黒く傷痕を残した残響   作:リアンに殺されたい

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7.5章開幕

無計画に書き始めるんじゃなかった!!
結末以外何も思いついてない!!!


難産!!! 
だから怖いんだアンジェリカ……。

……アンジェリカ構文使って難産って言葉を使うのは不謹慎だったかも。


第二歌 LCB定期検診-囚人たちと管理人-

 

視点:オルガン

 

 突然だけど、もしもこの都市に神がいるというのなら助けてほしい。

 

「その服!その髪!紛うことなく、貴殿は特色の──!!」

「違う。」

「む?しかし、先のヴァルプルギスの夜で……」

 

 私の周囲をぐるぐると回っている、金髪の少女。しかしその正体を知っているが故に、私は気が気じゃあいられない。

 

 血鬼の第二眷属。私よりも確実に強い存在。

 

 それが、私の周りで歓喜の声を上げながら飛び回っているんだ。

 

 どうしてこうなったんだったかな。少し、思い出してみよう。

 

 

 

 

 

 

〜数十分前〜

 

「LCBの定期検診?」

「うむ、度々催促していたのだが、ついに来るようでな。」

 

 弊社の黄金の枝回収チーム、LCB。通称バスチーム。悪評と功績は常に耳に入ってくる。

 

「……それで、私はどうすれば良いかな。ホーエンハイム。」

「緊急的な事態が起こった時は、それに対する対処を頼みたい。」

「ああ、例えば囚人3番とか?」

「囚人3番、4番、11番、13番に特に注意を払ってくれたまえ。まあ、あくまで保険なのだよ。」

 

 高位眷属の血鬼、詳細は不明である(私には開示されていない)けれど少なくとも5本指が絡んでいるという女、印とやらを持つ少年、そして旧G社の英雄。

 

「12番は問題ないのかい?」

「囚人12番はどちらかといえば、確信犯だ。あのメンバーの中にいるうちは脅威になる可能性は低い。」

 

 囚人12番、■■■■■■■……いや、ウーティス。煙戦争において■■■■■■を行い、煙戦争を■■させた将校。

 私個人としては、あの囚人チームの中でも警戒対象だったけれど……

 

「そうかい。」

 

 戦争の中にさえいなければ、ただの人間か。

 

「──おっと、来るようだ。出迎える準備をするぞ。」

 

 私が思案に耽っていると、ホーエンハイムが端末を確認して呟く。それから、私はホーエンハイムのあとを追って歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、今に至るというわけだ。

 

「……ファウストさん。」

 

 囚人7番に囚人3番を引き剥がしてもらった後、ファウストさんを呼んで、囚人3番の語っていたヴァルプルギスの夜の詳細を耳打ちしてもらった。

 

「……巨大な鎌を持った特色フィクサーと遭遇しました。場所は、歯車の教団です。」

「なるほどね。」

 

 つまり、私は青い残響と間違えられたってワケだ。あんなイカれ野郎と間違えられるなんて、涙が出そうだよ。

 私がここまで青い残響と間違えられるのも、似せられていくのも何者かの意思を感じてしまう。

 

 とはいえ、この服は上等なものだし……使わないというのは勿体無い。多少の屈辱や羞恥には目を瞑ろう。

 

「それにしても、問題はないのかい?第二眷属なんだろう、囚人3番は。」

「……はい、現状問題などは発生しておりません。」

「ほんとに?すごいなぁ」

 

 管理人ダンテ……ああ見えて、本当に優れた管理人ということなのかな。

 

 ……って、この時は思っていたのだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 囚人3番が引き起こした騒動と、ファウストさんとの情報のすり合わせが終わった後、ホーエンハイムが自己紹介を行ったのだが……。

 

「正確にはLCE部署の主席研究員ですね。」

「より正確に言えば、リンバス・カンパニー全体を束ねているとも言えるがね。」

「さらに正確に申し上げるなら、私とイサンさんが囚人の身分になったせいで研究員の集合から除外されているのが主な理由でしょう。誰かしらは残って研究を続けなければなりませんからね。」

 

 ……なんだろう。

 あの二人、仲が悪いんだか良いんだかわからないなぁ。ほんと。

 

「オルガンさん。」

「どうしたんだい、アリサ?」

「いえ……チーフとファウストさんの方をずっと見ていたので、何か気になることでも?」

 

 自分がそんなにわかりやすく凝視しているとは思わなかった。これじゃB社だよ。

 

「いや、仲が良さそうだなぁって。」

 

