そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
ソーマの朝は早い。誰より早く窓を開け、昇り行く太陽の光を浴びる。
「ふわぁ、久しぶりに朝練するかぁ。最近できてなかったし。」
ソーマは自身のいる部屋から地面を見下ろし、ルートを考える。
(入口前は木がほとんどないが、この洋館の周りは木や霧で覆われている。迷子になると厄介だな。しょうがない、入り口付近をグルグルと周回するしか......)
「ん?あっ、あいつはッ......」
ソーマは木の影からのっそりと細身の腕無しピエロが近づく姿を確認する。
「あぁぁぁぁ、お前は道魔ッ!!」
ソーマは思わず指までさして、大声を上げる。
「えっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ、お前はぁぁ」
道魔は彼の頭上で浮く、大量の青緑色のごつく硬そうな「腕」でソーマを指さす。
パチン
ソーマは喜色満面の顔で指を鳴らす。
「ナイスリアクション............って、こんなことやってる場合じゃなくて、そう、『
絶妙に眠気が抜けきらないソーマの体に
(思えば、俺ずっと戦ってね?............ま、いっか)
「ソーマ、あいつ......道魔ってさ、一回倒さなかった?大木の下敷きにして.......」
「あぁ、そのはずだが......」
ソーマ達は窓辺で悶々としながら、立ち尽くす。
「おい、降りてこんかぁ、黒鉄ぇ。俺っちが、あの程度で死ぬ訳ねぇだろ。次こそは、俺っちの本気をお見舞いしてやらぁ。アヒャヒャヒャ」
道魔は「腕」で、目にもとまらぬ速度のジャブを虚空に向かって繰り返す。
「準備運動完了。さぁ、さっさと降りてくるんだな。さもなくば......」
道魔の目が血走る。
「わかった、わかった。今行く。」
「アヒャヒャ、馬鹿め。空は宙を舞う我が剛腕の主戦場だ。散れ、『
道魔は「腕」を音より速く感じられるほど素早い速度で滞空するソーマに飛ばす。
(速ッ)
ソーマは腰を折ることで、身を翻し、「腕」を紙一重で避ける。
(奴の言う通り、空中戦はこっちが不利だな。どうにかして、地上戦に......)
ガシッ
「腕」が
(ヤッバ......)
「腕」はそのまま棍棒を振り下ろすように、地面に
ドシャッ
硬い鎧が地面をこすり、中に入っているソーマは鎧の中を右へ、左へ、上へ、斜め下へ、何度も叩きつけられる。
『
「グガッ」
「......りがと......な」
ソーマは息絶え絶えに呟く。
「あ?なんて?」
道魔は耳をそばだてる。
「ありがとうな......」
ソーマは鎧の下で顔を自身の血で濡らしながら、満面の笑みを浮かべる。
「は?」
道魔は訳が分からず、口をあんぐり開け、ソーマは構わず口を動かし続ける。
「だ~か~ら~、感謝してるんだぜ。俺を地面に叩きつけてくれたおかげで、お前は得意な空中戦を捨てる羽目になった。これで、お前を思う存分......叩ける。」
ソーマの口角が天を突くほど高く上がった。