そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
「フィーナさん?この赤インクと紙はどうすればいいっスか?」
「それは~、魔法陣描くのに使うから、鞄に入れといて。」
「ホイホーイ」
ガサガサ
「あのぉ~」
ガチャッ
「のぉ、フィーナ?この黒い外套はなんじゃ?」
「あぁ、それ王都の夜って結構寒いし、流石に今のままの格好だと、ソーマも凍えるんじゃないかなって思って、リスオオカミの巣を加工して作ったやつだから......一応、それも私の鞄に入れといて。」
「ん、了解じゃ。」
ガサガサ
「ちょっとぉ~」
ガチャッ
「姉さん、この桃色の......」
「あッ、それは私の勝負下着ッ!!鞄に入れて、早く!!」
「......わかった。」
ガサガサ
すぅー
「ちょっと、誰か、俺っちの縄解いてくれぇぇぇ!!」
オレンジ色の空の下、半壊したアジトの天井に亀甲縛りで、彼自身の魔導具と共に吊るされた道魔が、半泣きで叫んだ。
「「「......」」」
「......あっ、リョーマ、その薪木はこっち......」
「こら、無視すんじゃねぇ!」
ギロッ
フィーナは狩猟で鍛えた、飢えた狼より鋭い眼光で道魔を睨む。
「ひぃ、む、無視しないでくださいましませっ......」
道魔はまるで蛇を目の前にしたカエルのように、ジタバタと足をばたつかせる。
「なぁ、人の肉ってよぉ。良く燃える......らしいぜ。」
ソーマは火のついた松明片手に持ち、手を伸ばし道魔にちらつかせる。
「ひっ、すみませぇぇぇん」
「ちょっと、ソーマ、その辺にしなよ。フィーナさんも落ち着いて。」
リョーマは大きく手を広げ、二人の前に立ちふさがった。
「落ち着いてるわよ!!」
フィーナは頬を風船のようにプックリと膨らませる。
(行動が落ち着いてる人のそれじゃないんだよな......今の二人をこのままにしとくのは流石にマズイな......仕方ない。)
リョーマは自分の
「んぅ、んんんぅ。」
「二人とも、この状態でしばらく頭を冷やしといて。バルドさん、ルード君、フィーナさんとソーマを見張っといて。」
「うむ、了解じゃ。」
「......わかった。」
リョーマはもぞもぞと体を芋虫のように動かし抵抗する二人を頼れる方の二人に明け渡し、リョーマは吊るされた道魔の見下げる目線の先で腰を下ろす。
「あひゃ?」
「ふっ、君の名前、道魔だったっけな?君の拘束を解こう。」
「ん?んんんっ、んんんんん?んんんんん?」
遠くで珍しく大人しく黙っていたソーマが目を大きく開け、猿轡が外れんばかりに顎を小刻みに揺らし、何かを訴えていた。
「もちろん、君の拘束を解くには条件がある。」
リョーマは淡々と続ける。
「な、何かな?」
道魔は深く息を吸い、額に滴る脂汗を頭を振って取り除く、リョーマは彼が落ち着くまで少し間を置き、再び鎧の肉体を揺らし言葉を紡ぐ。
「装魔とは何か?あんたの知っていることを全て話してくれ。」
リョーマが自身の
「ま、まさか、貴様、装魔とは異なる意識を持つ魔導具なのか!な、なぜ、そんな、あり得ない......どうやったんだ!?」
「何故、どうやって、俺がこんな体になったのかは、俺にもわからない。でも、俺は、人間に戻りたい。そのために、知らなきゃならないんだ。装魔、ひいてはこの世界について、だから、お願いだ、教えてくれ、あんたの知ってることを全て......」
顔のない鎧は誰よりも感情豊かに語る。そして、その姿に感化された道化は口を開いた。
「わかった。俺っちの知ってる全てを教える。」