そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
「かつて、王都で未曾有の内戦があり、当時、エルフ、特に僕らのような純血のエルフは優先的に疎開させられた......」
当時を懐かしむ様な様子で話すルードと対照的に、ソーマは内戦という言葉に辟易する。
「それは、種の保存という大義を掲げた保守派の指示のもと行われ、僕らは王都から遠く離れた村に住むことになった......当時は、僕も子どもだったから引っ越したぐらいの感覚で、内戦の様子とかそこら辺の詳しいことはわからない......」
ソーマはエルフがいつ成人するのか気にはなったが、話の腰を折りそうな気がして、そっと、喉の奥に疑問を押し込んだ。
「でも、保守派の狙いは種の保存だけではなかった。エルフは魔法陣を作る才能が他の種族に比べて秀でている。だから、疎開先の村には定期的に保守派の役人が王都で武器として使う魔方陣を調達しに来ていたんだ......」
ソーマは欠伸を堪え、首をさすった。
「そして、そのことを嗅ぎつけた改革派のトップ、金色の装魔は僕ら、エルフを見つけ次第殺していった。逃げる間もなく、奴の魔の手が、僕ら家族を襲った。」
ソーマは首を傾げる。
「『じゃぁ、なんで、フィーナさんとルードが生きてるんだ?』とでも言いたげな顔だね......」
ソーマはルードに言い当てられ、ムッとするが、ルードは気にせず話を続ける。
「その日、姉さんはバルドさんと狩りに行っていたから助かったらしいけど......一方の、僕は一度金色の装魔によって殺され、金色の装魔の手によって蘇った。」
ソーマの頭上に?マークが浮かぶ。
「金色の装魔がお前を生き返らせたのか?どうして?どうやって?」
「わからない......だが、この左腕はその時に移植されたものだ。そして、混乱する僕に彼はこういったんだ......」
ソーマは固唾を音を立てて飲み込む。
「私のもとに黒鉄の装魔の遺体を持って来い、さすればお前の母と父は再び息を吹き返す......って」
「それで、俺をつけ狙ってたってことか。なるほど、お前の攻撃が俺しか狙ってなかった理由がようやくわかったぜ......でも、いいのか?金色の装魔を裏切るような真似をして?」
ソーマの心配そうな表情に、ルードは思わず吹き出す。
「フッ、可笑しなことを聞くなぁ......金色の装魔は母さんと父さんを殺した仇だ。母さんと父さんを生き返らせたからと言って、それがチャラになるわけじゃない。姉さんと合流し次第、寝返る気ではあったさ。ただ、君のおかげで少し予定はズレたけどね。」
ルードは悪戯っぽく笑う。
「さぁ、今日は遅いし、もう寝るとしよう。」
ルードはソーマにカギを投げつける。
「今日、君が寝る部屋の鍵だ。あぁ、大丈夫、僕は君の寝首を掻く真似はしないよ。神に誓ってね......じゃ、おやすみ。」
ルードは颯爽と談話室を去り、談話室の隣の彼自身の部屋に入っていった。
その後、ソーマはリョーマを連れ、若干警戒しつつ、几帳面に片づけられた自身の部屋に入った。
「なぁ、ルードの話、信じるのか?」
リョーマはドアの前で、自身の
「俺は信じるよ。筋は通ってるし、嘘をついているような素振りもなかった。何より、彼が今更嘘をつく理由なんてないはずだ。」
ソーマはベッドの上で深く考え込む。
「そうか......」
リョーマは深く頷いた。
「まぁ、今考えたって答えは見えないさ。なにせ、何故ルードが生き返ったのか、王都の内戦とは何なのか?といった部分の情報が足りない。ふわぁ、一先ずは寝て、それから考えよう。」
「そうだね......おやすみ」
「あぁ、おやす~」
ソーマはそのまま気絶したように深く眠りについた。
しかし、リョーマは眠れない。そう、鎧は眠らない。
「俺は、俺は......」
心地よさそうに寝息をたてるソーマの横で、リョーマは深くため息をつく。
何も感じられない、この辛さを自分の親友すら理解することができない。その孤独感を抱えながら、リョーマはまた長く苦しい夜を越えた。