そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
第二十一話 艙魔
「あんた達、そこまでッ!!」
フィーナは両腕を
「ぐぬぬぬ」
「ふぬぬぬ」
少年と
「何だか、仲良さそうじゃのぉ~」
二人は息ぴったりにバルドを血走った目の中におさめる。
「「何処がだよ!?」」
「ガハハハ」
「フフッ......って、その顔、もしかして......」
少年はフィーナから顔を背けた。
「知ってるのか?こいつ?」
ソーマは生意気に少年を指さす。
「知ってる。もちろん、だって弟だから。」
「「えっ!!」」
「に、似てるなぁとは思ってたけど、マジか!?」
フィーナが少年に歩み寄る。
「ルード......よね?」
フィーナの顔を疑念と確信の矛盾した二つの感情が入り乱れる。
「......し、知らない。そんな名前」
少年は顔を背けたまま、弱々しく答えた。
スゥ~
「ヘルセルス家、家訓第三条!!」
フィーナの後ろにいたソーマ達の耳を揺らすほどの大声を森に轟かせる。
「......偽を捨て、義を成す。」
ルードが溜息を吐くように呟くと、フィーナは彼を力いっぱい抱きしめる。彼女の震える肩を見て、ソーマ達は再開の余韻に浸る二人から少し離れ、雑談を始める。
「そういや、バルドさん、これ。」
ソーマはバルドに魔法陣を渡す。
「これは、ワシの
バルドの声に反応し、ピカリと魔法陣が光る。
「
バルドは隻腕で重い頭を抱え、リスほどの小動物なら余裕で吹き飛ばすほど、大きく長いため息をついた。
「ちなみに、どう使ったんじゃ?」
興味本位でバルドは質問する。
「俺、鎧の重さでボートと一緒に沈んだじゃないっスか。あの後、纏う鎧の量を浮力と釣り合うように調節して、水面に波紋ができるほどは浮かばず、かといって、湖底に沈まない位置で、この魔方陣を使って、アイツ......ルードの位置を特定して、そこに向かってボートの船底に溜まっていた空気を頼りに水を蹴って進んでいったって訳っスよ......」
ポン
「ん?」
自慢げに語るソーマの肩を目を充血させたルードは未だすすり泣くフィーナに背を向け、軽く叩く。
「おい......話がしたい、ついて来て欲しい。」
ソーマは顔を強張らせ、聞く。
「何処に?」
ルードは少し間をおいて答えた。
「......僕らのアジト」
ソーマはこの時のルードの瞳から先ほどまで自分に向けられていた殺意が完全に消え失せていたことを感じ、サムズアップと笑顔をセットにして、応える。
「無論、いいぜ。」
その言葉を聞いたルードは、先ほどまでのしかめっ面から、何処か安心したように頬を緩ませ、軽くソーマに向けて頭を下げた。