星と魔術師   作:ワンダ・プレイア

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未明①

 サターンがエクリプスの窓から見える位置にまで辿り着いた。あらかじめ説明されていた通りにコントロールポッドに乗り込み、CCMをセットする。

 

 接続が完了して、室内全域にLBXを通して見える空間が広がっていく。パンドラが発射口に配置され、いつでも打ち出されても問題ない所まで……ついに来てしまった、八神さん風に言えば、人類の夜明けを賭けた戦いに。

 

 それなのに……始まりの合図を待つ間、しっかりしなきゃいけないのに。許された時間でふと考えてしまうのは、先ほどの仙道とのやりとりだった。

 

 僅か数ミリまで近づいた距離、桔梗みたいな綺麗な紫の瞳……あと少しだった。その後悔と言い切ってしまうにはあまりにも濁った感情が、胸の奥に重く粘度を保ったまま沈殿していくようだ。

 

 これから起こる戦いよりも、これまでの後悔が思考を鈍らせてしまいそうだ。私はなにを間違ったの?

 

「諸君、聞こえるか?これよりサターン攻略作戦、およびオペレーション・デイブレイクの第一フェイズへ移行する……LBX降下部隊の君達には厳しい戦いになるが、健闘を祈っている」 

 

「はい!……みんな、頑張ろうね。オレ達で世界を救うんだ!」

 

 CCM内に入った八神さんの鼓舞も、バンの励ましも、どうしても右から左に流れてしまう……それどころじゃない。それは分かってはいるけど、どうしても取り除けない思いを抱えたまま操作レバーを強く握った。

 

 合図を待つ声が早く聞こえればいい……飛び出してしまえば、私は目の前のことに集中できるのに。

 

「LBX部隊、設置完了、降下開始いつでもできます!」

 

 通信越しにオペレーターの声が聞こえる。顔を上げれば発射口にライトが灯り、目の前のハッチが開いていく。直接そこに立っているわけじゃないのに風が強く吹き荒れてきて、思わず目を瞑ってしまった。

 

 レバーを握る力が強まり、大きく息を吐いて前を向いて顔を上げ、目を開けて合図を待った。

 

 しんと静まり返ったポッド内に心臓の音だけが響いていた。ようやく訪れた最後の戦いの幕を開けるように、八神さんからの通信が入った。

 

 顔は引きつっていたけど、誰よりも真っすぐな目をした彼が火蓋を切って落とした。

 

「では、人類の希望を掴む最後の戦いへ……オペレーション・デイブレイク、発動!」

 

 八神さんの合図が出た、レバーを前に倒すのと同時にフライトパックが起動した。

 

 滑るように急発射したパンドラが空中に放り出され、下に見える巨大なロケットへ降りていく。前方に先陣を切ったLBXが流星群のように流れていく、そして先頭でサターンの対空砲より打ち出された銃弾によって、直撃して堕ちていくのが目に入った。

 

「攻撃を受けたらひとたまりもないわね、まだフェンスだって来てないのに……」

 

「アミちゃん、あぶない!」

 

「しま――」

 

 流れ弾が目の前まで飛んできたことに気が付かなくて、動揺で反応が遅れた。どうしよう、パンドラが……なんて考えているうちにリュウのオレンジのブルド改が視界に入ってきた。

 

 空中でパンドラに体当たりをして、軌道をずらしてくれた。間一髪でパンドラは無事だった……その事実に肩を撫で下ろす暇もないまま、隣で大きな爆発音が聞こえた。

 

「まさか……リュウ!」

 

 目を向ければさっきまで近くにいたリュウのブルド改が居なくなっていた。やっぱり――。

 

「エヘヘ、もうやられちゃった……でもアミちゃんが無事でよかった、俺の代わりに世界を救ってね」

 

 リュウからの通信が入ったと思えばすぐに切られてしまった。一瞬だけ映ったリュウはさっきまで廊下で泣き崩れてぐずっていた人物と同じだと思えないほど頼りがいのある顔だった。

