ダウナーお姉さん(偽)魔術師は現代世界で帰還した勇者を差し置いて無双する   作:ゆきゆき@ダウナーお姉さん

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別キャラ視点です……
基本的に最低限にするから許して!
あと話も進めますので……


Ep.3 別キャラ視点って話進まないからクソだよな!!

 

◇深月高校———神崎ユウ

 

 

 神崎ユウ。

 彼は世にも珍しい異世界からの帰還者である。

 

 異世界で2年程度を過ごし、魔王を討伐し帰ってきた彼は、この世界———地球においても屈指の強さを誇る。

 

 

 帰還して早々、クラスメイトの水島里奈が何者かに誘拐され……それを知ったユウは僅かな痕跡を追って地下水道の隠し通路へと辿り着いた。

 

 そこから先は知っての通りだ。

 

 

(あのおに……おね……どっちなのか分からないあの人は一体なんだったんだ……?)

 

 あまりにも破天荒な奇人。

 彼女……じゃない。彼と共にあの魔術師を倒し拘束して連れて行かれたのは、一般人には感知されないように隠蔽が為された謎の施設……魔術協会であった。

 

 その後は1時間程度待たされ、そこから突然裁判のような何かに参加させられ、助けられ……勝手に魔術協会の構成員にさせられてしまった、というのが昨日の話。

 

 帰還早々濃い体験だった……と思っていたのも束の間、昨日助けた女子生徒である水島里奈が彼へと話しかけた。

 

 

「やっほ、ユウくんおはよー! 昨日はありがとうね! アンタのこと見直しちゃった!」

 

 

◇回想

 

「え? あの子? うーん、まぁ陰陽師でも呪術師でもないし……記憶処理かなぁ。あ、でもイイ感じにキミが悪人から助けたって感じにしとくゼ☆」

 

 

◇現世

 

 

「う、うん……おはよう、里奈さん」

 

 異世界では、記憶の操作なんて使える人材は一握りだった。

 それを日本では単なる魔導具で行っているのだ。

 

 流石にすれ違った1級魔術師は異世界でいうオリハルコン級には及ばないぐらいの強さだったが、それでもかなり発展している。彼の想像以上に。

 

 ……ちなみに、彼は異世界でいう『オリハルコン級』の冒険者だった。

 

 

 故に、気配を隠さずにこちらを遠くから見ている不審者の存在にも気がついている。

 

 

(クソ、なんでまだあの意味分からない野郎がいるんだよ……普通にストーカーじゃねぇか!)

 

 わざとらしく望遠鏡を使ってこちらを観察している、長身、茶色の長髪、白いコートの中性的な顔の男。

 

 そう、あのダウナーお姉さん(ダウナーではない)(そもそも男)が彼のことを監視していたのだ。

 

 

(あの隠蔽魔法は明らかに手を抜いている。こっちが気づいた時の反応を見て楽しんでるだろアレ!!)

 

 不審者に向けて睨むユウ。ダウナーお姉さんは満面の笑みで応えた。

 

 そしてその隣に突如現れた桃色髪の女性。何やら雪宮ユキと少し会話をした後、なんらかの魔法で姿を消した。

 

 

(いや誰!?)

「ねぇユウくん、さっきからどこ見てるの?」

「あ、あぁごめん。なんか見られてる気がして……」

「もう、昨日みたいなことがそう連続して起きるわけないでしょ? それよりさ、今日のお昼は一緒にお弁当食べない?」

「え、あー、うん」

「やったぁ!」

「ん?」

 

 あまりにも自然に会話に挟み込まれたので、上の空で返事をしてしまったユウ。

 

 ダウナーお姉さんは『今までは意識してなかったのに、異世界帰りで変わった主人公に惚れるアレじゃん!!』と書かれたホワイトボードをこちらに向けて見せびらかしていた。どこから出したの?

 

 

 

 

◇授業中

 

 

(いや怖えよ!? なんで窓ガラスに張り付いてこっちをジロジロ見てるの!? そんな体勢じゃなくても良くない!?)

