【転スラ】 〜双星の智慧と新たなる理想郷~   作:Hyades

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第四章 魔王の業と蜥蜴の王

会議棟へ歩いて向かいながら、俺は過去の俺と何気ない会話をしていた。

 

「なぁ、俺ってなんでそんなでたらめな強さになったんだ……? 俺は今の時点だと、ただ楽しく暮らせればいいなくらいにしか思ってないんだけれども……」

 

過去の俺が、純粋な疑問をぶつけてくる。

 

「別に俺だって、なりたくて強くなろうと思ってたわけじゃないし、今だって楽しく暮らせればそれでいいと思ってるさ。ただな……」

 

ここで俺は少し言葉を区切った。

 

「ただ……なんすか?」

 

ゴブタが話を聞いていたのか、ひょっこりと顔を出して覗き込んで質問をしてきた。

 

「お前たちが一人もいなくならないように、俺の大事な家族が消えないように、誰よりも強くなる必要があったってだけの話だ」

 

「それは、未来の私たちに何かがあったということですか?」

 

今度はシオンまでもが会話に参加をしてきた。

 

「あぁ、特にお前にはさんざん心配させられたんだぞ。シオン」

 

「えっ!? 私はリムル様に心配をおかけなどしません!」

 

(その自信はどこから出てくるんだよ……)

 

「あのなぁ、お前が死んだから俺が魔王になることになったんだぞ!」

 

その言葉に、周囲の空気が一変し、皆が驚愕に目を見開いてこちらを見た。

 

「シ、シオンが……死んだ……?」

 

ベニマルが歩みを止め、驚愕した様子でこちらを見た。

その隣でソウエイの気配が揺れ、ゴブタを始めとしたゴブリンたちはすっかり挙動不審になっている。

一番の当事者であるシオンは、口を半開きにしたまま完全にフリーズしていた。

 

「わ、私が……死ぬ? リムル様を残して、死んでしまうのですか……!?」

 

信じられないというように、シオンが震える声で呟いた。

 

「ま、待て待て待て! 未来の俺!」

 

過去の俺が慌てて俺の前に回り込み、銀髪を振り乱しながら詰め寄ってくる。

 

「シオンが死ぬって、どういうことだよ!? 誰にやられたんだ? 俺は何をしてたんだよ!?」

 

過去の自分に見つめられ、俺はふっと視線を落とした。

あの時の、冷たくなったシオンを抱き上げた感触。

街中に響いた悲鳴。

そして、紫色の結界。

思い出すだけで、胸の奥がチリリと焼けるような痛みが走る。

 

「……軍事大国ファルムス王国。それと、西方聖教会。奴らがこの国を襲ったんだ。俺が、イングラシア王国で子供たちの面倒を見ていた留守を狙ってな」

 

「ファルムス……聖教会……」

 

ベニマルの目が鋭く細まり、紅い魔力がうっすらと漏れ出す。

 

「俺が甘かったんだ。人間を信じ、共存を望むあまり、奴らの悪意を過小評価していた。その結果、シオンや……多くの仲間たちが犠牲になった」

 

沈黙が一行を包み込む。

会議棟へ向かうのどかなはずの道が、一瞬にして凍りついたような緊張感に支配された。

 

「……だが、安心してくれ。シオンたちは今、未来の俺の国でピンピンしてて元気にやってるからな」

 

「えっ? 生き返った、のか?」

 

絶望に染まりかけていた過去の俺が、涙目で問いかけてくる。

 

「ああ。死者の魂が霧散する前に結界で閉じ込め、俺が『真なる魔王』へと覚醒進化を果たしたことで、その恩恵としてシオンたちは完全蘇生したんだ」

 

「ま、魔王に……? 覚醒進化って、死者を蘇らせるなんてことができるのか……! ああ、なるほど。前の会議の時に言っていた『死者を蘇らせる方法』っていうのは、この時に編み出したんだな……。よかった……本当によかった……!」

 

過去の俺がその場にへたり込み、ベニマルたちも深く安堵の息を吐いた。

だが、俺はそこであえて、重い事実を口にした。

 

「……ただ、真なる魔王へと至るための条件は、決して軽いものじゃなかった」

 

「条件……?」

 

俺は一瞬、言葉を詰まらせた。

 

(これを今のこいつらに、そして『俺』に言うべきだろうか……)

 

平和を望み、人間との共存を本気で夢見ている今の俺たちにとって、これから口にする事実はあまりにも残酷だ。

知らなくていい罪の意識を植え付けることになるかもしれない。

だが、同じ魂を持つ俺だからこそ、この業(カルマ)の重さは共有しておくべきだと思い直した。

 

「ああ。進化の引き金として、おびただしい数の『人間の魂』が必要だったんだ」

 

その言葉に、過去の俺が息を呑む。

 

「人間の、魂……。それじゃあ、お前は……」

 