 ……私はなぜ、ホーエンハイムとファウストさんのことをじっと見つめていたんだろう。ファウストさんなら、ホーエンハイムの音色を引き出せるとか思ってたんだろうか。

 

「ふむ、それでこちらがリンバス・カンパニーの囚人を管理する役職についている管理人ダンテだろうな。」

〈よろしく……って言ってもカチカチ音しか聞こえないよね。〉

 

 管理人ダンテが時計の針を鳴らす。しかしそれはただの時計の針の音じゃなかった。明確な言葉をはらんだ"音"。声だ。

 

「いや、聞こえるけど?」

「……。」

〈聞こえるの!??〉

「それはまあ、耳だけは良いからね。」

「すまないが私のために翻訳してもらえないか。」

 

 私がダンテと話していると、横にいるホーエンハイムが不満そうに呟いた。

 

「あ、悪かったねホーエンハイム。彼は──」

「管理人様が、よろしくと仰っています。」

 

 ファウストさんに言葉を遮られた。どうやら、私のゆったりとした喋り方が気に入らなかったようだ。

 

「こちらこそよろしく。誰かを率いるというのは、いつであれ骨の折れることであろう。とりわけ、言葉も通じない連中相手だとな。」

 

 ホーエンハイムがこちらを見た。その意図が読めなかったので、私は微笑んで手を振った。

 

「……我が部署の研究員たちやそこのフィクサーと話していると、本当に同じ言語を使っているのか疑念を抱かざるを得ぬことがあるものだよ。特に、そこのフィクサーはな。」

「盛大な中傷、涙が出そうだよ。」

「勝手に泣いていてくれ。その方が手がかからない。」

 

 ホーエンハイムは、私への扱いが特に雑だ。私はそれを信頼の裏返しだと受け取っているけれど。

 彼の声には、悪意の音がこもっていないから。

 

 

 

「ところで……少し変わっているな。この者らの服装が……。」

 

 話題を変えたのは囚人12番だった。アリサとマートンの方を見ながら話したことを見るに、E.G.O装備に興味を持ったのだろう。

 

「ああ、先に紹介しておこう。この者たちがマートンとアリサだ。数少ない私直属の研究員である。」

「良い子たちだよ、二人とも。」

「オルガンさん、茶化さないでください。」

 

「幻想体から抽出したんですか?でも一体どうやって……。」

「気づいてくれたこと、嬉しく思うよ。」

 

 囚人11番の指摘に対して少し嬉しそうに反応するホーエンハイムへ、囚人たちからの質問が集中する。

 

「旧L社の……装備ですか?」

「部分的には類似した様相が捉えられるが、完全に同一の存在ではないようだ。」

 

 それらの言葉を受けたホーエンハイムはメガネをくいっと持ち上げ、一呼吸相手からゆっくりと答えた。

 

「そうだ、リンバス・カンパニー独自の手法をもっえ抽出を試みたのだ。ご覧の通り、見事成功を収めた。」

「……リンバス・カンパニー式でE.G.O装備が作られたという話は聞いていましたが、実物を目にするのは初めてですね。」

「ということは……幻想体を隔離しているということですね。」

〈さっきから幻想体の気配が感じられるのはそのせいだったんだ……。〉

 

 それから、ダンテがねじれや大罪の気配もあることに気づき、ファウストさんがLCE部署での研究対象ついてを説明した。

 その後、ファウストさんがE.G.O装備をまるで査定するかのように見始めた横で、私は手をひらひらさせながら自分の役割について説明を始めた。

 

「ちなみに幻想体やねじれ、大罪が収容違反を起こした際は基本的に私が鎮圧しているよ。」

「ほぉ……これまでLCCAがか回収して行った幻想体の中にはそれなりに手強い幻想体がいたと記憶しているが、それらにも対処できるということは、有象無象のフィクサーというわけではないのだな。」

「うん、そうだね。これでも1級フィクサーだから。」

 

 少々不躾な囚人12番の質問に答えた瞬間だった。

 

「うぉぉぉぉぉおっ!!!い、1級!!!通りで高価な香りがするわけであるな!!!」

 

 私の大切な鼓膜を破くかというほどの大声、囚人3番の暴走が再び始まった。

 

「うむ?しかし、当人はフィクサー雑誌をくまなく購読しているのだが、貴殿の姿を見たことありませぬな……。」

「……私はああいうのがあまり好きではなくてね。誇張と序列の社会は、私にとって息苦しい。だから取材等を断っているんだ。あそこで宣伝しなくても、ハナ協会が仕事を斡旋してくれたから困らなかったし。」