 

 本当はありがとうと言いたかった、大事なブルド駄目にしてごめんねって謝りたかった……私が、仙道への後悔のことなんかずっと考えているからだ。操作する手に余計に力が入る、帰ったら謝って感謝を伝えよう……どうせにやにやと虚勢を張って話を大きくしているんだろうけど。

 

「ありがとうリュウ……必ず!辿り着く!」

 

 後ろからも爆発音が絶えない、確実にこちらの機体数を減らしていっている。

 

 次は私かもしれない……そんな恐怖心を振り切りながら、銃弾の雨の微かな隙間を通りながら降下を続けていく。するとサターンの表面がうっすらとピンク色に色付き始めた。

 

「サターン外周部に高エネルギー反応が出始めたぞ……フェンスだ!構えろ!」

 

 例の追撃システムが打ち出される、これに当たれば今以上に数を減らすのだろう。だからって諦めない。

 

「アンブレラ、展開!」

 

 コントロールポッドにコマンドを入力し、パンドラの腹部からアンテナのようなパーツが伸びて緑色のビームの防壁を作り上げた。

 

 どうか無事でいてくれますように……手に汗を滲ませ悪寒に包まれながらも、しっかりと前だけを見た。

 

 アンブレラの隙間から微かに見えるサターンに溜まったエネルギーが、華を開くように放射状に一気に弾けた。

 

 光の矢のように周囲を照らし認識できない攻撃が、更に味方陣の機数を減らしていく。花火でも打ち上げているような大きな破裂音で鼓膜が破けそうになって、手元が狂いそうになるのを必死に堪えた。

 

 動かないよう、角度が変わらないように、風の抵抗で機体がズレないよう細かく調整を続ける。ポッド内に映し出された死の雨に耐えしのんでいく。

 

「まだ……終わらないの?」

 

 確実に降下している、それはわかる。それでもすぐ隣で散っていく機体達や、兵器と名付けるにはあまりにも恐ろしい攻撃に手に力が入らず踏ん張れない。

 

 どうしよう、ここでアンブレラが消えて攻撃を喰らっちゃったら……だめ考えない!前を向かなきゃ!落ち着け、落ち着いて私。もう終わる、もうすぐ!

 

 点滅し始めたアンブレラにどうか持ってくれと願いながらレバーをがむしゃらに倒し続け、やっと聞きたかった言葉が聞こえた。

 

「フェンスを耐えきった……よくやった」

 

「LBX降下部隊、サターン着地完了しました!辿り着いたのは六機です!」

 

 目の前に広がるのは通信が切れて砂嵐になった画面ではなかった。無機質な鉄の塊――サターンの装甲が広がっていた。

 

「い、生き残った……よかったぁ」

 

 フェンスを越えられた、その事実があることだけでもう終わりにしたい気持ちが漏れ出してしまいそうだ……まだ始まってすらいないというのに。

 

 適当な地面に足をつけ、燃料が切れてしまったフライトパックを外して駆け出した。目指すは迎撃システムの停止、まずは制御室の制圧からだ。

 

 僅かな隙間を見つけ、パンドラを滑り込ませるようにねじ込んで、暗い内部を簡易的な地図だけを頼りに走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 薄暗い道中をひとり駆け出し、警備用に配置された大量のデグーの群れに囲まれながらも、慣れない暗闇の中をなんとかもがいて道なりを進んでいく。

 

 立ち塞がれば切り捨て、弾丸を避けながら走り抜けていく。でも倒しても倒しても敵の機体数が圧倒的すぎて、キリがない。

 

 道が塞がれる度に足を止めて攻防を繰り返す、LBXの残骸が来た道に山のように積み上がっているのに、一向に攻撃が止むこともこの群れが静まることもなかった。

 

「もう、急いでいるのに!このぉ!」

 

