ありふれたXは世界最強   作:鋼色

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Xボーイ

休日、天之河と遭遇した。八重樫と、知らんヤツ二人を連れている。前に言っていた幼馴染か。聞いていたが……やはり、多いな。幼馴染とは自分も合わせて三人ほどではないのか?

なぜ四人もいるのだ。我の知識が偏っているだけなのか?

 

「久しぶりだな、ハジメ」

「数日前に会ったばっかりであろう、天之河」

「俺の事は光輝で良いって!ぁ、そうだ。知らんヤツもいるだろうからな。紹介しとくよ!このデカいヤツが坂上龍太郎。フィジカルだけならピカイチさ!勿論テクニックも上だ」

「よろしくな!南雲!キックボクシングとボクシングと空手をやっている」

「ハジメで良い。こちらもよろしく頼む。龍太郎」

 

龍太郎と握手をした時、1番に感じたのは質量。見かけから体がデカく、重いとは予想していたが、あまりにも予想以上だ……!!手のひらを握っただけで分かる。途轍もない重さだ。体を回っているエネルギーから食した量も相当なものだ。そんな中、この筋肉達磨の体を維持できるのは圧倒的な代謝の良さ……!この量から推定して、毎時5000カロリーの消費!!

フィジカルに特化したブレイヴXで互角となるかどうか……。これが世界か!なんとも広い!!

 

この者と立ち会えば、我は更なる境地へと辿り着ける!どうすれば龍太郎と試合ができる!どうしたら拳を合わせられるか!

 

「ハジメ?どうしたんだ?」

「……っ、いや、何でもない。すまないな、考え事をしていた」

「大丈夫ならいいんだが…」

「よし、次の紹介だ!皆の癒やしにして肉弾戦である空手の使い手。白崎香織だ!」

「よ、よろしくね……?」

「ふむ、よろしく。幼馴染全員が武道を習っているのだな。何と珍しい」

 

驚いたことに幼馴染全員が武道を習っていたのだ。一人だけ習う武術の数が桁違いに多い気もするが、まあ気のせいだろう。香織は龍太郎とは違い、異様に筋肉が多いパターンではない。だが、なんだ。この途轍もない強者を目の前にした時のような、この感覚は。シンプルに感じる強さも勿論ある。しかし、それだけでは済まない感覚がある。そう、どこか彼方から見られているような、感覚が。

見られている?誰に?どこから?[X]の力を手に入れた我が分からぬ間合いから見られているだと?異世界でもあるまいし、そんなバカな事が…。

 

……もしや、近くで見られているとしたら。この感覚が白崎香織がもたらしたものだとしたら。それが事実だとしたら、何と恐ろしいか!試す価値は十二分にあるな。顔を拳で殴るイメージで、体を動かす!

 

「っ!」

「初対面でジロジロ見られるのはあまり気分がいいものではない。そう露骨に警戒されると、特にな」

「香織?見たの、彼を」

「見た。…ごめんなさい!ハジメさん。前に襲撃に来た仲間なのかと思っちゃって」

「襲撃、か」

「7ヶ月前のことだ。不思議な力が宿る俺の身を拘束しに来たんだ。当時は力なんて知らなくてな、幼馴染の一人が殺された。その時に俺は力に気付き、呪われた(愛された)

 

薬指に嵌められた銀色の指輪を撫でつつ、過去を思い出している。点と点が繋がって線になった、という感覚はこういう時の事を言うのだろう。前々から疑問に思っていた。天之河……光輝には悍ましい気配がある。いや、その表現は正しくない。張り付いている、と言った方が正しいだろう。両者が離れたくないと張り付いているのだ。

カースXを想起させるような、悪感情が浮かぶオーラがあった。なるほど、それでか。

 

そこから先の内容も何となく分かる。光輝は今、幼馴染の呪い()を制御できていない。きっと押さえ込むので精一杯なんだ。ならば我が行うべき行動は一つ。友の為に命をかける事だ。

 

