(あーあー。ポティマスの野郎が逃げないようにと立ててきた対策、ほとんど意味ねーじゃん)
アリエルはタイプΩ…ギュリエディストディエスを殺すためにと開発されたポティマスの最終兵器を相手に苦戦する演技に興じていた。
いや、普通に苦戦自体はしている。そこからあえて『決定打を打とうとしていない』だけで、膠着状態のまま場を保たせているのだ。
周辺に充満する二酸化炭素はユーゴーが、アリエルが以前拝借したダイヤモンド球を加工して二酸化炭素を酸素と炭素に分解して酸素を供給する機構を備えてくれたので問題なし。
本来ならばステータスの影響を強制的に遮断する結界内で、魔術による擬似魔神法を持ってしか対抗できなかったタイプΩに生身のまま対抗している。当然ながら擬似魔神法も会得済みであり、それを使えば一瞬でケリがつく。
それもこれも、ユーゴーの持ってきたプランに書かれていたメニューをアリエルがポティマスを殺す確率を1%でも上げるために死に物狂いで取り組んだ成果である。おかげでシステム外の基盤や魂の容量も広がり、システムが崩壊したとしても余裕で耐え切れるほどになりそうだ。
タイプΩの攻撃は確かにアリエルの体を削りとり、激しい出血を強いているがそれはあくまでアリエルの身体から勢いよく血が吹き出しているだけに過ぎない。
見かけだけは派手だが、よくよく見れば大したダメージになっていないのはすぐに分かる。現に保有リソースの消耗は現時点で一割未満である。
(でも、アイツを確実に仕留められるなら無駄じゃないか。むしろラッキーって思っとこ)
結果としてそれらの大半はアリエルから完全に意識を逸らしているポティマス相手に意味をなしていなかったが、それでも気付かれる可能性を極限まで低くする価値はあるというもの。
そのままタイプΩと殴り合い続けていると、不自然な体勢でタイプΩが停止し、すっ転ぶ。あたかも制御機構が停止し、『燃料』はあるのに『動力部』が停止してしまったかのように。
(___来たね)
ステータス解除結界が停止したのを確認したアリエルは、そのまま念の為タイプΩに外道魔法の『破魂』を打ち込む。
そしてペンダントのダイヤモンドに導かれるように基地の内部を駆け抜けた。
◇ ◆ ◇ ◆
アリエルさんがタイプΩと激闘を繰り広げていた頃、ポティマスは一人研究室の中でダークダイヤモンドを映した映像を今だに齧り付くように見ていた。
だからこそだろうか?その背後に転移してきた俺に気付くそぶりすらないのは。加えて分体故に壊されても問題ないという事情もあるかもしれないが。
その姿からは底なしの技術への執着が窺え、それは彼の生への妄執にも似ていた。
奴の身体に触れ、魂の解析を行う。
___捕まえた。
こういう時はなんて言うのだったか。___いただきます、かな?
___きゅぽんっ。
間の抜けた音が研究室内に響き渡るような気がすると同時に、奴の体が崩れ落ちる。分体を操作できなくなったのだろう。
ポティマス___正確には奴の分体に触れた掌には、一つのピンポン玉のような球形の物体が鎮座し、その周囲をキラキラとしたカプセルが覆っていた。
終わってみると存外あっけないものである。アリエルさんへの対処ではなくダークダイヤモンドの観察のために『勤勉』スキルをフル稼働するとは思わなかったが、手間が省けて助かった。
俺は逆探知して得た本体の位置情報を、アリエルさんのアクセサリーと化したダイヤモンドへと送信。残る分体がいたとしても本体を介して一斉に仕留めてくれるだろう。
彼女の恨みは根深い。
本体を起点として分体を一体残らず消し飛ばすなど朝飯前のはずである。
◇ ◆ ◇ ◆
突如として分体への接続が途切れ、厳重に保護していた本体へと意識が強制的に戻されたポティマス。
(何だ?一体どういうことだ!?なぜ分体との接続が切れた!?何が起こっている!?)
