『よう実』ゲーでハーレム目指します   作:m!zu菜

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櫛田さんのキャラ崩壊注意です


クラスメイトたち

side:綾小路清隆

 

最初にあいつを見て得た感想は、「あれが所謂『陽キャ』か」だった。

俺が隣人とコミュニケーションと言えるのかすら怪しいやりとりを繰り広げている間に、そいつ、田中律はあっという間にクラスのイニシアチブを取ってみせた。

 

全員に平等に優しく関わる平田という生徒に比べて、パーソナルスペースが狭いのだろう、個人個人に対し深く関わるような話し方をする印象を受けた。

まるで心を見透かしているかのように、他者の心の隙間に入り込み、安心感を与え、信頼を得る。

まるで宗教にハマるように、田中律という「熱」に浮かされた女子は増えていった。

女子に好意的に話しかけられる平田が一定の敵意を集めているのに対して、田中はどうやらヘイト管理も一枚上手らしい。

孤立しかかっていた男子をグループに引き入れてあげたり、池、さらに山内というらしい生徒のノリに応じつつも軽く諌めたり、他者の欲しいものを理解しているのだろう。

あれ、俺は?おーい、孤立してますよー

 

「ふ、あなたはどうやら彼にも見捨てられたようね。」

「おい、自分がグループを斡旋してもらえないからってその言い方はナシだろ。」

 

隣人に突如言葉で刺されたがまあ気にしない。

本当に気にしていない。

、、、俺もグループに入れてくれてもよかったんじゃないか?

 

自己紹介でも彼はその優秀さの一端を披露した。

先程Sシステムについて説明していた茶柱という女教師の言葉の節々から得た仮説を、監視カメラという具体的な要素を上げながら語る。

うまいな、もしかすると先ほどまで様々な生徒と親交を深めていたのはこのためだったのか、と思わず考えてしまうほどだ。

生活態度について忠告を述べたあと、席に着席する。

 

松雄から聞いていたとおり、ここはやはり普通の学校とは少し、、、いやかなり違っているらしい。

少なくとも俺の知識では、普通の高等学校に監視カメラはない。

 

「じゃあ、そこの君。お願いできるかな。」

 

物思いに耽っているといつの間にか俺の番が来た。

まずい、何も考えていなかった。

まあいい、彼のように完璧なコミュニケーションというものを見せてやろう。

ガタっ!

 

「えー、綾小路清隆です。ええー、、、特に得意なことはないですが、、、あー、よろしくお願いします。」

 

、、、、失敗した。

 

 

 

その後も俺たちDクラスは彼を中心に回っていった、といっても過言ではない。彼はクラスの様々な生徒と交流を深め、長谷部、佐倉、三宅といった他者との交流に積極的でない生徒へのサポートも欠かさない。

なるほど、人気者になるためにはあれができなくてはいけないのか、、、俺にはどれだけかけても無理そうだ。

更には、彼がppを使いすぎた生徒に多少の援助を行っているという噂まで流れ出した。

、、、本当にとんでもないな。

 

そして俺たちの運命を大きく変えることとなった5月1日。

この学校の真の仕組みについて解説され、真っ先に浮かんだのはきっと誰もが彼の顔だっただろう。

彼は初日にほぼ全てを読み切っていた。

さらには彼の点数は全ての教科において100点。

最後の三問は一般的な高校一年生で習う範囲ではないと思ったが、彼を見るにそうでもないのか?

俺たちのクラスはCクラスへと昇格し、クラスメイトは彼の元に集う。

 

そんな中、隣人は不機嫌そうな顔している。

 

「堀北、どうしたんだ、そんなに険しい顔をして」

「、、、あなたには関係ないわ。強いて言うなら、彼には多少なりとも驚かされた、ということね。」

「システムを1日で見抜くなんてな、」

「、、、櫛田さんと共謀して私をハメた時点で、彼のことはあまり信用していなかったのだけれど。評価を改める必要がありそうね。」

「共謀って、、、一応向こうはお前のことを思ってなんじゃないのか、」

「必要ないわ。」

 

なぜだ?向こうはあんなにキラキラしているというのに。

俺の隣人はコンパスの針もかくやという鋭さだ。

俺も友人が欲しい。

 

 

そしてやってきたプールの授業。

池たち、通称三馬鹿?は何やら興奮した様子で話し込んでいる。

 

「おい綾小路!お前も参加しろよ!」

 

池に言われるがままに集団に近づこうとすると、田中が肩を叩いてきた。

何気に直接話すの初、か?