「ファルムス王国の軍勢、約二万人。俺の国を、家族を奪おうとした奴らを、俺は一人残らず皆殺しにした。その二万の魂を養分にして、俺は魔王になったんだ」

 

その言葉に、再び場が痛いほどの静寂に包まれた。

人間と友好的な関係を築こうと尽力している現在の「過去の俺」にとって、二万人という人間の大量虐殺は、あまりにも重く、信じがたい事実だったはずだ。

 

「二万、人……。俺が、人間を……それも、二万人も……」

 

過去の俺は震える手で自身の顔を覆い、愕然と呟いた。

 

「……引いたか? 平和主義だった俺たちのなれの果てが、二万の血を吸った大量殺人鬼なんだぜ」

 

俺があえて突き放すように冷たく言い放つと、過去の俺はすぐには言葉を返せなかった。

視線が泳ぎ、覆った手の下で唇が微かに震えている。

平和な日本で育った三上悟の倫理観が、二万人という途方もない殺戮の事実に悲鳴を上げているのだろう。

だが同時に、この異世界で得た大切な仲間を失うという絶望も、頭の中で激しく渦巻いているはずだ。

葛藤し、呼吸を乱す過去の俺。

やがて、彼はゆっくりと顔を上げ、そして、強く首を振った。

 

「……正直、数を聞いて足がすくみそうになったけど……それでも俺も同じ立場だったら、絶対に同じことをする。未来の俺だってその時は相当悩んだんだろ?それに、シオンたちを取り戻せるなら、敵対してきた人間の二万や三万、この手で殺してやるさ」

 

その瞳には、かつての俺が抱いたのと同じ、深く暗い、けれど純粋な「家族を想う覚悟」が宿っていた。

 

「リムル様……」

 

ベニマルたちが、主のその揺るぎない決意に深く頭を垂れる。

 すると、それまで固まっていたシオンが、震える拳を握りしめて一歩前に出た。

 

「……リムル様」

 

その声は震えていたが、不思議と暗さはなかった。

 

「私が……私のせいで、リムル様をそこまで苦しめ、手を汚させてしまったのですね。……ですが、今の話を聞いて確信しました!」

 

シオンはガバッと顔を上げ、紫の瞳を輝かせながら俺と「過去の俺」を交互に見た。

 

「未来の私は、死してなお、リムル様が魔王へと至るための礎になれたということ! そして今、こうしてリムル様のおそばに再び仕えている……! なんという光栄! なんという忠義の極致!!」

 

「「いや、そこは悲しむところだろ……!」」

 

俺と過去の俺のツッコミが、完璧にシンクロした。

 

「……ったく。自分が死んだって話を聞いた直後だってのに、そのポジティブさ相変わらずだな」

 

俺が苦笑いしながらシオンの頭を軽く叩くと、彼女は「えへへ」とだらしなく頬を緩めた。

 

「でも、安心しろ。今の俺がここにいる以上、二度と同じ轍は踏ませない。今はまだ方法を考えている最中だが……今回は、二万人もの人間を殺さなくても済むような、別の道を必ず見つけ出したいと思ってる」

 

俺のその言葉を聞いて、過去の俺は大きく息を吐き出し、強張っていた肩の力をすっと抜いた。

 

「……そっか。よかった。なら、頼りにしてるよ、未来の俺。俺だって、いくら覚悟を決めたとはいえ、できれば無駄な血は流したくないしな」

 

「・・・我らはリムル様がどのような道を選んだとしても、この命ある限り最後まで付き合う覚悟ですよ」

 

過去の俺の言葉に続くように、ベニマルが力強く頷く。

ハクロウやソウエイ、クロベエたちも静かに、しかし熱い闘志を秘めた瞳で同調した。

 

シオンに至っては「リムル様が御手を煩わせるまでもありません! 必要とあらば、私が代わりに二万人でも三万人でも一人残らず叩き潰してご覧に入れます!」と物騒なことを言って、シュナに「シオン、今はそういう話ではありませんよ」と呆れ顔で嗜められている。

いつもの、平和で少し騒がしい日常の空気が少しだけ戻ってきた。

 

その時、ふと過去の俺が何かを思い出したように顔を上げた。

 

「そういえば……さっきチラッと言ってたけど、『イングラシア王国で子供たちの面倒を見ていた』って、どういうことだ? それってまさか、シズさんが気に懸けていた……」

 

「あ! 私も気になっておりました! もしかすると未来のリムル様は、以前伺っていたシズ様のお心残りを見事に解決なされたのですね!」

 

シュナが目を輝かせ、パァッと表情を明るくして身を乗り出してくる。

それに釣られるように、ちょっと前に集団に合流して、少し離れて話を聞いていたカイジンやリグルドたちも興味津々といった様子で会話に加わってきた。

 