「奇遇だな、光輝。我にも力がある。この力、貴殿のために使わせてはくれんか」

「死ぬぞ」

「頼む。我は貴殿の言葉に救われた。ゆえ、我も貴殿と彼女の崩れかけた関係を治したい。無論、彼女を光輝の手から離すつもりは毛頭ない。……頼む、光輝」

「なんで俺が頼まれてんだよ。本来頼まなきゃいけないのは俺だろうに。正直、ミカと今の関係を続けてたら誰かを害すだろうと思ってきた。だから、ハジメ。頼めるか?」

「もちろん」

 

豪快な笑みを浮かべつつ、[X]を握る。出力するのは変貌の[X]。

 

「チェンジX」

「プレイスXチェンジ」

 

空間が移動する。移動した先は人影が形もない荒野。岩が広がる荒野にて、戦う準備を始める。Xを回す。

 

「[Xタイム]」

 

奏でるは暗黒の風。

 

『ダークネス!ダークネス!ダークネス!』

 

「X」

 

『ダークネスXゥゥ!!』

 

死の装束をまとい、戦闘準備はバッチリだ。

 

「……来て、ミカ!」

 

薬指に結ばれた指輪から顕現するは大柄の白。体、王冠、武器、全てが白で染まっている。だが、放つオーラは白とは遠くかけ離れた悍ましきオーラ。誰が敵か測っている状況で、爆弾を一つ落とす。

 

「奔流・雲」

収束・発散(コンバルション)

 

世界を黒く塗りつぶすはずの津波を人差し指に収束させ、黒の弾丸として放つ。それはミカに傷をつける事は叶わないが、喧嘩を売るには十分な一撃だ。

 

「シネ」

「っ![Xタイム]!!」

「X!!!」

 

『ヒールXゥゥ!!』

 

打撃が遠隔で放たれる。ソニックブームなどではなく、確かに拳が当たる感覚。真に拳で攻撃するという事象を飛ばした。咄嗟にヒールXにならなければ死んでいた。[X]の中でもピカイチの硬さと再生能力を保持しているヒールXを使用してこれだ。

まともに喰らっていれば我の体は消え去っていたな…!!

 

このフィジカル。シンプル強化で殴り合う事はできん。戦うとしたら不思議現象を強化するに限るな。

 

「[Xタイム]」

 

『シノビ!シノビ!シノビ!』

 

「X」

 

『シノビXゥゥ!!』

 

勝つ道筋は翻弄しながら攻撃をぶつける事。その為に一番向いているのはシノビXであろう。我が保有するXの中でトップレベルの速度を誇る。同じ速度系ならアクセルもあるが、こちらのシノビXは応用が効くのでな。

惑わし、翻弄させてもらう。

 

桜花満開(サクラ・ブースト)

 

シノビXの[Xタイム]の時にしか使用できない強化技。体から桜を散らしつつ、更なる強化を施す。

 

上手い話には裏があると言うように、この技にも裏がある。桜花満開による強化可能時間は10分。他のX技を使用するとなると時間は更に狭まる。

 

「我にはそれで十分」

「ンァ!?」

「八重樫流忍刀・夜鴉」

 

腰に備えられた二つの短刀を手に取り、ミカへと切り掛かる。素の攻撃力と防御力の差が浮き出ているな。薄皮一枚しか切れん。

その傷も速攻再生するときた。恐ろしい事この上ないな。

 

「アイシクルX・前方発射(フォス・ブラスト)

 

凍てつく氷ビームを余裕綽々で受けようとドッシリ構えている。あぁ、途中までだが。アイシクルXの異常性に気付き、突如避けた。

それもそのはず。[Xタイム]→X技ならば出力が落ちるが、初手からX技を使えば出力は完璧だ。

 

その分安定性は落ちるし、魔力の消費も高い。身体への強化も不可能。[Xタイム]とX技。どちらにもメリットがあり、デメリットがある。つまり、両方を使えば最強だ。

 

「すまんな。そこは炎だ」

「フレイムX・収束昇天(クルーヴァル)

 

地面から炎の柱が貫き、身を焦がす。

 

「プラズマX・雷拳」

 

雷で形成されている拳で叩きつける。その数、推定300。数を重視していたからだろう。形成の際に穴ができた。やはり慣れない技を使用するとなると欠点が出てくるな。

 

