プロセカの女の子たちと、ひたすら甘やかして甘やかされて溶かされる日常   作:雨風 時雨

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ストックが!!!!!なくなった



最近忙しくて(言い訳)





【草薙寧々】第3話

 お風呂上がりの湿った空気が、脱衣所の扉からリビングへと淡く流れ出す。

 外では夜の帳が完全に降り、街の灯りもまばらになった深夜。俺の部屋の中は、二人だけの親密な静寂に包まれていた。

 

「……お、待たせたわね」

 

 控えめな、けれどどこか緊張を含んだ声と共に、寧々がリビングに姿を現した。

 その瞬間、俺は手にしていたマグカップを落としそうになるほどの衝撃を受ける。

 

「……な、何よ。そんなにジロジロ見て。……変、かしら」

 

 寧々が着ていたのは、俺が普段部屋着として使っている、何の変哲もないネイビーのジャージだった。

 しかし、俺にはそれが、どんな豪華な舞台衣装よりも眩しく、そして扇情的に映る。

 

 小柄な彼女にとって、俺のジャージはあまりにも大きすぎた。

 肩のラインは完全に落ち、袖先からは彼女の白い指先さえも見えない。いわゆる「萌え袖」を通り越し、彼女の手は完全に生地の中に埋もれている。

 

 さらに、ジャージの裾は彼女の細い太ももの中間あたりまで届いていた。

 その下から伸びる白く華奢な足が、部屋の明かりを反射して瑞々しく輝いている。

 

「変なわけないだろ。……ただ、その、反則なくらい可愛い」

 

「……バカ。……さらっとそういうこと言わないで」

 

 寧々は長い袖で顔を隠すようにして俯くが、隠しきれない耳の先まで真っ赤に染まっているのが丸見えだ。

 彼女はトテトテとぎこちない足取りで俺の元へ歩み寄ると、ソファに座る俺のすぐ隣に、隙間なくぴたりと体を寄せて座り込んだ。

 

 ふわり、と。

 お風呂上がりの石鹸の香りと、俺のジャージから漂うはずの俺自身の匂いが、彼女の中で混ざり合う。

 それは形容しがたい甘い芳香となって、俺の鼻腔をくすぐった。

 

「……ねえ。これ、……あなたの匂いがする」

 

「あ、ああ……洗いたてだけど、やっぱり残ってるかな」

 

「……ううん、それがいいの。……なんだか、あなたにずっと抱きしめられてるみたいで。……すごく、……安心する」

 

 寧々はそう言うと、大きな袖を顔の近くまで持ち上げ、クンクンと鼻を寄せた。

 その小動物のような愛くるしい仕草に、俺の理性がギリギリと音を立てる。

 

 彼女はそのまま、俺の腕の中に潜り込むようにして、胸に頭を預けてきた。

 ジャージのダボダボとした生地の感触と、その奥にある彼女の柔らかな体温が伝わってくる。

 

「……寧々、今日は一段と甘えん坊だな」

 

「……うるさい。……あなたのせいよ。……こんなに、……私を独占したいって思わせるような格好、……させるんだから」

 

 寧々は俺のシャツを、ジャージの袖越しにぎゅっと握りしめた。

 

「……さっきね、鏡を見たの。……あなたの服を着てる私を見て、……なんだか、自分があなたの所有物になったみたいで。……すごく、……恥ずかしいのに、……すごく、……嬉しくなっちゃったの」

 

 彼女の告白は、熱っぽく、微かに震えていた。

 人見知りで、自分を出すのが苦手な寧々。

 そんな彼女にとって、恋人の服を着るということは、言葉以上に『あなたに染まりたい』という切実な願いの現れなのだ。

 

「……ねえ。……私を、もっと近くで感じて。……このジャージ、……私には大きすぎて、……隙間がいっぱいあるの。……だから、……あなたが埋めて」

 

