Re:虚飾のお姉さんは曇り顔が見たい   作:MトK

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第一話 頼れるお姉さんは、初見の顔をする

 ナツキ・スバルがルグニカ王都に現れた瞬間、空気がほんの少し歪んだ。

 

 それは誰の目にも映らない。

 

 市場の喧騒は変わらず、果物売りはいつも通り客を呼び、行商人は荷車を押し、獣人の子どもが人混みをすり抜けていく。

 

 けれど、ユイにはわかった。

 

 世界の表面に、一本だけ余分な糸が差し込まれた。

 

 黒く、甘く、底のない糸。

 

 嫉妬の匂い。

 

 そして、それに絡みつくように、自分の胸の奥に埋め込まれた白い権能が、くすりと笑った気がした。

 

「……来た」

 

 呟きは、王都の雑踏に溶けた。

 

 ユイは、見た目だけなら十代後半の少女だった。

 

 白に近い淡い髪。人懐こい笑み。旅装にしては整いすぎた服。腰には細身の剣。杖は持たない。魔法使いにも剣士にも見えるようで、どちらにも断定しにくい。

 

 それは意図した姿だった。

 

 頼れるお姉さん。

 

 困っている子に手を差し伸べて、少しだけ余裕を見せて、でも踏み込みすぎない。

 

 そういう人間に見えるように、ユイはずっと練習してきた。

 

 なにしろ中身は、元日本人で、元男で、今は女で、さらに虚飾の魔女パンドラから権能の断片を与えられた転生者である。

 

 普通にしていたら、まともな人間のふりなどできない。

 

 だから、演じる。

 

 優しく。

 

 柔らかく。

 

 頼れるように。

 

 そして、決して自分が知っていることを口にしない。

 

 それが、ユイの決めたルールだった。

 

「異世界転移直後の男子高校生、か」

 

 少し離れた場所で、黒髪の少年がきょろきょろと周囲を見回している。

 

 ジャージ姿。コンビニ袋。顔に浮かぶ高揚と困惑。自分が選ばれたと思い込もうとしている、強がりの笑み。

 

 知っている。

 

 ナツキ・スバル。

 

 死に戻りの少年。

 

 世界に何度も殺されながら、それでも手を伸ばす、どうしようもなく厄介な主人公。

 

 だが、ユイは近づかなかった。

 

 まだ早い。

 

 ここで親切に声をかければ、流れが変わりすぎる。

 

 スバルはこの後、路地裏で絡まれ、銀髪の少女に助けられる。そこで彼は彼女に惹かれ、盗まれた徽章を探すことになる。

 

 大枠は変えない。

 

 大事なところは変えない。

 

 スバルの死因も、できるだけ変えない。

 

 ただし、少しだけ前に出る。

 

 ユイは、スバルが路地裏へ入っていくのを見送った。

 

 数分後。

 

 路地の奥から、情けない悲鳴が上がった。

 

「待ってました、と言うべきかな」

 

 ユイは苦笑し、足を踏み出した。

 

 けれど、その直後。

 

 銀の髪が翻った。

 

 紫紺の瞳をした少女が、路地裏へ駆け込んでいく。小さな猫のような精霊が、その肩の近くに浮いていた。

 

 エミリア。

 

 パック。

 

 ユイは踏み出しかけた足を止めた。

 

「うん。ここはあなたの出番」

 

 路地の奥で氷が弾ける音がした。

 

 チンピラたちの情けない声。スバルの驚いた声。エミリアの少し怒ったような、それでいて真面目な声。

 

 ユイは壁にもたれ、聞こえないふりをした。

 

 内心では、胸がざわついていた。

 

 物語が始まった。

 

 それを目の前で見ている。

 

 なのに、観客ではいられない。

 

 これから何度も、スバルは死ぬ。エミリアも死ぬ。フェルトも、ロム爺も、場合によってはもっと多くの人間が死ぬ。

 

 ユイはそれを知っている。

 

 知っていて、初見の顔をしなければならない。

 

 何も知らない頼れるお姉さんとして、そこに立たなければならない。

 

「……さて」

 

 ユイは頬を軽く叩いた。

 

 笑顔を作る。

 

 優しい声を用意する。

 

 それから、路地裏の出口に向かって歩いた。

 

 ちょうど、スバルとエミリアが出てくるところだった。

 

「いやー、助かった! マジで助かった! 命の恩人ってやつだな!」

 

「そんな大げさに言わなくてもいいから。あなた、ああいうところに不用意に入っちゃ駄目よ」

 

「いや、こっちにも諸事情がありましてですね……」

 

 スバルはぺらぺら喋っている。

 

 緊張をごまかすための饒舌。

 

 エミリアは困ったように眉を下げながらも、放っておけないという顔をしている。

 

 パックはその横で、面白そうに二人を眺めていた。

 

