神に手が届くその時まで   作:なかりょた

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自分でイメージしているものを小説にするとものすごく短くなります。もっと長く書けるように頑張ります。


報復戦

「夜卜、私を使って」

 

「・・・・ああ、わかってる」

 

そういって、緋色は刀に吸い込まれていった。その光景を見るだけで、少し気分が悪くなる。

 

「大丈夫、ちゃんといるから」

 

頭に直接声が届いてくる。呪いの気配がさっきから近づいてきている。

 

「―来る」

 

目の前の壁が破られて、白煙の中から呪霊が出てくる。呪霊。緋色を殺したあの呪霊。

 

「・・は」

 

息が漏れる

 

「夜卜」

 

「逃げる?」

 

そんなの、答えは決まっている。

 

「・・逃げるわけねぇだろ」

 

「そう」

 

呪霊が動きだす。速い。目で追いきれない。

けど―

 

「振って」

 

その声で刀を振る。体を無理やり動かす。二度と緋色を失わないために。

刀を振る。さっきとは比べ物にならないスピードで体が動く。こんなことできないはずだった。

 

だが、戦闘技術はついてこない。

 

「っ!」

 

浅い。距離感がつかめていない。

 

「私がサポートする。今は刀を振ることに集中して。」

 

緋色がそういうと、刀の長さや厚さが水のように変わる。

 

「は?」

 

「いいから、集中して」

 

いける。呪霊に勝てる。さっきまで手も足も出なかった相手に。でもそれは本当に俺の力なのか?俺はまた緋色に頼りっきりなのか?

 

「っ!夜卜、ぼおっとしてないで避けて!」

 

呪霊の攻撃を避ける。覚悟を決める。今まで以上に強くならないと、緋色には並べない。頼りっきりではいられない。

 

踏み込む。呪力を乗せて、刀を振る。今度は自分の意志で、勝利をつかむ。

瞬間、黒い火花が散る。世界が止まって見える。目の前の呪霊を怒りに任せて、切り付ける。呪霊が崩れ落ちて、静寂が訪れる。夜卜の呼吸だけが響いていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「勝ったのか?」

 

「うん」

 

彼が息を切らしながら話しかけてくる。私もすぐに答える。正直、まだ死んだという実感がない。夜卜に最初あった時は緊張してて可愛い子だなとしか思っていなかった。でも、一緒にすごしたり、任務をこなしていくうちにいつか友情以外の何かを彼に向けていた。その感情の名前はまだいらない。今はいらない感情だから。

 

なんで私が生きているのかは私もわからない。でも多分、夜卜の術式なんだと思う。私の術式に蘇生できる要素なんてないし。彼は私をこんな状態にしたことを悔やんでいたけど、わたしはむしろ今の方がつながりが強くて安心する。こんな思いはダメなのかな?彼は罪悪感からか、無意識に私を拒絶している。少しかなしいな。ともかく、今はこの状況からぬけ出さなくてはいけない。まだ呪力の反応が多数残っている。まだ安心できない。




慣れない他者視点なんてやるもんじゃないですね。
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