突然の事態に動揺しながらも、頭脳は冷静に状況を解析する。高性能な頭脳はある仮説を弾き出し、すぐさま自分を『鑑定』する。そして気がついた。
___あまりに恐ろしい仮説が見事に的中していたことに。
(………ない、ない、ないないないどこにもない!!!わ、私の『勤勉』スキルがどこにもない!?何故!?まさか私以上の適合者が現れたとでもいうのか!?だが支配者スキルは保有者が生きている間に保有者を変えることできないはず___)
ボロボロの肉体故に思考することしかできず、声を出すことも代謝を行うこともできないポティマス。
そして真相に辿り着くにはポティマスの中である前提が邪魔をしていた。
ポティマスは技術の妄執の塊であり、独占欲の亡者でもある。『自分にできないことが他の人間にできるはずがない』という思考が脳の中枢にある。ダークダイヤモンドの件はポティマスにはない発想というだけであり、未知の技術ではなかった。
だからこそその前提が崩れたことには気づけないし、気づこうともしない。
そして困惑しきりなポティマスの元へ来訪者が現れる。扉を蹴破るようにして現れたのは、一人の少女。
「やぁやぁポティマス、ごきげんよう…なーんて、小洒落た挨拶は必要ないかな?」
アリエル。かつて自身が生み出した実験体の一人であり、今ではシステム内で最強の生命体となっている存在。うっすらとした笑みを貼り付けた表情は、文字通り手足をもがれたポティマスにとって死神のようなものとして映っていた。
だが奴は自身の最高傑作たるタイプΩに嬲り殺しにされている最中だったはず。…まさか倒したとでもいうのか?管理者に対抗するための作品たるタイプΩを??
ここにいるということは倒してきたのだろう。どれだけの代償を払ったのかは知らないが。
『ま、待て。待つんだ我が愛娘よ。話し合おうじゃないか、MAエネルギーを使っていた分は補填して___』
ポティマスの話を聞こうともせず、アリエルは拳を構える。
(よかった!深淵魔法によって転生すらできなくなる事態は避けられた!何故かは知らないがコイツは殴って私を殺そうとしている。そんなこともあろうかと受肉体を用意しておいて正解だった!!)
ポティマスは外道魔法や深淵魔法によって魂単位で破壊されることを警戒していたが、何を思ったのかアリエルは単なる物理攻撃で自分を仕留めようとしている。
それが何か裏があると察するには、今のポティマスはあまりに追い詰められすぎていた。
「___ごきげんよう」
酷薄な笑みから放たれた拳は、いとも容易くポティマスの本体に突き刺さる。
そして___
(なんだ?何ががががががががががががが_____)
殴られた本体の魂を起点として、すべての分体へ攻撃が波及する。
魂同士のつながりを辿り、同一の魂を持つ存在全てに攻撃を与える技___『魂魄共鳴攻撃』。
アリエルの優れた魂への感受性と外道魔法・深淵魔法の適性、および常軌を逸した基礎能力の全てが合わさって成立したこの攻撃は、対象に向ける感情の大きさによって効果が青天井に増幅するという面白い効果がある。
喜び、怒り、悲しみ、憎しみ…感情自体はなんでも良い。それらを
アリエルほどのポティマスへの憎悪を抱く者であれば宇宙のどこにいようが逃げられはしない。
こうして一つの命が根ごと摘み取られた。その最後はあまりに呆気なく、生への妄執に取り憑かれた者の末路としてはある種相応しいのかもしれなかった。
「………『第一関門突破』、ってとこかな?彼の口調を借りるなら」
そう呟くアリエルの瞳に浮かぶ感情は、言葉では到底言い表せないようなものだった。
「お勤めご苦労様でした」
アリエルの右斜め前の空間が小さく波打ち、現れたユーゴーが労いの言葉をかける。
「あんま気にしてないけど、首尾は?」
「つつがなく」
そう言ってユーゴーは一つの球体を見せる。正体を察したアリエルは小さく笑った。
「んじゃ、私の『謙譲』も回収しちゃってよ」
「構いませんが…よろしいので?」
「ポティマスに対する最後の保険のつもりで獲得しただけだしね。今となっちゃ不要だよ。…それに、君の方が厳重に保管してくれそうだしね?」
「過剰な期待恐れ入ります…では、失礼して」
ユーゴーはそっとアリエルの右手を取り、恭しくその手に触れた。その姿は側から見れば、パーティーのエスコートのようですらあった。
そして数秒ののち、アリエルの右手の甲から浮かび上がった球体をユーゴーは手早く透明なカプセルに封入する。
「では、お預かりします」
「随分と粋なことをするじゃないか。そのままエスコートしてくれてもいいんだよ?」
「お戯を。俺にそんな資格はありませんよ」
「クク、残念だ」
アリエルのイタズラっぽい笑みと冗談を、ユーゴーはさらりと受け流す。気にした様子もなくケラケラと笑っている分、本当にただの気まぐれだったのだろう。
「俺は別の場所に向かいます。ここはお任せしても?」
「いいよ。任された」
「それでは」
そしてユーゴーは転移し、アリエルは一人残された。
「……さて、アイツの置き土産の『整理』をしないとね」
___どんな悍ましい研究をしていたのやら。
そう呟きながら、ポティマスの研究成果の『整理』を始めるべくアリエルは歩き出した。
◇ ◆ ◇ ◆
場所は変わってエルフの里の一角。そこではスーとシュンたちとの戦いが繰り広げられていた。
…それは戦いと呼べるほど高尚なものではなく、どちらかといえば『嵐が過ぎ去るのを待っている』という比喩の方が近いような有様ではあったが。
「___シィッ!!」
スーの短い裂帛の声にて繰り出される一太刀が、正確無比にフィリメスの脳天へと振り下ろされる。剣が冷気と暗黒を帯びていることからも、斬撃に加えて特殊な効果を持っているのは間違いない。
