ヒナの兄はG3になりたい   作:曽流斗

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毎回毎回投稿締め切りギリギリチャンバラでヤベーイ!


02話.少年よ:明日なる夢へ

 

 

俺こと空崎ジョウは転生者である。

 

転生前の記憶は産まれた時から持っていて、最初は「未来の知識で好き勝手に生きる」なんて思っていたものだが、ここがブルアカの世界だと気づいた時、好き勝手にやりすぎたら世界が滅ぶ可能性があることを理解してしまった。

というのも、俺がヒナちゃんの兄であることに理由がある。

 

原作通りの時間軸で俺が好き勝手にやって事件を起こした場合、ヒナちゃんを目の敵にしているマコトがこれ幸いにとヒナちゃんや風紀委員会に責任を押し付け、原作よりも負担をかけることでエデン条約編に悪影響を及ぼす可能性がある。

そんなことになってしまえば、先生が調印式の襲撃で撃ち殺されてバッドエンドになる可能性が高くなってしまうのだ。

そうならない為にも俺は万魔殿に入り、陰ながらヒナちゃんをサポートしようとしてたのだが……。

 

なんやかんやあって議長になっちゃいました。

それもこれも雷帝ってやつが原因だから仕方ないね。

 

ま、まあ、俺が議長になればマコトを抑えられるし、他の学園にトップとの交流で悪いこともないはずだからヨシ!

 

 

────── ────── ──────

 

 

今日はミレニアムサイエンススクールに来ている。

というのも、ここの生徒会組織の役割を持つセミナーの会長こと『調月リオ』に用があるのだ。

その用件とは───

 

「これが今回の『アビドスの砂の回収した量の記録』だ」

「……確かに受け取ったわ。これが前回の分の報酬よ」

 

アビドスの砂漠にある砂をリオに渡すというものだ。

アビドスは頻繁に発生する砂嵐のせいで衰退してしまい、9億という莫大な借金を背負うことになってしまった。

だから、その砂をどうにかできないかと前からリオに話を持ちかけ、今に至るというわけだ。

 

「いつもすまないね」

「これが私と貴方が交わした契約だから、気にしないで。いつも言ってるけど、あそこの砂はいい素材になるの」

 

本来、砂漠の砂は不純物のせいで透明なガラスに向かないはずなのだが、少し不純物を取り除くだけで透明なガラスとして加工ができたのだ。

しかも、このガラスは砂に含まれている神秘のおかげか普通のガラスよりも頑丈になっており、よほど火力の高い爆発や銃弾でもない限り傷もつかないという優れものである。

おかげで高い値段で設定しても飛ぶように売れて凄く稼げるのだ。

 

この件で互いに金を稼ぎまくっているので、これでリオがエリドゥを建設するためにセミナーの金を使った横領をしないでくれれば良いのだが……それはブルアカ本編のパヴァーヌ編にならないと分からないだろう。

 

 

────── ────── ──────

 

 

今日はアビドス高校に向かっている。

というのも、先日ミレニアムから受け取った金を土地の使用料として渡しに行くためだ。

土地の所有権を持つカイザーコーポレーションに送った方がいいと思われるだろうが、そこは何とかしているので平気だ。

 

そんなことを考えていると───

 

「よう兄ちゃん、ずいぶんと綺麗な身なりをしてるじゃん」

「わたしたちにも恵んでくれよ」

「有り金を全部置いていってさ!」

 

この辺を縄張りにしているのか、ヘルメット団に絡まれてしまった。

しかしどうするか……別に倒していってもいいけど時間がもったいないしなぁ……。

 

「うへ〜、手助けは必要かな?」

「ちょうど欲しいと思ってたところだ」

「じゃあ助太刀するね〜」

 

このあとヘルメット団はボロボロに負けた。

 

 

────── ────── ──────

 

 

「お、覚えてろよぉー!」

 

そんな三下じみたセリフを聞き流し、共に戦った少女に向き直った。

ピンクのロングヘアで、右が黄色で左が青のオッドアイ。

その実力はヒナちゃんと互角を張れるほどの力を持つ小柄なアビドス高校の生徒。

それが小鳥遊ホシノだ。

 

「いやぁ助かった。多勢に無勢だからどうしたものかと思ってたんだ」

「君ならアレくらい、すぐに撃退できたでしょ?」

「まあね」

 

あの頃よりは弱くなったが、噂が誇張されてるだけで実際には普通に戦えるから問題は全然なかったりするのだ。

……っと、忘れるところだった

 

「ほらこれ、いつもの代金だ」

「いつもすまないね〜」

「これが俺たちの契約だからな」

「契約……」

 

契約という言葉に反応したホシノ。

やはり既に『あの話』を持ちかけられているのだろう。

 

「どうした?」

「いやぁ、なんでもないよ〜」

「そっか」

 

やはり心を許していないのか、話すつもりは無いらしい。

彼女の心はアビドスの生徒や将来訪れる『先生』に委ねるしかないのか。

 

願わくば、俺にも心を開いてくれると嬉しいのだが……。

 

 

 

なにを考えているんだ俺は…………

 

 

未来の知識を持っているのに

 

 

 

梔子ユメをたすけられなかったくせに

 

 

 