 ユイは、そこで初めて彼らに気づいたように振る舞った。

 

「あら。怪我人?」

 

 スバルが振り向く。

 

「お、おお? 今度は美人のお姉さんイベント? この異世界、序盤からヒロイン密度高くない?」

 

「異世界?」

 

 エミリアが首を傾げる。

 

 ユイも同じように、自然に首を傾げた。

 

 知っている顔をしない。

 

 理解した顔をしない。

 

 ただ、少し心配そうに笑う。

 

「変わった言い方をするのね。あなた、旅人?」

 

「旅人というか、迷子というか、召喚された勇者というか……」

 

「勇者?」

 

 エミリアの声に、ほんの少し困惑が混じった。

 

 パックが尻尾を揺らす。

 

「この子、かなり変だね。悪い子ではなさそうだけど」

 

「初対面の精霊に変って言われた!?」

 

 スバルが大げさに胸を押さえる。

 

 その反応に、エミリアが少しだけ笑った。

 

 ユイはそれを見て、心の中で線を引く。

 

 ここは、まだ壊さない。

 

「私はユイ。王都には少し詳しいから、困っているなら手伝うわ」

 

「ユイさん! 名前からして日本人っぽい!」

 

「ニホン?」

 

 エミリアがまた首を傾げる。

 

 ユイは微笑んだまま、スバルを見る。

 

「ごめんなさい。聞いたことのない響きね」

 

 嘘ではない。

 

 この世界のユイは、日本を知らない。

 

 そういうことにした。

 

 虚飾の権能が、舌の上で薄く溶ける。

 

 ――私は、日本を知らない。

 

 その言葉だけが、周囲の認識に柔らかく馴染む。

 

 スバルは一瞬だけ目を細めた。

 

 だが、すぐに自分の都合のいい解釈を見つけたように頷く。

 

「まあ、そりゃそうか。異世界だもんな。うん、知ってたら逆に怖い」

 

「それで、何を探しているの?」

 

 ユイはエミリアに視線を向けた。

 

 エミリアは少し迷った。

 

 初対面の相手に事情を話していいのか。

 

 しかし、スバルが先に口を開いた。

 

「この子の大事な徽章が盗まれたんだよ。金髪のちっこい子に」

 

「ちっこいは余計だと思うけど……そう。とても大事なものなの」

 

 エミリアの表情が曇る。

 

 王選候補者の証。

 

 それを知っているとは、言わない。

 

 ユイは顎に手を当て、少し考えるふりをした。

 

「金髪の盗人なら、貧民街に流れる可能性が高いわね。盗品蔵を使う連中もいる」

 

「盗品蔵!」

 

 スバルが目を輝かせる。

 

「いかにもイベント地点っぽい!」

 

「あなた、緊張感があるのかないのかわからないわね」

 

 エミリアが呆れる。

 

 ユイは笑った。

 

「ただ、貧民街は危ないわ。行くなら私もついていく」

 

「いいの?」

 

 エミリアが驚いた顔をした。

 

「ええ。困っている子を見捨てるほど、薄情じゃないつもり」

 

 頼れるお姉さんらしく。

 

 優しく。

 

 自然に。

 

 スバルが感動したように拳を握った。

 

「ユイ姉……!」

 

「姉?」

 

「いや、なんかそう呼びたくなる包容力があった」

 

「初対面の女性に距離を詰めすぎるのは、あまりおすすめしないわ」

 

「正論が痛い!」

 

 エミリアが小さく笑った。

 

 パックもくすくすと笑う。

 

 この空気だけなら、平和だった。

 

 だが、ユイは知っている。

 

 この先に、腸狩りがいる。

 

 エルザ・グランヒルテ。

 

 まともに戦えば、ユイでも勝てる可能性はある。

 

 いや、権能を使い切る覚悟なら、エルザを退けること自体はできる。

 

 けれど、それをすれば大枠が変わる。

 

 スバルは死に戻りに気づかない。ラインハルトとの接点も薄れる。フェルトの正体に繋がる流れも乱れる。

 

 だから、ユイは勝ちすぎてはいけない。

 

 助けすぎてはいけない。

 

 頼れるお姉さんの顔で、失敗しなければならない。

 

 なんて悪趣味な役回りだろう。

 

 パンドラが聞いたら、きっと微笑むに違いない。

 

 ――あなたは、何も間違えていませんよ。

 

 そんな声が、記憶の底で聞こえた気がした。

 

 ユイは目を細める。

 

「行きましょう。日が落ちる前に見つかるといいわね」

 

 もちろん、見つからない。

 

 見つかった時には、もう遅い。

 

 それも、知っている。

 

 それでもユイは、初めて聞いたように、初めて考えたように、二人と一匹の横を歩いた。

 

 貧民街へ向かう道中、スバルはよく喋った。

 

 自分がいかに突然この世界へ来たか。

 

