そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
「もしかして、あんた装魔?」
女エルフは冷淡な目でソーマを見る。
「いやぁ、俺は
ソーマは頭を掻く。
「はぁ?」
女エルフの弓を引く手がわなわなと震える。
「ちょっと待ってくれ、こっちにも色々事情があるんだ。それをまず説明させてくれ。」
(おっと、ナイス、リョーマ)
ソーマはサムズアップする。
「えぇっと、まず俺から、俺の名前は
女エルフは弓を引き絞ったままソーマに向けた。
「やっぱり、
間髪入れず、リョーマが自己紹介する。
「俺は、
女エルフは弓をリョーマに向ける。
「こっちも、
「おい、こっちが自己紹介したんだし、そっちもしてくれよ。」
ソーマはエルフに怒鳴る。
「うるさい!」
矢がソーマの耳の横をかすめる。
「ひっ」
ソーマは情けない悲鳴を漏らした。
「とにかく、あんた達がどうしてここにいるのか、洗いざらい話しなさい。」
「は、はい」
リョーマとソーマは今までの自分たちの生い立ちからここに至るまですべてを話した。
「ーってわけだ。」
もう、気が付けば陽が沈み狼の遠吠えが森に響いた。
「そうなんだ・・・・」
女エルフは少し考えた後、よしと小さく呟き弓を下す。
「二人とも、とりあえず私の家に来なさい。ここは危ないわ。」
リョーマとソーマは目を丸くした。
「いいのか!俺たちのこと信じてくれるのか!?」
ソーマは目を輝かせた。
「だって、こんな日が暮れるまで熱心に話されて、全部嘘でしたなんて考えられないもの。でも、完全に信じたわけじゃないから、そこは勘違いしないでよね。」
ソーマとリョーマは互いに顔を見合わせた。
「ヤッター。」
ガサガサ
茂みがまた揺れ動く。
「ハッ、何者?」
女エルフは弓を引く。
ガバッ
小ぶりなリスが姿を現した。
「なんだ、ちっこいリスじゃないか。」
リョーマがリスに向かって手を伸ばす。
「近づいちゃダメ、早く逃げて。」
女エルフは弓を下し、二人に構わず猛ダッシュで逃げだす。
シャー
リスはその小さな体に見合わない鋭い歯をむき出しにして、リョーマに襲い掛かる。
「リョーマ、早く。」
ソーマはリョーマの手を引き、小ぶりなリスから身を躱させた。
「うわぁぁぁぁぁぁ」
ソーマに引っ張られながら、リョーマは重い鎧の脚をギシギシと動かし少しずつ走るペースを上げていく。しかし、鎧の肉体が生身の肉体より速く走れる道理などないことは明白であり、リョーマがソーマの足手まといになっていることには、依然変わりはなかった。
「耳長さん!」
ソーマは逃げながら、女エルフに呼びかける。
「私の名前はフィーナよ。ハッ、ハッ、ハッ」
息を切らしながら、女エルフは叫んだ。
「フィーナさん、この状況どうにかできないんですか!?」
フィーナは少し振り向く、小ぶりなリスはすぐ近くまで追ってきていた。おそらく、追いつかれるのは時間の問題だろうとフィーナは考えた。
「フィーナさん!」
ソーマは叫ぶ。
「教えたくなかったけど、一つだけ、一つだけ方法はあるわ。ソーマ、『
ソーマは間髪入れず叫ぶ。
『
ソーマの叫びに呼応し、リョーマの
(なんだ、今俺は
シャー
小ぶりのリスの鋭い歯が
しかし、小ぶりのリスの歯はリョーマの鎧を貫くどころか、へし折れてしまう。
(す、すごい、あのリスの歯の硬度は鋼鉄の剣に匹敵する硬さなのに、へし折れちゃった。)
フィーナはあまりの出来事に開口したまま、動けなくなっていた。
「飛んでけぇ、こらぁ。」
「ふぅ、一件落着だな。」
「やっぱり、あんた自分ではわかってないだけで、装魔なんだね。」
フィーナは拳を強く握りしめ、それでいて、
「さっきから、その装魔って何なんだ?」
「そういえば言ってなかったわね、装魔は、私の家族を皆殺しにした憎き仇よ。」