データを集めて拳で殴るダンジョン配信   作:佐遊樹

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第5話 阿佐ヶ谷ダンジョン十層(後編)

「ハカセくん……毒スケルトンなんて存在しないよ……」

 

 腕の中の若葉さんは、気の毒なものを見る目を向けてきた。

 毒だけにってか?

 

「しかし若葉さん、すべてのデータをつなぎ合わせれば、あれが毒スケルトンであることは明白です」

「どういうつなぎ方してるの? 星座作った人みたいになってない?」

 

 いやでも、ほら……毒っぽいよ、紫色だし。

 足元に滴る汁が、じゅーじゅー言って地面を溶かしてるし。

 

「あれが幽霊なわけがありません。なので、残った可能性は毒スケルトンだけですね」

「ん? え――あ、これ『幽霊ではない』っていうのが前提になってるの!? その考え方、データキャラは絶対にやっちゃだめだよ!?」

「でもコナン君はたまにこれで犯人を見つけてるじゃないですか」

「それ大体犯人であってほしくなかった人が犯人のやつね!」

 

 じたばた暴れだしたので、若葉さんを地面にリリース。

 軽い身のこなしで着地した彼女は、すぐに弓矢を展開して手に取った。

 

「と、とにかくこいつをどうにかしなきゃいけないんだけど……でも、矢は透けちゃうんだよね……どうする? 逃げる?」

「見たことのないモンスターで、それにエリートですよ? 素材が欲しいじゃないですか」

 

 とはいえ槍はブン投げちまった。

 借りものだし回収しないといけないな。

 

 そう思って、俺は警戒しつつ毒スケルトンへと近づいたのだが。

 

『……キキキッ』

 

 背筋をぞわりと悪寒が舐めた。

 毒スケルトンが、サッカーボールを蹴るように足元の地面を叩く。

 

 するとヤツの足元に広がっていた毒沼が、飛沫となってこちらに飛んできた。

 さっと顔をかしげて避ける。

 だが間に合わず、一部が眼鏡にかかり――じゅっと音を立てて眼鏡が融け落ちた。

 

 ……!

 

 

「――テメェ! やりやがったなッ!!」

 

 

〇!?

〇は?

〇え急にスイッチ入った!?

 

 残った眼鏡のつるの部分を投げ捨て、俺は即座にプリセットを展開。

 第1ビルドを選択――

 

「現れろォォォォッ!! 『ライトフィスト』・『レフトナックル』!!」

 

 両手に武骨なプロテクターが顕現し、蒸気を上げて吸着・最適化(フィッティング)される。

 戦闘用意完了――拳を構え、毒スケルトンに対峙する。

 

「あ、これ意識的に切り替えてるっていうより、眼鏡外したら自動でそうなっちゃう感じなの!? 不便!」

 

〇でも寝るときは普通だったよね?

 

「自分で外すんならいいけどよォ! 勝手に奪われたなら――戦闘意思があるってことだろうがッ!」

 

〇そういうおもちゃなのか?

〇ダリア、こんなおもしろ男をどうやって見つけたのか至急教えてください

 

「食らいなァァァァァァ!」

 

 拳を振りかぶり、一瞬で距離を詰める。

 フルパワーの右ストレートを、骸骨顔へと叩き込む。

 

 しかし――するっと、俺のパンチが、ヤツの顔を通り抜けた。

 

「透けたぁー!?」

 

 パンチがすっぽ抜けた勢いのまま、俺はズザザザ! と地面に顔面からヘッドスライディングした。

 いや透けるとは思わないじゃん! ナニコレ!?

