今回は愉快な仲間が登場します
それではどうぞ
日本でも有数の大財閥である
「今日はサークル活動あるから少し遅くなるかもしれない、また連絡するね」
「はい、新学期も楽しんで」
車を降りて少し背伸びをしてから凛咲に向き直る。
「今晩のお食事はマグロのお刺身にする予定です、いってらっしゃい」
「すごく楽しみにしてる、いってきます」
小さく手を振り車が見えなくなるまで見送ってから足を進める。既に頭の中はマグロの刺身と甘口醤油に支配されていたが、まだ始まったばかりの今日を頑張らなければ。そんなことを考えていると、後ろから突然肩を組まれる。
「よぉ想夜、久しぶりだな!春休みの間俺に会えなくて寂しくなかったか?」
「春休みの間も何かしら理由付けて呼び出してた奴がどの口で言ってんだ」
筋肉質な体格と迷惑なほど大きな声、人目も気にせず僕の名前を叫ぶこいつは
「朝から何の罰ゲームだよ、さっさと離れろ」
肩に乗せられていた腕を振り払うと、アニキは笑いながら言う。
「相変わらず酷い言いようだな。まぁそれはこいつも同じか」
「なんだ、花音も居たのか」
「ちょっと!なんだとは何よ!」
ひょこっとアニキの背後から出てきた小柄な女子、
「そんなに怒るなって、アニキが大きすぎるせいだから」
「そうよ、あとでジュース奢りなさい」
「俺が悪いのかよ!?」
普段は少し面倒だと感じる見慣れたやり取りが、三人で笑い合う騒がしい日常が、結局好きなんだなと改めて感じる。そして今日、もしかすると新入生の誰かが、この輪に加わるかもしれないのだ。普段は大人数での関わりを好まないのに、今回は柄にもなく楽しみにしている自分がいる。このあとは新入生歓迎会でサークル紹介があるはずなのだが、そういえばアニキから何も聞いていない。なにか嫌な予感がしたので聞いてみることにする。
「そういえば今日の新歓どうするつもりでいるんだ?」
「あれ、言ってなかったか?想夜にはステージで話してもらうぞ」
「初耳だな……」
相変わらず無理難題を押し付けてくるが、実にアニキらしい。
「衣装も用意してあるからな、うまく紹介してくれよ」
「まさかとは思うが、僕に全部やらせるつもりか?」
「想夜も大変ね、まぁ私が応援してあげるから頑張りなさい!」
隣で心底楽しそうに笑っている花音にどう仕返しをしてやろうかと考えていると、アニキが花音の肩に手を置きながら言ってのける。
「花音の衣装も用意してあるからな、がんばれよ!」
呆気に取られている花音を横目に、俺は笑いながら煽る。
「がんばろうな、二人で」
「何でこんなことに……」
アニキが息を切らして笑っているのが納得いかないので今度何かお礼でもすることにして、今は目先の新歓を成功させなければ。きっと新入生が入らなくても今までと変わらず、アニキに振り回されたり花音と張り合ったりして楽しい時間を過ごすのだろう。だけどせっかくなら新しい出会いにも期待してみたいと今は思える。それはきっとここでこいつらと出会えたおかげだから。こんな突然の理不尽だって乗り越えればきっと笑える。そう信じてイベントホールの舞台袖に足を踏み入れた。
サークル紹介をする事になった二人
一体どんな紹介をするのか
そもそも何のサークルなのか
それはそうと隔週金曜日の投稿を目指すことにしました
よって次にお会いするのはまた二週間後です
気長に待っててくれると嬉しいです