 

 私は目立ちたくないわけじゃない。それなりに名声も高めたいし、お金もあって困らない。でも、フィクサー雑誌の取材を受けていないのは、フィクサー雑誌というエンタメにあまり興味がわかないし、そこに自分の名を連ねることに羞恥心を覚えるからだ。

 

「ハナ協会から……と、ということはもしや貴殿は一部で噂されているハナ協会の懐刀、オルガン様ではありませぬか?」

「どこで流されてるのさ、その噂。」

 

 まさか自分のことまで噂とはいえ知っているとは。本当にこの子はフィクサーに詳しいのだなと感心する。

 

 ──それなら、もしかして。

 

「囚人3番。」

「当人のことはドンキホーテと呼んでくだされ。」

「……ドンキホーテ、あるフィクサーについて聞きたいんだけど良いかな?」

「うむ、任せたまえ!」

 

 ──黒い沈黙のことも、知っているかもしれない。

 

「姿を消した特色フィクサー、く──」

 

 そこまで口にしたところで、私はぐいっと乱暴に引っ張られた。

 

「では……最初は危機対応能力テストである。」

 

 その手は、ホーエンハイムのものだった。ホーエンハイムの言葉が終わらないうちに、研究室の隔壁がガチャンと動くとそのままダンテ、赤い視線、薬指の被験体を除いた囚人たちを閉じ込めた。当然、囚人3番も。

 

「これってただの奇襲じゃないですか!?」

「それは、奇襲時の行動や対処能力を把握するためのテストであるからな。」

〈これも全部話がついてるの!?ヴェルギリウス!?〉

「ずいぶん慌てているように見えますね……ダンテ。まあ、予想できなかったという点ではあなたも私も同じでしょう。こういうときは向こうの意図した通りにそういうもんか、と思えばいいのですよ。」

 

 赤い視線が静かで重厚な声でダンテに語り聞かせる。私もその言葉で、我に返った。

 

「私はカロンと、どこかの事務所でお茶でも一杯飲んできますから……終わったらファウストさんと一緒に呼びに来てください。」

「カロン。ケーキもいっしょに食べたい。」

「あっ。この前のパーティーやったときに残ったのがあると思いますよ。こちらはどうぞ。」

 

 私は不機嫌に後頭部をかきながら立ち上がった。

 

「ホーエンハイム、女性の扱いが酷すぎる。それに、私は大事な話をドンキホーテとしていたのだけれど?」

「ふむ。私としては助けたつもりだったのだが……それに、君を女性として扱えというのは、幻想体を人として扱うのと同じようなものではないか。不合理である。」

 

 なんだこいつ。

 

 

 

 

 

 

 

大罪戦

 

視点:ダンテ

 

 大罪との戦闘のために、囚人たちに人格を被せる。突然のことだったので、じっくり選ぶ時間もない。ガバッと取り出した人格牌をセットする。

 

薬指身体派スチューデント:良秀

ラマンチャランド王子:ムルソー

中指末妹:ドンキホーテ

夜明け事務所フィクサー:シンクレア

南部ウーフィ協会:ヒースクリフ

りょ・ミ・パ:グレゴール

 

 ……即興とはいえ、あまりにもバラバラじゃないか??

 

「へぇ、こうやって人格を被せているんだね。」

〈?!!?!!!!〉

 

 突然、肩にぽすっと顎を乗せて端末を眺めてきたのはフィクサーの……。

 

〈あっ。そういえば名前を聞いていなかったね。〉

「そうだっけ?私はオルガン、しがない一級フィクサーだよ……あっ、よそ見してると囚人11番が死ぬよ。」

〈え?うわぁ!!!避けてシンクレア!!!!〉

 

 シンクレアが大罪の攻撃で脳天を割られ、息絶えた。

 

「……私のせいじゃないよ?」

〈……。〉

 

 時計は回る。シンクレアの裂かれた身体が、割れた頭が元通りに治っていく。

 今度は集中して指揮をする。まずは指揮により、囚人たちと大罪たちの攻撃を合わせていく。うまくマッチしたそれらが火花を散らし、囚人たちが全ての攻撃を適切に対処した。

 大罪たちの相手はもう慣れたもので、囚人たちの頑張りと私の指揮さえあれば、苦戦することもない。

 

 そうしていると、未だに肩に顎を乗せていたオルガンが口を開いた。

 

「……へえ、まるでオーケストラの指揮者だね。親近感を覚えるよ。」

〈オルガンは、何か音楽をやっているの?〉

「そうだね。追い求めているんだ、美しい沈黙を。」

〈沈黙……?〉

 

