「お祓い行ってくる」
「祓いだったら任せてよ、こっちが専門でしょ」
「俺もダンジョンで強くなったし、大丈夫だよ。気分転換したいし」
「女の子を向かわせるわけにもいかないよ」
2月10日。そうして、2人は出て行った。
夜になっても戻ってこない。
依頼人と連絡が取れない。
「悪霊イベント発生!!! 警察に電話!!!」
「晴良!!」
「にいさん!!」
大変である。術式起動! 式神召喚!
私は狼を呼び出した。
「晴良様と蜜様の匂いを追いなさい!」
「縁結びのお守り全力で作ってそれ持って探しに行ってくる!」
「私が行きます! ポチと別口で動けるし、危険です!」
匂いは駅で途切れた。
やばいって! やばいってこれ!
『葵! 式神が来たから一旦戻って!』
「晴彦様、了解しました!」
電話を受けて、慌てて戻る。
玄関で晴人さんと押し問答している人がいた。
「陰陽寮プロジェクトに入れてください! 失せ物探しなら自信あります!」
「縁結び効果! ちょっと来て、陰陽師2人が行方不明なの!」
式神によると、移動中らしい。意識を奪われたらしく、式神が消える。やべー状況っぽい。総理がマスコミを引き連れて駆けつけて来てくれた。
私は、失せ物探しが得意だという人に魔石を叩きつけた。
「ふおおおおおおおおお!」
そして、式神のポチに魔石を大量に食わせる。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!
ポチは大量の魔石で巨大化・実体化する。
光り輝く雷の狼。それがポチだ。
マスコミが激写! 激写!
「なんだこれは!?」
「凄い、なんて霊力、実体化するなんて!?」
「乗って! 2人の位置を教えてください! 2人が殺されちゃう!」
「携帯を忘れず持って行きたまえ、すぐに警察に向かってもらおう!」
「ありがとうございます、総理!」
私もポチに乗って走る。
失せ物探しの人の指示に従い、怪しげな屋敷に突入する。
ヒィィなんか銃で撃たれた!!
通報! 通報!!
そして、地下室で私は籠城したらしき扉を壊され、服を破かれてる最中の晴良様と気絶した蜜様、人質に取られてる幼女を発見した。
きええええええ!!! 通報! 通報!!
なんかブラック金持ちが本当に現実で存在したらしく、くっそ目立つ大人2人載せた光る狼の突入と銃声、マスコミによる陰陽師の誘拐報道で揉み消せなかったらしい。
誘拐されたちみっこたちも含め、大変な大騒動になった。
なんかやばい悍ましいオークションの予定があったらしい。
向こうの弁護士に脅迫めいたこと言われたけど、あからさまに注目集めてた有名人で要人を誘拐したほうが悪いと思います。目立つより前にイケメン陰陽師コンビということで目をつけていたのだと言われたが、なおさら駄目だと思います。悪霊化の原因はあいつらで間違いなかった模様。
「日本が失った神秘の凄さに感動した! 霊能者保護も含め、陰陽寮は復活させたいと思う!! 是非彼らの特殊技能を保護し、次世代に残して行きたい!! とはいえ、まずは被害者に寄り添って、立ち直れるよう支援していく! そして、この日本で悍ましい犯罪が行われていた事に驚愕した!! 警察の予算を倍増させ、このような痛ましい事件を防いでいきたい! まずは被害者のケアに力を入れていく!」
「弟と友人を助けてくださった総理と警察関係者と協力してくれた陰陽師志望の青年には深く感謝しております。職員の葵さんにも。今回、救出にあたり先祖代々伝わる天文学的資産を消費してしまったので、お金には変えられないものですが、しっかり賠償を求めて行きたいと思います」
「兄さん達を心配してくださってありがとうございます。今すごく傷ついてて復帰が難しそうだけど、また元気になってくれるよう寄り添って行きたいです」
「力になれて良かったです! 石を叩き込まれた瞬間、強大な力が溢れるのがわかりました。幼い頃から、この力を生かしたいと思ってました! 陰陽寮プロジェクト、是非とも参加させていただきたいです!」
