転生したら竜だったので、折角なら竜種目指して頑張ります。   作:遊燐千

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第6話 竜之者

 

 

 

 

 

 爆発地点となった洞窟周辺は、大きく抉れ岩盤は吹き飛び、地面は陥没し、そこには巨大なクレーターが残されていた。

 

 

 だが──。

 

 

 その中心に、奴はいた。

 正しく言えば。

 まだ、“残っていた”。

 

 

 

「……おいおい……」

 

 

 

 暴風竜之魔素(ヴェルマナ)だ。

 奴の鱗は砕け、肉は抉れ、骨格すら露出しており、肉体は半壊していた

 

 

 

「これで倒せてねぇとかまじかよ」

 

 

 

 かなりの大ダメージは与えたはずだ。

 

 だが、倒し切れていない。

 

 耐性や妨害など関係の無い物理現象。

 それを元ある頑丈さで耐えきった。

 

 

 

「不完全とはいえ、流石暴風大妖渦(カリュブディス)

 

 

 

「もう魔素も殆どねぇ……」

 

 

 

 荒い呼吸を吐きながら拳を握る。

 魔素はほとんど枯渇している。ならば、今やることは一つしかない。

 

 

 

「まずは思いっきり …… !!!」

 

 

 

 せっかく与えたこのダメージを、回復させる暇を与えないために踏み込み、地面が根を上げ亀裂がはしる。体重の乗った拳は空気を割く砲弾の様に真正面から放たれ

 

 

 

 ゴッッッッッ!!!! 

 

 

 

 鈍い衝撃が洞窟内へ響くと共に、暴風竜之魔素(ヴェルマナ)へと直撃。

 真正面からまともに入った一撃だったが、拳に伝わる感触は鋼鉄のような硬さに腕が痺れる。

 だが多少怯みを見せたので、効いていない訳ではなさそうだ。

 

 だが …… 、

 

 

 

「……かってぇなぁ!!」

 

 

 

 あまりにも硬い。

 このまま殴り続けていれば俺の拳(こっち)が限界を迎える。

 

 

 そもそもなんで竜なのに俺は再生とか回復とか持ってねぇんだよ!! 

 

 って、言ったところでないものは無い。突然再生がぽん って生えてくるような何処ぞのスライム(推し)じゃない。

 

 

 

「お前だって超速再生に怪光線で魔素は結構減ってんだろ ッ !」

 

 

 

 互いに魔素が尽きかけた今だからこそ。

 そして奴が弱っている今だからこそできる、唯一の妨害方法。

 

 

 回復する暇を与えないよう、ひたすらに殴り続ける。

 

 

 

「伝達者。あとどんくらいで倒せそうだ!」

 

 

 

『現在の攻撃では、あと1436発で倒し切ることができます』

 

 

 

「 まじか… 、今使えそうなスキルはなんかあるか?」

 

 

 

特殊能力(ユニークスキル)〈竜之者〉(ツヨキモノ)を使用可能です。』

 

 

 

「竜之者? 」

 

 

 

 竜之者。名前からして竜と関係のあるユニークスキルだろうが ……、一度も使っていないからどういう効果なのか分からないな。

 

 

 

『〈竜之者〉とは……』

 

 

 

「簡潔に頼む !」

 

 

 

『 了。魔素を消費しない代わりに発動条件を満たし、竜としての力を最大限に発揮できるスキルです』

 

 

 

「ってことは、魔素枯渇中の俺でも問題なく使えるってわけか!」

 

 

 

『是』

 

 

 

 こりゃありがたい。魔素が殆ど残ってない今、魔素を消費するのはやばかったからな 。

 

 

 

「んで、発動条件ってのは?」

 

 

 

『 それは 、スキルに()()()()()()()竜之者(ツヨキモノ)であると、スキルに認められることが条件です』

 

 

 

「スキルに認められる?」

 

 

 

 どういうこと? 、と疑問を伝達者へと投げかけようとしたその直前、暴風竜之魔素(ヴェルマナ)から、不完全な前脚のような触手が伸び、その触手は鞭のようにしなり、凄まじい速度で振り払われた。

 

 

 

 

 ぶぉんッ!! 

