復活!陰陽寮!   作:かりん2022

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予言が当たった!

2002年元旦。

早速占い結果を出した。

陰陽寮の復帰を求む旨を書いて、占いの申し込み方と、今年の日本の占いの2コンテンツ。

占いの内容は、経済は不振でデフレが進行、外交、科学は◎という簡単なものだ。

詳細は100万円の対価で総理にのみ伝達。

ただし、緊急重要事項相談料は最低1000万。ない年もある。今年はない年。

 

まあ、はじめだからこんなもんでいいだろう。

 

占いは、一回一万円、詳細10万円、緊急相談料100万円。

 

こんな感じでいく事にした。

 

金額はとても高いが、占いなんて詐欺と取られたり怒られたりするリスク激高なんだ。高価な道具も使ってるし本物だし、安売りはしない。

占いといっても、祓いの業務も含まれる場合もある。そうなると命懸けになる時もある。小銭で命懸けの仕事をするなんてあり得ない。

どっちみち、お客はいずれ押し寄せるのだし。

 

晴良様も私も、修行と雌伏の期間が長くて大変だが、逆に今はのんびりできて修行もできる最後のチャンスだと思って頑張って行こう。

 

ちなみに晴良様だが、無事お友達を陰陽師にした模様。

ポイントで買うのは陰陽師任命書と必要な消費道具だけにして、

パーフェクトセットを2人で仲良く使うようだ。

 

本当はお祓いとかもしたいようだが、悪霊になる運命があるので、せめて2人ともが修行で力を十分につけるまでは我慢してもらった。

ダンジョンで安全マージンを取って、頑張って修行しているらしい。

ダンジョン近くの山小屋に今は住んでいるそうだ。

 

晴彦様はメキメキ力をつけており、ドン引きするほどとのこと。

 

晴人様はお守りの力がわかるほどに上がってきたそうだ。

魔石を神様に捧げて、神石を下賜してもらう魔力ロンダリングの成果だそうだ。

 

ダンジョンも行きたいし誘ってもらっているが、京都が遠い上に、ダンジョンは山奥なので行くのが大変なんだよね。素直に修行するかぁ。

 

 

2003年元旦。

「無事に飛ぶ。科学◎。病が流行る。いずれ来る大疫病の為の良い練習となるので広がりはしないが真面目に取り組むべし。大規模な犯罪の兆しあり。子供達を悪に誘う兆候あり。庶民、特にお年寄りと若年層に詐欺や犯罪に対する啓蒙をすると吉。7月26日、宮城。9月26日、北海道で大きな災いあり。9月25日は高台や安全な場所に避難してから寝た方が良い」

災避けの祈祷等の緊急重要事項相談受付あり。ただし、祈祷の結果、日時がずれて予測できなくなる可能性あり。

 

おお、大きな占いが出た。

どうなるだろうか。誰にも気づかれない可能性はなくはない。

 

それから、9月1日。

神社がテレビに出ていた。

 

『私達、大和テレビは1,100万円を出して、総理にご協力願って現代の陰陽師と接触を取る事に成功致しました。現在、総理は占いの詳細を聞いています』

『現代の陰陽師は7月26日の宮城県北部連続地震を当てたわけですが、9月26日は津波を示唆する言葉も出ているんですよ。それに、いずれ大疫病が来るとも言ってますよね。とても心配です』

『現代の陰陽師、星海 晴良さんが仰るには、陰陽師は平安時代、政府に寄り添って神主や僧侶と力を合わせ、多角的に日本に霊的保護をしていたそうなんですね。それが明治で崩れてしまい、本物と偽物が混在する状態になって残念に思っているそうです。いずれ、陰陽寮を現代に即した形で復活させたいと。その第一歩が、占いだそうです』

『本物の占いってそんなに凄いんですか? 私も占って欲しいです!』

『一万円から占いの受付をしているそうですよ。総理の後に私達も占ってもらいましょう!』

『あっ 総理が戻ってきました!』

『総理、どうでした!?』

『感服した! 本物の占いとはこうなのだと! ただ、占いを全面的に当てにした政治はしない。外れても対応できる動きをする。北海道の十勝付近で、未明に津波を伴う大変な地震が起きると出ているとのこと。1000万で地震の規模縮小の祈祷を請け負うとの事だが、そうなると地震の時期はわからなくなる。私は今回この番組に寄付していただいた1000万円を避難準備に使いたいと思う。地震が予言通りに起きたら、直ちに陰陽寮復活とはならないが、私が総理でいる限り自腹で占いをお願いする。早く知りたかったが、今知れてよかったと思う! 大規模な犯罪の兆しがあるそうで、それは国家の安全上言う事はできないが、直ちに警察や公安に指示を出し、対応できるようにしたい! また、今世界で流行っている疫病は沈静化する見通しとのことで、それは良かった! 大疫病に備えて、経験を糧にしていきたい!』

『100万の価値はあると?』

『北海道民の本来失われたであろう命一つ救えただけで、1000万の価値はある! 万全の準備をして9月26日を迎えたいと思う! 外れたら私が愚かだったと言うだけだ!』

 

 おおー! さすが総理頼もしい!