「俺たちの村がどうやって『国』として発展していくのかも気になるな。未来の旦那、よければそのあたりも少し聞かせてくれねえか?」

 

「ははっ、ドワーフの王様とはうまくやれてるんすか!? オイラ、未来じゃすっごい出世してるっすよね!?」

 

「ゴブタ、調子に乗るのはやめなさい! ……しかし、未来のリムル様。私も我が主君がどのような偉業を成し遂げていくのか、是非ともお伺いしたく……!」

 

仲間たちの好奇の視線が一斉に俺に突き刺さる。

確かに、シズさんの教え子たちのことや、これから建国していく魔国連邦(テンペスト)の歩み、さらにはヴェルドラの復活や西側諸国とのドタバタなど、彼らに語るべき物語は山ほどある。

だが……。

 

「悪いが、その話はまた今度にさせてくれ。全部話そうと思ったら、それこそ三日三晩あっても足りないくらい、とんでもなく色んなことがあったからな」

 

俺が苦笑いしながら片手を挙げて制止すると、過去の俺は「えー、少しぐらいいいだろ?」と不満げに唇を尖らせた。

だが、すぐに表情を引き締め、真剣な顔に戻る。

 

「……まあ、今はそれどころじゃないか。目先の問題をどうにかしないと、その『未来』すらなくなっちまうかもしれないしな」

 

「そういうことだ。未来の話はここまで。まずはあの豚頭帝(オークロード)の件をきっちり片付けて、みんなで美味い酒でも飲みながら、心置きなくゆっくり話そうぜ」

 

俺の提案に、皆の顔にパッと笑顔が戻り、「「「ハッ!!」」」と力強い返事が返ってきた。

 

気を取り直した俺たちは、目の前にそびえる会議棟の大きな扉を開け放った。

 

 

 

 

会議棟に入った俺たちは、数日前と同様に幹部を呼び、会議を行う体制となった。

先ほどの重い空気はすでに払拭され、皆の顔には眼前に迫る危機に立ち向かう戦士としての鋭さが戻っている。

 

まずは過去の俺が、上座から静かに切り出した。

 

「それじゃあまず初めに、ソウエイ。リザードマンの首領との話し合いの結果を報告してくれ」 「ハッ! それでは順を追ってお話させていただきます」

 

音もなく立ち上がったソウエイが、流れるような口調で報告を始める。

ソウエイがリザードマンの根拠地へ足を踏み入れた際、湿地帯はまだ「嵐の前の静けさ」の中にあったという。

オークの大群はジュラの森の深部を移動中であり、その毒牙が湿地帯に届くにはまだ数日の猶予がある段階だ。

 

「首領は賢明な御仁でした。私の突然の訪問にも動じず、礼を尽くして迎え入れてくれました」

 

ソウエイの報告によれば、首領はすでにオークの異変を察知しており、防衛体制の構築を急いでいたらしい。

しかし、二十万という絶望的な軍勢の情報を突きつけられ、流石に顔色を変えたようだ。

 

「首領は『我らのみでは抗えぬ脅威。ジュラの森を統べる新たな勢力との同盟、否やはございませぬ』と、共闘を快諾いたしました。ただ……」

 

淡々と報告を続けていたソウエイが珍しく、わずかに眉をひそめる。

 

「その息子……未来のリムル様が仰っていたガビルと名乗る男が、少々騒がしく……」

 

その報告を聞きながら、俺の脳裏にはあの懐かしい「お調子者」の姿が浮かんでいた。

 

『ソウエイ殿、と申されたか!遠路はるばるご苦労!だが案じられるな、この私、ガビルがいる限り、オークの二十万など蹴散らしてくれるわ!!』

 

そう豪語していたガビル。

だが、今の彼はただの威勢のいい若頭だ。

父への反乱も、増長した自警団を引き連れての援軍集めも、まだ始まっていない段階である。

 

「彼は『我らリザードマンこそが森の覇者! どこの馬の骨とも知れぬ者に頼るなど、首領も焼きが回りましたな!』などと口にしておりましたが、首領の一喝で黙り込んでおりました」

 

ソウエイの少し呆れたような報告に、過去の俺が苦笑いをもらした。

 

「なんというか……とんでもないお調子者だな」

 

「まぁ、悪い奴じゃないんだけどね。自信満々なのは相変わらずか」

 

(ああ、相変わらずだ。あいつのその自信が、後にどれだけ助けになるか……今はまだ誰も知らないだろうがな)

 

そんなやり取りに俺は密かな懐かしさを感じながら、ソウエイの言葉の続きを待った。

 

「オークの先遣隊は、湿地帯まであと五日の距離にあります。ガビルなる男は、まだ周辺の村々へ徴兵に向かう動きは見せておりませんが、首領は防衛線の構築を急いでいます。我々がいつ、どの程度の規模で参戦できるか、その確約を求めておられました」