 

 

 

──―(投げろ)

 

 

 

 

「…… ッ !?」

 

 

 

 

──―(いまだ)

 

 

 

 頭の中にぼんやりとした声が響く、アクラは避けず(避けられず)に真正面から受け止め、 触手との衝突により生まれた力を利用し、暴風竜之魔素(ヴェルマナ)の巨体を浮かび上がらせ、流れるように地面へと思いっきりぶん投げた。

 

 

 

「ら゛っ し゛ぁぁぁ ゛ッッ !!!」

 

 

 

 背中から地面に叩きつけたそのときだった。

 

 

 

「──― 」

 

 

 

「 …… なぁ、伝達者」

 

「この声 ──」

 

 

 

 だが、それを伝達者に聞くよりも前に、暴風竜之魔素(ヴェルマナ)から、まるで噴水の様に膨大な魔素が噴き上がる。

 

 

 

「ッ──!?」

 

 

 

 弱っていると思っていた暴風竜之魔素(やつ)から、突然魔素が吹き出し。一瞬だけ攻撃の手が緩んでしまう。

 暴風竜之魔素(ヴェルマナ)はその隙を逃さず、暴風竜之魔素(ヴェルマナ)がアクラを弾き飛ばそうと、至近距離で触手が振るわれる。

 

 

 

「ち゛ッッ!!!!」

 

 

 

 反射的に両腕を交差させる形で防御するが、先程とは違いその衝撃は腕を弾き飛ばし、肉を抉り骨を砕いた 。

 

 

 

「っ …… !!」

 

 

 

 腕で防御していなかったら間違いなく意識は飛ばしていた。頭に当たればその時点で死んでいただろう。

 

 

 

『伝。暴風竜之魔素(ヴェルマナ)の魔素反応が急上昇しました』

 

 

 

「嗚呼……わかってる」

 

 

 

 火事場の馬鹿力、ってやつか……? 

 上に交差させた左腕は、痺れもう使い物にならない。右腕も骨は逝ってるな。

 それに、攻撃を止めちまった 。

 完全とはいかずとも、超速再生で再生するのは間違いない 。

 

 

 

『伝。魔素量が2%を切りました。これ以上消費すると、一時的な行動不能に陥ります』

 

 

 

「まじかッッ …… !」

 

 

 

『〈身体強化〉、〈身体装甲〉を解除します』

 

 最悪のタイミングで強化(バフ)が切れちまった 。

 

 腕が使えないからって、スキルを使うにも魔素が足りねぇ。強化(バフ)も切れちまったから今までみたいに動くのはムズい。

 頼みの綱としちゃそろそろ〈竜之者〉ってのが発動してくれんのを望みたいが、スキルに認められろって条件がよくわからねぇ 。

 

 

 

 ぶぉんッッ !!! 

 

 

 

 再び迫る触手を、飛んで避けようとするも一瞬遅く翼に当たり地面へと転げ落ちる。

 

 

 

「くそッッ…… !」

 

 

 

 受け身を取り、起き上がればそのまま脚で駆け回る。

 

 翼をやられた 。飛べない訳じゃなさそうだが此奴相手にこれで飛び回るのは危険だな。

 

 

 

「順調に追い詰められてやがる …… 」

 

 

 

 スキルも使えない、魔素も無い、飛ぶことも出来ない。切望者はまだ使えない…… 。

 

 

 

 

「万事休すってか …… ?」

 

 

 

 暴風竜之魔素(ヴェルマナ)が、低く姿勢を落とし、不完全な触手で地面を踏み締める。

 

 

 

「……!」

 

 

 

 暴風竜之魔素(ヴェルマナ)の狙いは見え見えだった。

 一直線の突進。

 

 

 

「スキルに回す魔素がねぇってことか ……」

 

 

 

「…… 流石に今避けんのはムズいな …… 」

 

 

 

 さっきまでは飛べたから良かったが、数十mの巨体の突進に今避けられるとは思えねぇ。

 

 

 

 ドッッッッッ !!!! 

 

 

 

 暴風竜之魔素(ヴェルマナ)が地面を踏み込み、アクラへと一直線で突き進んでゆく。

 

 

 

「 …… 、やるしかねぇ ……!!」

 

 

 

 だが、受け止めるのはもっと無理だ。

 なら避けるしかねぇ 。

 地面を踏みしめて、真上へと跳躍しようと ──―

 

 

 

 

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「── !!」

 

 

 

 

 

 

 

「 ── …… !!」

 

 

 

 

 

 

 

「 何避けようとしてんだ馬鹿野郎 !!」

 

 

 

「 竜なら真正面から叩きふせやがれ!!」

 

 

 

 

 

 

「 …… え?」

 

 

 

 

 

 暴風竜之魔素(ヴェルマナ)からの突進を避けようとした俺は、竜の角と尻尾をもつ女に胸倉? 掴まれ、地面に伏せられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回短くてさ ~ せん !!!!!
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