 

「清隆、アドバイスだけど。多分あれには乗らない方が良いぞ。」

「あ、ああ、、そう、なのか。助かった、ありがとう」

 

まあ、人付き合いに慣れた田中が言うならそうなのだろう。

聞けば、彼らは女子の胸の大きさで賭けを行っていたらしい。

確かに女子がゴミを見るような目で三馬鹿と外村を見ている。

あぶねー。助かった。

 

田中が諌めに行くと同時に、池に何かアドバイスをしている。

なんでも「櫛田は紳士的で努力できる男がタイプ」らしい。

池はやる気を出しているが、この短期間で好きな異性のタイプまで聞き出している田中の好感度の方が、お前よりずっと遥か上にあることに気づいた方がいいと思うぞ。

 

その後田中は長谷部や佐倉へ謝罪に行き、もし気になるようだったら見学しておくべきだ、CPに影響が出たら俺が責任を持つよ、と話しかけていた。

なんだろう。三馬鹿があいつの好感度のための当て馬にされているような気がしてならない。

 

(彼の予想は当たらずとも遠からずなのだが、真実を綾小路本人が知ることはない。)

 

いざプールの授業が始まると、諌められたとはいえ男のサガというやつか、博士達は忙しなく視線を彷徨わせている。

特に櫛田への視線は同性の俺が気の毒に思ってしまうほどだ。

その櫛田といえば、田中の横で仲睦ましげに話している。

この1ヶ月、櫛田と田中はかなり親密に会話をしており、2人は付き合っているんじゃないか、という噂は全クラスで有名、らしい。

女子が噂しているのを又聞きしただけなので信憑性はないが。

 

俺の視線はというと、櫛田ではなくその横、田中に注がれていた。

あ、いや違うぞ。断じて俺は女性が好きだが、彼の肉体は目を見張るものがある。ホワイトルームで戦った軍人ほどではないものの、歳を考えれば十分に完成された筋肉だと言えるだろう。

須藤の肉体がスポーツ用だというなら、田中の肉体は戦闘用、とでも言うべきだろうか。

 

「あなたも所詮猿の1人というわけね。」

「誤解しないでくれ、俺が見ていたのは田中の方だ。」

「ごめんなさい、多様性の時代だものね。私が悪かったわ。」

「本当に誤解しないでくれ。違う、筋肉について目を見張るものがあるなと考えていただけだ。」

「そう、それを言うなら、あなたも中々なものだと思うわ。何かスポーツでもやっていたの?」

「ピアノと書道なら。」

「答える気はない、ということね。」

 

実際、俺と田中が戦ったらほぼ間違いなく俺が勝つだろう。

しかし、普通に生きていてあんなことになるだろうか?

、、、そういえば天然モノでいうと高円寺がいるか。

俺は深く考えるのをやめた。

 

 

特に当てもなく、ぼーっとしていると突如、大きめの落水音と、女子の悲鳴が聞こえる。何事かと目を向ければ

 

「きゃっ!あっ、」

「篠原さんっ!」

「いやっあぶっ、たずっ、げ!」

「いやあっ!!」

 

篠原が足を滑らせ、飛び込み用のプールに落ちてしまったようだ。

パニックを起こしバタバタと手足を動かしているがあれは逆効果だ。本当に良い対処法は、全身を脱力させ大の字になり、仰向けに浮かんで体力を温存すること。

 

しかしまずいな。飛び込み用のプールは最低でも5メートルの水深を設けることが義務付けられている。最も深いところはそれ以上だ。こんなことを考えている間にも篠原は水を飲み更に水中に沈んでいく。

反対側にいた平田たち運動ができる男子は、今ようやく騒ぎに気づいたようでこちら側に駆けてくる。

 