 

 目をかっぴらきながらカエルのように窓に張り付くダウナーお姉さん。

 

 そんなものに見られながら授業をマトモに受けられるわけはなく……先生からの注意が入ってしまった。

 

 

 なお、当たり前のようにユウは主人公席だった。そのせいでダウナーお姉さんの視線が本当に鬱陶しい。

 

 

(クソが……!)

 

 本来、彼はそんなに口は悪くない。

 異世界帰りで多少粗暴になってはいるが、それでも本質は優しい人間だ。悪口は基本的に言わない。

 

 しかしこれは普通に迷惑だ。彼は昼休みにでもお話をしようと心に決めた。

 

 

(なんか口パクしてるな……お、こ、ら、れ、て、て、く、さ……マジでぶっ殺したいなぁ、この人)

 

 『ギャハハ!』と声が聞こえてきそうな顔だ。昨日はまだ取り繕っていたが、もうダウナーお姉さんはゴミみたいな性格を隠せていなかった。

 

 

 

 

 

◇昼休み

 

 

「えー、ダウナーお姉さんを自称する不審者の方ー? 即座に出てきてくださーい! さもなくば普通にストーカーされてるとか言って警察に通報しまーす!」

「ま、待て待て。別に問題はないけど面倒だからやめて」

 

 屋上で、どこからともなく現れた茶髪の中性顔。

 

 何も知らない者が見ればダウナーお姉さんだと錯覚してしまいそうな顔だが、普通に人格破綻者の男だ。

 よく考えると、マトモな人間ならそもそも一般人の前で魔術師の身体を引きちぎるなんて光景を見せるわけがない。

 しかも血舐めてたし。

 

 

「で? なんでこんな嫌がらせしてくるんですか?」

「か、監視してるだけだし」

「明らかに悪ノリしてますよね!?」

「し、してないし」

「(無言でスマホを取り出す)」

「(泣きそうな顔)」

「はぁぁぁぁ……次からはもうちょっと普通の方法でやってください。というかそもそも監視しないでください」

「いやーごめんね、でも1週間は監視付けなきゃダメってことになっちゃったから……あと面白そうだし(小声)」

 

 異世界帰りの勇者は五感も鋭い。ダウナーお姉さんの極小の呟きも聞き逃さなかった。

 

 しかし突っ込む気力も失せていたのでスルーした。

 

 

「……そういえば、昨日陰陽師とか呪術師とか言ってましたけど……実在するんですか? それ」

「ん? そりゃそうでしょ。現代ファンタジーのテンプレだし」

「いやラノベの話はしてないんですけど……」

「というか、そこにいるじゃん。陰陽師」

「えっ?」

 

 ダウナーお姉さん(偽物)が指差した方を見れば……そこにはポニーテールの美少女がいた。

 

 こちらを……特に不審者であるダウナーお姉さんをじっと見ている。

 

 

「なるほど、異能関係者ですか。それなら安心しました、てっきりストーカーの妖魔か何かと思いましたし……」

「ねぇ勇者くん、私酷いこと言われてるんだけど」

「自業自得じゃないですか?」

 

 そして、ポニーテールの少女は視線をユウへと移す。

 

 

「それで、あなたは? この学校に異能関係者は私以外いないはずなのだけど……そこの不審者はともかく「不審者じゃない! ダウナーお姉さんだよ!」……あなたはこれまでそんな呪力を持っていなかったはずよ」

「それは……最近色々あってね。こういう力を手に入れたんだ」

「ふぅん? まぁ、その“色々”が知りたいのだけど、いいわ。友人になりましょう? 私は月影 サイカよ」

「俺は神崎ユウだ。よろしく」

「私はダウナーお姉さんの雪宮ユキだよ!」

 

 そうして、ユウとサイカは友人になった。

 2人はまだ知らない。これが世界の命運を賭けた戦いの始まりに過ぎないと……

 

 

 

 





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