 

ソウエイが報告を締めくくると、会議室にスッと緊張感が走る。

過去の俺が、広げられた地図を真剣な眼差しで見つめた。

 

「五日か。思ったより早いな。こっちの準備も急がないと……」

 

「……いや、相棒。焦る必要はないぞ」

 

俺は椅子に深くもたれかかり、過去の俺に対し余裕の笑みを浮かべた。

 

「いざとなれば移動には、時間がかからないからな」

 

俺の言葉に、過去の俺が目を丸くする。

 

「……今までの事から考えると、何か秘策があるってことか」

 

「まぁ、そんなところだな。ところで皆、ちょっと席を外させてもらうぞ。リザードマンの首領には、俺から直接話をつけに行ってくる」

 

俺の突拍子もない宣言に、過去の俺が「えっ、今から!?」と素っ頓狂な声を上げた。

 

「ああ。ソウエイの報告だけじゃ伝わりきらない熱量ってのもあるからな。あとの作戦会議は、過去の俺……お前が主導して進めておいてくれ。お前なら、こいつらの強みを一番理解してるはずだろ?」

 

そう言って親指を立てて見せると、過去の俺は少し照れくさそうに、けれど力強く頷いた。

ベニマルたち幹部も「御意!」と一斉に頭を下げる。

 

(じゃあ、シエル。座標の固定はいいか?)

 

《……準備完了しています。移転魔法を起動します》

 

刹那、俺の体が眩い銀色の光に包まれ、会議室の喧騒がふっと遠のいていった。

 

 

 

 

 

 

視界が開けると、そこは湿った空気と泥の匂いが漂う、巨大な天然の洞窟の前だった。

周囲にいたリザードマンの衛兵たちが、虚空から突然現れた俺を見て、一瞬で戦闘態勢に入る。

 

「な、何奴だ!? 侵入者か!」「この圧倒的な魔気……ただ者ではないぞ!」

 

槍を向けてくる彼らに対し、俺は威圧感を与えないよう、軽く手を上げて見せた。

 

「下がれ、お前たち!」

 

その時、凛とした通る声とともに、衛兵たちを掻き分けて一人の女性リザードマンが前に出た。

しなやかな体躯と、鋭くも知性を感じさせる瞳。

リザードマンの親衛隊長――後の歴史で『ソーカ』と名乗り、ソウエイの有能な部下となる彼女だ。

今の彼女はまだ蜥蜴の姿だが、その身のこなしには既に一級の戦士としての素養が垣間見える。

 

「この圧倒的な魔気……ただ者ではないな。だが、ここを我らリザードマンの首領がおわす聖地と知っての狼藉か!」

 

親衛隊長が、恐怖を押し殺し、部下たちを庇うように俺の前に立ちはだかる。

勇敢なことだ。

俺の実力差を本能で感じ取りながらも、一歩も引こうとしない。

 

「悪いな、驚かせて。俺はジュラの森の新たな盟主……いや、正確に言うと未来で盟主となる者だ。首領に大事な話があってな。首領への取り次ぎを頼めるか?」

 

俺が静かにそう告げると、親衛隊長は「未来……?」と怪訝そうに眉をひそめ、さらに警戒を強めようとした。

だが、その時、洞窟の奥から重厚な足音が響いてきた。

 

「親衛隊長よ、槍を収めよ。その御方は……我らが束になってかかっても抗える存在ではない」

 

現れたのは威厳に満ちた、だが俺にとっては慣れ親しんだ姿のリザードマンの首領だった。

彼は俺の姿を凝視し、その計り知れない魔力の本質を見抜いたのか、深く首(こうべ)を垂れた。

 

「し、しかし首領! 素性も知れぬ者を、おいそれと通すわけには……!」

 

「よいのだ。……これほどまでの御方が、自ら赴かれるとは。ジュラの森の盟主殿とお見受けいたします。私はリザードマンの首領。歓迎いたしましょう」

 

首領の絶対的な言葉に、親衛隊長は悔しげに唇を噛みつつも、スッと槍を引き、深々と一礼して道を空けた。

彼女のその忠誠心の高さと、感情を即座に抑え込む切り替えの早さは、流石の一言だ。

 

 

案内された奥の間で、俺は首領と対峙した。

まだオークの先遣隊が届いていないこの時期、彼の表情には焦燥よりも、部族を守らねばならないという強い責任感が滲んでいる。

その背後には、護衛として親衛隊長が油断なく控えていた。

 

「盟主殿。紹介が遅れましたが、こちらは我が親衛隊長。……少々気が強く不器用な娘ですが、忠義には厚い者でしてな。この場への同席をお許し願いたい」

 

「ご紹介にあずかりました、親衛隊長です。先程は非礼を働き、大変申し訳ありませんでした」

 

親衛隊長が深々と頭を下げる。

 