 襲いかかってきたデグーの剣や放たれた銃弾を躱し、目の前まで来ていた一機にダガーを突き立てる。その後ろに控えてた二機の首を狙って刃を入れながら横をすり抜けていく。

 

 パンドラの攻撃によって爆発したデグーの後ろから、また新しいデグーの群れが迫ってくる。

 

 足を止めて単純な攻撃で武器を振り上げ、がら空きの腹部にアッパーをぶつけ、後方に吹っ飛ばし。ボウリングの球がピンを弾け飛ばすように敵陣にぶつかっていった。

 

 まとめて倒せればいいのに……パンドラは素早い攻撃が得意だけど、この武器は大量の敵を相手にするのには向いてない。ここはどう切り抜けようかしら?

 

「こういう時、仙道がいてくれれば……」

 

 最後まで言いかけた口を慌てて閉じ、グッと力を入れる。なにやってんのよ、そんな都合よく来てくれるわけないでしょ!あいつはあいつで制御室に向かうために頑張ってるんだから、ここはひとりで切り開かないと……それに――。

 

「私は、ここで負けたくない!」

 

 一瞬止まった隙を狙ってデグーが一斉にパンドラに飛び掛かった、ダガーを構え姿勢を低く取り相手の攻撃に合わせるため目を凝らした。

 

 あのデグーは全部自動制御、そこに個性もなにもない。こちらが動けば規則的に返してくる、だったら一番いいのはカウンターを狙うこと!

 

 規則的な攻撃を予測して、一撃を確実に当てれば勝機はある。レバーを引きパンドラが最初のデグーの攻撃に合わせ武器を振るおうとした。その時、空中を切って投げ出されたものが視界に入ってきた。

 

 ガァンと鈍い音が空間に響き渡る。目の前のデグーの顔になにか長物のようなものが刺さって仰け反り、パンドラのすぐ横に黒い影が走ったのが見えた。それがなにか分かった瞬間、言い訳もできないほどに嬉しくて、安心してしまった自分がいた。

 

「仙道!」

 

「随分と呑気だなぁ……握手会でも開いていたか?」

 

 薄暗い場所で更に影を濃く落とし、まるで悪夢そのもののような機体。先頭のデグーに刺さった杖を引き抜いてすぐさま振り回し、確実に数を捌いていった。

 

 仙道が操るナイトメアが現れてくれた。パンドラの前に立ち塞がり軽々と、そして確実に攻撃を当て数を減らしていく。相変わらずの流れるようで無駄のない動き、見惚れるような強さだけどパンドラも負けてはいられない、仕留め損なったデグーを斬りつけて敵陣を捌いていく。

 

「随分と囲まれたな……蹴散らすぞ」

 

「わかった、お願い」

 

 まとめてデグーを吹っ飛ばし、ナイトメアは杖を構え直し目を光らせ、回転しながら大きく飛び上がった。それを合図にパンドラが後ろに下がり次の攻撃に耐えるべく姿勢を低く保った。

 

「消え失せろ雑魚ども……必殺ファンクション!」

 

 ぐぐっと力を込め、溜めたエネルギーを一気に解き放った。すると仙道の放った必殺ファンクションを中心に強い風が吹き荒れ、自然と足が一歩下がってしまう。

 

 前方で風の刃に斬り刻まれながら敵陣が吹っ飛んでいく、ナイトメアの『デスサイズハリケーン』。相変わらずの威力……普通そんなに威力のない技の筈なのにな。本当、規格外の強さね。

 

 息をつくのも束の間に、よそ見をしていたパンドラに襲いかかったデグーを返り討ちにしつつ。近場の敵はなんとか倒せただろうか、さっきまで途方もない数がいた気がしたけど。今やっと静かになった気がする。

 

 漏電するケーブルの音、デグーの赤い目の灯りが消えていくのが見えた。遠くから来る敵もいなさそう……そう思うとつい嬉しさが吐き出す息と共に溢れてしまった。

 

「助かったぁ……ありがとう、せ――」

 

