そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
「アヒャヒャ、頭でも打ったか?準中級装魔である俺っちに、深手を負った状態で勝てると踏むとは、片腹痛い。」
道魔はブンブンとまたもジャブを虚空に繰り出す。
「その虚勢、殴り潰す。」
「腕」は徐々に加速する。
「さぁ、『
道魔の叫びと同時にパッと「腕」は消え、地面が瞬く間に抉れ、瞬きする間もなく、
ドドドドド
「......ウゥ、何じゃ?何が起こったんじゃ?」
「へへっ、すまねぇっす。くぅ、結構......痛手だぁ、寝起きでやるバトルじゃねぇぞ、これ。」
ドタドタ、バコッ
ルードはトイレのドアを蹴破り、下を脱いだバルドの上に倒れこむ
「......何か......あったようだね。」
ルードは素早く
「ありがとう。ルード......フィーナさんは?」
ソーマは未だ少し暗いアジトの廊下を見渡す。
「姉さんなら、今、水浴びしてる......」
「わかった。ルード、お前は裏口からフィーナさんのところに行って、彼女を守ってくれ。バルドさん、あんたは一緒に来てくれないっスか?あっ、下は履かないでくだせぇ。」
「?......どういう事じゃ?」
「姉さんの件は、了解した......」
ソーマの指示に、下半身を露出させたバルドは頭上に疑問符を浮かべ、対照的にルードはその様子を気にすることなく颯爽と裏口から飛び出していった。
「大丈夫っス、これも作戦の一つッスよ、バルドさん。名付けて、フルチン作戦」
「正気じゃないのぉ。」
「でも、”勝機”はあるッス。『
ソーマはリョーマの頭部パーツをバルドの頭にかぶせる。
(これで、リョーマの声を通して、あんたに指示を出せるッス。指示通り頼んますよ。)
ソーマはそのままキッチンの奥側の壁に接して置かれたなんの変哲もない木箱の中に隠れ、まるで、背景のように、場に溶け込んだ。
「全くじゃ。」
バルドはポリポリと頭を掻いた。
――その瞬間
バキバキと音を立て、正面玄関のドアが三本の宙を舞う「腕」によって突き破られ、バルドはその「腕」の内一本に狙いを定め、右手の平を突き出す。
「くっ、やればいいんじゃろ!『
バンッ
バルドは「腕」のうち、一本を撃ち落とし、アジトに二個目の大きな風穴を開けた。
「これでいいのか?」
疑問符が頭から離れないバルドの眼中に、眩い朝の光を放つ風穴の奥から、道魔が引き攣った笑顔で段々と近づき、その姿を現す。
「なんだ、お前?」
道魔は目の前にいる黒鉄の鎧の頭部を被り、下半身を露出させた大男の存在に極めて動揺していた。
「お前こそ、誰じゃ?名乗らぬのなら......」
(ま、マズイ、さっき、あの右手からの攻撃で、一本、「腕」をお釈迦にされた。あの威力をまともに喰らえば命はない!)
咄嗟に、右手の平を突き出すバルドに相対する道魔は正面へのガードを固めた。
だが、それは悪手であった。
「おはようさん」
道魔の背後には既に
「なっ!」
ベキッ
道魔の顎に
「バルドさんのショットでキッチンの外壁を木箱越しに破る音を消して、俺が外から回り込む間、バルドさんをあえてフルチンにすることで相手の狙いを集中させる作戦。略して、フルチン作戦成功だッ!」
「最悪のネーミングセンスじゃのぉ。」
呆れ切った表情のバルドは、ため息を吐き出すようにぼそりとつぶやいた。