養育ファミリア メジェド・ファミリア   作:個体識別番号0111

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アイズ・ヴァレンシュタイン4

 時はアイズがジンを幽霊と誤解し、絶叫した後に続く。

 

「……?ジンはお化けじゃない?」

「お化けじゃない。」

「……ほんと?」ビクビク

「そんな不安なら触ってみろよ。ほら、手出せ。」

「う、うん。」

 

 アイズは怯えながらもジンに向けて手を伸ばしてジンの手と合わせた。その手はきちんと生きている人の温かみがあった。

 

「さわれる。あったかい。」

「当たり前だ。生きているんだからな。さて、明日会おうと思っていたが、今会えたんだ。ここで伝えるぞ。」

「明日から俺がお前を育てる。だから一人でダンジョンに潜るな。俺が来るまでホームで待っとけ。あと、今日はもう帰るぞ、晩御飯の時間だ。」

「ヤダ。」

「やだじゃない。ほらいくぞホームまで送ってやる。明日からは朝早いんだからちゃんと飯食ってベットで寝ろ。返事は?」

「はーい。」

 

 ジンが他ファミリアに所属しているアイズを指導できる。いやすることとなったのはリヴェリアの失礼をフィンが菓子折りを持って詫びに来た時までに遡る。

 その時、ジンとフィンは人払いがされた白衣の屋敷の一室で向かい合っていた。

 

「ジン今日はすまないね。遠征の前日に。」

「いやそこまで気にすることじゃないさ、どうせ持っていくのは剣だけだしな。気にするべきなのはお宅の教育方針の方だな。このままだとうちのがそっちであばれるぞ?」

「それを言われると耳が痛いね。先日のアイズのことは感謝してもしきれないよ。今日はリヴェリアだけでなくアイズのことでも来たんだ。率直に聞こう、アイズのこと気づいているね?」

「それを問うってことはお宅らも気づいてはいるんだな?そりゃ気づくさ。あの子は精霊に関する何かがある子だ。それが古代の英雄のようなものかクロッゾのようなものかはどちらも見たことがねえからわからねえがな?」

「そのとおりだジン。彼女は精霊に近しい存在だ。そこで君に頼みがあるんだ。アイズの面倒みてくれないかな?正直に言うとまだこちらのごたごたが片付いていなくてね、アイズのために動ける適切な人材がいないんだ。どうか頼まれてくれないかい?これは正式なロキ・ファミリアからの依頼だし、報酬は弾もう。」

「俺が育てるなら俺たちのファミリアに移籍させてればよくねえか?教育期間が終了したらそっちに戻せばいいだけだしな。」

「それはアイズのスキルを知られたくないから駄目だね。」

「それならまあしゃあないか。アイズを育てるのは別にいいわ。前はゼウスのところの奴にも剣教えてたしそもそもうちはそういうファミリアだ。けど、こちらから条件を一つ出させてもらう。あの子をかわいがれ。わからなくても頑張れよ。俺が教えるのは剣だけだ。人を教えるのは家族だけだ。」

「わかった。参考にさせてもらうよ。」

 

 

 

 

 

 

 訓練開始

 1日目

 最初と同じように対モンスターでアイズが学びたがるので実践形式でやっていく。が、長期的に訓練するのでジンはアイズにステイタスを上げるだけでなく武術を教えることとした。

 

「アイズ。まずは武器をきちんと扱えるようにしないとな。武器ってのはぶん回すだけじゃ性能は発揮できねえ。正しい振り方ってのがある。まあただその辺で型通りに振るのは飽きるだろうから、まず手本を3種類見せる。突き、振り下ろし、振り上げだな。それをゴブリン相手にやってみろ。適宜教えてやる。」

「型なんていらない。無くてもモンスター殺せる。」

「いる。」

「いらない。」

「いろんなモンスター殺せるぞ?特に強い奴。」

「……教えて。」

 

