そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
道魔を解放したソーマ達は再び、王都に向けて霧の中を歩き出していた。
「道魔は東方の故郷へ帰るんだってさ。」
「へぇ、王都行った後、ちょっかいかけに行こうぜ。」
「私は、賛成!」
「ね、姉さん!?」
「はぁ、全く危機感ないのぉ。」
周囲が五里霧中であることを感じさせない軽快な足取りで5人は少しぬかるんだ地面の上に泥の乱反射を引き起こす。
(道魔の言ったとおり、金色の装魔が現国王の息子なら、そいつの弟である俺の肉体の主もそうなるよな?ということは、今王都じゃ、王子が一人不在って訳だ......どうしてだろう、ちょっと、嫌な予感がする。)
ソーマは足取りそのままに下唇を軽く噛んだ。
「そういえば、王都へは後どれぐらいッスか?」
フィーナはすかさず足を止め、右の尻ポケットから土台に魔法陣の描かれた薄型の羅針盤を取り出し、地図と照らし合わせる。
「『
「結構、遠いッスね。」
「まぁね。でも、今日の昼には霧の森は抜けて、私の昔住んでた村に着くから、そこから王都への馬車出てるし、思ってたよりあっという間に......」
「フィーナ.......シィー」
バルドが口元で人差し指を立て......
「フムッ」
「へフッ」
ルードがソーマとフィーナそれぞれの口元を手で抑えた。
「......モグラコブラだ。」
ルードは小さく囁き、ぷっくりと膨らんだ地面を鬼の形相で睨む。
「んんぅー」
「声を上げないで、姉さん。奴は耳が良い。」
(眠っている.......だが、油断できない。)
フィーナは膨れ上がった地面をよく見ると、そこは吸っては吐いてと小さく呼吸を行なっていた。彼の言う通り確かにそこに居ることに彼女はようやく気が付く。
「.......ゆっくり、ゆっくりだ。地面が泥の場所が奴の縄張り、少なくともそこから抜けるまでは気を抜かないで。」
ルードは小声で二人に忠告する時も膨れた地面から目を離さない。
(モグラコブラ......奴噛まれれば、毒が瞬く間に体へ回って成す術なく死に体だ。あれ......?)
リョーマとバルドはもう三人の霧のかかった視界から消えていた。二人とも縄張りの外に逃げ延びたのだとソーマとフィーナは確信する。
(もう・二人・逃げた。)
ソーマとフィーナは上半身を大きく動かし、息の合ったジェスチャーでルードに伝える。
(了解・した。二人とも・僕から・離れないで。)
ルードはスマートかつ器用に指を動かし、二人に向けてジェスチャーを見せる。
(オォー)
思わず、二人は拍手を送りそうになった。
(ほら・バカやってないで・行くよ。)
ルードは足元と眠るモグラコブラを交互に見て、一歩一歩をしっかり着実に、音をたてず踏みしめる。
(ふぅ~、流石にここはおとなしくルードに従うしかねぇな。)
ソーマもルードに付き従う様にゆっくり泥のまとわり付いた足を上げる。
(よし、音をなるべくたてずこのままッ......)
ソーマは足元を見る。そこには......
(お、お、女の子ぉぉ!?)
ソーマは足元で倒れ込んでいる桃色の宇宙服を着た少女を踏まないよう、片足でバランスを取る。だが、それは長くは持たなかった。
ベチャッ
ソーマは顔から泥に頭を突っ込む。
シュー、シューと浮き輪から空気が抜けるような、音を出し、モグラコブラは起きると同時に重たそうな鎌首を持ち上げ、泥から這い出た。