データを集めて拳で殴るダンジョン配信   作:佐遊樹

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ここまでの登場人物まとめ

●九条博士(仮)

 かつての救世主。5枚のジョーカーのうち1枚。

 水木チヅルがダンジョン内で発見した記憶喪失の男。

 推定年齢は二十歳前後だが、チヅルの『一緒にお酒を飲める年齢の方が後々困らないだろう』という理由で二十歳で戸籍を取得した。

 普通自動車・大型二輪車の免許を持っている。記憶喪失でも免許は取れるんですよ。知らなかったんですか?

 

 ダンジョン探索者専門の配信者事務所『ダリア』に所属する、新人探索ライバー。

 根っからの熱血主人公タイプの人間で、弱きに優しく、逆境を前にすると燃え上がる。

 ……のだが、後見人であるチヅルの指示で、学ランを着込み眼鏡をかけたデータキャラとして活動している。

 

 データキャラとしての適性は皆無に等しく、記憶喪失による常識の部分的な欠如もあってロールプレイの精度は著しく低い。

 そもそも性格からして冷静さとか冷酷さとは程遠いため、ダリア内でも『これでいけるわけないだろ』『お前自分の性癖少しは隠せって』『すみませんこれ事実上の光源氏ですよね?』と色々言われたりしたが、チヅルが実力行使ですべてを黙らせ今に至っている。

 

 有事の際は眼鏡を外し学ランの前ボタンを全部開け、データキャラとは名ばかりの拳で戦う熱血キャラに変貌。

 ただしその際もデータキャラとして戦うという意識はあるため、結果としてありえない謎の計算やデータを口から吐き出す胡乱な存在と化している。

 

 格闘センスはかなり高く、変なクリティカル連打で戦闘を終わらせてしまうため目立っていないが、文字通りに千年に一度クラスの天才。徒手空拳縛りでさえあれば作中の登場人物全員を完封可能。

 他にも現存する武器ならばほぼすべてを自在に扱うことが可能。剣や槍などももちろんだが、銃火器に関しても、身体が覚えているとでも表現すべき練度の高さを見せる。

 

 ウォーキング二体から認識されており、理性を有するウォーキング『吹き荒ぶ嵐の計略者』からは救世主と呼ばれている。本人にその自覚はまったくないし、別に記憶を失う前の彼も救世主など柄ではない少年である。ただし救世主とは、その資質ではなく必要に迫られたかどうかで決定される。

 

 使用武装

・『ライトフィスト』&『レフトナックル』

 九条博士が唯一自前で用意した武装。

 『ダリア』に所属する前の個人配信者時代、様々なダンジョンをソロでめぐる中でドロップし、以降クリティカルステータスに絞って厳選を繰り返してきた装備。

 

 左右の拳から手首までを覆うプロテクターであり、可動域を十分に確保しているため拳を握りこんだり手首をスナップさせたりと柔軟な動作が可能。

 手の甲の部分に加速用ブースターを装備しているが、これはダンジョン内でドロップしたプロテクターに博士が後付けで盛り込んだ独自改造機能。

 

 阿佐ヶ谷ダンジョンでの戦闘で全壊した後、ダリア技術部と若葉カスミの手で修復され、全体的な軽量化と攻撃力の向上、ブースターによる加速力のアップが施された。

 旧式はカスミ曰く『素人にしては頑張って改造していた』レベルの代物らしく、その評価を聞いた博士は喜べばいいのか嘆けばいいのか分からず、結果として変な半笑いを浮かべ、不気味がられた。

 

・『ライトフィストプラス』

 若葉カスミの手で追加ユニットを装備した『ライトフィスト』の強化形態。

 爆発的な攻撃力と加速力の向上を果たしている。

 

 渋谷ダンジョン最下層での戦闘において全損。

 しかし使い勝手を博士はいたく気に入っており、カスミもさらなる改良式『ライトフィストプラスプラス(仮)』の製造に着手しているとか。

 

・『エッジキャリバー』

 九条博士が意識喪失と共に顕現させる謎の剣。

 漆黒の大剣であり、鞘はなく両刃。使用時は音もなく姿を現し、戦闘終了後は光の粒子となって消える。

 

 本質は現実干渉演算を使用するためのデバイスであり、おぞましく、そして残酷な現実を上書きして抗うために製造された決戦用最終兵装。

 剣そのものは演算用に使われる装置――というよりも、子供が筆算をするときに使うメモ用紙のようなもの。

 現実干渉計算自体は剣の担い手が実行するが、その計算を補佐し、現実をゆがめる際に暴発や意図しない歪みが発生しないよう制御するのが主な役割。

 

