そうま転生~錚々たる早々無双の装魔による壮大な一掃と奔走~ 作:Curry&Rice
「お前がソーマか?」
左腕の無い大男がソーマの目を見て、問いかけた。
「えっ、あっ、あぁそうだ。俺は.......」
ガシッ
大男はソーマのふくらはぎほどの太さのある右腕でソーマの肩を掴んだ。
「ガァッハハハハハハハハハハ」
ソーマをそのまま飲み込めそうなほどの大口を開けながら、男は腹を抱えて笑う。
「フフフ、フィーナから話は聞いているよ。ソーマ君、まさかこんなにも小さい人間だとは思わなかったがね。ガハハ」
男は得体の知れない彼に怯えるソーマの頭をポンポンと叩く。
「ハハハ、そう警戒するな。わしは君を取って食ったりはせんよ。まずは、自己紹介といこう。わしの名はバルド・ロッド、しがないただの猟師だ。あっ、わしを呼ぶときは、バルドさんでいいぞ。ガハハハ」
バルドは右手をソーマの前に差し出す。
「握手だ。ソーマ君。」
ソーマは恐る恐る差し出されたバルドの手を握る。
ガッ、グググ
バルドの手を離さんとばかりにバルドの手はガッシリと掴む。
「イテテテ、バルドさん、俺の手、潰れ......」
バヒュン
バルドはソーマをいきなり外へ投げ飛ばす。
(今、何が起こったんだ?わからないけど、とりあえず......)
『
二階で朝食の準備をしていたリョーマが窓を突き破り、ソーマに装着された。
バキッ、バキッ、バキッ、ドカッ
フィーナの家の庭の外にある木を三つほどなぎ倒し、四つ目の木に大きなクレーター状の跡を残してようやく
「ハァハァ、なんだ?何が起こった?」
ソーマは
「えっ、ソーマ、もしかしてバルドさんを怒らせたの?」
リョーマの
「リョーマは知っていたのか、アイツの事を?」
「知ってるよ、バルドさんはフィーナさんの家族を皆殺しにした装魔からフィーナさんを守ってくれた人だ。」
ソーマは今朝見た夢を思い出す。
(フィーナ殿の仇、
ソーマにはその言葉が喉につっかえた魚の小骨のように引っ掛かってならなかった。
「......ソーマ、どうする?」
リョーマの恐怖が彼の中にいるソーマに痛いほど伝わってくる。
(多分、リョーマは逃げろって俺に言ってほしいんだろうな。さっきの攻撃、リスオオカミのと比べ物にならないぐらいの破壊力だ。おそらく、今の俺達でバルドさんに挑んでも、鉄くずスクラップにされるのが目に見えている......)
ソーマの体の震えが一瞬止まる。
(でも、ここで猟師であるバルドさんから彼の
「全力でバルドさんに一矢報いる。」
リョーマの体はガチャガチャと金属音を鳴らしながら激しく揺れる。
「じょ......冗談だろ」
リョーマは動けないでいた。
「冗談なんかじゃない。リョーマ、早くバルドさんのところに行こう。俺がお前を着ている以上、お前が動けねぇと、俺も身動きがとれねぇんだ。」
ソーマはリョーマを内側から軽く小突く。
「でも、今の俺達じゃ.......」
「リョーマ!」
ソーマの声がリョーマの体で反響する。
「俺を、信じてくれ。」
リョーマは忘れていた、ソーマが世界一のバカであるということを。そして、思い出した、ソーマが世界一の天才であるということを。
「ソーマ君、出ておいでー、まだ死んでないだろぉー」
バルドはソーマ達を吹き飛ばした方向に叫んだ。
ガサッガサッ
背の低い雑草を踏みしめ、体を揺らしながら
「お待たせしました。」
まだ、リョーマの体は恐怖で震えていた。
「フフフ、わしが怖いか?ガハハハ」
「いいえ、これは武者震いですよ。」
ソーマははっきりと言い切るとバルドはピタリと真顔になった。
「おい、装魔、あまり調子に乗るなよ。」
バルドの右腕から禍々しいオーラがにじみ出ていた。