転生したら竜だったので、とりま竜種目指しまっす!   作:遊燐千

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第11話 やっぱりお風呂っていいよね。

 

 

 

 

 

 俺達は、襲われていた大鬼族(オーガ)を助け、お礼をしたいとのことで大鬼族(オーガ)の里に案内してもらっていた。

 

 

 あ、ちなみに泥んこは俺のスキルで洗い流したので見た目は綺麗になっている。

 ……だけど、気分的には温かい湯に浸かりたいからとりあえず風呂求む。

 

 

「……感謝ってもよ〜、部外者の俺たちを勝手に里に招いちまっていいのか?」

 

「嗚呼、其れは問題ないだろう。長も若も寛容な方だからな」

 

「へぇ〜」

 

 

 まぁ、確かにあの若様だからな……、なんかよくわからん俺達が行っても邪悪な魔人め! っと斬り掛かられることはないか。

 

 それに、あんなピリついてたのはオークロードの一件があったからだしなぁ…… 。

 

 ……ってか、里に招かれるのはいいけどオークロードの一件ど〜しよ……、さすがに無視なんてできねぇし……。

 

 

「そろそろ着くぞ」

 

「ん、わかった」

 

大鬼族(オーガ)の里……楽しみッス〜♪ どんな奴らがいるッスかね〜♪』

 

「……、暴れんなよ?」

 

『わかってるッス 〜 ♪』

 

「さて、それでは先に族長と若への帰還の挨拶と、アクラ殿とヴェル殿のことを伝えてくる。少しばかり、待っていてくれ」

 

 

 そういうと、男は里へと入っていった。

 

 

「んじゃ、大人しく待っておくか。なぁヴェル」

 

 

「…… …… …… 」

 

 

「ヴェル?」

 

 

 ヴェルが居るであろう隣へと目を向けてみる。

 すると、なんということでしょう……まるで初めっから誰もいなかったかのように姿がないじゃありませんか! 

 

 

「……は?」

 

 

 もしかして、ヴェルのやつ。

 待つのがつまんないからって里について行ったか? ……いや、それならあの男に出されるはず。ってことは…… 。

 

 

「どっか行きやがったなアイツぅ〜!!!」

 

「伝達者!! 魔力感知でヴェルの魔素を辿ってくれ!」

 

『了解しました。伝。個体名:ヴェルの魔素を感知。大鬼族(オーガ)の里の周囲を歩き回っているようです。捕まえるには、ここより南方向に直進するのが良いかと』

 

 

「わかった、サンキューな」

 

 

 伝達者の言う通りに、森の中を駆けてゆく。

 

 

『伝。個体名:ヴェルの魔素反応が停止しました。どうやら留まっている様です』

 

 

「…… 、なぁんかすっごく嫌な予感がするんだけど。 その周囲になんかいる?」

 

 

『伝。5人程、大鬼族(オーガ)がいる模様です』

 

 

「……やっばい!! 急ぐぞ!!」

 

 

 あのポンコツ暴走機関車(ヴェル)大鬼族(オーガ)と鉢合わせして、武器を向けられてみろ…… 。 間違いなく、戦闘が起こり加減ができず…… なんてことが有り得る……。

 せっかく大鬼族(オーガ)達といい関係になれそうだってのに、そんなこと起こったら……。

 

 

「誰だ貴様!!」

 

「何故、貴様のような存在が我らの里に近づく!」

 

 

 何やら男達の張り上げられた声が聞こえた。

 多分、ヴェルと鉢合わせた大鬼族(オーガ)達だろう。

 

 

『何故って言われても〜 、用があるからッスけど?』

 

「そうか……ならば──切り伏せるまで!」

 

 

 その言葉を合図に、五人の大鬼族(オーガ)が一斉に身構え、それぞれが戦闘態勢へと移行する。

 

 今にも戦いが始まってもおかしくない。

 

 ──そんな、一触即発の空気の中。

 

 

「ちょぉっと待ったァ~~~!!」

 

 

 場違いなほどよく通る声が響き渡った。

 

 

「ッ!?」

 

「なにッス!?」

 

 

 全員の視線が一斉に声の方へ向く。

 

 

「アッ、アクち~~~!!!」

 

 

 ヴェルが嬉しそうに声を上げる。

 

 

「お前はちょっと黙ってろ!」

 

『ひどいッス!?』

 

 

 アクラはそのまま五人の大鬼族とヴェルの間へと割って入り、両手を広げて立ちはだかった。

 

 当然、突然現れたアクラに対して大鬼族たちの警戒が一気に強まる。

 

 

「……何者だ」

 

「あのぉ〜、大鬼族(オーガ)の皆さん?」

 

