ダウナーお姉さん(偽)魔術師は現代世界で帰還した勇者を差し置いて無双する   作:ゆきゆき@ダウナーお姉さん

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ダウナーお姉さんの無双回は次回です。楽しみにしててね!


Ep.5 ダウナーお姉さん<ねぇ、私の無双回っていつ? そろそろ読者たちも飽きる頃じゃないかな?

 

「さて、お手並み拝見だ」

 

 地上を見れば、無数の陰陽師たちが集まって話し合いをしている光景が見える。

 そして、その真ん中にはユウくんが。すごい気まずそうだ……

 

 

 『変な人に連れてこられた』だとか『実力はあるんでしょ? なら良いわよ、今は少しでも戦力が必要なのだから』とか聞こえてくるねぇ。

 変な人って誰のことかな?

 

 

「うーん、まったく……1ミリも分からないなぁ……」

 

 まぁそんなこと考えるのはやめて観戦しようか。

 丁度山の方から大量の妖魔が降り始めたところだ。

 

 ちなみに妖魔っていうのはこっちの世界版の魔物みたいなものだ。

 え? 説明になってない? それならフィーリングで理解してね。

 

 

 というか遠いな、ここ。私のダウナーお姉さんイヤー&アイにかかれば状況の把握なんてわけないが……それでもやっぱり近くで見たいかも。

 ま、ステルスしてたら問題ないか。

 

 

「〝消失〟」

 

 さて、これで誰からも認識されない状況に……おっと、私が姿を隠したってことにユウくんは気づいたみたいだ。

 ま、でもどこにいるかは分からないだろうね。

 

 

 私は高度を下げていき、やがて陰陽師たちが会議している場所まで降りた。

 

 

「もう時間が無い。君は魔術協会からの応援……ということでいいんだな?」

「は、はい」

「分かった、それなら……月影サイカのところ、第八部隊へ行け。あの子の周りは少々脆かったのでな、少し人が欲しかったところだ」

「分かりました!」

「よし、それでは……行くぞ! 第五部隊まで前進、防御を張れ! ここで妖魔共を滅ぼす気で行くぞ!!」

「「「「「「「「ウオオオォォォッ!!!」」」」」」」」

 

 やる気があって大変よろしいが、多分これユウくんいなかったら普通にヤバい案件だったね。

 なんで魔術協会は応援を寄越さなかったんですか? そうだね人員不足だからだね!

 

 

 あとついでに言えば、わざわざ私には頼りたくないんだろう。

 まぁその理由は分かるけどさ、時には頼ってみるのって大事じゃない?

 

 流石にこの規模は……いや待てよ、そもそも情報共有不足とか?

 あり得るな。どっちも古いルールで動く組織だし……私もよくは知らないが、過去には何かあったらしいし。

 

 

「まぁユウくんいるし負けることはないでしょう。しかし……」

 

 あのポニテの女の子もまぁまぁ強いね。まぁまぁだけど。

 

 名前は———月影サイカだっけ?

 ダウナーお姉さんデータベースにアクセス中……あぁ、陰陽師トップの娘か。

 

 

「《神聖斬》ッ!!」

 

 黄金の輝きが突如として放たれ、20体程度の妖魔が消し飛ぶ。

 いいね、威力抑えてこれは結構上の方だろう。

 

 

「あら、本当に強いのね貴方。ユウ……だったかしら。その技はエクソシストか何かの物だったりするの?」

「オリジナルだ、よっ! はぁっ!」

「それは凄いわね……《束縛の印》」

 

 地面から現れた呪力の鎖が、ユウの背後から迫ってきていた妖魔を縛りつける。

 

 アレは最近取り入れられた現代式の陰陽術……詠唱が不要になって、ただ名を口に出すだけで発動できるようになった術だ。

 

 

「ふん、感謝しなさい?」

「ありがとう、そっちも後ろに……」

「気づいてるわよ。《式神よ、来たれ》」

 

 月影ちゃんの影から、不可視の“何か”が現れた。

 それは彼女へと迫っていた人型の妖魔を、巨大な手で握りつぶす。

 