 後日、水木チヅルの提言により正式に『非再現仮想兵装』という分類を割り当てられた。

 チヅルの透視能力によれば、九条博士は同様の分類を受ける兵装を他に三つほど有しているが、これはチヅルの判断で本人には明かされていない。

 

・『ライトフィスト・ストライクノヴァ』

 若葉カスミが『エッジキャリバー』を改造し『ライトフィスト』にパイルバンカーとして組み込んだ複合兵装。

 博士による運用を大前提とした個人装備であり、他の人の場合は装着してもまっすぐパンチを打ち出すことすら困難という恐るべき汎用性の低さを誇る。

 

 最大の特徴は、各パーツを分解した『エッジキャリバー』を鉄杭代わりに打ち出す射出機構。

 カスミは無論のこと、担い手たる博士すらも認識していないが、本来の現実干渉能力の汎用性を著しく損なっており、代わりに特定の仮想現実を対象に叩きつけることのみに極限まで特化している。

 ハカセは主に『これを受けた相手が無事なわけがない』という認識に基づいて、直撃に伴い対象を完璧に死に至らせる装備として運用しており、これによってウォーキングの再生能力を貫通してダメージを与えていた。

 

カスミ←僕を今の立ち位置に引っ張り上げてくれたというか、大げさではなく、見出してくれた人だと思っています。人生をかけて恩を返すしかないですね。

アリア←戦闘面で現状最も頼りにしています。なんというか、コンビとして本当に信頼できるんですよね。でもスカートが短いのはちょっと勘弁してほしい気持ちもあります。あと訓練期間に知ったんですけど、料理が結構上手ですね。あのみそ汁は、喜んで毎日飲みたいぐらいですよ。

チヅル←頭の上がらない恩人です。世界が彼女の敵になったら、仕方ないけど、世界を滅ぼすしかありませんね。

 

●若葉カスミ

 国内最大級の配信者事務所『ミラージュ』に所属する探索配信者。

 長時間配信を得意としており、ネット上では配信をつかさどる妖怪として扱われている。

 

 その実態は長時間のネットサーフィンによって全身をネットミームで汚染されてしまった哀れな人間。

 彼女の配信コメント欄は時折ミームが並ぶだけで動物の鳴き声と変わらない様相を呈することがある。

 

 かつて親友の如月レイが渋谷ダンジョンで行方不明となった際、同行していたにも関わらず一人生還したことから、一部で炎上したことがある。

 とはいえダンジョンにおいてはよくあることなので、カスミを誹謗中傷していたのはごく限られた層だった上にまもなく沈静化したが、その一件で心に深い傷を負い、全員完璧に帰還できるという確証を得て探索するために異常な量の物資を持ち込むようになった。

 

 人類最高峰の頭脳を誇る天才であり、多くの装備開発以外に、企業と提携しての商品開発も請け負っている。

 ドラッグストアとか家電量販店に行くと彼女の顔がシールとして貼られ『安心のカスミン開発だよ!』とか書かれた商品が並んでいたりする。

 

 その天才ぶりは彼女の自認をはるかに超えており、既存の人類の技術体系からは大きく逸脱した『エッジキャリバー』を(推論の組み合わせによっていくつかの検証をスキップしたものの)瞬時に解析・分解・組み換えするという常軌を逸した超絶技巧に成功している。

 

 音痴なので歌枠が苦手。

 でも最近は、アリアをカラオケに誘って練習に付き合ってもらったりした方がいいかなと考えている。

 

 使用武装

・弓矢

 カスミが自身で開発したメカニカルボウ。

 背部に背負った矢筒からメカアームで自動的に矢を装填する。

 矢は敵に合わせて様々な属性を選択することが可能。

 

 その汎用性と整備性の高さ、並びに稼働用プログラムユニットを内部に埋め込み、使用に練習を要しないという手軽さから、『ミラージュ』技術部はこれを量産し、希望する配信者にレンタルしている。

 

・『複合機械天使(アドベントエンジェル)

 カスミが自身専用に開発した背部メカニカルウイングユニット。

 揚力を利用した飛行能力や、細分化されたメカユニットを組み合わせたレールガンによる砲撃能力などを有する複合兵装。

 