 

「だ、だから言ったじゃん!?」

「チィッ……」

 

 舌打ちしながら起き上がった途端だった。

 スケルトンは足元の剣を拾い上げると、それからこちらを見た。

 見た、といっても目があるわけではない。くぼんだ眼窩がこちらに向けられただけだ。

 

 その暗闇が――ぬるりと、紫色の液体で満たされた。

 

「……ッ!?」

 

 俺は『ライトフィスト』のブースターを点火すると、拳を地面に思いっきり叩きつけた。

 爆砕した床が吹きあがり、俺と毒スケルトンを遮断する壁を生成する。

 

 直後、スケルトンの眼窩からブシャッと霧状の毒霧が噴出した。

 接触した片っ端から、俺が作った急増の防護壁が融解していく。

 

 なんか仕掛けてきそうだったから強引に守ったけど、それ何!?

 普通に超アブねえじゃねえか!

 

「な……何なのこいつ……!? 強酸性にもほどがあるよ!? これ毒扱いでいいの!?」

「毒だろうが! 結果として毒みたいなもんなら、過程がなんであれ毒だ!」

 

 牽制を兼ねて若葉さんが矢を放つが、そのすべてがスケルトンの身体をすり抜けて壁に突き刺さる。

 本当に全部透過してやがる。どういう理屈だ。

 

「クソ、透過のギミックが分からなきゃ対策が組めねえな……! 若葉さん、あいつを『鑑定』してくれ!」

「た、確かに……! 分かった!」

 

 若葉さんが懐から虫眼鏡を取り出し、毒スケルトンへと向ける。

 鑑定が終わるまでは、俺が時間を稼ぐ。

 

「『鑑定』――って、これは……!」

「オラァッ!」

 

 地面を蹴って接近し、殴りかかる。

 全部透過される、回避の気配すらない。

 間近で振りかざされる剣を、微かな身じろぎで捌く。

 

 直後、毒スケルトンの拳が俺の腹部にめり込んだ。

 骨の軋む音と共に、吹き飛ばされる。

 ダンジョンの壁に激突し、衝撃に視界が一瞬ブラックアウトした。

 

「ガハァッ……!」

 

 肺から酸素が絞り出され、喉奥から地面へボタボタと血が落ちた。

 こいつ肉弾戦も結構やるのかよ……!

 

「ハカセくん! これまずいかも!」

「何が、だよ……!」

「まず、そいつの名前は――『スケルトンアビス』! 強酸性の液体に見えてるけど、これは存在そのものを劣化させてるの! だから、そいつは毒スケルトンじゃない!」

「なんだと!? 毒スケルトンじゃないのか!?」

 

〇別にそこに驚きはねえよ

〇毒スケルトンだと思ってたのお前だけだからね

〇存在そのものを劣化ってなんかありえない言葉が聞こえたが

〇いやいやいやここ阿佐ヶ谷の十層なんですけど

〇すまんA級ダンジョンからワープしてきたのか?

 

「でも問題はそこじゃない! そいつ、エリートの異常個体で――『回避』の特性を持ってる! しかも、()()()9()5()()!」

 

 その数字に、思わず口をあんぐりと開けてしまった。

 95%……95%!?

 

〇はぁ!?!?!?!?

〇命中率と数字逆じゃないの!?

〇『回避』特性が10%超えてたらクソエリート認定なんだけど!?

 

 ありえない数字に、コメント欄も紛糾している。

 そりゃ全部透過されるわけだ。理解できた。納得は一ミリもできねえけど。

 

〇特性、って何ですか?

〇ええと……エリートは定期的にポップするんだけど、まれに通常個体と違う特別な性質を持ってることがあるんだよ

〇異常個体って言われるんだけど、その基準として特性っていう他の個体にはない特殊な性質を持ってるんだ

〇有名な異常個体だと『発火』とか『凍結』とか、あと『復活』とか?

