聖闘士星矢 〜13番目の星座〜   作:くまたいよう

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 舞台は移ってな回。


シャイナ、12宮の異変

(無謀過ぎる・・・・)

 

 シャイナは自分の住処でアイオリアからの手紙を読んでいた。あの後に起きた事は何故か途切れ途切れな気もするが星矢は生き延びた事迄が書かれていた・・・・何より。

 

【13年前の真実】

 

 女神を暗殺しようとしたのは教皇であった事。そして、アイオリアの兄にして当時最強の聖闘士とされた射手座の黄金聖闘士アイオロスは教皇から女神を救い出した後に聖域から追っ手を振り切りながら連れ出し、息絶える寸前にたまたま観光に来ていた城戸光政に女神と黄金聖衣を託した。

 

 考えてみれば、アイオリアが13年間で逆賊の弟でありながら女神に対する忠誠心厚く、聖闘士の中で1、2を争うと正当に評価されたのは当時から黄金聖闘士となっていたからもあるが、聖域に残る皆が何処かでアイオロスを信じていたからと見れる。雑兵達からアイオロスと交戦したとされる黄金聖闘士すら深手を負わされながら無抵抗で切り抜けたとされるアイオロスをだ。教皇ですら深くは言及せずにいたのは単に黒幕だからではなくアイオロスの人望を崩しきれないので不用意に言えなかったからではとも取れる。

 

 それに、城戸光政が百人の孤児を世界各地に聖闘士として送り出したのは正に旧約聖書にあるアブラハムに習う所業だ。だからこそ、一割が聖闘士として日本に帰って来たとでも言うのか?とシャイナは身震いした。

 

 しかし、青銅聖闘士を十名揃えた程度で銀河戦争を開き、邪悪を呼び寄せよう等と時期少々とした。星矢を含む5名が聖闘士になって間もないのに白銀聖闘士を上回る力を示したのは定められていたのか?と言いたかったが次の問題がある。

 

【女神である城戸沙織を甘やかし過ぎた】

 

 真意は死人に口無しだから知れないが、何を考えていたかとだけは言いたい。正直、自分が星矢達の側でも直ぐに女神と信じはしない。星矢が自分も信じたくない事と言った内容はその系統だろうとした。

 

 そして、手当てをしてくれたカシオスから聞いたのは、ついに聖域に乗り込んで来た星矢達が12宮に挑戦して5番目の獅子宮にとの事だが、アイオリアが教皇の幻朧魔皇拳に洗脳されていると聞いて飛び出そうとした際にカシオスに意識を失わされたと気付いたが、目覚めて再び十二宮に向かうシャイナにはわかった。

 

(な、何でこんな・・・・カシオス。お前を導いて、育ててやれなかった私なんかの為に・・・・)

 

 アイオリアの目を覚まさせる為にカシオスが死んだとわかった。何故そうわかるかな理由を考えるより悔しさと情けなさに申し訳なさ、何より悲しみと自己嫌悪が勝っていた。自分のような愚かな指導者のせいで青銅聖闘士にすらしてあげられなかったのに。

 

『シャイナよ』

 

 泣き崩れるシャイナは声を聞いた。

 

 日本で何度か聞いた声が、悔しいならば来いとシャイナに聞こえた。そして、12宮に向かうシャイナは何故か天蠍宮と人馬宮の間にある残骸の前にいつの間にか立ち、凄まじい頭痛に襲われて頭を抱えて膝から崩れ落ちた。これも日本で起きた事として目の前には見知らぬ男がいて手を差し伸べていた。

 

『シャイナよ、さあ・・・・立ちあがれ』

 

 手を伸ばしたら素通りしたが、金色に輝く物体を見つけた。これがもしもとした時にシャイナは何故か他の宮と同じ建物の中にいた。そして、数秒であるような永遠であるような苦痛の末に理解した。今の自分の纏うものと、そのルーツを。そして、近付いてくる気配でやるべき事を理解して決意を固めた。

 

「来たか、星矢!」

 

 星矢と、意識を失ったままな瞬を背負う紫龍をシャイナは見据えた。星矢は何故シャイナが突然現れた宮の中にいるかもだが、シャイナが纏う聖衣に目を奪われた。

 