 最大の特徴はカスミの脳に直結して行う、周辺環境の完全掌握・演算予測機能である。

 この機能により、最大稼働時のカスミは秒数こそ限定されているが完全な未来予測を可能としている。

 渋谷ダンジョン編ではほとんどぶっつけ本番での運用となってしまったためフルスペックを発揮できたとは言えず、慣れていけばさらなる秒数の延長が見込まれているらしい。

 

 これらはカスミが独自に研究中である流体金属、並びにナノテクノロジー金属装甲の研究結果をフィードバックした結果完成したとされている。

 カスミの個人ラボを漁ると多分アイアンマンとかができる。将来的にはガンダムとかもできそう。

 

ハカセ←面白い子。君が何をするのか、全部見せてほしい、それを観測させてほしいな。そして……面白い以外にも、今は、隣にいたいなって思える理由があるよ。

アリア←いつも頑張っててすごい子。めげたりしょげたりしない、まさにドラゲナイって感じ。みんなに自慢できる友達だよ。

チヅル←レーザービームを撃ってるところを録画させてもらったり、解析させてもらったり……できないかなあ?あれ解析したら個人携行ビームライフルとか作れちゃうかも……!

 

●アリア・A・アミエル

 カスミと同期の『ミラージュ』所属探索配信者。

 日本でも屈指の知名度を誇る高ランク探索者であり、実力は折り紙付き。

 

 普段はクールな言動をしているが、それは自分の高ランク探索者としての立ち位置を意識して行っている演技。

 本来の彼女は非常に情に厚く、心に熱いものを秘め、そして敵に対しての言葉遣いが汚い。

 博士と絡み始めて以降の言動について、アリアのファンたちは失神したり新しい扉を開いたり博士の写真を張り付けた藁人形に五寸釘を打ち込んだりしている(この世界にはオカルトが存在していて、藁人形の儀式によって悪霊がハカセ君に飛んで行ったりもしてるんですが、それらはチヅルさんに全滅させられています)。

 

 まだ新人だったころ、当時個人勢だったハカセに助けられたことがある。

 パレードリーダー率いる過発生(パレード)を単身で退け、最終的にはパレードリーダーを殴殺した博士の姿に感銘を受け、それ以来彼に憧れ、彼のように『ダンジョンで窮地に陥った人々の前に現れるヒーロー』となることを志している。

 

 博士と共に探索することになった際、当初はどぎまぎして手持ちの中で最も気合の入った下着を着用するなどしていたが、現地で振り回され過ぎてちょっとだけ夢が崩れた。

 しかし彼の本質が自分の想像と何も変わらなかった――彼が根っからのヒーローであることは確認できたので、普通に安心したし、安心して頭から沼にダイブしている。

 

 使用武装

・『頸椎切り(アサシネーター)

 若葉カスミが主導してミラージュ技術部が開発した加速装置内蔵型大鎌。

 普段は刃を格納して、単なるロッドとして持ち運びができる。

 一度同期に勝手に物干しざおとして使われたこともあるらしい。

 刃の部分には特殊なコーティングが施されておりパレードリーダーやウォーキングと打ち合っても破損しない。

 

ハカセ←あたしの憧れ。いつかあたしも、あいつのいいところだけを切り取って、ああなってみせるわ。

カスミ←過去にあんなことがあっても頑張ってるすごい子。そしてついに乗り越えてみせた、自慢の友達よ。

チヅル←さすがにいろいろとズルすぎるんだけど!!

 

●水木チヅル

 最強。生身で瞬間移動してレーザービームをばんばん撃って空間をドカドカ爆発させて最後は拳で全部吹っ飛ばしている。

 配信者事務所『ダリア』に所属する探索者だが、あまりに非現実的な事象を引き起こす上に、本人のコミュニケーション能力が終わっているため、生配信はまったく行っていない。代わりに録画・編集した動画をぽつぽつアップしているものの、流石に人間が生身でビームを撃てるわけがないため、一種のジョーク動画として受け入れられて……いた。今は本物だということが判明したので、チャンネル登録者数が爆増している。

 

 父親が黎明期のダンジョン探索者であり、自身も渡米して本場のダンジョン探索を習うなど、意欲的かつ実践的な面を持つ。

 スペックによるごり押しではいつか限界が来るという自覚を持っており、自身の技術の拡張・開発にも余念がない。

 ダリア内部では『現状最強なのに鍛錬に一番取り組んでるの怖すぎる』『最強女なのに三日ぐらい顔を合わせなかったらさらに強くなってたんですよ……』『抑止力の擬人化』とか言われているらしい。

 