〇『回避』は相当レアだけど、95%はもう意味不明

 

「回避率95%だとォ……? 上等!」

 

 口元の血をぬぐいながら、俺はゆっくりと立ち上がる。

 焦る必要はない。相手の特性を把握したんだから、一歩前進と言える。

 OK、クールになれ。俺はクールなデータキャラなんだ。

 

「こんのぉッ……!」

 

 距離を詰めてパンチを繰り出すが、拳を空を切るばかり。

 スケルトンの骸骨顔が、心なしかこっちをあざ笑っているように見えてきやがった。

 

 疲労なのかなんなのか、身体の動きも鈍くなってきている。

 攻撃が当たらず、反撃のパンチやキックを派手にもらってしまう。

 

 ――いやおかしいだろこれぇ!

 

「こっちの攻撃は透かされてんのに向こうの攻撃は当たる! どういう理屈だよこりゃァ!」

「……異常個体の中でも、この特性は強すぎる……! もしかして()()()()()()()()()()()()()()()()()()……!? そんなのD級ダンジョンに出てきていいわけないよ!」

 

 若葉さんも絶えず矢を放っているが、当たる気配はない。

 攻撃がすり抜けるたびに、スケルトンがかくかくと顎を動かしている。

 煽られてるのか? こいつ殺すぞ。

 

〇これダンジョンキーパー案件なのでは……

〇こいつ潜るたびにダンジョンキーパー案件出し過ぎなんだよな

〇待って、いくらなんでもハカセくんの動きがおかしいよ

〇疲れてるんじゃないの?

〇違う、それにカスミンだって――

 

「ごほっ……」

 

 俺が接近戦でいいようにやられている、その時だった。

 若葉さんがせき込み、口元を手で押さえる。

 大丈夫かと見やった瞬間――彼女の手から、粘性の赤い液体がこぼれるのが、見えた。

 

「な……若葉さんッ!? ぐっ!?」

 

 同時、俺もまた口の中に鉄の味が広がった。

 膝から力が抜けそうになり、慌てて踏ん張って、距離を取る。

 毒スケルトンはこちらが弱っているのを確認して、余裕たっぷりに動きを止めた。

 

「は、ハカセくん……! こいつの能力は、目に見えてるのが全部じゃない! 能力の効果が、もう私たちの身体にも……!」

 

 つまり――毒霧は気化した形で、俺たちの身体を既に蝕みつつあるってことか。

 まずい。これはもう、逃げようとしても逃げきる前にお陀仏になりそうだ。

 

 となれば、俺たちのやるべきことは一つ。

 今から最短最速でこの毒スケルトンをブチのめし、食べ終わったフライドチキンみたいな状態に還元してやることだ。

 

「――そうだね、そうだよね。ハカセくんだけでも逃げて。足止めなら私がやるから」

「…………」

「ごめん、こんな風に巻き込んで。でも先輩として、君だけは守ってみせる」

 

 隣までやって来た若葉さんが、俺の腕を引く。

 

「え、えっと……あは、君との探索、結構楽しかったから。それは本当に、君と来てよかった、嬉しかったよ。その、記憶……戻ると、いいね。こんなことになっちゃったけど、ダンジョン探索、諦めないでね」

「…………」

 

〇ちょカスミン?

〇マジで覚悟決めちゃってるじゃん

〇……あのこれ、今配信見に来たんですけど、どうなってます?

〇え? なんか同接めっちゃ増えてない?

〇SNSでバズってて、有志が今カスミン救助するつってダンジョン突撃してるぞ

 

 思考がクリアになる。

 若葉さんの言葉も、コメント欄の文字も、完璧に聞こえるし読める。

 だけどそれ以上に……目の前の敵を倒す方程式が、見える。

 

「若葉さん」

「うん、大丈夫。誰に何を言われても君のせいじゃない。だから……」

「回避率、95%……つまり100ひく95で、命中率は5%ってことだよなァ」

「え? う、うん。そうだけど、それどころじゃなくて」

 

 データは出そろった。

 あとは計算するだけだ。

 

 灰色の脳細胞が、雷鳴の如き音を立てて迸る。

 俺の頭脳が、いくつもの数式を展開しては答えを弾き出す。

 

 そうか。

 そういうことか……

 

 答えは出た。

 俺は若葉さんに振り向き、フッと笑みを浮かべる。

 

 

「じゃあ――100回殴れば確定で五発当たるよなァ!!