「ライケン!!」

 

突如、雷の拳が飛んでくる。この術式………間違いなく我が編み出した雷拳だ。何故こやつが使える。あれはプラズマXでの鍛錬を行わなければ扱う事は不可能なはず……。

模倣でもしない限り不可能だ。なんだ、この者は模倣まで扱えるとほざくつもりか?なんとも可笑しな事を。

 

ならば、戦いを長引かせるのは不利なるだけだな。早急に暴走の感情を止める必要がある。あれは命懸けだが、やるしかない。

 

桜花満開を維持しながら[Xタイム]をし、ターンXを叩き込む。それしか道はない。

 

「[Xタイム]」

「X」

 

『ホーリーXゥゥ!!』

 

「ターンX」

 

『Xターン!Xマキシマム!ホーリーX!』

 

「ブレイカムホーリーX・神聖分離(エクストラベル)

 

神々しく輝く白濁の光を纏った足が直撃する。それは肉体を傷つける攻撃ではなく、精神に作用する攻撃。いや………攻撃という名は似合わない。愛という感情の外に包まれた呪い。それを完全分離するための一撃。

 

『X!X!X!』

 

「はぁ……ターンX技を強化する感覚は慣れんな。どうしても噛み合わぬ。光輝よ、貴殿の幼馴染の感情を暴走させる材料は取り除いた。そこから先は貴殿らの仕事だがな」

「予定したよりも疲労はたまらなかったが、それでもだな」

 

『クリア・X。お疲ァれェ!』

 

「チェンジX」

「プレイスXチェンジ」

 

世界がまた移り変わる。荒野から都会に変わり、人が現れる。

 

今日は思いっきり遊ぶつもりだったが、残っている体力的に遊びは無理だろうな。友のためにこの力を扱えたのだ、悔いは残っていないがな。

 

「光輝。貴殿はきっと、幼馴染が自身を呪ったと思っているだろう。だがな、自身が幼馴染を呪った可能性も視野に入れるべきだと我は思うがな」

「それは一体……っ」

「あくまでも可能性の話だ」

 

……光輝にはあぁ言ったが、現実は後者。光輝がミカを呪い、現実に引き留めている。現にミカと光輝にはリンクが繋がっており、力を分け与えていた。あの模倣能力と身体能力。間違いなく光輝に由来する力だ。

我は彼を勇者のような男だと印象づけていたが、事実は全くの逆かもしれんな。人に勇気を与えるとは真逆の、呪いを与える……呪術師。

 

戦いたくない者がこう身近にいるとはな。今回は勝てたが、次も勝てるとは限らん。いや、それは強がりだ。次戦えば、我は8割で負ける。くふふ、もっと鍛錬を行わなくてはな。




☆天之河光輝
一応転生者。無双しようと思う気概はなく、南雲ハジメが幸せになればいいと心の底から思い、願っている。ハジメの幸せを支える為に希望した特典は【呪術廻戦】乙骨憂太の才能。ちなみに神様がオマケで幼馴染のミカをリカちゃん枠にしてくれた。性能としては微摩虎羅と里香ちゃんを合わせた感じ。付属効果としてミカちゃん顕現時に呪力の出力が大幅アップ。もちろん呪力は底なし。多分この作品の中で一番のチート。やろうとしていないだけで記憶にある能力はコピーできる(死ぬ前の漫画など)。ちなみに乙骨憂太よりも元の体が強いので【呪術廻戦】や【ありふれた職業で世界最強】よりもゴリラできる。やばい。

使用可能な能力・コピー能力
・【呪言】
・自己反転、反転アウトプット
・【暗黒物質(ダークマター)
・【雷焦呪術】
・【桜花戦奏(サク・サク・サクラ)
・【冬氷呪法】
・【無潰焦火】
・【明鏡呪術】

縛り
呼び出してから五分間は弱体化ミカちゃんだが、五分を超えると完全体美香ちゃんになる。

弱体化ミカちゃんの呼び出し
「来て、ミカ」

完全体美香ちゃん昇格
「来い、美香」
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