なんというか、うん……閃軌Ⅲのシナリオブックあったらもうちょっと楽だったのかなとか思っていたりします(いやほんと
他の作品もあるのにオリジナル展開考えるの、正直きつい……
課題で討伐対象となっていた機械のような魔獣を発見したルオンたちは、得物を構え、魔獣へと向かっていった。
機械魔獣はルオンたちの接近に気付くと、キリキリ、と音を立てながら襲いかかってきた。
五人は、ガイウスとラウラ、ルオンが前衛、アリサとエリオットが後衛という布陣を敷き、応戦した。
だが、見た目通り機械のように固い装甲に、前衛の三人は苦戦を強いられていた。
「くっ!やはり固い!!」
「ちぃっ!これ鉄か、ほんとに!!」
「斬れぬほどではないがやはり苦戦するな」
三人の名誉のために擁護すると、三人の実力が低いわけではない。
が、予想以上に固い表皮が、三人の攻撃を阻んでいるのだ。
あと一歩。ほんの一歩だけ膂力が足りない。
三人がそう思った瞬間だった。
「ARCUS駆動!―-」
「みんな、頑張って!!」
エリオットの導力魔法とアリサのクラフトによる援護があった。
導力魔法の効力で体に力があふれだし、アリサのクラフトが三人の受けた傷を徐々に癒し始めた。
二人の援護に感謝しつつ、ルオンたちは再び機械魔獣に斬りかかった。
導力魔法による支援のおかげで、最初の一撃よりも重く、鋭い一撃を機械魔獣に加えることができたが、ここでもう一つの問題が浮上してきた。
機械というのは、生き物と違い感情を持たず、予め入力されている決められた内容とパターンで動くものだ。
そして何より、感情を持たない。
故に、傷つけることや壊すことに一切にためらいがなく、自身もまた痛みを感じないため、痛覚から隙が生じるということもない。
「足の関節部分を狙って機動力をそぐぞ!」
「ガイウス、ラウラに続いてくれ!俺は援護に回る!!」
「心得た!」
ラウラの提案に、ルオンは自分よりも膂力があるガイウスに前衛へ立ってもらうことを選び、エリオットとアリサとともに援護に回ることにした。
剣術の腕前こそ、ラウラに迫るものがあるルオンだが、直接指導を受けていた時間よりもエマとともにローゼリアから魔術の指導を受けていた時間が長いため、どちらかといえば、剣術よりも魔術の方が得意なのだ。
特に、炎の力を操ることに長けたエマとは反対に、支援に長けた術の扱いに。
「韋駄天よ、その加護を彼らに!!」
長脇差を鞘に納め、ルオンは指を複雑にからめながらそう叫んだ瞬間、ラウラとガイウスの周囲を翠に輝く風が囲んだ。
同時に、ガイウスとラウラは体が軽くなっていくのを感じた。
そこに加えて、効果が切れかけていた導力魔法による支援が重ね掛けされ、前衛二人はペースを乱すことなく、機械魔獣を攻め続けることが出来た。
そしてついに。
「砕け散れっ!!」
「そこだっ!!」
二人の同時攻撃で機械魔獣の体の各所から黒い煙と火花が飛び散り、動かなくなった。
どうやら、機能停止まで持ち込めたようだ。
機械魔獣が完全に動かなくなったことを確認すると、全員が武器を納めた。
「こ、これでもう大丈夫、なんだよね?」
「えぇ。機能停止しているはずよ……これが機械だったら、だけども」
後方で控えていたエリオットとアリサは不安そうにしながら、黒煙を上げている機械魔獣へと近づいていった。
すでに、ラウラとガイウス、ルオンの三人が検分を行っていたが、襲いかかってくる様子がないため、完全に機能を停止しているということはわかった。
「見れば見るほど、面妖な……」
「帝国にはこのような魔獣もいるのか?」
「んなわけないだろ……てか、俺だって初めて見るぞ、こんなの」
ガイウスの言葉に、がしがしと頭を搔きむしりながらルオンが返し、無駄とはわかっていてもどこかに製造メーカーなどのロゴのようなものがないか確認していた。
だが、案の定、そういったものは刻印されておらず、どこのメーカーのものかはまったくわからなかった。
もっとも、ルオン自身はそもそも期待していなかったらしく、そうだろうな、と小さくつぶやきため息をついた。
「しっかし、これどうしたもんかな……セキュリティ用の機械人形だとしても、この戦力はやりすぎだろ……」
「そうね。ロケットランチャーに機関銃、閃光弾、それに導力魔法も通さないほどの特殊装甲なんて」
「……ね、ねぇ、もしかしてだけどこの機械魔獣、軍が秘密裏に製造したもの、なんてことないよね?」
「この戦力だ、考えられなくはないが……」
「そもそも、これ一体で町を半壊できるほどの戦力だ。軍がそのようなものを野放しにするとは思えんが」
そもそもそれほどの戦力を有している兵器、それも自律型ならば共和国との戦争を想定して製造された可能性もなくはない。
そんな兵器を暴走させた挙句、士官学院生とはいえ、学生に処理させるようなことをするだろうか。
わからないことばかりで、全員、頭をかかえたくなってしまったが、これ以上のことはわからないということに変わりはない。
「……なぁ、これ以上、考えても答えは出ないんだから、軍に報告だけしておこうぜ?」
「それもそうね」
「なら、屯所に行こうか」
「たしか、この街道を少し行ったところに要塞があったと思うが……」
「ならばそこまで向かうか」
そう話す一行であったが、その足取りは思いのほか重かった。
それもそのはず。
いくら最初の特別実習と旧校舎の地下で慣れてきたとはいえ、実戦はまだまだ気が抜けないし、何より、実技テストで使用される戦術殻とはまた異なる機械魔獣を相手にしたのだ。
精神的にも肉体的にも、そろそろ疲労が色を出し始める頃だった。
気力を振り絞り、軍の要塞にたどり着き、報告を行ったルオンたちだったが、報告をした軍人から、他言無用であることや軍事機密触れるといった注意をされなかった。
そのことに疑問を感じはしたが、監視がつかないのならば好都合とばかりに一路、セントアークへと戻っていった。