「じゃあ、この辺で失礼するよ」

「いいの?もうちょっとゆっくりしていきなよ」

「元々の用件はそれだけだったしな。外野が長居しても……そうだな、ホシノが後輩に甘える時間が減るだろ?」

「うっ、それは問題かも」

「だろ?早く行って後輩たちを安心させてやれ」

「わかったよ。でも、その内お礼はするからね〜」

「ああ、期待しておくよ」

「じゃあね〜」

 

気を使わせちゃったかな。

……柴関ラーメンに行ってから帰るか。

 

 

────── ────── ──────

 

 

帰宅後

 

 

「だから青ガエルの水スリケンで牽制してる時の魔王ドロフは機を見て下Bが有効なんだってゔぁ!」

少しでも金を稼ぐために時々やるよ動画サイトの顔出し生配信。

今回は『スマシス』のゲーム配信だ。

 

【コメント】

[でもジャンプや空中回避で近づいたら選択肢増えるくない?]

[そもそもガエル相手は辛すぎんだろ]

 

「それはそう。でもこれ当たったら楽しいから擦るぜ!……あっ、ぐわあああああ!対ありでしたああああ!!!」

 

【コメント】

[擦りすぎて負けてて草]

ミチガエル[対戦ありがとうございました。忍者を極めるためにこの結果に驕らず精進するよ。]

AKO1[無様ですね。そんなので議長が務まるとはお笑い種です。]

[変なのおって草]

AKO1[なっ……変なのですって!?あなたどこの所属ですか!?]

 

「ミチガエルさん対戦ありがとう。機会があればまた対戦しよう!それとAKO1さんはステイ!!!知り合いだからってネットリテラシー無視するのはマズいよ!!?」

 

【コメント】

※メッセージは消去されました。

[消されてて草]

[これは反省文不可避]

HINA[恥ずかしい所を見せてしまって申し訳ないわ]

[HINAちゃんもよう見とる]

 

うちの妹ことヒナちゃんはHINAとして俺の配信に時折コメントを残してくれるし、コメントを消すかどうかの設定もできるようにしてる。

ちゃんと妹と公言してるから問題ないぞ。

 

「HINAちゃんサンキュー!じゃあ次の対戦行きましょう。誰がくるかなー?」

 

『ミシマァ……!』

 

「ヒェッ」

 

操作むずいけど即死コンボがエグいくらい決まる奴だこれ

というか掠ったら魔王ドロフが持っていかれる!?

 

【コメント】

[不利どころの騒ぎじゃねぇ!]

[青ガエルがかわいく見えてくる]

[なんでや!青ガエルかわええやろがい!]

HINA[そろそろ寝る時間よ]

[あかん永眠してしまうw]

[保護者かな?]

[保護者は命を狩りに行かないんよ]

ミチガエル[が、がんばって!]

 

「戦えないって?できらぁ!対戦よろしくぅ!」

 

 

「……あっ。」

 

「や、やああああああ!!!対戦ありがとうございましたー!!!」

 

まけました

 

【コメント】

[清々しいくらいに負けたな]

[心なしか白く見える]

[元から白い定期]

HINA[対戦ありがとうございました寝ろ]

[容赦ねぇw]

桐藤ナギサ[初めまして。この方の配信を見るのは初めてなのですが、いつもこんなご様子なのでしょうか?]

[トリニティの人っぽい名前の人いるけど本人なんか?]

[この人のゲーム配信はだいたいこんな感じよ]

桐藤ナギサ[そうなのですね。参考になります。]

 

「ナギサさんいらっしゃい、HINAちゃんに怒られたからもう配信終わるけど、良かったらまた見にきてね。じゃあ、またねー」

 

【コメント】

[おつー]

[乙]

[オツカーレ]

 

桐藤ナギサ……トリニティの本人じゃないだろうな?

 

このあと連絡先を交換してたナギサからモモトークで「配信お疲れ様です」とのお言葉をいただいた。

いやネットリテラシー!!!

 

 

────── ────── ──────

 

 

「さて」

 

目の前にあるのはカプセルとそれを嵌め込むためのベルトである。

 

ヒナちゃんが3年生になって少し経ち、『エデン条約』も形になってきている。

 

そろそろトリニティ総合学園の生徒会的組織、『ティーパーティー』のホストたる百合園セイアが襲撃に遭い死亡扱いの失踪をするはずだ。

そうなると通常の連絡手段が取れず、彼女の世話をしている救護騎士団の蒼森ミネ経由か、セイアの予知夢を利用した夢の世界での会合でしか連絡が取れなくなる。

 

そこで俺は夢に関する力を持つベルト、ゼッツドライバーに目をつけた。

このベルトを身に付けて寝ることでセイアの夢に入ろうという魂胆だ。

 

不法侵入?夢に権利はないので問題ありません。

 

何はともあれ、俺はブルアカ本編には存在しないイレギュラーな存在だから、変に思った向こうから夢で連絡してくる可能性はあるが、来ない可能性もある。

それで報連相ができずにエデン条約に支障をきたしても嫌なので、このベルトを創った。

 

しかし疲れた……

今日は早く眠れそうだ。

 

そんじゃベルトを付けて

おやすみー

 

 

────── ────── ──────

 

「キキキッ……」

 

 

 




心を上手に開けないのは誰も同じ。
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