これで一安心か。

そう思っていると、到着よりも早く、一つの影が飛び出し綺麗なフォームで彼女の元へ飛び込んだ。

迷いない泳ぎで彼女を抱き抱えるとすぐさま浮上して、彼女を陸に下ろす。

田中だ。完璧超人はこんなところでも完璧超人らしい。

咳き込んでいるが無事に助かったようだ。

 

しばらく田中が背中をさすっていると体育教師が入ってくる。事情を説明すると篠原は保健室へ向かったようだ。

その間話題はアイツのことで持ちきりになった。

平田や小野寺はすぐに気付かなかったことを後悔しているようだが、俺の視線は全く関係ないところに固定されていた。

 

櫛田が殺意とも取れるような視線で、篠原の消えていった扉を睨んでいたのは、、、きっと俺の気のせいだろう、か。

 

 

その後は特に田中が大きく動くことはなく月末を迎えることとなる。

強いて言うなら、過去問の配布は田中が考案したらしいというくらいか。

俺の方では三馬鹿との勉強会やら堀北生徒会長とのやり取りやら祝勝会や

色々あったが、クラス全体を巻き込むほど大きな何かはなかった。

、、、須藤の救済は大きなイベントか。

いや、クラスを巻き込む何かをなんども起こしてる田中が異常なのか。

 

兎にも角にも、祝勝会の次の日、彼はクラスでこう宣言した。

 

「俺のワンマンチームではなく、みんなの力を借りて他クラスと対抗していきたい。」

 

どうやら、平田や櫛田、軽井沢をサブに据えて、自身がメインリーダーとなってこの先戦っていく、と。

既にクラス内の彼の支持は厚く、あの堀北でさえ、実力に関しては田中を信頼しているようだ。

 

 

教えてくれ田中。お前の元でなら俺は平穏に居られるのか?

 

 

 

side:櫛田桔梗

 

最初は憎かった。

 

私は一番になれない、才能がないから。

中学に進学してすぐに、私はそれを悟った。

ならば、一番好かれる人間になろう、そう思うのもすぐだった。

やりたくもない善行を積み、おかしくなりそうな程のストレスを溜めながら私は学校1の人気者になった。

ちょっと最後の方にしくじっちゃったけど、次は上手くやってみせる。

そう、思っていたのに。

 

私の隣の席の男。田中律は全てを持っていた。

イケメンランキングでは4位だし、勉強もできる。聞くところによれば、運動神経も抜群に良いらしい。

女子の話題はクラス問わず、彼のことで持ちきりだった。

 

羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい

 

全てを持っているくせに、私の欲しいものを全て持っているくせに、それをさも当然のように受け流しているのがムカつく。

私には「信頼」という武器しか無かったのに、それすら彼は上を行き、それをさも道具の一つに過ぎないといったように扱う。

 

許せない。

男どもは私の容姿を褒めてくれるけど、視線がキモい。

特に池と山内とかいうのはサイアクだ。あんなに胸を凝視してたら誰だってわかる。授業中もうっさいし。

ほんとにサイアク。死ねば良いのに。死ねよ。死ね、、、

 

あの時より強いストレスで、もう私の心は既に折れかかっていた。

こんなに学校に行きたくないと思ったのは生まれて初めて。

重たい足取りで登校して、席に着く。

はあ、今日も一日耐えなきゃ、人気者の私でいなきゃ。

 

そんな日のことだった。

 

「桔梗さん、体調悪い?顔色があんまり良くないよ。」

 

うっさい、誰のせいだと思ってんのよ

 

「ううん、大丈夫だよ!昨日ちょっと夜更かししちゃって!」

 

相も変わらず私の口から飛び出すのは吐き気がするようなそんな言葉で。

 

「そっか、無理しないでね。」

 

まさか、こんなことになるなんて、私は考えてもいなかったんだ。

 

「俺は桔梗さんが一番クラスのために頑張ってくれてると思うから。辛いことがあったら何だって言ってね?俺は桔梗さんのためなら何だってするよ。」

 

その時の感覚を私は一生忘れないだろう。

ありふれた口説き文句。中学の時に散々聞き慣れてる、そのはずだった。

でも彼の言葉は脳にこれでもかというくらい響いて、私の全身に電流が走ったように快楽が広がった。

 

何これ、やばい、超気持ちいい

彼の言葉が脳にこびりついて離れなかった。

一番、一番、いちばん?