 

 アクラは両手を上げ、敵意がないことを示す。

 

 

「ちょっくら話を聞いてくれないか?」

 

「断る!」

「貴様、やつの仲間か!」

 

「いや、だから話を──」

 

「ならば、貴様も斬り捨てるまで!」

 

「ちょちょちょまっ! ……!!!」

 

「覚悟っ!!」

 

 

 斬りかかってくる5人……。

 ぶっ飛ばす訳にもいかねぇし、取り敢えず受けに専念して話し合いで解決するっきゃねぇな。

 

 ……っても、隣にいる馬鹿(ヴェル)の方をどうにかしねぇとそれも無理そうだけど ……。

 

 

 アクラの隣にいたヴェルはというと──。

 

『ヒャッハァァァァァァッス!!!』

 

 ……完全に戦闘態勢だった。身体から溢れ出す魔素は徐々に濃くなり、その黄金の瞳には明らかな好戦の色が浮かんでいる。

 

 今にも五人の大鬼族へ飛び掛かり、

 

 

「全員ぶっ飛ばしてやるッス~~~!!」

 

 

 と言い出しかねない有様だ。

 これでは話し合いなどできるはずがない。

 

 

『伝。身体装甲を発動します』

 

 

 がぎぃんっ!! 

 

 

 斬りかかってきた刃を身体装甲した腕で受け止めては、ヴェルに心の中で伝える。

 

 

(ヴェル……絶対に暴れんなよ?)

 

『なんでなんすかぁ~~!!』

 

(ややこしいことになるからに決まってんだろバカ!!)

 

『でも向こうがやる気満々ッスよ!?』

 

(だからってお前までやる気満々になる奴があるか!!)

 

『ぶ~!』

 

 

 頬を膨らませるヴェル。この場でこいつが暴れたら、本当に洒落にならない。

 

 

『伝。水源庫の使用を一時的に停止し、魔素を溢れさせることを推奨します』

 

(え? ……それ、大丈夫か?)

 

『大丈夫です』

 

(そんなことして、余計に敵判定食らったりしない?)

 

『大丈夫です』

 

(……だったら頼む!!)

 

『了。水源庫を停止します』

 

 

 

 停止した瞬間、今まで絶えず消費されることで抑え込まれていた魔素が、一気に解放される。

 

 

「っ……!?」

 

 

 周囲にいた大鬼族たちの表情が強張る

 

 

「な、なんだ……この魔素は……!」

「かの竜種を思わせるこの魔素の圧……!」

「やはり……里を滅ぼすつもりだったのか!」

 

 

(……やっぱり敵判定食らってんじゃねぇか!!)

 

 

「貴様らを里へ向かわせる訳にはいかん!」

「我らがなんとしてでも死守する!」

「里を滅ぼされてたまるか!!」

 

 

 完全に逆効果だ。大鬼族たちが一斉に武器を構える。

 まずい。

 

 

(っ……こりゃ話し合いどころじゃなくなっちまったぞ……)

 

 

 俺が頭を抱えかけた、その時だった。

 

 

「──そこまでだッ!!!!」

 

 

 轟くような声が響いた。

 

 

「ッ!?」

 

 

 大鬼族たちの動きが止まる。

 そして、俺たちと大鬼族の間へ、五つの人影が飛び込んできた。

 

 その姿を見て、俺は思わず目を見開く。

 先頭に立っていたのは、長い赤髪。

 そして、額から伸びる二本の長い角。

 他の大鬼族よりも一回り、いや、それ以上に大きな巨体。

 鍛え上げられた筋骨隆々の肉体には圧倒的な威圧感があり、その手には大剣にも見えるほど巨大な太刀が握られている。

 

 その後ろには、赤い短髪に刀を携えた鬼。

 薄紫色の髪を揺らし、巨大な棍棒を携えた女鬼。

 そして、白髪を束ねた老いた鬼。

 最後に──。

 俺たちを里へ案内してくれた、見覚えのある大鬼族。

 

 って、完全にベニマルとシオンとハクロウじゃねぇか!? 

 原作で見覚えのある顔が、目の前に揃っちゃった! 

 

 

「……この馬鹿共が」

 

 

 先頭の赤髪の大鬼が、低い声で呟いた。

 そして俺たちへ向き直る。

 

 

「すまなかった。どうか許して欲しい」

 

 

 そう言って、深々と頭を下げた。

 

 

「えっ?」

 

 

 思わず間の抜けた声が出る。

 一方、先ほどまで戦おうとしていた大鬼族たちは目を丸くしていた。

 

 

「……ぞ、族長!?」

「何故、彼奴らに頭を!?」

「こやつらは里を滅ぼそうと──」

 

 

「この戯けがぁッ!!!」

 

 

 ゴォンッ!! 