 

 

 数秒の沈黙。

 肌を刺すほどの痛い沈黙だった。

 

「……いや、それは、違うよ?」

 

 なんとか言葉を絞り出した若葉さんは真顔だった。

 

〇何を言っているの?

〇カスミンとペア組んでるからすごい新人なのかと思ったけど、これは、何?

〇すごくは、ある

〇すごいバカなんだよ

 

「ハカセくん、ソシャゲとか本当にやらない方がいいよ」

「今から最短でヤツを攻略するにゃこれしかねぇ! 五連続クリティカルで粉砕してやるよ!」

「しかもクリティカル発生前提!? ご、強欲……!」

 

 俺の言葉を聞いて、若葉さんは髪を振り乱して目をカッと開いた。

 

「あのさハカセくん! ちゃんと頭を使って!! 敵の回避率は95%で、君のクリティカル発生率は28%! 0.05×0.28は0.014!! それの五連続は0.014⁵――ざっとの計算で、五連続クリティカルが起きる可能性は0.000000054%なんだよ!?」

「……??」

「全然ピンと来てないじゃん! 期待値ベースでも18億回に1回の計算だって言ってるの!!」

 

 うおっ計算速っ。

 この人本当に計算能力すごすぎないか?

 

「確かに、確率は少しばかり足りねえな」

「少し!? 天文学的な数字だよ!?」

「だけどなァ――」

 

 俺は彼女より一歩前に進み出ると。

 足を肩幅に広げて、右の拳を握り、眼前の敵へと突き出した。

 

 

 

「足りない確率は――元気な挨拶でなんとかするんだよッ!!」

 

 

 

〇?????

〇何が?

〇なんて?

 

「……げんきな、あいさつ?」

 

 若葉さんの顔はビキバキと引きつっていた。

 俺は一つうなずいて、毒スケルトンめがけて疾走する。

 剣を振りかざすが、落ち着いて観察すりゃなんてことはねえ!

 

「おはようございまぁぁぁぁぁぁぁすッ!!」

 

 殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る!

 

「こんにちは!! こんばんは!! お元気ですか!! いい天気ですね!! ヤッホオオオオオオオオ!!」

 

 殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る!

 

〇透けてる!全部透けてるよ!

〇やっぱり全然当たらん、無理じゃん

〇でもこれ、向こうの反撃全部ちゃんと避けながらやってるぞ……!?

 

「アンニョンハセヨ!! ニーハオ!! ナイストゥーミーチュー!! مرحبًا!!」

 

〇なんて?

〇急にインプレゾンビいた?

 

 殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る!!

 

「あ、あわわわ……! ずっと空ぶってるのに、なんで余波で地震みたいに揺れてるワケ……!? どういう力で殴ってるの……!?」

 

 殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴!!!

 

「――これで95ォ!」

「正確にカウントしてたのッ!?」

 

 予想通り、ここまでのパンチは全部透過された。

 なかなかやるじゃねーか骸骨野郎。

 

 だけどな、本番はこっからだぜ。

 とくと味わえ、まずは一発目――

 

「――おはようございますッ!!」

 

 握りしめた左の拳を、毒スケルトンの腹部にめり込ませる。

 確かな感触――直撃!

 爆発音と、クリティカル発生時の閃光音がまぜこぜになって響き渡る。

 

 

「……え? あ、当たった? 当たったっ!?」

 

〇当たった!?

〇嘘だろ

〇なんで当たってんの!?

 

 

 防衛本能なのか恐れからなのか、毒スケルトンがまたもや眼窩から毒霧を噴射する。

 ヌリぃんだよ!