あんなに優れたやつが、みんなの羨望を集めるあのアイツが、「私が一番」って、私が一番っ、、ふっ、ふふふっ、あははははははっ

 

思えば、この時点で彼の掌の上だったんだろう。

でもそれでもよかった。

彼は私の一番欲しい言葉を、一番欲しい時にくれる。

それから、私は彼のために頑張るようになった。

 

最初は恐る恐るだった。

けど次第にそれは確信に変わって。

池の視線に文句を言えば、彼は池を諌めにいってくれた。

成績が悪い子の勉強に付き合うのに疲れてしまったと相談すれば、付き合いに参加してくれるようになった。

授業中うるさい奴らを止められずにいたら、代わりに注意してくれた。

自惚れじゃなく、間違いなくあの数週間は彼は、私の為に尽くしてくれていた。

一緒に買い物にも行った。

私の好きなものを買ってくれて、私をあんなに大切そうに扱って、エスコートしてくれて。店員の視線はだいぶキモかったけど、そんなのが気にならないくらい、デートは楽しかった。

彼の噂は学年に広まっていって。

その彼が。他でもない彼が。私のことを一番に想って、私のことだけを考えて、私の為に過ごしてくれてる。

こんなに気持ちのいいことは他にない。

きっと私に本当に向いているのはこっちだったんだ。

中学の時みたいな、多数からの称賛じゃなくて。誰もが認めるすごい奴が、私にぞっこんっていう、そんな状況。

 

 

次第に付き合ってるって噂が立ち始めた。

否定しなかった。できなかった。

否定してしまったら、彼が誰かと付き合うんじゃないかって、そう不安になった。律君は私のモノなのに。目移りなんて許さない。

 

 

、、、は?不安?

目移りしないでなんて、そんなの、、、まるで恋、してるみたいな、

 

「っ!?あっ、ありえない、ありえ、、、ない、って、、」

 

 

プールの時も彼はすごかった。

キモい視線を向けてくる男どもを諌めてくれて、池から守ってくれて。うれしかった。

いつもいつも視線を向けられるばかりで鬱陶しかったこの大きな胸が、今だけは本当にあってよかったと心から思う。

スク水を着て、彼の腕にこれでもかというくらい押し付ける。

布一枚隔てて体温が伝わってきて。いつもより直に感じられるその感触にクラクラしちゃう。

ああ、美人に生まれて本当によかった。

ねえ、律君。私だけ見ててよね。私だけを見て、私だけを褒めていれば、律君はそれで良いんだよ?ふふっ、あははははははは♡

 

 

は?は?は?

篠原さつき、篠原さつき、篠原さつき、篠原さつき、、、

何でお前が律君に抱かれてるの?

彼の腕は私だけのもの、私だってまだ抱かれたことないんだよ?

そんなの、そんなの許されるわけないよね?

気色悪い気色悪い気色悪いっ、鈍臭いから溺れるんだ。バカ女。

 

 

 

勉強会が始まった。

律君は私に構ってくれなくなった。

妙な手紙が届くようになった。

帰り道に視線を感じるようになった。気持ち悪い。

律君は他の女子と勉強会で。

私は馬鹿どもの相手。

全部コイツらが悪いんだ。コイツらが馬鹿だから律君が私から離れないとどうにもならない。みんな、みんな退学しちゃえば良いのに。

堀北もゴミ。私を利用して三馬鹿を呼んでおいて、せっかくの勉強会をキレて台無しにするし。

はあ、、ほんとムカつく。

許せない、、、律君、、、、

 

 

手紙が増えてきて。不安に駆られてたテスト二日前の夜。

律君からメッセージが来た。今から会えないかって。

すぐさまベッドから飛び起きて、ボサボサの髪をセットして、一番可愛い服を着る。メイクは、どうしよう。簡単に、でも可愛く、ナチュラルメイクで。

 

約束の時間にロビーに行くと、かれはもう彼はもうそこにいた。

何だか紙束を持ってるみたい。

ふふっ、久しぶりに目が合った♡嬉しい♡

 

 

、、、

ふふふふふふふふっ、あははははははは♡

過去問だって!これを配ればクラスで称賛間違いなしだって!