ステータスに換算して5万ほどもある速度と攻撃から繰り出される斬撃は容易くフィリメスを脳天から股にかけて叩き切った…と、思われた。
___ギィン!
___パリンッ!!
「がっ……!!」
「……チッ」
凶刃がフィリメスを襲う寸前、何かにぶつかったように剣が一時的に減速し、それに乗じてフィリメスは距離を取る。
そしてガラスが砕けたような音と共に剣が再び自由となり、フィリメスの胴を深く切り裂く。
急所を斬られるも、剣に纏った冷気や闇による二次被害は発生せず、
「『慈愛』発動!!」
___その直後、即座に蘇生した。
シュンの保有する支配者スキルの一つ、『慈愛』による能力である。
「……鬱陶しいですね、本当に」
「さっさと諦めて、通してくれると助かるのですがー?」
「それをするくらいなら全員を殺して私も死にます」
『ホント、イヤな方向に覚悟決まってるわねぇ…!』
背後からブレスを撃つフェイにも先読みするかのように回避し、同時に暗黒を纏わせた剣を振りかぶって一閃。
聖龍へと進化したものの闇耐性では防ぎきれず、深々と切り裂かれるフェイ。だが龍特有の耐久力で致命傷には至らず、すかさずフィリメスの回復とカティアの結界が作動したことでことなきを得た。
スーは開戦以降、終始四人を圧倒していた。
考えてみれば当然の話で、基礎ステータスが桁違いな上にスーはシュンたちと比べて強化手段の数と質が段違いなのだ。更には自動回復系スキルや消費緩和系スキルのレベルだって最高峰まで上がっている。
結果として魔神法や闘神法、龍力や龍結界などの強化、その他属性付与などの搦手手段をフルで使っても、リソースの回復が消費を上回る状態となっていた。
本来ならば足枷となるはずの消耗が無視できることで、長期戦にも対応可能なスー。然るに、この戦いは短期戦でも長期戦でもスーの勝利は揺るがない…はずだった。
「ぁぇっ………」
突然カティアの体が一瞬硬直し、結界の展開が遅れる。スーの支配者スキル『色欲』によるものだ。
本来であれば支配者スキルを有するカティアに『色欲』による催眠、魅了、洗脳は極めて効き悪い。それはフィリメスやシュンも同様であり、フェイは龍の特性につきそもそもの抵抗力が高い。『色欲』による完全支配はスーをもってしても不可能に近かった。
しかし、スーは『色欲』スキルの効果時間を極めて短時間に限定し、かつ効果を行動停止のみにすることで、それらの抵抗を素通りして通すことに成功した。いわば、短時間の強制ディレイを起こして事故を誘発していた。
それは一秒にも満たないごく僅かな時間だったが、この戦いにおいては致命的な隙であった。
「___シャァッ!!」
そんな大きすぎる隙をスーが見逃すはずもなく。頭から真っ二つにカティアは叩き斬られる。
「っ、カティアちゃ__」
「シィッ、ハァッ!!」
防御担当を崩されたことで焦ったフィリメスもまた、スーの斬撃で首を刎ねられた。
念入りに頭部を砕いておこうとスーは宙を舞うフィリメスの頭部に手を伸ばすが、何かに勘付いたように飛び退く。一拍遅れてスーのいた位置を真っ白で巨大な光線が通過した。
スーは忌々しげに下手人であるフェイを睨みつける。その視線の先にいたのは、先程まではなかった形状の翼が生え、飛龍のような姿へと変身しているフェイ。
(あの状態のトカゲのブレスは、無防備に受けると流石にまずい…生まれたままの姿を兄様に見せるのに躊躇いはありませんが、それ以外の人間に晒す趣味などありません)