「気にしてないさ。お前のその勇敢さは、上に立つ者からすれば頼もしい限りだよ」

 

俺が笑いかけると、彼女は少しだけ照れたように視線を逸らした。

 

「さて、首領。ソウエイ……さっきお前のところへ来た青い髪の男から、同盟の話は聞いたと思う。だが、俺がここへ来たのは、単に兵を出すためじゃない」

 

俺は直球で切り出した。

 

「お前の息子であり……そこの親衛隊長の兄である、ガビルのことだ」

 

「……! 兄上が、何かやらかしたのですか!?」

 

首領よりも先に、親衛隊長が身を乗り出して叫んでしまった。

彼女の性格上、兄の増長ぶりには日頃から頭を悩ませていたのだろう。

首領が「控えよ」と目で制し、俺に向き直る。

 

「……ガビルのことを、なぜ?」

 

「まずは、簡単には信じられないとは思うが、俺は未来から来たんだ。この戦いの結末や黒幕も知っている」

 

「未来からですと……? 貴方様のおっしゃる通り、簡単には信じられぬ話ですが……」

 

首領が絶句し、背後の親衛隊長も「未来から来たなど、そんな荒唐無稽な……」と呟く。

だが、目の前の俺が放つ、抗いようのない「魔王の威圧感」の前では、残酷なまでの真実味を持って響いているようだった。

 

「気持ちはよくわかる。だがな、このままだとリザードマンの里は危険なんだ。ガビルに名付けを行った魔人――ゲルミュッドが、オークロードをここに仕向けている。つまり、ガビルは良いように利用されているということだ。更に状況が悪かったのが、ガビルが反乱を起こすようにそそのかされた結果によって、俺の知る歴史ではリザードマンにも多大なる犠牲者が出たんだ」

 

「なっ……ゲルミュッド様が、我らを滅ぼそうとしているとおっしゃるのか……」

 

「そ、そんな……! 確かに兄上は調子に乗る悪い癖はありますが、利用されているなどと……!」

 

親衛隊長が絶句する中、首領は鋭い眼光を俺に向け、深く頭を下げた。

 

「盟主殿。このようなことを申し上げるのは無礼と承知しております。しかし、部族の命運を預かる長としてお伺いせねばなりません。貴方様が未来から来られたという、そしてその悲劇が真実であるという『証拠』を、お示しいただくことは可能でしょうか?」

 

(まあ、当然の反応だよな)

 

俺は頷き、空間に向かって右手をかざした。

 

「口で説明するより、直接見てもらった方が早いだろう。」

 

(シエル、俺の記憶の映像をこの空間に投影してくれ)

 

《了解しました。記憶データより該当シーンを抽出し、光学魔法により空間投影を実行します》

俺の指先から放たれた光が、薄暗い洞窟の空中に鮮明な『映像』を浮かび上がらせた。

 

「な、なんだこれは……!? 空中に景色が……!」

 

驚く首領と親衛隊長の前で、映像が動き出す。

最初に映し出されたのは、絶望の戦場だった。

見渡す限りの泥濘(ぬかるみ)を埋め尽くす、二十万のオークの大群。

そして、防衛線を突破され、圧倒的な暴力の前に蹂躙されていくリザードマンたちの姿だ。

倒れた同胞が、狂気を宿したオークたちに生きたまま貪り食われていく凄惨な光景。

 

「ああっ……! 我が同胞たちが……!」

 

首領が血の滲むような声を絞り出し、親衛隊長も目を覆いたくなる衝動に耐えながら映像を凝視している。

やがて映像が切り替わり、戦場の中央が映し出された。

そこには、ボロボロに傷ついたガビルと、彼を見下ろす魔人ゲルミュッドの姿があった。

 

『俺の役に立って死ねるのだ、光栄に思うがいいぞ!!』

 

映像の中のゲルミュッドが冷酷に言い放ち、強烈な魔力弾を放つ。

ガビルを庇って吹き飛ばされるリザードマンの部下たち。

そして、絶望するガビルに向けて、ゲルミュッドが止めの一撃を放とうとしたその瞬間――映像の中の『俺』が割って入り、その攻撃を無効化してガビルを救う場面が鮮明に映し出された。

 

「兄上……!!」

 

親衛隊長が悲痛な叫びを上げる。

信じていた名付け親に裏切られ、部下を傷つけられ、死の淵に立たされた兄の姿は、彼女にとってあまりにも衝撃的だった。

 

「これが、俺の知る本来の歴史だ。……だが、絶望ばかりじゃない。これを見てくれ」

 

俺が指を鳴らすと、映像はさらに「先の未来」へと飛んだ。

映し出されたのは、数年後。

東の帝国との、十数万の軍勢が激突する未曾有の大戦争の光景だ。

空を覆う巨大な飛空船団、そして地上を蹂躙する強力な帝国兵たち。

その激戦の最前線に、一人の圧倒的な戦士が君臨していた。

 