ああ、嬉しいなあ、彼は私がクラスの役に立てることを喜んでるんだと思ってるみたいだけど、

ごめんね、律君。あなたが褒めてくれた私はもう居ないの。

君が、私が適任だ、ってクラスで一番信用されてるって、頼ってくれて、、、それが何よりもキモチイイの♡アハっ♡

 

 

 

テストは終わった。

馬鹿は退学を免れたらしい。どうせだったら1人ぐらい消えた方がいいと思ってたんだけど、律君がそう思わないらしいので口には出さない。

あー、クラスにも信用されて、みんなに感謝されて、律君にも頼られて、さいっこうの気分♡ああ、律君の隣になれて本当によかった♡

 

 

は?祝勝会?勝手にやってれば?

チッ、律君と一緒に居られる時間を削りやがって。

、、、三馬鹿に、堀北に、綾小路?

あーサイアク。何でこんなとこ来ちゃったんだろ。

しかも律君は他の女子と打ち上げ行っちゃったし、あーもうクソ

ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく!!

 

 

早めに抜けてきて入学当初使ってたお気に入りスポットに行く。

ここは滅多に人が通らないからいい。

ましてこんな時間ならなおさら。

フェンスに向かって怒りをぶつけ、罵詈雑言を吐く。

 

ガンッ!ガンッ!ガンッ!

 

「ムカつくムカつくムカつく!いい気になりやがって堀北のやつ!三馬鹿も律君のおかげで助かった癖に!堀北ばっかり持ち上げやがって!!マジでゴミ!律君に信頼されてる平田も軽井沢も篠原もウザいウザいウザいウザいウザいウザいウザいぃ!!!」

 

ガサッ

 

っ!?まさか人!?

こんな時間に、っしくじった、せめて捕まえておどしっ

 

 

 

え?あ、あ、あ、あぁ?あっ、、りつ、く、なん、なんで???

あ、あっ、ちがっ、あ、ぁぁぁあああああああ!!、

みらっ、みられてっ、、、、うそっ嘘嘘嘘嘘嘘嘘うそうそうそうそ

い、ぃいっいいわけ、言い訳しない、と、あっ、ぁあっ

 

「ハアッっハアッっヒューっ、ハアッっゲホッ、ゴホッ、ヒュー、ヒュー、はぁっはっ、ヒュー」

 

ぅううごっうごいてわたしのくち、っはあっはっ

きらっきらわれるっきらわれるきらわれるきらわれるきらわれるきらわれるきらわれるきらわれるきらわれるきらわれるいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ

 

 

あっああ?

りつくんが、わたっわたしのことだきしめ、、、て

 

 

「、、、」

「ごめん、取り乱したりして。」

「うん。あのね。もしよかったら聞いて欲しいな。私の昔のこと。」

 

「ふふっ、ほんと、、、やさしいんだね。わたし、ずっとみんなに嘘ついてたんだよ?それでも、いいの?律君は、それでも、わたしのこと、すき?」

 

「そっか、、、ありがとう。わたしも、りつくんのこと、すき。」

 

 

寮への帰り道。

私たちは恋人繋ぎで歩いていた。

誰の目を気にすることもない。2人だけの空間。

 

「桔梗。抱きしめてもいい?」

「ふふっ、はずかしい、な。いいよ、ぎゅってして?」

 

ねえ、見てる?一年前の私。きっと、これからアンタはもっと絶望するけど、さ。私ね。いま、最高に幸せだよ。

 

 

「!、、、桔梗。下がって。」

「え?」

 

 

突然律君が険しい目つきになって、並木の方を睨む。

そこにはいつか見たことのあるような男が刃物を持ってこちらに向かってきていた。

 

「ひっ!?」

「、、、」

 

「おまっ、お前っ!!桔梗ちゃんから離れろっぼくっ、桔梗ちゃんはっ僕のものなんだあ!!!」

 

「!桔梗!、、っ!?」

 

ザシュッ、、、

 

その音はやけに明瞭に私の耳に響いた。

それが何かを理解する前に、彼は男を殴り飛ばして気絶させた。

 

「ふぅ、、、、もしもし、警備会社の方ですか?刃物を持った男がいて、はい、、、はい、無事です。、、、はい、」

 

彼がどこかに電話をかけている時も、私の心はまだ上の空だった。

さっきまで有頂点だったのが、その現実感のなさに拍車をかけていた。

ふと、彼の体からなにか滴り落ちているの気づいた。

、、、したたりおちて?