総理や晴人様、晴彦様、あと助けてくれた三葉 要さんが会見で話す。
マスコミもブラック金持ちを前に報道するか迷ったようだが、特殊技能を報道したい欲が勝った模様。あと、既にクソ目立っていて隠蔽が難しかったようだ。
総理も、恐ろしい疫病が遠い未来で来る予言がされており、その年を知りたかったのだが占いをもうしてもらえないかもしれないとうまいことブラック金持ちにヘイトを移動させていた。
危険視する声も出たが、責任者が誘拐されたショックで引きこもっているので……で全部乗り切った。事実だし。
自業自得にしか思えないが、ブラック金持ちを敵に回してしまったのでとても心配だ。
神社に、金髪の集団がやってきた。アメリカ大使様である。総理の案内付きだ。
「今回の誘拐劇をとても心配している! 誘拐のケアの専門家を派遣しよう! だが、陰陽寮プロジェクトはこんな卑劣なことで頓挫していい計画ではない。留学生は予定通り受け入れてほしい」
「大統領も視察に来てくれるそうだ。その時にポチくんに挨拶をしてほしい」
「こちらとしても、こんな事で弟の夢であった陰陽寮復活への道が閉ざされるのは望んでいないのですが……今はそっとしておいていただけませんか。それに、オークションにはたくさんの名士たちが参加していたという話です。彼らを敵に回してしまいました。今、目立つことをするのは……」
「だからこそ、手を出せないように足場固めをするのだよ、アメリカも出来うる限り援助しよう! それとも、異能者は日本人だけの存在だと?」
「あの不思議な石は日本人以外に使えない?」
「いえ。他国は他国の形式で異能者はいると思います。石も通用するでしょう。同じ人間ですから。日本と同じく、数は少ないでしょうが……実際、そちらにも捜査協力をしている霊能者達がいるのでしょう。修行もどの異能者も共通するであろう鍛え方もあります。ただ、力を増幅する石や覚醒を促す道具がとても貴重で使うとなくなるのです。量産もとても難しくて」
「買おう」
「えっ」
「ひとまず我が国の大統領をもてなすのに必要な金額を言いたまえ。ポチくんの視察に必要なだけの金額を言いたまえ」
「いや、それは日本で出します。ですが、日米共同で伝統霊能芸能の復活・保存を宣言させてほしい」
「ああ、ESPにはわが国も興味がある。大統領は承認されるだろう」
「両国が、今回敵に回してしまった偉い方々から守ってくださるというのなら、私達も出来る限りの事はさせていただきます。ただ、神事系統の調査はやめてください。神様……少なくとも、そう呼ぶに足る上位存在は本当にいるので、無礼は本当に祟りを呼びます。それと、才能のある人を強化する事はできますが、無を有へは出来ませんし、才能のある人は日本全体でも数百人いるかどうかだと思います。留学生を全員目覚めさせられるとは考えないでください」
「もちろんだとも。そちらの宗教には配慮を行うし、選定にはこちらが責任を持つ」
「出来る限りの保護を行おう」
ということで、ダンジョン付近の山小屋は日米の威信をかけた立派な施設に変わる事になった。やったぜ。
あと、買い物とかは事務員さんを新たに雇ってその人にお願いする事になった。
警備員も配備され、ちょっと厳重になった。
本物保証されてるって事で神社でのお祓いは一層盛況になっているけど、これも外に出る地鎮祭とかはお休みしている。
晴良様と蜜様?
引きこもって護身用システムの構築を頑張ってます。
大切なお客さんをいっぱい受け入れるからね。彼らが事件に巻き込まれないようにね。
イケメン2人に傷つく前に助けられたから大丈夫と、とても感謝されて嬉しい。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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