 北海道密着取材が確定した瞬間である。

 その後、アイドルの占いコーナーなどもあり、大変に盛り上がった。

 

「晴良様、なんて凄いのかしら。本当に陰陽寮復活するのかしら?」

 

 お母さんが感動している。

 我が家も9月25日は徹夜する事になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2003年、9月25日。

十勝民は避難訓練という形で避難所で毛布に包まっていた。

テレビの前で、地震が起きる起きないとわあわあ喋っている。

海外のテレビも入っていて、外国人が興味深そうにお祭り騒ぎを見ている。

地震の予想とか、陰陽寮の歴史とか、陰陽師についてとか、漫画や小説の紹介とかしながら時を過ごす。

 

もう何も起きないんじゃない? やっぱり外れたか。

そんな空気で、もうウトウトしはじめた4時50分。

地震が起きた。

 

慌てだす人々。だが徹夜して眠さがピークになってて動きが鈍い。

人々は、家々が浸水するのをぼーっと見ているしかなかった。そしてわずかな時間眠って仕事に出た。

一応、津波が起きるからという事で、ペットと貴重品を持って皆が避難していた。

総理が自ら動いて差配した事もあり、死者は0。ペットも無事。

でもだからって、本当に津波が来るなんて聞いてない。

 

大騒ぎになったのは、だから皆が十分な睡眠を取った二日後だった。

 

『感動した! 実は北海道では多数の死者が出ると占いで出ていた! 実際の地震の規模と時間帯から見て、それは事実だと思う! みんなの協力で死者0に出来た!』

 

 ツヤッツヤした顔でヘルメットを被り、復興する気満々な総理。

 やはりこの人は頼り甲斐がある。なんていうか黒船! って感じがして絶対沈まなそう。

 

『総理は陰陽寮を復活させるのですか!?』

『継承可能な技術なら、是非とも陰陽寮を復活させ、オカルト方面の整備をしていきたい。ただし、オカルトへの傾倒の危険性も認識しているし、現時点では晴良くん1人の才能ではないかと思っている。向こうも陰陽師の復興プロジェクトの立ち上げ段階で職員が4人しかいないというし、慎重に判断したい!』

 

 おお、職員増えてる。

 

『気象庁として一言!』

『興味深く思っている。協力できる部分で協力していきたいと思っている。陰陽寮が地震の専門家として気象庁の下部組織になるというのなら歓迎する』

 

 そして、10月、相談があるという事で私は呼び出された。

 表向きは占いをしてもらいにきたという形である。

 

 

 

 

 

 

「葵ー! スッゲー大変だったー!」

「君が晴良の親戚の葵さん。私は佐々木 蜜。陰陽師の2人目だよ」

「お疲れ様です。祓い屋の柳原 葵です。あの後、さらに陰陽師増えたんですか? テレビで四人って言ってました」

「僕とおねぇちゃん!」

「なんと」

「扶養からは出ちゃうけど、手伝ってもらえない? 現状、修行の時間も取れないんだよ」

「私、祓い屋ですし占い出来ないですよ」

 

 祓い屋は個体差が大きいのだ。私は生産特化。

 

「来年、才能ありそうなの集めてダンジョン合宿しようかと考えてる」

「実際、チートアイテム使ってないってだけで私達よりよっぽど才能のある大御所がいるんだよね。陰陽寮復活させるなら、そこ入れないと嘘でしょって。後は、海外対策もしたい」

「海外?」

「災害事前にわかるならうちの国も占って欲しいって国からの話をいっぱい頂いてるんだよね。実際は、日本以外の国占いは難しいんだけど。地脈とか結界とか色々あるからね。断るしかないんだけど、その代わり海外の異能者を合宿で成長させる事はできるんじゃないかなって」

「それは出来ると思うけど。誰がポイント払うの?」

「一応、ジョブ覚醒した人はジョブ覚醒アイテムを二つ提供してもらおうと思う。ジョブがなくても術式覚醒と魔石譲渡だけで結構なんとかなるしね」

「守秘義務守れられるん?」

「これだけ注目されて、秘密守るの無理だよ。無理に日本人だけってすると拉致が心配で」

 

 確かに。

 

「平安から伝わる秘密の修行場って言う。あそこ、平安時代からうちの土地だし」

「凄いね。でもそこまでするなら、国の支援金がっぽり取らないとね。あと、乗っ取り注意」

「それが心配なんだよなー! 大先輩ばっかりだからさー!」

「本当は5年くらいダンジョンでみっちり修行したかったんだよね。現状じゃすぐ追い越されると思う……」

「今動かないと駄目なの?」

「今なら総理が国策として支援出来るって。下手するとダンジョン取られるから、主導権取れる今のうちにこっちから動いたほうがいいと思う」

「お給料期待しちゃうよ? というか魔石欲しいなら相応の金額で買ってもらうよ?」

「それは大丈夫! 国の威信にかけて払ってくれると思う! ただ、覚醒者無制限に増やすのはヤバいから、ルール作りとか色々手伝って」

「なにそれ、めっちゃ面倒そう……」

 

 こうして私は、またしても、今度は自分の意思で非日常に飛び込んだのだった。





マシュマロ
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