ようやく目に入った彼の腕はバッサリと切られて、、きられっ

 

あっああ!!あああああああ!!!

 

「りっりつ、ちっ血がっ血っいやっ死んじゃいや!!!!りづくんっ、いやぁっ!死んじゃいやぁ!!!!」

「大丈夫だよ、桔梗。このくらいなんてことない。」

「でっ、でもっだって、血、こんなにっ、いやぁっ!?あ、ああっ、、ゔっゔぇっゲホッゲホッ、っゔぅえっ」

「桔梗。大丈夫、大丈夫だよ。」

 

 

 

どうやって帰ったは覚えてない。

ただ、1時間後、部屋に来てっていう伝言だけを頼りに、私は男子寮のエントランスで待ち続けた。

動悸が止まらない。もし彼が助かったのが夢だったら?ナイフが実は心臓に刺さってて、これは私が見てる都合のいい夢だとしたら?

体が震える、もうとっくに春だというのに、私は体を限界まで抱え込んで、ただ1人で震え続けた。

 

 

彼が帰ってきた。

合鍵を貰って一緒に部屋に入る。

彼のベットに腰掛けて、彼の温もりを、体温を確かめるように、そこにいるって確認するように手を絡める。

 

彼はいろんなことを話してくれた。

これからのクラスのこと。

私との関係のこと。

 

 

 

「ねえ、ハグしてよ。」

「うん、いいよ。」

 

強く、壊れそうなほど強く抱きしめ合う。

まだ足りない。元はと言えば律君が私から離れたのが悪い。

ねぇ、もっと。わかるでしょ?

 

どちらからともなく距離がなくなってく。

ちゅっ。

 

触れるような唇同士のキス。

ファーストキスの味は無味、かな。

 

もっと、もっとしたい。

互いに抑えが効かなくなってくる。

初めてなのに、舌を絡め合って、唾液を交換する。

顔を離すたび、銀の糸が私と律君を繋ぐ。

 

こんなんじゃ足りない。

服も邪魔。

もっと直に触れ合いたい。生まれたままの姿で抱き合う。

彼のが私のお腹に当たって熱が伝わってくる。

嬉しい、私で興奮してくれてるんだ。

ねえ、見て、私ももうこんなになっちゃったの。

肌を触れ合わせるだけじゃもう足りない。

直接繋がりたい。心だけじゃなくて、体も。

わたしはりつくんのものって、直接刻み込んでほしいの。

何をしてほしいのって?

わたしに言わせるの?ふふっ、いいよ。

 

 

ねえ、シて?

 

 

 

「っあ"あ"ー」

 

ガラッガラのブサイクな声をあげて、私は目を覚ました。

横を見ると、律君が裸で寝ているのが目に入った。

急速に意識が覚醒していく。そういえば私も裸っ!?

あ、あー、ああ、これが、朝チュン、ですか、、、

いや、記憶はあるから普通に事後?

 

兎にも角にも、今日は休日だしまだ寝てても大丈夫だろう。

もう一度ベッドに潜り込んで律君をギュッと抱きしめる。

 

「ふふ、大好きだよ、ちゅっ♡」

 

逃がさないから。一生そばにいてね?




氏名 田中律(たなかりつ)
知力 A+
身体能力 A
判断力 B+
協調性 B+

学力、身体能力共に優れており、面接時の受け答えにおいても大きな問題は見られず、将来への展望もハッキリしていた。
しかしながら、中学時代に合計約1年間の不登校期間があることを憂慮し、Bクラス所属とする。
【追記】別途資料より、複数の事件への関連性が明らかになった。特に女子生徒関連のトラブル5件は考慮せざるを得ない。
Dクラス所属とし、経過を観察することを求める。

【担任】初日にSシステムについてある程度看破したことには驚きました。クラスメイトとの関係も良好。今後の活躍に期待します。
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