 魔法が使えると思ったら使えなかったこと。

 

 通貨がわからないこと。

 

 果物の名前が微妙に違うこと。

 

 エミリアはそれに律儀に反応し、時々注意し、時々困ったように笑う。

 

 ユイは少し後ろを歩きながら、相槌を打った。

 

「スバルくんは、怖くないの?」

 

「怖い?」

 

「知らない場所に急に来て、頼れる人もいないのでしょう?」

 

 スバルは一瞬だけ黙った。

 

 それから、わざと明るく笑う。

 

「まあ、怖くないって言ったら嘘だけどさ。でも、こういう時こそ前向きにいかないと。せっかくの異世界だし」

 

「そう」

 

 ユイはそれ以上踏み込まなかった。

 

 まだ彼は、死を知らない。

 

 自分の命が、簡単に裂かれることを知らない。

 

 死に戻りが祝福ではなく、呪いに近いものだと知らない。

 

 だから今は、ただの軽口でいい。

 

「無理はしないでね」

 

「お、お姉さん力が高い……!」

 

「スバル」

 

 エミリアが少しだけ低い声を出す。

 

「はい、すみません」

 

 そのやり取りに、ユイはまた笑った。

 

 そして、盗品蔵に着いた。

 

 扉の向こうからは、血の匂いがした。

 

 ユイは一拍だけ目を伏せる。

 

 ここから先は、知っている。

 

 でも、知らない顔をする。

 

「……変ね。静かすぎる」

 

 エミリアが警戒する。

 

 パックの表情もわずかに鋭くなった。

 

 スバルは扉に手をかける。

 

「おーい、誰かいるかー?」

 

 扉が開いた。

 

 中には、ロム爺が倒れていた。

 

 フェルトも、床に崩れている。

 

 血が広がっている。

 

 エミリアが息を呑む。

 

 スバルの顔から血の気が引く。

 

 ユイは、初めて見たように目を見開いた。

 

 実際、匂いは初めてだった。

 

 画面越しではなく、物語の要約でもなく、目の前にある死体の匂い。

 

 吐き気がした。

 

 それでも、頼れるお姉さんは崩れない。

 

「下がって」

 

 ユイは剣に手をかけた。

 

「まだ、誰かいる」

 

 暗がりの奥で、女が笑った。

 

 黒髪。妖艶な雰囲気。刃物のような視線。

 

 エルザ・グランヒルテ。

 

「あら。お客さまが増えたのね」

 

 エルザの声は甘かった。

 

 甘いのに、肌が粟立つ。

 

「あなたがやったの?」

 

 エミリアが硬い声で問う。

 

「ええ。交渉がうまくいかなかったものだから」

 

 スバルが一歩前に出る。

 

「ふざけんなよ……!」

 

「スバルくん、前に出ない」

 

 ユイは静かに言った。

 

 その声に、スバルが止まる。

 

 止まってしまった。

 

 それだけで、少し展開が変わる。

 

 だが、まだ大丈夫。

 

 エルザが興味深そうにユイを見た。

 

「あなた、強いのね」

 

「そこそこよ」

 

「謙遜する人は好き。腸を開いた時、どんな顔をするのか楽しみだもの」

 

 ユイは剣を抜いた。

 

 同時に、虚飾を薄く広げる。

 

 ――私は、一歩だけ遠い。

 

 エルザの初撃が来た。

 

 速い。

 

 知っていても、なお速い。

 

 黒い刃が空気を裂く。ユイは半身で避ける。避けきれないはずの軌道が、ほんのわずかにずれた。

 

 虚飾の断片。

 

 結果を変えるのではなく、距離の認識を一歩だけずらす。

 

 エルザの刃が、ユイの服の端だけを裂いた。

 

「あら」

 

 エルザが笑う。

 

「今の、面白いわ」

 

「こっちは全然面白くないわね」

 

 ユイは踏み込んだ。

 

 剣と短剣がぶつかる。

 

 火花が散る。

 

 エミリアが氷を展開し、パックが援護に回る。

 

 スバルはフェルトとロム爺の方へ駆け寄ろうとして、血の量に足を止めた。

 

「くそ、なんだよこれ……なんなんだよ、これ!」

 

「スバルくん、動けるなら扉の方へ!」

 

 ユイが叫ぶ。

 

 叫んでしまった。

 

 本当は、彼はここで殺される。

 

 エミリアも殺される。

 

 最初の死に戻りは、ここで起きる。

 

 だが、スバルはユイの言葉に反応し、半歩だけ動いた。

 

 その半歩を、エルザは見逃さなかった。

 

「優しいのね」

 

 エルザの姿が消える。

 

 ユイは即座に虚飾を重ねた。

 

 ――彼女は、まだそこにいる。

 

 エルザの移動先を、ほんの一瞬だけ遅らせる。

 