『ガハハハハ!吾輩がいる限り、この国の守りは崩せぬと知るが良い!! 続け、飛竜人(ドラゴニュート)の精鋭たちよ!!』

 

水渦槍(ボルテクススピア)を振るい、雷鳴のような咆哮を上げるその姿は、かつてのリザードマンの面影を残しつつも、完全に上位の存在――覚醒魔王級の『天龍王(ドラグロード)』へと進化を遂げた、ガビルの勇姿だった。

 

次なる場面では強大な帝国の将軍クラスの攻撃を真正面から受け止め、部下たちを庇いながら、反撃の一撃で敵を粉砕していく。

その背中はあまりにも大きく、かつて己の増長で部下を危機に晒した男とは思えないほど、頼もしく、そして深い慈愛に満ちていた。

 

「な、なんと……! あの強大なオーラを放つ竜の戦士が……ガビルだというのですか!?」

 

「あ、兄上……? 嘘、でしょう……? あんなに立派に、そしてあんなにも気高く、仲間を守って戦うだなんて……」

 

首領と親衛隊長は、そのあまりの変貌ぶりに言葉を失い、食い入るように空中の映像を見つめていた。

 

「そうだ。俺に助けられ、自分の愚かさを知ったあいつは、そこから必死に這い上がった。数え切れないほどの戦いを経て、仲間を守るためなら自分の命すら投げ出せる……『天龍王』と呼ばれるほどの、俺の自慢の幹部に成長したんだ」

 

映像がふっと消え、洞窟に再び静寂が戻る。

首領の目からは、とめどなく涙が溢れていた。

愚かな息子が招く悲劇への絶望と、その先に待つ輝かしい成長への歓喜。

二つの感情が入り混じり、彼はその場に深く、深く平伏した。

 

「……疑ったこと、どうかお許しください。そして、未来の盟主様。愚かな息子を見捨てず、あのような立派な戦士へと導いてくださったこと……父親として、これ以上の感謝はございません」

 

親衛隊長もまた、涙を拭いながら深々と頭を下げる。

 

「私も、兄上のあんな顔……初めて見ました。盟主様、兄上を……ガビルを、どうかよろしくお願いいたします」

 

「ああ、任せておけ」

 

俺は首領たちに頷き返した。

 

その言葉に、首領はもう一度深く頭を下げてから、ゆっくりと顔を上げた。

目尻に浮かんでいた涙を太い指で拭い去り、数度、深く静かな呼吸を繰り返す。

次に目を開けた時、その顔からは先程までの父親としての脆さは消え去り、部族の命運を背負う長としての冷静さと威厳が戻っていた。

 

「……お見苦しいところをお見せいたしました。して、未来の盟主様。私は今後、どのように動けばよいのでしょうか?」

 

俺は少し考えた。

 

(…そこが難しい点だ。本来の歴史通りにガビルが反乱を起こせば、リザードマンに犠牲者が出る可能性が出てしまう。しかし、もしも先手を打って幽閉をしたとなるとガビルは自分の行いが間違っていたと自らを律する機会を失ってしまうだろう。そうすると…。)

 

俺は一度、深く頷いてから首領を見据えた。

 

「ガビルには予定通り『反乱』を起こさせてやってくれ。」

 

「な……!?」

 

「なるほど。しかし、それでは我が部族に血が流れることになるのではありませぬか?」

 

驚愕する親衛隊長と、疑問を呈する首領を俺は手で制した。

 

「心配ない。俺の部下が、影からお前たちの戦士を一人残らず守り抜く。……たとえ首を撥ねられそうになっても、死なせやしない。首領、あんたには『騙されたフリをして、息子に裏切られる悲劇の親父』を演じ切ってほしいんだ。」

 

俺は少し悪い顔をして、計画の核心を話した。

 

「ガビルが自分の過ちに気づき、心から助けを求めたその瞬間……俺たちが助太刀する。それが、あいつが真のリーダーに生まれ変わるために必要な経験だ。」

 

首領は、俺の言葉の裏にある「誰も死なせない」という強い意志を感じ取ったのか、震えていた肩を静かに下ろした。

 

「……一人の死者も出さぬと、お約束いただけますか」

 

「ああ、死なせはしない。約束だ。未来を知っている者が、過去の失敗を繰り返すわけがないだろ?」

 

「……わかり申した。この老骨、貴方様の描く筋書き通りに踊ってみせましょう。ガビルも……それだけのご厚情を受けていると知れば、少しはマシな男になりましょうな。」

 

首領が深く頷く。

 

「そうだ。それと、反乱を起こしたガビルが戦場に向かう時、あんたの持っているその槍……『水渦槍(ボルテクススピア)』をあいつに託してやってほしい。あれは今のあいつには過ぎた代物だが、あの重みを知ることが、あいつの成長の第一歩になる」