ブレスに属性を複数混ぜている影響か、それはスーの無効化をある程度すり抜けてしまう。なまじ威力も高いのであえて受ける選択肢はスーにはなかった。
そうでなくとも衣服がボロボロになってしまう。露出趣味などないスーには回避一択であった。
連発はできないようですぐさま元の姿に戻るフェイ。そしてそのすぐ後ろではシュンによってカティアとフィリメスが復活させられていた。
「『慈愛』!『慈愛』!!」
ギリギリ蘇生できるラインにいたようで、何事もなく復活した二人。スーは思わず泣きそうな声でシュンに懇願する。
「兄様…お願いですから『慈愛』を使わないでくださいませ…!!」
「使わないとフェイやカティアや先生が死んでしまうだろう!スーの方こそ今すぐこんな戦いやめるんだ!お前は何にも悪くない!戦う必要なんてないはずなんだ!」
「イヤです!兄様の周りに集るコバエを一匹残らず殺し尽くすまで止まりません!!」
「なら、俺もみんなを蘇生させ続けるだけだ!!」
「っ………!」
スーはシュン以外のメンバーを
だが、その度にシュンは『慈愛』をすかさず発動してメンバーを蘇生させる。
あたかもゲームの蘇生呪文のように安易な気持ちで連発するシュンは代償のことを知らないのか、はたまた知った上で連発しているのか…。
『慈愛』による蘇生にはいくつか制限があり、その一つに『対象の死体の損壊率が一定以下』という制限があるのはスーも事前にユーゴーから聞かされている。
得体の知れない存在だがその情報だけは確かなため、スーはユーゴーは信用せずとも情報は利用していた。
だからこそ、より死体の損壊が激しくなるようあえて惨たらしい殺し方をしているのだが、目ざとく気づいたフィリメスの指示によりシュンたちはなんとしてでも『死ぬ際は死体の損壊を抑えた状態で死ぬ』ことに専念した。
カティアの『純潔』による結界、フィリメスの『救恤』によるHP超速回復付与、フェイの素の耐久力。これらを駆使することで、勝てはせずとも『死体を綺麗な状態』で保つことを可能としていた。
その状態で死ねば必ずシュンが蘇らせてくれるというある種の信頼によって築かれた作戦…といえば聞こえはいいが、倫理や恐怖を度外視したゾンビ戦術である。
更には『慈愛』を発動した際の代償たる『「禁忌」スキルレベルの上昇』や『神性領域の消費』はスーは知っているため、是が非でもシュンに使わせたくなかったのだ。
一方でシュンたちはフィリメスくらいしか具体的な代償を知らない。それも、知っているのは『慈悲』の代償のみ。フィリメスは『慈愛』を『慈悲』のマイナーチェンジくらいにしか捉えておらず、禁忌スキルのレベル上昇は必要経費として割り切っていた。
『慈悲』の蘇生可能な条件は身体の9割以上が現存し、かつ脳と心臓が無事である必要があるが、『慈愛』の蘇生には身体が2/3以上現存しているだけでよい。時間の制約も無くなり、使いやすくなった分だけ代償はさらに大きくなっているのだ。
スーはシュンを手に入れたいのであって、殺してしまうわけにはいかないためにせっかくの自身の利点が完全に打ち消されている。
対するシュンはスーを『悪』として認定することができず、『正義』を発動させられずに決定打を打てないままジリ貧に陥っている。
ユーゴーが予想した通り、この状況はスーの歪んだ愛とシュンの歪んだ認知によって引き起こされた膠着状態なのだ。
シュンは先の3回を含めて既に8回も『慈愛』による蘇生を行っており、禁忌はLV8まで上昇している。LV10となってしまうと強制的に知識を流し込まれてしまい、須く発狂してしまう。
