の窪みに赤いカプセルを入れて回すのが見えた。

 

『ブレイカムバレット!』

「マズい!」

 

こっちを狙って赤く大きな弾丸を撃ってくる。

バリアがあるのに撃つってことは、バリアの強度を超える威力を持っているか、途中でバリアを解除して当てるということ。

仮に解除するとしても、たぶんバリアに当たるギリギリでやるはずだから避けられない。

残された選択肢は1つ……盾で正面から受けて対処するしかない。

 

「がぁっ!」

 

覚悟を決めて盾を構えた私を嘲笑うように、盾は弾き飛ばされ、地面に着弾した弾丸は弾けて私も宙に投げ出される。

その拍子にショットガンを手から離してしまう。

 

『グッドモーニング!ライダー!ゼ・ゼ・ゼッツ!インパクト!』

 

いつの間にか赤い目の姿になった彼が、私が落ちる先に向かって走りながら胸のボタンを3回押してカプセルを回す。

 

『インパクト!』

 

腕をクロスして苦し紛れの防御をしようとしたけど、1度目の蹴りで剥がされ、2度目の蹴りでお腹を蹴られて遠くへ飛ばされる。

 

『バニッシュ!』

 

「がはっ……ぁ!」

 

今日はご飯をほとんど食べていなかったのが不幸中の幸いだった。胃の中が逆流しようとするけど何も吐き出さず、乙女の尊厳は辛うじて守られた。

早く体勢を整えて次に備えなきゃ……!

 

『ブレイカムバレット!』

 

そんな音と共に撃ち出された緑色の弾丸が2つ、私を追い越して着弾すると、地面が形を変えてせせり立つ2つの壁になり両側から私をピッタリと挟み込んだ。

それと同時に、時間切れで神秘解放が解除してしまう。

 

「うそ……このタイミングで!?」

 

踠いても地面だった物はびくともしないまま、飛び蹴りの姿勢でこっちに来ている彼が見えてきた。

 

「……私の負け、だね」

 

このままだと、あの蹴りを食らって気を失うだろうな。どうにかして拘束を外すことができても、たぶん疲労とダメージで右腕しか動かないだろう。神秘解放の効果が残ってたら体を無理矢理動かして避けることもできるかもだけど、時間切れで使えなくなっちゃってるし、もう終わりかな。

 

「うぉぉぉぉおおおおお!!!」

 

彼の声も聞こえてきた。

私にトドメを刺すために全力を出しているのか、気合を入れるために大声を出しているようだ。

それに対して私は、少しでも休まなきゃ動けない状態だ。

 

まもなく彼の蹴りが私に届く。

この後の痛みに備えようかな。

 

 

 

そう覚悟を決めた時

 

 

 

「はああああ───」

 

『バニッシュ!ゼ!ゼッ!!───』

 

 

ピーッ

 

『バッテリー残量0となりました。G3システム、解除します』

 

「───ああああああああ!!???」ズザーッ

 

機械的な声と一緒に赤い目の怪物は靄になって消え、中から出てきた彼の装甲は全部脱げ、力も失ったのか急に体が落ちて滑ってきた。

 

それと同時に私を拘束していた地面は、彼の力が無くなったのかガラガラと音を立てて崩れたことで脱出できた。

 

「…………」

「……えーっと」

 

そして、彼は私の目の前で止まって……。

 

「……私の勝ち!バンッ

「ぐふッ!!」

 

胸の所に収納していた拳銃で彼の顎を撃ち抜いて気絶させた。

 

……こんな終わり方って、有りなの……?

 

 

*1:
胸に巻くベルト。夢の力を引き出し、仮面ライダーゼッツに変身する。

*2:
剣、銃、斧、鎌の4モードに変形できる武器。カプセムを嵌め込み使用することも可能。

*3:
両手を組んでハンマーのように叩きつけるプレロスの技





補足:
ゼッツの形態の1つ、エスプリムリカバリーの地形を復元して操作する能力を多用するとホシノに利用されそうなので、ここぞと言う時以外でリカバリーカプセムの力を使わないようにしていた。
ゼッツのみだと神秘解放前のホシノくらいの強さになるので、G3の上から変身することで能力の底上げをしている。加えて、神名のカケラを使っても現実だと消耗が激しいのでG3のエネルギーで賄っている。
今回はエネルギー消費の激しいカプセムの能力を多用したのでキックの途中でG3のエネルギーごとジョウもエネルギー切れを起こし、変身と装甲が解除された。


次回は10月4日か11日に投稿……できたらいいなぁ……
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