 

「……承知いたしました。あの馬鹿息子には勿体ない気もいたしますが、盟主様がそこまで仰るのなら、喜んでこの魔槍を託しましょう」

 

首領の隣で、親衛隊長も真剣な表情で頷いている。

 

「親衛隊長。お前も首領と一緒に捕らえられたフリをしてくれ。ガビルが自分の過ちに気づき、心から助けを求めたその瞬間……俺たちが助太刀する。お前は特等席で、兄貴の鼻っ柱がへし折られる瞬間を見届けてやってくれ」

 

「ふふっ、それは楽しみです。親衛隊長として、いや、妹として、盟主様のご厚情に深く感謝いたします。……兄上が泣きっ面を晒すその瞬間、しかとこの目で見届けさせていただきます!」

 

彼女の言葉に、俺と首領は思わず顔を見合わせて苦笑いした。

どうやら、兄の無事を喜ぶ気持ちと同じくらい、増長した兄のお灸を据えられる機会を心待ちにしているらしい。

 

「よし、話はまとまったな。俺は一足先に帰って、作戦の準備を進める。……親衛隊長、首領の護衛は任せたぞ」

 

「ハッ! この命に代えましても!」

 

彼女の力強い声に見送られながら、俺は再び空間転移の魔法陣を展開し、会議室へと帰還した。

 

 

 

 

交渉を終えた俺が会議室に帰還すると、過去の俺はちょうど、ベニマルたちにオーク軍の特性について説明しているところだった。

 

「――というわけで、奴らは空腹であればあるほど強くなる『飢餓者』の影響下にある。持久戦は不利だ」

 

「なるほど、ならば短期決戦こそが理にかなってるというわけですね」

 

ベニマルが頷く。

俺はそこに、ニヤリと笑いながら割り込んだ。

 

「話はまとまったみたいだな。……過去の俺、リザードマンの首領とは合意したぞ。あっちには『最高の舞台』を用意してもらうことにした」

 

突然現れた俺に、皆がホッと安堵の表情を見せる。

 

「未来の俺! 早かったな。それで、『最高の舞台』ってなんだ?」

 

過去の俺の問いに、俺は会議室の中央にある地図の前に立ち、湿地帯のポイントを指差した。

 

「ああ。作戦の要点から言う。まず、リザードマンの首領の息子であるガビル……あいつに、予定通り『反乱』を起こさせる」

 

「は……? 反乱を起こさせるって、どういうことだ? それじゃあ同盟の前にリザードマンが自滅しちまうじゃないか!」

 

過去の俺が目を白黒させる。

無理もない反応だ。

だが、俺はそこで声を一段低くして、事の真相を告げた。

 

「あのガビルって男には、名付け親がいるんだよ。……ゲルミュッドっていう魔人だ」

 

「ゲルミュッド……!」

 

その名前に、会議室の空気がピリッと張り詰めた。

リグルドやリグルといったゴブリンたちが息を呑み、ベニマルたち鬼人の顔に険しい色が浮かぶ。

 

「リグル。お前の兄貴に『リグル』って名前を付けたのも、そいつだよな?」

 

「ハッ……! 左様にございます。かつて我らの村を訪れ、兄に名を授けてくださった御方……しかし、兄は……」

 

「ああ。そして、ベニマル。お前たちの里を襲ったオーク軍の裏で糸を引いているのも、そいつだ」

 

俺がはっきりと断言すると、ベニマルが「……なに!?」と短く吠え、シオンが大太刀の柄をへし折らんばかりの力で握りしめた。

 

「どういうことだ? そいつが、オークとリザードマンを両方操ってるってことか?」

 

「そうだ。ゲルミュッドの目的は、オークロードに上位の魔物たちを喰わせ、真なる魔王へと進化させること。ガビルに名付けをしたのも、あいつの反乱を煽っているのも、リザードマンという種族を丸ごとオークロードの『上質な餌』にするための仕込みに過ぎない」

 

俺の言葉に、リグルが悔しそうに顔を歪めた。

 

「そんな……! それでは、兄上に名を授けたのも……我らゴブリンを餌として……!」

 

「そういうことだろうな。……だが、俺はそのふざけた三文芝居を逆手に取る」

 

俺は地図上の、ガビルたちが布陣するであろう地点をトントンと叩いた。

 

「ガビルにはゲルミュッドに唆されるまま、反乱を起こし、オーク軍に突撃してもらう。そして、ゲルミュッドの本当の目的を知り、絶体絶命のピンチに陥ったその瞬間――俺たちが助けに入る」

 

「なるほど。愚かな勘違いを根本から叩き直し、己の無力さを思い知らされたところで救い上げるというわけですな。……実に悪辣、いや、効果的な策です」

 

