そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
ギィィィ
勢いよく回転した矢じりが、リョーマの体に刺さろうとした刹那、
『
ソーマの逆詠唱によって矢の回転の勢いはピタリと止まった。
「へっ、やっぱり、逆詠唱で止めれるっぽいな。フンッ」
ヒュン
「クッ、あと少しだったのによぉ。」
「どうする?追う?」
「やめておけ。今のおぬしらに勝てる相手じゃない。」
バルドはソーマ達の背後から霧を裂いて現れた。
「バルドさん!知ってるんですか、あの敵の正体!」
ソーマは目を丸くした。
「あぁ、アイツは金色の装魔じゃ。」
ソーマは丸めた目が収縮するのを感じた。
(金色の装魔、俺の肉体の元の主の兄、今戦ったのがそいつだったってのか!)
ソーマは唇を噛んだ、幸いリョーマに身を包んでいるため、そのことを知られることはなかったが、ソーマは恐れていた。
(もし、俺が金色の装魔の弟の肉体であることをフィーナ達が知れば、俺はどうなる?殺される?拷問にかけられる?もしくは.......どうなるかはわからないが、このことを話すのは今は得策ではない気がする。でも、いつかは語らなきゃいけない。他でもない俺の口から.......)
ソーマは決意を固めた。それに反応するかのように、彼の瞳孔は拡大し、それはバルドの目にも確かに映った。
「そういえば、フィーナさんは?」
リョーマは辺りを見渡す。
「ありゃ?先ほどまで、そこにいたんじゃが......うむ、はぐれたのぉ。」
バルドはそういうと、尻ポケットから魔方陣の描かれた手のひらサイズの羊皮紙を取り出し、額に押し当て、詠唱を詠んだ。
『
バルドの眉間に顔中のしわが集まる。
「霧の中でも、探せるのか?」
「そうっぽいね。」
ソーマ達のぼやきをスルーしながら、バルドは首を左右に揺らしフィーナの位置を特定し始める。
「ムムッ」
バルドの左右に振った首の動きが一時の方向で突如止まり、次はそのまま首をそのまま前に突き出した。
『
静かに逆詠唱を口にしたバルドの顔は青ざめていた。
「どうしたんだよ。バルドさん!顔色わりぃぜ。」
「おっ、落ち着いて聞いてくれ。」
バルドはソーマ達を見下ろしながら、次のように告げた。
「フィーナが攫われた。」
そして、そのフィーナはというと宙に浮いた青緑色の無数の腕に担がれながら気を失っていた。
「ヒヒッ、こいつはとんでもない収穫だぁ。何せ、あの家族のほぼ唯一の生き残りだからな。いやぁ、あひゃひゃ、正確には違うかぁ。だって、みんな生きてるんだもんなぁ。アイツの肉体として。あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
その腕を操る、両腕の無い男の高笑いが霧の森に響いた。