 

 まぁ私みたいな奴だと見えてしまう、というのは弱点だね。

 位階は高いが……力を発揮しきれていないように見える。

 

 

「俺も少し本気を出すか……」

「え? あなたまだ力を隠しているの?」

「ああ。【闇を払え】【天よりの光】———《光魔天球》」

 

 彼の頭上に、光の球……小さな太陽のようなものが形成される。

 そしてそれは輝きを増して、弾けた。

 

 

『ブガァァァッ!?』

『ゴァッ! グゴォッ!?』

『ビョォーーーン!』

『ピギュァァァァ!!』

 

 随分と個性的な悲鳴が響き渡る。この一撃で3割くらい消し飛んでる、と言えばそのヤバさが伝わるだろう。

 

 結構強いの居たんだけどねぇ。

 

 

「どうだ?」

「ふ、ふん。中々やるじゃない」

 

 ツンデレヒロインだったか……とか思っている最中、私のダウナーお姉さんセンサーが大きな力を検知した。

 これは———すごくつよい!(小並感)

 

 

 しかも気配隠すのがかなり上手い。私とユウくん、あと陰陽師のリーダーくらいしか気づいていないだろう。

 

 だがしかし、ここで更なる妖魔の援軍が。

 山から降りてくる妖魔の数が倍以上に増えている。

 

 死んだ妖魔の怨念でさらに後続が湧き溢れる……ここが妖魔の一番カスなところと言える。雑な倒し方じゃこういう風にすーぐリスポーンしてくるんだよね。

 

 ユウくんも強いと言えど、あまりの数にそこそこ面倒そうだ。

 ちなみに数で言うと4万体ぐらい湧いてます……

 

 結界を日本中に貼れるといいんだが、そうすると強い妖魔が湧くようになるらしいのでこの状態がベスト。そう陰陽師の偉い人は言っていた。

 面倒なシステムである。

 

 

「ま、ここは私がやろう」

 

 私はぐっと親指を立ててユウくんを見つめた。見えてないので気づかれてない。

 

 仕方ないので彼の背中に『つ』『よ』『い』『の』『は』『ま』『か』『せ』『ろ』と、指でつーっとするアレをしてあげた。

 ユウくんは身震いした。

 

 

「今の何ィ!?」

「どうしたの?」

「い、いや……なんでもない」

 

 

 

 

 

 

 

 

◇陰陽師たちの簡易陣地

 

 

「やぁ」

「うわ……なんすか、雪宮さん」

「いや、なんかデカいのいるから助けてあげようかなって」

「じゃあアレはお任せします。あなたがいなかったら普通に終わってましたわ!」

「任せな、このダウナーおね「あぁ、それは分かってますから、はい。お願いしますね」

 

 ノリ軽すぎるだろこの陰陽師。いや、よく考えたらラノベジジイもノリ軽いし……トップというのはこういうものなんだろうか。私には分からないね。

 

 

「……ちょっと待て」

「ん?」

「いや、なに。今回の百鬼夜行、違和感があってな……念の為伝えておきたいことがある」

「誰かが糸を引いてる的な?」

「そこまでは分からない。単に呪力が環境問題で大きく乱れたから、という可能性もある」

 

 ふぅむ……まぁ最近は台風だとか酷暑だとかあるし、そういうのが原因ってのも考えられるが……一応あとで探ろうか。

 

 

「ところで、お前の強さだけ(・・)は信用しているが……おそらく裏に湧いた妖魔は歴代で最強と言えるほどだ。大丈夫なんだろうな?」

「だけ? 強さ以外は信用できないと?」

「え、そりゃそうだろ。お前自分の所業理解できてる?」

「なんで信用してくれないんだ……!」

「はいはい、もういいから。頼んだぞ」

「はぁ」

 

 仕方ない。ダウナーお姉さんは理不尽にも負けないと言われているし、ここは私が退いてあげよう。

 

 

「ラノベジジイなら信用してくれるか……?」

「アレこそ一番疑ってるだろ」





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