 

 

「「「「「ぐぇっ!?」」」」」

 

 

 族長の巨拳が、大鬼族たちの頭へ一斉に振り下ろされた。

 五人の頭が地面へめり込む。

 

 

「おっ、おぉ……」

 

 

 族長は怒りを滲ませながら口を開いた。

 

 

「この方々は、我らが大鬼族(オーガ)の里の仲間を助けてくださった方々だぞ!」

 

「……なっ!?」

 

「伝えられていなかったのだ。知らなかったのは仕方なかろう……」

 

 

 族長の声が低くなる。

 

 

「だが、戦闘を起こすよりも前に、何故俺に何も報告をしない……!」

 

「そ、それは……!」

 

 

 地面にめり込んだまま、大鬼族の一人が顔を上げる。

 

 

「こ、こやつらが余りにも脅威的であったため……!」

 

「ならば余計に俺へ話すべきだろう!」

 

「「「「「……!」」」」」

 

「……まぁ、一度この話は良い」

 

 

 族長はゆっくりと腕を組む。

 

 

「後で……じっくりと話そうか」

 

「「「「「ひっ……!」」」」」

 

 

 五人の大鬼族が一斉に震え上がった。

 

 

「……改めて」

 

 

 族長は再びこちらへ向き直る。

 

 

「うちの馬鹿どもがすまなかった。恩人に刃を向けるなど……」

 

「あー……いや」

 

 

 アクラは頭を掻く。

 

 

「こっちこそうちのヴェル(馬鹿)が暴れたのが悪ぃからさ?」

 

 

 隣を見てみれば、当の本人は何が悪いのか全く分かっていない顔をしていた。

 

 

『……?』

 

「別に謝ることはねぇよ」

 

『そうッスよ! ヴェルちゃん悪くないッス!』

 

「お前はちょっと黙ってろ」

 

『なんでッス!?』

 

「……だが、いや。ここでこの話を続けたところで、失礼になってしまうな」

 

 

 そう言って、族長はゆっくりと息を吐いた。

 場に張り詰めていた空気も、少しずつではあるが和らいでいく。そして、ふと隣に立つ若い大鬼族へと視線を向けた。

 

 

「我が息子よ、アクラ殿とヴェル殿を鬼の里へ案内せよ」

 

「はっ、父上」

 

 

 短く返事をすると、若い大鬼族……若様は俺たちへ向き直る。

 

 

「……では、こちらへ」

 

「おっ、おう」

 

 

 こうして俺たちは、改めて大鬼族の里へと案内されることになったのである。

 

 

 それと、後で話を聞いてみたところ、魔素を解放したおかげで居場所がわかったとの事。

 

 サンキューな! 伝達者! 

 

 

『……ふっ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして俺達は、改めて大鬼族(オーガ)の里へと招待された。

 さっきまで俺たちに刃を向けていた鬼たちはというと──。

 族長にこっぴどく叱られたらしく、俺たちの前に並んで、

 

 

 

「「「「「申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!」」」」」

 

 

 

 と、地面に額を擦りつける勢いで土下座してきた。

 いや、そこまでしなくてもいいんだけど……。

 

 何度「もう気にしてない」と言っても頭を上げようとしないので、最終的には俺の方が困ってしまった。

 

 それと、なんかヴェルが土下座してる大鬼族(オーガ)達に、『これからアクちーの事を姉御と呼ぶっス!』なんて、言い出したせいで、あの大鬼族(オーガ)達から姉御と呼ばれることになってしまった。

 

 そんなこんなで、先ほどまで張り詰めていた空気もすっかり消え失せ、気が付けば俺たちは里の中へと案内されていた。

 

 

 そして俺たちは今──。

 

 

「ふぃ~~……極楽、極楽」

 

 

 湯気の立ち込める五右衛門風呂に浸かっていた。

 洞窟を出てからというもの、まともに身体を休める暇もなかった。

 だからこそ、温かい湯に身体を沈めた瞬間、全身から力が抜けていくような感覚がした。

 

 

「あ~~……生き返る……」

 

 

 隣ではヴェルも肩まで湯に浸かり、幸せそうに目を細めていた。

 

 

『ふひょぉ~~♪ ヴェル、お風呂好きッスぅ~~♪』

 

「姉御にヴェル殿、湯加減はいかがです?」

 

 

 こいつはあの、襲いかかってきた大鬼族(オーガ)のうちの一人。湯加減を調整してくれているらしい。

 

 

「んっ、めっちゃいい感じだぜ~」

 

『ちょうきもちぃっすぅ~~♪』

 