 博士に対しては拾った当初こそ自身の装備を損壊させたという一点しか興味がなかったが、同棲を続けている間に気づけば家族同様の親愛を抱くようになり、そんな親愛を抱く相手が自殺願望としか思えないダンジョンアタックを繰り返して死にかけながら帰ってくるのを何度も何度も何度も見せられたため、脳が壊れた。

 真剣に監禁しようとしたものの、七日間に及ぶガチバトルの末、なんやかんやで頬に一発もらって(わざと当てさせて)、それで彼を『ダリア』に推薦したという過去を持つ。

 

 データキャラ、というよりは眼鏡をかけたクールで頭のいい男が大好きであり、博士がそういう性格をロールプレイしたらめちゃくちゃ興奮するという理由で彼のキャラクター性を決定した。

 結果としてとんでもないモンスターを生み出してしまったが、そもそもチヅルは厳密なデータキャラが好きなわけではなく、博士の現状も『好きな男が自分のわがままを聞いて頑張ってくれている』と認識してご満悦らしい。無敵の女過ぎるだろ。

 

使用武装

・大きな杖

 でっかい杖。これで殴られると痛い(九条博士談)。

 

ハカセ←いろいろ言いたいことあるけどボクがその気になったらいつでも既成事実作れるからまあいいや。

カスミ←オマエなんかヒロシを見る目が最近おかしくないか?

アリア←オマエ最初からヒロシを見る目がおかしくないか?

 

●闇夜狩りの騎士

 詳細不明のエクストラクラス:ウォーキングに属するモンスター。

 米国のオクラホマダンジョンにおいて高ランク探索者を返り討ちにし続け、政府にダンジョン立ち入りを禁止させるほどの強さを誇る。

 

 オクラホマダンジョン閉鎖後は阿佐ヶ谷ダンジョン、そして渋谷ダンジョンと九条博士一行の前に立て続けに出現し、『エッジキャリバー』に強い反応を示した。

 

 博士の推測通り、甲冑を着させられた理性喪失状態では人間の識別ができず、ただ『エッジキャリバーを持っている人間』を本能的に追っている。

 それも本来は、剣の持ち主を見つけるだけのはずが、闘争本能に対する暴走的な強化処置の影響により、執着や親愛が殺意に変換されており、追い求め探し続けた存在を殺そうとするという矛盾した行動を取らされている。

 

 使用武装

・大剣

 彼が振るう漆黒の大剣。

 見た目は『エッジキャリバー』に酷似、あるいはそっくりそのまま。

 背負った二本の鞘のうち、片方はこの剣を納めるためのものと思われる。

 

・空の鞘

 本来ここに納められるべき剣は、人類の希望を絶やさぬために、たった一人の少年へと託された。

 

ハカセ←お前の選択を尊重する。あの忌むべき鎧姿で顕現すれば、また殺し合いなのだろうが……それでも、お前の幸福を願っている。

カスミ←君には、なんというか……彼がものすごく迷惑をかけている気がする……本当にすまない……

アリア←君にも、彼が迷惑をかけている気がする……しかも君の場合は、なんだか様々な気苦労を背負う立ち位置にさせてしまっている気がする……本当にすまない……

チヅル←理性喪失時に、打ち合いにすら応じず退去するという無礼を働いたこと、本当に申し訳なく思っている。欲を言えば、一人の武人として、理性のある時に立ち会ってみたいものだ。

 

●吹き荒ぶ嵐の計略者

 迷彩柄の軍服を着込んだ、桃色の髪の少女。

 エクストラクラス:ウォーキングのうち一体であり、作中時間においては、数か月前にその存在が確認された。

 

 高いハッキング能力を有していることが分かっており、作中では博士の端末を遠隔操作で起動させ、好き放題にネットサーフィンをした。

 

 イギリスのリヴァプールダンジョンにおいて水木チヅルと激突。

 チヅルに同行していた現地の高ランク探索者を全員戦闘不能に追い込み、チヅルからも有効打を受けないまま悠々と逃げ切った。

 その際、あらゆる攻撃をすり抜けるという形で物理的干渉に対する絶対的な耐性を持っていることが確認されている。

 

チヅル←本当に人間?

ハカセ←『戦いが終わったら、学校に通ったり、寄り道したり、映画見たり、とにかく他の子たちがしてること全部やろう』……はぁ。あーあ。あーあ! ったくやってらんない!! ……思い返すと、やっぱりアレって死亡フラグ過ぎたんじゃない?

 




これで一段落です。
しばらくはTSRTAとかまセカ(作者の別作品)の更新に戻ります。
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