養育ファミリア メジェド・ファミリア   作:思いついたら書く人

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打ち倒す者

 メジェド。二つの目が描かれた白い布を被り、二本の足のみを人に見せるそんな神。見た目だけでは何をする神なのか何ができる神なのかは全くもって分からない。

 

 神ゼウスの様に強大かつ絶対的な全能神ではなく。

 

 神ロキの様に神界を大いに荒らし知らぬものがいないという有名な神ではなく。

 

 神天照の様に神でありながら神をまつるという異質な神でも無い。

 

 ただただ何も分かっていないという神がメジェドだ。

 

 そもそもの神話、エジプト神話でも何も分かっていない神。謎の神というのがメジェドである。分かっているのは目から光を出して敵を撃退したり、空に舞いながら炎を吐くといったもの。だがこれも神話の中で少しばかり描かれていただけのものでメジェド単体の神話は何一つ無い。だが、これは神の力、アルカナムを用いるもの外界では何の意味も成さない。

 

 だがメジェドの意味は打ち倒す者である。オシリスの館に住み敵を打ち倒す者それがメジェドという神である。つまりメジェドは戦う神なのだ。そして、戦神は外界でもその技量は衰えない。神としての永きに渡る研鑽は決して衰えることは無くそのまま外界へと降り立つ。

 

 

 そして今、『静寂』の祝福(ゴスペル)が響く中をメジェドはこれまでの研鑽を活かし宙に舞うジンの砕け散った刀剣の破片や町の瓦礫を一時的な足場にして上下左右を縦横無尽に動き、周り、跳ね、続け直撃を回避している。

 

「祝福(ゴスペル)」

 

 音が響く。するとメジェドが先ほどまでいた建物が砕け散る。メジェドは砕け散った瓦礫を利用し、突撃する。

 

「祝福(ゴスペル)」

 

 音が響く。メジェドの通過する所に置いてあった魔術が作動し、メジェドに当たるはずだったが、メジェドは宙にある別の瓦礫を蹴り範囲から逃れる。

 

 『静寂』が市民を狙った攻撃をしようとしたら神速で突撃し、妨害。それを鬱陶しく思い『静寂』がメジェドを先に仕留めようとするとかすりはするが決定打にはならずただ消耗するだけ。超短文詠唱という消耗の少ない特殊な魔法とはいえ無駄打ちは厳禁。魔力切れもあるが体力的にも。

 

 

 粉塵により目が満足に効かない中メジェドは『静寂』の位置を分かっているかのように進み、蹴るが彼女も何処からメジェドが来るのかを分かっているかのように避ける。

 

 

 そしてメジェドからの蹴りは最初の一撃を除き『静寂』は一度も喰らわない。むしろ手刀をもってメジェドの蹴りを迎撃している。まだ戦いが長引いていないのでメジェドは見切られていないがいずれ蹴りを撃ち落としたり、足を掴んだりしてくるだろう。何万何億と続けた研鑽を一瞬にして埋めて来る。そんな確信がある。だから彼女はジワジワと時間をかけてメジェドを追い詰める。建物を崩し、逃げる為の足場を更地にしながら神を追い詰める。

 

 

 この状況はメジェドが戦神だから生まれたのだろうか?いや、そんな事は無いただあの神がメジェドだというのが全ての理由だ。そもそも主神でも無いただの戦神が史上最恐の魔女に拮抗出来るわけがない。神という事が理由にならないのなら答えは一つ外界だ。

 

 メジェドが地上に降り立ち千年そして神時代が訪れオラリオに来てから九百年ずっと子供達の事を見ていた。メジェドは自分の眷属(こども)達は当然としてオラリオ、エジプト、それ以外の外界に暮らす様々な人の事を見ていた。その中には『静寂』には及ばないが静寂と同じ技を使うものが居た。才能の怪物に手を届かせようとする努力するものが居た。そして何より『静寂』よりも強大な黒(こくりゅう)に生きようと大切なものを守ろうと足掻いた光を知っている。だからメジェドは此処まで戦える。

 

 そしてその光は未だ途絶えていない。今の子たちに受け継がれている。

 

「祝福(ゴスペル)」

 

 今、『静寂』の周りにある全ての建物は塵となった。もうメジェドに逃げ場は無い。だからこそメジェドは、

 

ペカペカ

 

「今!」

「おう!」

「「陽光をもって敵を穿たん!(アテン)」」

 

 メジェドからの合図を受け取ったその瞬間、白衣の館から極光が迸り『静寂』に直撃する。その極光は先ほど屋敷にネフェルとリリルカを連れて帰還した上級冒険者二人の夫婦の魔剣。だがそれではダメージは与えられない。しかし、今の今まで抵抗を見せていなかった戦力外からの横槍。その瞬間にほんの僅かな、そう針で空けたようなほんの小さな隙が生まれた。始めて『静寂』が隙を見せた。そこにメジェドの下から突き上げるような蹴りが突き刺さる。同じくダメージは無いが、衝撃は与えられた。そうして『静寂』を城壁の先へと蹴り上げオラリオから一度追い出すことに成功した。

 

「今日はここで引いてやる」

 

 だがとても勝利とは言えないだろう。オラリオの一角、貧民街は元の景色の面影もないほどの更地となった。




ゼウス、ヘラ追放当時のメジェド・ファミリアの第一級冒険者だった者達の現状

レベル6 団長ジン オラリオ在住
レベル7 希望 ノヴァ ベルの村に寄生
レベル7 大賢者 ニコラ 学区にてクラス開講
レベル5 ニコラの助手 ハインリヒ 同じく学区に在住
レベル6 高潔騎士 ギャラハット アーティファクト探し(世界旅行)
レベル6 緋色蜥蜴 ウパルパ オリンピア近郊の島にて炎の監視
レベル5 鎚振るい トンカン オラリオ近郊の工房在住 現在闇派閥に鎚を振るってる

ホルなどの有力な12の若者(レベル5から3)は郊外へと住まいを移した。(才能があるからといって冒険者としてオラリオにずっといるとは限りらないからね。仕方ない。最終戦である黒竜討伐の時に来る人は来ます)

ゼウス、ヘラFは彼らが全員いると考えて行動していたのでオラリオの戦力とは余りにも不釣り合いになってしまっています。その為過剰戦力がジンのもとへ流れました。本来はジンは女帝が相手して他の眷属はザルドやアルフィアと同じようにオラリオを強襲する役割でした。おかげでジンに勝機はありません。

ベル編どうしようか?

  • 別の小説として書いて
  • ここで時系列に沿って書いて
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