「まだ気を抜くな!さっき、フェアリーと出会った……何体か起動したようだったぞ」

 

 仙道の言葉に思わず周りを見渡し、違和感に耳を傾けた。息を呑みこんで警戒を崩さず、どんなに小さな変化でも見逃さない……そんな思いで操作レバーを傾けパンドラから見える景色を端から端まで観察した。

 

 こんな狭い場所で『あの』フェアリーと出会ったのなら……どうしよう、私達で勝てるの?バンとジンでようやく勝てた相手に。

 

「……どこに居たの?」

 

「内部へ入った場所が悪かったんだろう、出会い頭だった……一機はなんとか不意を突いたが、それ以外は俺の攻撃を読んできやがった」

 

「で、撒いたの?」

 

「撒けなかったから警戒しろって言ってんだよ!」

 

 じゃあ仙道は逃げてきた先でたまたま私と遭遇したってことね……一難去ってまた一難なだけか。アニメみたいなピンチに駆けつけた、恰好いいヒーローみたいには行かないわね。

 

 顔をスクリーンの横に向けると仙道から通信が入っていたようで、まるで隣で操作しているようにちっちゃい画面に顔が映し出されていた。

 

 眉間に皺を寄せ、焦りからなのか忙しなく目を動かしている。画面越しという荒い映像からも冷や汗をかいているのがわかった……相当大変な目にあったのね、そりゃ仙道でも撤退しちゃうわよ。実際強かったし。

 

「自律可動型LBX……だったな、伊達に兵器として作られてないな。恐ろしい強さだった」

 

「ちなみに、何体から逃げてきたの?」

 

「一体だよ。本当……運よく片割れだけでも倒せてよかった、二対一なら勝算はこちら側にあるかもな」

 

 杖を構え直し、来た道に睨みを利かせる。パンドラもダガーを構えて神経を尖らせて警戒体勢に入った。

 

 電気が弾ける音と、煙が沸き立っているその先で……一瞬倒れて動かない筈のデグーの体が沈んだ。

 

「そこ!」

 

 パンドラがダガーをブーメランのように投擲すれば、見えないなにかに弾かれた。さっきまでなにも居なかった筈のその場所から、蜃気楼のような歪みが発生して……奴は姿を現した。

 

 白いボディになんの装飾もされていない各パーツ、無機質な頭はただの球体のようなのに、背中からは妖精を思わせる大きな羽根が生えている。イノベーター研究所で私達を足止めしていたLBX、『フェアリー』がそこにいた。

 

「タイラントプレイスはまだだってのに、せっかちな機体もいたもんだねぇ」

 

「ええ本当、この後の作戦に影響があるかもしれない。ここで倒しましょう」

 

 何かしらの理由で目覚めたのか、武器は持たず素手のまま。それでも仙道でさえ苦戦を強いられた敵、一度戦っているからとはいえ油断はしたくない……ステルス攻撃にも気をつけなきゃ。

 

 先制攻撃を仕掛けたのはフェアリーからだった、地面を強く蹴り上げて向かってきた。拳を振り上げ、取り逃したナイトメアを仕留めるためにまっすぐ向かってきた。

 

 そのままナイトメアは杖で一撃を受け止めたものの、フェアリーは更に拳に力を溜めそのまま押し負かそうとしていた。

 

「くそ……脳みそ空っぽな人工知能の戦いの癖して、力技で叩きのめしに来たってのか」

 

 鍔迫り合いというには、あまりにもナイトメアが劣勢にあった、飛んでいったダガーを回収してフェアリーの背中目掛けて斬り掛かった。

 

「これなら、どうよ!」

 

 でもフェアリーはそう来ると読んでいたのかもしれない、刃が当たるかもしれないギリギリで避け。防御の末に体勢を崩していたナイトメアに、パンドラの攻撃が炸裂してしまった。

 

「なぁ!?これにも対応できるっていうの?」

 

