カルドセプトにドラクエモンスターズが混ざった世界に転生ですってよ奥様   作:闇谷 紅

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ある日の一幕

「だああっッ、逃げるなァ!」

 

 僕は痛くなるほど拳を握り締め目の前のマスを、敵領地を睨みつけていた。ドラクエでは結構おなじみとなった硬くて早くてそれでいて生命力は儚い金属質の光沢を帯びたモンスターことメタルスライムが侵攻を命じた僕のモンスターの一撃を身体で受けた上、領地の隅っこまで移動していたのだ。

 

「逃走」

 

 攻撃を受けた対象モンスターが一定確率で空き地か手札に戻るという特殊能力である。僕の叫びも空しくガサガサと音を立てた金属光沢のモンスター(メタルスライム)はかなり離れた空き地マスまでワープしていった。

 

「アイツが居るということは、おそらくメタル系に特攻のアイテムも存在はするんだろうけど……」

 

 扇状に広げた手札の中にある戦闘の補助としてアイテムとして使えるカードは、戦って倒した魔物がなつきやすくなる「まもののえさ」と攻撃力上昇する上に使用後も手札に戻って来て使い勝手のいい「はがねのブーメラン」の二枚だけ。そもそもメタル系特攻の武器アイテムカードなんてまだお目にかかったこともない。

 

「まだまだ先は長いってことで」

 

 嘆息しつつ僕の留まるマスは占拠していた僕のモンスターが侵攻したことで、主なき土地となっている。

 

 「カルドセプト」と「ドラゴンクエストモンスターズ」、メーカーもジャンルもまるで違う二種のゲームのコラボ。前者はかなりの間新作が出ていなかったこともあり、続編は絶望的かと思っていた僕は、ある日何でもないことで命を落としたらしく、気づけばネット小説によくある異世界転生と言うやつを果たしていた。

 

「その世界が『カルドセプト』と『ドラゴンクエストモンスターズ』がコラボした世界だったようなんだけど」

 

 普通に考えてこのコラボは無理目だと思っている。カルドセプトは名作ではあるとは思うものの、ドラゴンクエストモンスターズを出してるメーカーにはカルドセプトと反を同じくすると思われる別のゲーム(いただきストリート)が既に存在するからだ。何ならドラクエとはそっちのゲームでコラボしてるわけで、競合他社の別ゲーとのコラボが実現するとは思いにくいと僕が考えるのも仕方ないと思う。

 

「となると誰かの妄想か二次創作がベースの世界なんだろうなぁ、ここ」

 

 思い返してみるとプロが調整してコラボを実現させたとは思えない程度に両ゲームのつなぎが拙い部分が散見されるのだ。

 

「まぁ、その真相がどうあれ……僕にできるのはカードのコンプを目指してゆくことだけか……『トベルーラ』」

 

 敵の手番が終わるのを確認した上で、カルドセプトではダイスの数を二つに増やす「フライ」のカードがドラクエナイズされたソレを使ってダイスを増やすとサイコロを振って連続するマスを先へ先へと進んでゆくのだった。

 

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