【金色に輝く蛇遣い座の聖衣】

 

 実際シャイナが聖衣に見放された瞬間を見た星矢も、自分が倒したデスマスクがそうなったのを見た紫龍も驚かされたが、シャイナは一瞬で星矢の眼前に迫り、呆気に取られた星矢の右足に触れた瞬間だった。

 

「え、足の痛みが?」

 

 アイオリアに折られ、痛みを堪えていた足が一瞬で完治していた。何故としたらシャイナはいつの間にか距離を取って星矢に対峙していた。

 

「星矢、この聖衣を見ろ。今の私は前聖戦の前に命を落とした【13番目の黄金聖闘士の生まれ変わりとされた男の意思】が宿っている。怪我の治療もそれのお陰さ」

 

「な、なんと!?」

 

「十三番目の・・・・それは、まさか我が老師も大恩ある存在と語った御方・・・・」

 

「「オデッセウス!」」

 

 聖域で修行した星矢と、実際にオデッセウスに幾度となく救われた老師を師に持つ紫龍は聞いた事がある。前聖戦の始まる前の時期に全聖闘士の中で最強の力を保ちながら戦わずに医の力を持って全ての聖闘士を救い続けた末に、聖戦の前に命を落とした伝説の聖闘士。だが?

 

「け、けどシャイナさん。そのオデッセウスが例えられた13番目の聖闘士は神になろうとした末に神の怒りを買って存在を消されたらしいじゃないか。何でそんなのに例えられたんだ?もしかしして13番目はアイオロスみたいにワケありと思われてたりとかか?」

 

「ふん、少し飛びすぎだが、師匠が良かったからにしても勉強してるじゃないか星矢。案外、お前は魔鈴みたいに知性派を目指してみるのも選択の内だったかもな、まあ良い。それより私と戦うなら紫龍達は先に行かせてやる」

 

 紫龍は何となくシャイナに同意した。銀河戦争で自分の最強の盾と拳をぶつけ合う形に誘導し、アルデバランの拳技を日本剣法の居合いに例えて破る等、星矢は戦闘IQが然りげ無く高い。それより足留めされるワケにはいかないとして、シャイナの言う通りにした。星矢とて只事でないのは理解している。

 

「シャイナさん、聞きたい事は沢山あるけど。俺達は此処で立ち止まるワケにはいかないんだ!」

 

 そう言って、星矢は全力のペガサス流星拳の構えを取るが、気付いたらシャイナの蹴りを腹部に受けて後方に飛ばされて壁に叩きつけられ、崩れ落ちる瞬間にアッパーカットで今度は天井に叩きつけられた。床に落ちてダメージを堪えるが、シャイナは追い打ちのように拳を叩き付けに来たので何とか離脱した。

 

「甘いね星矢。素の実力がまだまだ黄金聖闘士には到底及ばない。今迄はお前を所詮は青銅聖闘士と侮って貰ったから何とかなったようだが・・・・今の私相手ならどうする!?」

 

 流星拳のような瞬速の拳をシャイナは放つが、光速に近いので星矢は急所をガードが手一杯であった。何とか打ち終わりを狙うしかないとして星矢は小宇宙を高め、待った瞬間を狙う。

 

「ペガサス・・・・彗星拳!」

 

 ミスティとの戦いで編み出した流星拳を一点に集中させる星矢の最大の技がシャイナの右肩に放たれたが、シャイナは片手で彗星拳を止めてしまう図に星矢は驚愕した。

 

「私が見た事が無い技を使うのは好判断だね。けど急所を避けて右肩を狙うような甘さじゃ通用しないよ星矢。戦意が足りなけりゃ小宇宙は燃えないのは最初聖衣を着たときに知ったハズだろ?それに忘れたのかい、私が生身の素手でアイオリアのライトニングボルトを受け止めたのを。その私に甘い事考えている余裕あるのかい?」

 

 尤もな事以上に星矢は確信した。事態を把握しきれてはいないが、今のシャイナは黄金聖衣らしき聖衣を装着しただけではない。日本で射手座の黄金聖衣を着ただけなレベルの自分と違い、限りなく黄金聖闘士に近い強さを持つ強敵なのだと。




PS2版ゲームとND足して星矢vsシャイナの戦闘開始。
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