 だが、足りない。

 

 刃がスバルの腹へ走る。

 

 ユイは間に入った。

 

 入れてしまった。

 

 黒い短剣が、ユイの脇腹を裂いた。

 

「っ、あ……!」

 

 熱い。

 

 痛い。

 

 笑えないほど痛い。

 

 けれど、致命傷ではない。

 

 そういうことにした。

 

 ――この傷は浅い。

 

 血が噴き出す結果を、薄く塗り潰す。

 

 ただし、その代償に視界が白く揺れた。

 

 エルザの目が細くなる。

 

「あなた、人間?」

 

「失礼ね。見ての通り、普通のお姉さんよ」

 

「普通の人は、今ので死ぬわ」

 

「じゃあ、少し頑丈なお姉さん」

 

 軽口を叩きながら、ユイは理解していた。

 

 これ以上は無理だ。

 

 虚飾を使えば使うほど、世界がこちらを見てくる。

 

 そして、スバルの死に戻りに同行するための“白い糸”が、胸の奥できしむ。

 

 ここで権能を使い切れば、次の世界についていけない可能性がある。

 

 それだけは駄目だ。

 

 スバルは死ぬ。

 

 自分も戻る。

 

 そのために、ここで勝ってはいけない。

 

「ユイさん!」

 

 スバルが叫ぶ。

 

 その声には、恐怖と焦りと、自分のせいで誰かが傷ついたという混乱が混ざっていた。

 

 ユイは振り返らずに言った。

 

「大丈夫。お姉さんだから」

 

 その言葉は、半分だけ嘘だった。

 

 エルザが再び動く。

 

 エミリアの氷が砕かれる。

 

 パックが鋭く声を上げる。

 

 スバルが何か叫ぶ。

 

 ユイは剣を構える。

 

 次の瞬間、エルザの刃が腹を裂いた。

 

 今度は、スバルの腹を。

 

 遅れて、エミリアが倒れる音がした。

 

 ユイの視界が赤く染まる。

 

 自分の血か、誰かの血か、もうわからない。

 

 スバルが床に倒れ、震える手を伸ばす。

 

 エミリアの方へ。

 

 届かない。

 

 ユイはその光景を見ながら、唇を噛んだ。

 

 知っていた。

 

 全部、知っていた。

 

 それなのに、苦しい。

 

 スバルの目から光が消える直前、ユイは胸の奥の白い糸を握った。

 

 虚飾の断片が囁く。

 

 ――私は、この死を知らない。

 

 違う。

 

 知っている。

 

 忘れない。

 

 けれど、次の世界では知らない顔をする。

 

 それがユイの役目だ。

 

 スバルの命が途切れた。

 

 世界が、反転した。

 

 音が消える。

 

 血の匂いが剥がれる。

 

 痛みが遠のく。

 

 そして――。

 

「おい、兄ちゃん。リンガ、買うのか買わねえのか?」

 

 果物売りの声。

 

 雑踏。

 

 青い空。

 

 王都の市場。

 

 スバルは、果物屋の前で硬直していた。

 

 ユイは、その少し離れた場所に立っていた。

 

 腹に傷はない。

 

 血もない。

 

 だが、記憶だけがある。

 

 スバルが死んだこと。

 

 エミリアが倒れたこと。

 

 エルザの刃の冷たさ。

 

 全部ある。

 

 ユイは深く息を吸った。

 

 そして、初めて見るような顔で周囲を見回した。

 

 驚いたように。

 

 少し戸惑ったように。

 

 何も知らないように。

 

 スバルが震える声を漏らす。

 

「……戻っ、た?」

 

 ユイは彼に近づきすぎない位置で足を止めた。

 

 まだ、声はかけない。

 

 今のスバルは、自分の異常に気づきかけている。

 

 ここでユイが「大丈夫?」などと言えば、彼は縋るかもしれない。

 

 それはまだ早い。

 

 だから、ユイは視線だけを向けた。

 

 初対面の少女として。

 

 頼れるお姉さんとして。

 

 何も知らない顔で。

 

 スバルが銀髪の少女を見つける。

 

 そして、禁忌の名を呼ぶ。

 

 空気が凍った。

 

 エミリアの表情が変わる。

 

 ユイは心の中で呟いた。

 

 ごめんね、スバルくん。

 

 ここも、まだ助けない。

 

 あなたはもう一度、死ななきゃいけない。

 

 そうしないと、あなたはこの力を理解できない。

 

 そうしないと、次に進めない。

 

 世界は優しくない。

 

 だからせめて私は、優しい顔だけはしてあげる。

 

 ユイは市場の片隅で、柔らかく微笑んだ。

 

 それは誰にも向けられていない。

 

 誰にも悟られない。

 

 ただ一人、死に戻りについていく虚飾の少女だけが知っている、二度目の始まりだった。

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