戦争なき帝国主義   作:TD75Kwk

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本日は四か国条約についてです。
こちらでもバリバリ日英協調路線でやっていくみたいですね。
ではどうぞ


第四話:太平洋の均衡

時間は戻ってワシントン海軍条約締結の次の日。

太平洋及極東問題委員会

 

英「本日は太平洋情勢についての会談とさせていただきます」

 

米「太平洋は中立化されなければならない。そのためには日英同盟の破棄が必要不可欠だ」

 

日「それは今会議では関係ないでしょう。」

 

英「その通りだ。これはもとは対ロ同盟であり今は対ソ同盟として機能している。破棄する理由もない」

 

米「しかし、その同盟が太平洋における軍事的均衡へ影響を与えているのは事実だ。

各国が島嶼部の要塞化を進めれば、太平洋は巨大な火薬庫となるだろう。」

 

日「一理ありますな。」

 

英「ということはつまり米国は、グアムやフィリピンの増強計画を放棄することもお考えか?」

 

米「いたずらに基地を増強し続ければ、疑念は疑念を呼ぶ」

 

英「シンガポールもか?」

 

米「例外を設ければ条約は骨抜きになる」

 

英「王立海軍に極東放棄を求めるような話だな」

 

日「ならば全てを禁止するのではなく、“最低限必要な拠点”のみを認めるべきでしょう」

 

米「具体的には?」

 

日「本土防衛および通商保護に不可欠な拠点に限る、ということです」

 

英「具体的にはどこをお考えで?」

 

日「シンガポール、サイパン、トラック諸島、ハワイ諸島、マニラの五か所です」

 

英「なるほど我が国としては許容範囲だ」

 

米「さすがにグアムを認めないのはどうなのかね?」

 

日「我が国としても目と鼻の先のグアムへの建設は容認しがたい。」

 

米「ハワイのみで広大な太平洋を維持しろと?」

 

英「……まあ待たれたい。では追加の要塞化を禁ずる代わりに、現状維持を保証するというのはどうか? 新規建設を止めるだけであれば、互いの面目は立つ」

 

米「ならせめて追加で軍民で使う陸上並びに水上飛行場の建設は容認してくれるだろうか?」

 

日「……それなら。ただし、滑走路の長さや駐機数は一定の制限を設けるという条件付きでなら、検討の余地はあります」

 

英「我が国はそれで構わない。」

 

米「フランス代表からは何か?」

 

仏「……我が国は太平洋にそれほど大規模な基地を置く予定はない。英米日の三か国が合意できる内容であれば、異論はないよ」

 

米「でだ。日英同盟の破棄に関してはどうされるおつもりで?」

 

英「もちろん継続だ。ソ連もあいにくながら最近順調に発展しているようじゃないか。

我々の敵が皇帝からアカに変わっただけだよ。」

 

米「イギリス殿、我が国への借金を忘れていないか? 」

 

英「ええ、もちろん忘れてなどいませんとも。

もちろん返済計画通りお返しいたしますとも。」

 

米「我が国としては、太平洋における旧来の同盟体系が、将来的な誤解を生むことを懸念しているのだ。」

 

日「でしたら、グアムでの新規の基地建設をある程度の制限付きで容認いたしましょう。その代わり日英同盟は容認ということでどうです?」

 

英「ふむ、合理的な妥協案だな。」

 

米「……よかろう。だが太平洋の均衡を損なう行為があれば、我々も再考する」

 

日「ではこちらで大方決定ということで」

 

細部を決定し内容は下記の通りとなった。

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日英米仏太平洋四か国条約

第一条

各締約国は、本土以外の太平洋地域において新規軍事基地を建設してはならない。

ただしシンガポール、サイパン、トラック諸島、ハワイ諸島、マニラ、グアムに関してはその限りではない。

 

第二条

グアムにおいては下記の制限を指定する

1.戦艦級艦艇の恒久母港化禁止

2.大規模乾ドック建設禁止

3.14インチ以上の沿岸砲禁止

4.長距離重砲台新設禁止

5.平時常駐戦力は1万人まで

6.15万バレル以上の重油タンクの設置禁止

7.7万トン以上の石炭保管の禁止

8.滑走路の長さは四千フィートを超えてはならない

9.潜水艦用母艦の常駐、および5隻以上の潜水艦による同時展開を禁止する

 

第三条

各締約国は、前条に定める施設に重大な変更を加える場合、事前に他締約国へ通知しなければならない。

 

第四条

既存施設の維持修繕は妨げられない。

 

第五条

純粋な商業港湾および民間航空施設は本条約の対象外とする。

 

第六条

太平洋地域において緊張または紛争の恐れが生じた場合、締約国は相互協議を行う。

 

第七条

本条約は締結の日より十五年間効力を有する。

期間満了後の取り扱いについては、締約国間の協議により決定する。




さて今回は四か国条約でした。
この世界では日英同盟は個別で継続です。
この世界線では、イギリスはまだアメリカの圧力を完全には受け入れていません。
もっとも、それが未来永劫続く保証もありませんが。
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