 二日目

 突きはマシだが振りが、まだまだダメダメ剣に振り回される。軽い剣ではあってもアイズの身体が追いついていないためだ。

 

「うーん。何でそんな振り回されるんだ?ああ、体幹がだめなのか。トレーニングは……(嫌がるか。)」

「はぁはぁ。やあ!はあ!」

「(まあ、そんなに急ぐ必要ないか。やる気はあるわけだし。このままだと一年以内にはランクアップもするだろ。)」

「振り下ろしはちゃんと真っ直ぐに振り下ろせ。じゃないと切れないぞ。後、振り上げは程々でいい。まだアイズに速かったわ。まずは突きに集中しろ。」

「は、はい。やー!」グサッ

 

 

 一週間

 突きに関してはかなりさまになってはいるが、振りが精々許容範囲内。学んで一週間七歳の少女の剣だとすると十分すぎる動きではあるが一人でダンジョン探索する冒険者であると考えると心許ない。(一日三桁モンスターを殺してるけど、殺し過ぎてモンスターが足りなくなってギルドから苦情来たけどけども)

 

「うーん。ステイタスを同時にあげるべきか?ここまで幼い眷属を育てたことは無いから分からんなあ。まあ1ヶ月は様子見るか。」

 

 1ヶ月

 剣の振り方もマシになり剣に振り回されることは無い。今後は精度を高めていく事となる。つまり剣術の基本は教え終わったということ。

 これからは本格的な探索に向けた訓練となる。例えば一人なら向き合わなくてはならない問題であると群れとの戦いとか。

 

「剣についてはマシになってきたのでこれからは群れとも戦って戦い方も訓練していく。返事は?」

「はい。」

 

「ほーらぽいぽい。」

「ジン!変なの投げないで!集中できない!」

「目の前の敵に集中しろー?ゴブリンが来てるぞー」ぽいぽい

「また、木の棒投げてる!」

「訓練、訓練だぞー。」

 

 訓練は対峙している敵以外からの妨害(ジンによる妨害)に乱されることなくモンスターの討伐から始まり、妨害の対処に移って、最後に群れているモンスターで実戦する。

 

 3ヶ月

 始めと比べると動きはかなり改善され、幾らかステイタスも上昇している(敏捷と器用はD)のでこれから相手取るのはウォーシャドウである。アイズは倒したことがあるがそれは身の丈に合わない武器を使用しての相討ちでのものであって本来はLv.1が一人で戦うような相手ではないし勝てる相手でもない。でもアイズが一人でも安全にダンジョン探索できるようにするためには、余裕を持って相手取る事が必須であるし、アイズが負ける相手ではない。

 

「これからウォーシャドウと戦うが今のアイズならまあ負けることはない。だが負傷はするだろうし疲労も多く溜まる。頑張れ。」

「うん。頑張る。」

 

 6ヶ月

 一回ウォーシャドウと戦った後にもう一度ウォーシャドウと戦ったとしてもポーションを使わなくてもいいくらいの傷までに抑えることができるようになってきた。

 つまり、一人でダンジョン探索するには十分な実力を得たということ。(ステイタスも魔力を除くとE以上で埋められている。)

 

「……。(強くない?こんなもんか?精霊とか関係してんのかな?)」

「これからは一人で探索してみろ。俺は後ろで見とくだけにしとくだめな所とかは教えてやるからな。まずは十階層までで。」

「うん。好きにしていいの?」

「ああ、いいぞ。上の方でモンスターをずっと殺し続けるも良しステイタスを上げるためにウォーシャドウと戦い続けるも良しだ。」

「……わかった。」

 

 またギルドから苦情がきた。モンスターを殺し過ぎで他の冒険者の稼ぎが無いとのこと。無視した。すると罰則金が請求された。倍払って黙らせた。

 

 9ヶ月

 現在、アイズはステイタスが頭打ちになってきてイライラアイズになっている。つまり、神の付け入る隙が生まれる。




 
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