 

「データキャラにぃ! 同じ技は二度通用しねぇッ!」

 

 俺は拳を振るうための前動作として、左足で思い切り踏み込んだ。

 それだけでダンジョンの床が爆砕して砂煙を壁代わりに生成、毒霧を遮断する。

 

 つーか一回目すら即対応されてた技だろうがそれ!

 本当に命かけて打ってんのか!?

 

「二発目ェ!! お疲れ様です――ッッ!!」

 

 踏み込んだ左足を起点として、全身を使って力を伝導させる。

 腰の回転を起爆剤に、『ライトフィスト』を叩き込む。スケルトンの頭部がめしゃりと音を立ててへこんだ。

 

 クリティカルが発生し、ダメージ率が跳ね上がる。

 この閃光音が俺を高ぶらせる、全身を沸騰させる、何度でも立ち上がらせるッ!

 

「三発目ェ!! よろしくお願いしまあああああああすッ!!」

 

 上体をひねって剣をかわし、そのままアッパーを放つ。

 スケルトンの顎を跳ね上げると同時、爆音と閃光音がダンジョンを揺らした。

 

 ここからはフィニッシュへ一直線だ。

 墓場から這い上がって来たんなら、もう一回穴の底に叩き落してやるよ!

 

「四発目ェ!! いつもお世話になっておりますぅぅぅッ!!」

 

 直撃した拳から爆音と閃光音が迸る。

 スケルトンが大きく吹き飛び、壁や地面にぶつかり、細かい骨を地面に落としながら転がっていく。

 かろうじて立ち上がったが、ダメージは明白。

 

〇これ挨拶か?

〇メールのコピペ冒頭分みてえだ

 

 大きくよろめきながらも、毒スケルトンは最後の抵抗に、カウンターの拳を振るっている。

 なかなか根性あるじゃねーか。

 だがそれでも俺が勝つ! こいつで決まりだ!

 

「五発目ェッ――また明日ァアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 全身を使って、『ライトフィスト』を打ち出す。

 クロスカウンターの形。

 

 毒スケルトンのパンチを、大きく前傾してかいくぐり。

 狙い過たず――俺の右ストレートが、ヤツの鼻っ面に叩き込まれた。

 

 

 

「これが俺のデータの力だッ――確率の前に散れェッ!!」

 

 

 

 五度目の閃光音と共に。

 拳を振り抜くと同時、毒スケルトンが盛大に吹き飛ばされ、そしてバウンドしながら地面を転がっていく。

 

 突き当りの壁に激突し、爆発じみた噴煙を散らしながらダンジョンに巨大な亀裂を刻む。

 それからカッと光が迸り――毒スケルトンは、火球となって爆発した。

 

〇え、えぇ……?

〇今何が起きました?

〇幻覚?

〇また幻術なのか

〇すごいものを見てしまった

〇脳汁がすごい、助けて

 

「か、勝った……!」

「ああ、俺たちの勝ちだ」

 

 驚愕に声を震わせる若葉さん。

 しかし彼女はこちらを見ると、腕を組んで何やらぶつぶつとつぶやき始める。

 

「やっぱり……! データ通りに現実が動くわけがない、偏りがあるんだから! でもハカセくんは、その偏りに干渉する何かを持ってる、ううん……()()()()()()()()ことができるんだ……!」

 

 何言ってんだ?

 つまりこれは、完璧な計算結果を前に、感動しているのだろうか。

 

 おっと……戦闘が終わったんだからいつものをやらなきゃな。

 眼鏡がなくても、最後の決め台詞はばっちりだ。

 

 俺は焼けた生ごみになったスケルトンに、一度親指を立てる。

 それからニカッと笑い、手首を返して、ビッと親指で地面を指した。

 

 

証明終了(QED)――俺が上で、テメェが下だッ!」

「いや証明問題ってそういうのじゃないから」

 

 








・スケルトンアビス
A級ダンジョン二十層相当エリート
明らかに阿佐ヶ谷住みではない
下層から追いやられて上層までやって来た
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