「そいつぁ良かったです」

 

「……にしても、お前が女だったなんてなぁ……」

 

「はい?」

 

 

 俺が何気なく尋ねると、彼女はきょとんと目を瞬かせた。

 

 

「ええ、まぁ。そうですね」

 

「……全然気付かなかった」

 

「よく言われます」

 

 

 本人も特に気にしていないらしく、けらけらと笑っている。

 

 

「そういや、この後ってなんかやんの?」

 

 

 風呂に浸かりながら、ふと思い出して尋ねる。

 

 

「宴会?」

 

「同胞を助けてくれたお礼ですよ。せっかくの恩人ですから、里の者たちも歓迎したいのでしょう」

 

「へぇ……」

 

 

 宴会、か。

 こういう異世界らしいイベントには少し興味がある。

 そんなことを考えていると──

 

 

『えんかい!! って何ッス~?』

 

「宴会ってのは、飲み食いしながら皆とワイワイすることです」

 

『おぉ~~!! 楽しそ〜ッス!』

 

 ばしゃん、とヴェルが湯船から勢いよく立ち上がる。

 

 

「こら、風呂ではしゃぐな」

 

 

 湯船の中で落ち着きなく身体を揺らしているヴェルを見ながら、俺は呆れたように声を掛ける。

 

 

『だって宴会ッスよ!?』

 

「たしかにテンションは上がっけど、風呂は大人しく浸かっとけ〜」

 

 

 俺は肩まで湯に浸かり直しながら、宥めるように言う。

 せっかく汗を流して、こうして温かい湯に浸かっているのだ。 少しくらいは静かにしていればいいものを。

 

 

『ヴェル肉食いたいッス!!』

 

 

 しかし、そんな俺の言葉などどこ吹く風。

 ヴェルは湯船の中から勢いよくこちらを振り向くと、まるで今までの話など忘れたかのように食欲を口にした。

 

 

「でしたらちょうど、牛鹿を狩りに行かせてるので楽しみにしていてください。ヴェル殿」

 

 

『牛鹿……! 食いたいッス〜!!』

 

 

 湯船の中で嬉しそうに身体を揺らし、今にも飛び出していきそうなほど喜んでいる。

 ……本当に、食い物のことになると分かりやすい奴だ。

 

 

「だから、暴れるなっての…… 風呂ってのはちゃんと肩まで浸かって10秒数えねぇと上がっちゃダメなんだぜ?」

 

 

 俺はそんなヴェルを横目に見ながら、風呂の入り方について適当に教えてやる。

 すると、ヴェルがぴたりと動きを止め……何かを思いついたかのようにピンッとなる。

 

 

『なら〜、どれだけ潜れるか対決ッス〜!』

 

「はぁ?」

 

『よーいドンッス!』

 

 

 次の瞬間、ざぶんっ! ぅとヴェルは勢いよく湯船へ身を沈めた。水面が大きく揺れ、周囲へ湯が跳ねる。

 ヴェルはそのまま顔まで湯の中へ沈め、ぷくぷくと小さな泡を浮かべ始めた。

 

 

「ったく……、仕方ねぇから乗ってやるか……」

 

 

 呆れながらも、こうなったら付き合ってやるかぁ……。なんて、ヴェルとの対決に乗ってやるアクラ。

 

 アクラも湯の中へ身体を沈め、ヴェルと同じように顔を湯へ浸ける。

 

 

 静かな浴場に、二人がざぼんっと湯へ沈む音だけが響いた。

 そんな二人の様子を、眺めていた大鬼族(オーガ)の女は、何とも言えない表情を浮かべていた。

 

 

「……、のぼせないようにしてくださいよ?」

 

 

 と、2人を心配する大鬼族(オーガ)なのであった。

 

 

 

 

 





はいど〜も、結構早めに投稿ができてテンション上がってるゆ〜りんちーです。

そしてぇ!
ようやくちゃんとした原作キャラ達との絡みが出来そうです…、あと何気に若様の父上も登場しちゃってますが…これは完全に妄想なのでどこかに設定があっても知りません!!ごめんなさい!!

それと…これって、原作死亡キャラ生存みたいなタグ入れた方がいいのかな…?あと、ヒイロとかの映画キャラとかど〜しよ。困ってます!
教えてみんな!!!
あと、是非感想とか評価とかしてくれるとめっちゃクソ励みになるからおねがぁい!!

ってことで、次回は明日…とかできる気がしないのでまたいつか!!

オークロードをどうする。

  • 原作に忠実にいく…。
  • 助ける!(みんな助かる!)
  • 助ける!(モブ達が全滅)
  • 助けるために奮闘。
  • 敗北
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