 そんな時、ホーエンハイムがため息をついてオルガンの首根っこを掴んだ。

 

「オルガン、あまり管理人の邪魔をしないように。上手くデータが取れない。」

「ちぇっ。」

 

 ……不貞腐れた猫のように、オルガンは私から引き離されて壁に寄りかかった。

視線の先は、囚人たちの戦闘に向いていた。




原作に存在しない人格やE.G.O.がたまに出てきます。
大抵は何かのオマージュです。


薬指身体派スチューデント
良秀 000

人格ストーリー


 子供は、肉を縫っているみたいだね。
 ただ無心に作品を作っているみたいだ。
 赤く光る義眼で、縫うべき場所を見極めて。

 静かに、肉と骨を継ぎ接いでいく。

良秀
「……ハッ、ひ・で。」

 それでも、一度形になった人形を子供は焼いてしまった。
 出来が気に入らなかったのかな。

良秀
「──なあ」
「"酷い出来の作品だ"って、どう略せば良いんだ?」

 子供の指輪は一つだけ。
 それは、子供がまだスチューデントであることを示しているんだ。
 それでも子供は、薬指としての才能がないわけじゃない。
 ただ評価される作品を作るよりも、大切な目的があるだけで。

????
「ヨシヒデ。今日も精が出ますね。」
良秀
「……ノックぐらいしろ。」

 だけど今日も、子供は作品を完成させられなかったみたいだね。

 そもそも、作品が完成することなんて……あるのかな?

焼け落ちていく人形
「……し…く……」
「よりょ、しゅく」




スキル1
「屠畜」5+3×2
2コイン:斬撃暴食:出血
Ⅰ:的中時、出血回数+1。
Ⅱ:表面的中時、出血威力+2。
──暴れるな。


スキル2
「観劇」4+6
1コイン:斬撃色欲:出血
Ⅰ:的中時、出血威力+1。
  表面的中時、コイン再使用(最大3回)。
──ほぉ……望・材。


スキル3
「人・形・糸〜人の形に継ぎ接ぐための糸〜」5+4×3
3コイン:斬撃憂鬱:出血・特殊充電消費
使用時:生体材料回数を6消費するごとにコイン威力+1(最大3)。
Ⅰ:的中時、出血威力+1。
  表面的中時、出血回数+2。
Ⅱ:的中時、出血回数+1。
  表面的中時、出血威力+3。
Ⅲ:的中時、「人形・失敗作」を付与。
攻撃終了後、特殊充電回数が0ならスキル3-2で追撃。
──糸で縫い、追い求める。


スキル3-2
「焼却処分」2+9×1
1コイン:斬撃色欲:出血・火傷
マッチ不可。
使用時:相手に付与した「人形・失敗作」の数に応じて加重値増加。
    増加した加重値に応じて、ダメージ量が減少。
コイントス時:精神力10減少。
Ⅰ:的中時、出血威力+3、火傷威力+2。
  表面的中時、コイン再使用(最大3回)。
──ふぅ……失・作。初めから無かったように、断ち切ってやる。


防御
「継ぎ接ぐ糸」3+10
1コイン:マッチ可能反撃:斬撃色欲:出血
Ⅰ:的中時、出血威力+1、出血回数+1。
  表面的中時、「人形・失敗作」を付与。
──絡まって、縺れたか。


パッシブ

「生涯の目的-@#$の再誕-」
常時発動
ステージに初めて登場した時、自分の生体材料回数が(戦場にいる薬指所属の味方数×2)だけ増加(最大10)。
スキル終了時、当該スキルで体力またはバリアにダメージを与えたなら、自分の生体材料回数が3増加。対象が死亡したなら、追加で回数が3増加。
基本攻撃スキルとマッチ可能反撃スキルが充電回数を得るスキルとして扱われる。

「果たされない再会」
憂鬱保有4
保有する憂鬱資源÷4だけ、敵全体に色欲脆弱1を付与(最大10)。
このパッシブ発動中、戦闘開始時にこの人格の精神力が憂鬱資源÷4だけ減少する(最大40)。

サポートパッシブ
「人・形〜人の形をしているだけの紛い物〜」
色欲共鳴4
最も速度の速い「機械融和生命体」のキャラクターが加算コイン強化1を得る。




強そうに見えて、混乱区間が嫌なところにあるタイプ。
あと、表面的中が条件になってるスキルが多いのに、スキル3-2とパッシブで精神力がアホほど減るから安定しない。
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