ハクロウが感心したように髭を撫でる。

 

「だが、未来の俺。それだと、助けに入るまでにリザードマンに犠牲者が出ちまうかもしれないぞ?」

 

過去の俺の懸念に、俺は首を振った。

 

「そこは抜かりない。ソウエイ」

 

「ハッ」

 

「お前の分身を使って、ガビルの部隊に影から張り付け。オークの攻撃で致命傷を負いそうになったリザードマンがいれば、ギリギリのところで全て救い出せ。一人も死なせるな」

 

「……御意。このソウエイ、必ずや全霊をもって完遂いたします」

 

ソウエイが静かに、しかし絶対の自信を持って頷く。

彼の実力と隠密性なら、戦場全体を掌握し、死者ゼロの状況を作り出すことも不可能ではないだろう。

 

「よし。これでリザードマン側の安全と、ガビルの教育は完璧だ。……だが、ここからが一番の問題だ」

 

俺はベニマルたち鬼人へと視線を移した。

 

「お前たちには不服かもしれないが……俺は、オークも死なせずに助けるつもりだ」

 

その瞬間、会議室に重く、冷たい沈黙が落ちた。

親の仇。

故郷を滅ぼした憎き豚頭族(オーク)。

それを「助ける」という宣言は、彼らにとってはあまりにも受け入れがたい言葉だったはずだ。

ベニマルが俯き、震える拳を強く握りしめているのが見える。

 

「……未来のリムル様。以前も『魂を救う』と仰っておられましたが……それは、奴らを生かしたまま、という意味だったのですか」

 

絞り出すようなベニマルの声。

 

「ああ。……聞いてくれ。俺のいた歴史では、オークロードを倒した後、残された約十数万のオークたちは、俺たちの仲間になったんだ」

 

「なっ……!?」

 

過去の俺も含め、全員が驚愕の声を上げた。

 

「あいつらもまた、犠牲者だったんだよ。森の飢饉で一族が飢え死にするのを防ぐため、オークロードは自らゲルミュッドの操り人形になる道を選んだ。……その罪を憎まないとは言わない。だが、あいつらが労働力として、そして国を守る兵士として、後の俺たちの国(テンペスト)をどれだけ支えてくれたか……俺はそれを知っている。だから、切り捨てることはできないんだ」

 

俺は真っ直ぐにベニマルの目を見据えた。

 

「お前たちの無念は痛いほどわかる。だが、俺は誰の命も諦めたくない。……どうか、俺の我が儘に付き合ってくれないか」

 

沈黙。

やがて、ベニマルは深く息を吐き出し、握りしめていた拳をゆっくりと解いた。

 

「……リムル様はずるい人だ。未来の主君にそこまで頭を下げられては、我ら家臣は従うほかないではありませんか」

 

「ベニマル……」

 

「それに……過去の主君も、同じような顔をしておられますしな」

 

ベニマルが視線を向けた先には、俺の覚悟に深く頷いている「過去の俺」の姿があった。

 

「未来の俺がそこまで言うなら、絶対に正しい道なんだろう。……ベニマル、みんな。頼む、俺たちの我儘を聞いてくれ」

 

「……承知いたしました。リムル様お二方の決定とあらば、この身、そしてこの怒りすらも、すべて剣に乗せて御心のままに振るいましょう」

 

ベニマルに続き、シオンやハクロウたちも深く頭を下げる。

これで、最大の懸念だった鬼人たちの感情の折り合いもついた。

 

「ありがとう。……それじゃあ、具体的な戦術だ。オークを助け、かつオーガたちの魂を回収するためには、オークロードを他のオークから完全に孤立させる必要がある」

 

俺は地図上のオーク軍の側面を指差した。

 

「ランガ、ゴブリンライダー部隊、そしてソウエイ。お前たちはオーク軍の側面や後方から陽動をかけろ。目的は殲滅じゃない。奴らの陣形をかき乱し、分断し、オークロードを孤立させることだ」

 

「ウォォォン! お任せを、未来の我が主! 我が嵐の力で、豚共の隊列など消し飛ばしてご覧に入れます!」

 

「ランガ、消し飛ばすんじゃないぞ? あくまで陽動と分断だ」

 

「ハッ! 承知いたしました!」

 

ランガが尻尾をブンブンと振りながら元気よく答える。

 

「よし。オークロードが孤立し、ガビルがピンチに陥ったタイミングで、俺と『過去の俺』、そしてベニマルたちが中央へ突入する。……そこでオークロードの核を叩き、喰われた魂を抽出する」

 

俺は過去の俺と拳をコツンと合わせた。

 

「いくぞ、俺。そしてみんな。」

 

「「「ハッ!!!」」」

 

士気は最高潮。

 

かくして、ジュラの大森林の運命を決定づける、二十万のオーク軍との激突の火蓋が切られようとしていた。

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