「小賢しい真似ばかりしやがる、妖精如きが」

 

 縺れるようにぶつかって転がりながらもなんとか立ち上がった。そしてその様子をなにも感じることもなく、感情の欠片も持ち合わせていないフェアリーが見下ろしていた。

 

 攻撃をモロに喰らってしまったナイトメアだけど、なんとか体勢を立て直しつつ武器を構えていた。作戦を練り直す意味合いを込めて仙道が話しかけてきた。

 

「お前、イノベーターの基地で一回やり合ってるんだろ?どうやって勝った」

 

「ステルス機能の欠点をついたの、影が見えていたから着地地点に狙いをつけてね」

 

「ご意見どうも……薄暗いここじゃ生憎使えないな。さて、どう攻略する?」

 

 こちらが話し合っているのもお構いなしにフェアリーがまた襲い掛かってくる。ナイトメアと共に攻撃の手を緩めずひたすらフェアリーに掛かっていく。

 

 ダガーの淀みのない刺突を首を傾けただけで数ミリ単位で躱し、空気を切り裂くような鈍い音と共に薙ぎ払われた、ナイトメアの杖を裏拳で弾いた。

 

 そしてそのまま握り締めた拳をナイトメアの腹部に鋭く刺し、次の攻撃へと踏み込もうとしたパンドラの方に飛ばして二機もろとも後方へ吹っ飛ばされた。

 

 フェアリーはほとんどその場から動いていないのに、強い武器なんか持たなくても強い……そういっても過言じゃない機動力でパンドラとナイトメアを圧倒した。

 

 戦闘データを学習し続けるフェアリーにいくら攻撃しても通じるとは思えない……考えなきゃ、きっと勝機がどこかにある。

 

 この圧倒的な絶望感の暗闇の中、私達が勝てる道筋は?考えなきゃ……学習するということは、予想だにしない攻撃には弱い。パンドラのスピードもナイトメアの手の内も読まれ始めている。意外性が攻略のカギになる筈。

 

「意外性……そこにヒントがきっとある、考えなきゃ。ここを切り開く方法を」

 

 ほぼ満身創痍と言ってもいいパンドラから見えるフェアリー、その姿を観察しながら頭をフル回転させてみる。その時、横でいたずらっぽくなにか閃いた仙道のにやけ顔が目に入った。

 

「なに、なにか思いついたの?」

 

「まあな……なあ川村アミ、ひとつ面白い遊びでもしないか?」

 

「な、なに言ってんのよ!こんな時に――」

 

 私の言葉を遮って杖をクルっと回して地面に突然突き刺し、急にナイトメアが丸腰になってしまった。突然の奇行に開いた口が塞がらない、なんで?なんで今そんなことをしたの?

 

「川村アミ、ホープエッジを寄越せ」

 

「はぁ!?なんでよ!」

 

「下手に作戦捏ねくり回して失敗するより、ただ殴るって暴行に出たくなった……だが、今まで通りはつまらない。だからそれ貸せ」

 

 理解が追い付かないまま、ナイトメアはパンドラが握っていた武器を奪い取ってフェアリーに突っ込んでいった。抵抗する間もなく奪われてしまい、今度はパンドラが丸腰になってしまった。

 

「ちょっと、武器返して!なんでそんなことするのよ!」

 

「じゃあお前には俺の杖を貸してやる、ありがたく使えよ」

 

 ただの思いつきとは思えない、それに仙道の行動には悔しいけど理にかなっていると思ってしまった。

 

 データとして記憶していた戦い方がガラッと変わること、フェアリーに学習される前に倒せる可能性。それになにより、お互いのスタイルを知っているからなんとか形になっていい作戦ではないかって思う。だとしても……。

 

「作戦くらい、口に出しなさいよぉ!ばか!ばかばか仙道の大ばか!」

 

 力の限り地面に突き刺さったナイトメアの杖を引き抜き、先陣を切るナイトメアに続いて踏み出していった。

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