 寧々は顔を上げ、至近距離で俺を見つめてきた。

 潤んだ瞳。少しだけ開いた桜色の唇。

 俺は彼女の細い腰を引き寄せ、ジャージの厚い生地越しに、彼女の小さな体を強く抱きしめた。

 

「ひゃ……っ、……あな、た……」

 

「……寧々が、隙間を埋めてって言ったんだろ」

 

「……ええ。……そうよ。……もっと、……壊れるくらい、……きつくして……」

 

 俺は彼女の首筋に顔を埋め、その柔らかな肌に唇を寄せた。

 彼女の呼吸が一段と速くなり、ジャージの胸元が大きく上下するのがわかる。

 

 俺は彼女の顎をそっと持ち上げ、その熱い唇に、ゆっくりと自分の唇を重ねた。

 

「……んっ、……あ、……ぁ……」

 

 重なり合う、熱い吐息。

 寧々のマシュマロのように柔らかい唇が、俺の愛を貪るように熱烈に応えてくる。

 

 彼女は俺の首に腕を回し、自分からも懸命に唇を動かして、俺の愛を確かめるようにしがみついてきた。

 大きな袖が俺の視界を遮るのが、またたまらなく愛おしい。

 

 何度も、何度も、お互いの存在を溶け合わせるように唇を重ねる。

 ジャージの袖から少しだけ覗いた彼女の指先が、俺の髪を掻き乱し、彼女の吐息が俺の喉に流れ込んでくる。

 

「……んむ、……ふ、……あな、た……。……私……、……もう、……あなたなしじゃ、……生きていけないわ……」

 

 キスを終え、額を合わせたまま、寧々が熱っぽい吐息を漏らす。

 その瞳は、もはや『内気な少女』の面影など微塵もない、愛に溶けた一人の女の顔だった。

 

「……ねえ。……このジャージ、……返したくないわ。……明日も、……明後日も、……ずっと着ていたい。……そうすれば、……離れてる間も、……あなたが隣にいるって思えるから」

 

「……いいよ。寧々が好きなだけ、持っていっていい」

 

「……本当? ……ふふ、……じゃあ、……代わりに、……あなたの心も、……ずっと私が持っておくわね」

 

 寧々は俺の胸元に顔を隠し、幸せそうに目を閉じた。

 

 深夜の静寂。

 部屋の明かりを少し落とすと、窓から差し込む街灯の光が、ジャージに包まれた彼女の姿を幻想的に照らし出す。

 俺は彼女を抱かえたまま立ち上がり、ゆっくりと寝室へと向かった。

 

「……あな、た……?」

 

「……朝まで、離さないって言っただろ。……そのジャージと一緒に、君のことも、俺が独り占めするんだ」

 

「……、……ふふ。……ええ。……喜んで、……囚われてあげるわ」

 

 ベッドの上に彼女をそっと降ろすと、大きすぎるジャージがさらに乱れ、彼女の肩が白く露わになった。

 その無防備な姿に、俺は再び彼女を抱き寄せ、シーツの海へと沈んでいった。

 

「……あったかい。……あなたの体温と、……あなたの匂い。……私、……今、世界で一番幸せだわ」

 

「俺もだよ、寧々。……愛してる」

 

「……ええ。……私も。……愛してるわ、……私の、……たった一人の……あなた」

 

 微睡みの中での、最後の囁き。

 俺は彼女の細い指をジャージの袖の中から引き出し、自分の指と絡める。

 夜が明けるまで、一秒たりともその温もりを離さなかった。

 

 明日、彼女は再び、ワンダーステージの歌姫として眩い光の中に身を投じるだろう。

 けれど、このジャージの中に秘められた俺だけの甘い記憶が、きっと彼女を支え続ける。

 

 二人を包む夜は、どこまでも甘く、そして深い、愛の癒やしに満たされていた。

 俺は最愛の恋人の寝顔を見つめながら、この穏やかな時間が永遠に続くことを、心から願っていた。




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