そうなってしまえばもうシュンたちに勝ち目はない。しかし同時にスーも完全勝利条件を満たせなくなってしまう。
どちらも戦略的敗北へと向かっている緩やかな停滞こそ、この戦いが陥っている状況なのだ。
全員が次の一手を考える束の間の空白の時間が訪れる。四人と一体の動きが完全に止まり、相手の出方を伺うかのような静寂。
誰か一人が動き出そうとした。
だが、それより早くその静寂を打ち破る者が現れた。
___ズドォン!!!!
スーとシュンたちのちょうど中間地帯に何かが着弾する。
それはスーの時と同じであり、またもや新手が現れたのかとより警戒を強めるシュンたち。
その警戒はある意味で正しく、ある意味で間違っていた。
___グルォォォォォォン!!!!
砂煙が晴れて現れたのは、周囲に結界を張るべく展開されていた結晶兵器と全く同じ結晶兵器。
そして咆哮を上げ牙を剥き出しにしながら結晶兵器を完全に組み伏せている地龍の姿だった。
「は…?ちょ、なんでダークダイヤモンドが…?それ以前にコイツは一体なんなのですか…!?」
突然のことに困惑するスーの反応からして、どうやらスーの側の加勢というわけではないらしい。
結晶兵器はなんとか押し返そうとしているが、まるで身動きが取れていない。押さえつけている地龍の方が圧倒的に力が強いのだろう。
さらにシュンはその地龍の姿にどこか既視感があった。
(……この威圧感…まさか、この地龍は……!)
思わず鑑定をしてしまったシュン。ところ構わず鑑定をするなというバスガスの教えは今日も息をしていなかったらしい。
そしてその好奇心が招いた結果とは___
=====
地龍バアラ LV89
HP:65535/65535(緑)
MP:62230/62230(青)
SP:64057/64057(黄)
:64088/64088(赤)
平均攻撃能力:63215
平均防御能力:63048
平均魔法能力:62217
平均抵抗能力:62009
平均速度能力:63195
《スキル》
「地龍LV10」「神鱗LV10」「重剛甲殻LV10」「神鋼体LV10」「神龍結界LV10」「HP超速回復LV10」「MP超速回復LV10」「MP消費大緩和LV10」「魔力精密操作LV10」「魔神法LV10」「大魔力撃LV10」「SP超速回復LV10」「SP消費大緩和LV10」「闘神法LV10」「大気力撃LV10」「地裂攻撃LV10」「地裂強化LV10」「獄炎攻撃LV10」「獄炎強化LV10」「天雷攻撃LV10」「天雷強化LV10」「破壊大強化LV10」「斬撃大強化LV10」「貫通大強化LV10」「打撃大強化LV10」「空間機動LV10」「立体機動LV10」「命中LV10」「回避LV10」「確率大補正LV10」「思考超加速LV10」「演算領域拡張LV10」「並列思考LV10」「隠密LV10」「迷彩LV10」「探知LV10」「土魔法LV10」「大地魔法LV10」「地裂魔法LV10」「火魔法LV10」「火炎魔法LV10」「獄炎魔法LV10」「雷魔法LV10」「雷光魔法LV10」「天雷魔法LV10」「物理無効」「地裂無効」「獄炎無効」「天雷無効」「水流無効」「暴風無効」「氷結無効」「聖光無効」「闇無効」「状態異常無効」「腐蝕大耐性LV9」「苦痛無効」「痛覚無効」「外道無効」「気絶無効」「恐怖無効」「暗視LV10」「遠視LV10」「念話LV10」「五感領域拡張LV10」「五感大強化LV10」「天命LV10」「天魔LV10」「天動LV10」「富天LV10」「剛毅LV10」「城塞LV10」「天道LV10」「天守LV10」「韋駄天LV10」
スキルポイント:125700
=====
(________あ)
いつかのカグラと似た、圧倒的な絶望であった。バアラはシュンたちのことを一瞥しただけですぐに興味をなくし、結晶兵器を押さえつけたまま攻撃を開始したという違いはあるが。
しかも、成長したシュンたちですら全く敵わないと即座に理解するほどの圧倒的強者。
…否、もはや強者などという次元ではない。
天災だ。
強者などではなく、これは自然現象だ。
竜巻や津波に常人が素手で立ち向かってもどうにもならないように、立ち向かうこと自体が愚かなことだと理解するのには十分すぎた。
(だけど、このバアラはなんのために…?単なる仲間割れ…?いや、それにしてはスーが知らないのが不自然だ…)
武器は構えたままだが、視線は一度もバアラから外さず思考を巡らせるシュン。
もはや無意味であることなど承知で警戒する彼は、いっそのこと健気ですらあった。
だが、そんな空気を揺さぶる
「いつまで時間をかけるおつもりです?スーレシア殿下」
シュンたちの背後から突然発された声。
慌てて振り向いたそこには、あまりにも見慣れた姿があった。
「っ…ユーゴー…!!」
あの時と全く変わらない、ユーゴーの姿があった。
シュンの声に怒りが滲み、同時に本人にすら分からぬほど微かに喜悦が混じっていた。