やや心苦しく思いながらカヨコ、ムツキ、先生には事務所から一旦出てもらい、私と別世界の私の2人きりになった後。
私は彼女の右手を握ったまま横並びでソファに座った。
「……それで、何を話そうと言うの? 同情も慰めも不要よ」
やや攻撃的に言ってくる彼女に、私はフン、と鼻を鳴らした。
「そんな安っぽい事のためだけにわざわざセッティングしないわ。私はね、同じ社長としてあなたを叱咤するために2人きりにしたのよ」
「……どういう意味?」
訝しむ視線が向けられる。
「装いとあのエンブレムからして、あなたも便利屋68をしていたのでしょう?」
目を向けるのは、彼女がガンラックに立てかけた銃。私と同じ形の、だけど使い込まれて塗装が剥げ、くすんだ色になってしまっている《ワインレッド・アドマイアー》。
それのストック部分には、私がデザインしたものと同じ便利屋のエンブレムが今も刻まれている。
加えて彼女が羽織っている使い込まれたコートは、便利屋を始めた時に際して奮発して買ったものだ。社長としての威厳を持たせるために。
「その分だと……きっと3人から財布も贈られていると思うけれど」
「…………ええ」
私の予想に、やはり彼女は頷いた。
みんなで便利屋を始めてから程なくお金を貯めてプレゼントされた財布は彼女も持っているようだ。
となればである。
「なら、あなたは便利屋68の社長……並行世界のムツキ、カヨコ、ハルカが認めた偉大なアウトローよ」
酷な事を言っている自覚はある。
10年の歳月の苦しみを、私の言葉だけで取り払えるとは思っていない。
けれど、いつまでも苦しみ続けるのを良しとする訳にはいかないだろう。
彼女を知る別世界の3人は、きっとそれを望んでいない。
たとえそれが理想論の勝手な妄想であり、これがもう一人の私の求めていない、身勝手なエゴだとしても―――
誰かが言わないといけないのだ。
「何があっても、彼女達はついて来てくれた筈よ」
「……ええ、そうよ……」
確信と共に放った言葉に、ひどくしゃがれた短い応えがあった。
横目で彼女の顔を見る。
大人になった私の顔には、迷子になった子供が浮かべる寂しさのような色が浮かんでいるように見えた。
「砂狼シロコが色彩に触れた後、私は彼女を止めるために向かったわ。彼女はシッテムの箱の破壊と、混迷の中でも懸命に生き残っていた生徒達の殲滅のために動いていた」
「……そうなのね」
うっすらと予想していた事だ。
黒いドレスのシロコの先生に対する様子。シャーレの爆発での即死。シッテムの箱の特異性。色彩の嚮導者が襲来した時の様子……全てを鑑みれば、理解できる。
隣に座る彼女がなぜ嚮導者となりながら世界を滅ぼそうとしないのか。
理屈は不明だが―――おそらくは……
「勝てる筈の無い戦いだった。けれど、勝たなければ誰もが死んでいた……私は、逃げるわけにはいかなかった」
「あの子達を守るため?」
大切な社員達を想っての事かと問えば、彼女は静かに首を横に振った。
「他にもいたわ。両親や友人、親しくなった依頼主達……本当に、多くの人が生き残っていたから……皆、死んだけれど」
「……そうなのね。じゃあ、あのシロコも……」
「あの子には先生がいた。箱の持ち主が存命だったから、彼女は……いえ、色彩を介し、彼女を操っていた者達は、真っ先に先生の始末と箱の破壊を優先していた。私の世界とは違うわ」
どうやら、この世界に来た黒いドレスのシロコとはそこでも差異があるらしい。
もう一人の私が対峙した嚮導者としてのシロコは、箱の破壊を目指す傍ら、そこら中に破壊をまき散らす存在だったようだ。
それが迫ってくると考えれば……
戦いに向かうのは、理解できなくもない。
「それで、シロコとの戦いには一人で臨もうとしたのよ」
「は? な、なんで……」
「……そうなった事の責任に、巻き込むわけにはいかなかった」
そうして、ムツキ達が付いてきた事に触れているだろう話題が出たが―――私には理解できなかった。
世界を滅ぼし得る存在にたった一人で挑むなんて、そんなヒーロー染みた思考がよく分からない。
まさかこの私はヒナみたいな精神性なのか? と疑った。
「どういう事よ? その時のあなたに、いったい何の責任が――」
「―――知っていたからよ!!! 色彩も、地下生活者の事も、先生が死に瀕する事は殆ど知っていたから!!!」
それは、彼女にとって地雷だったらしい。
それまで淡々と、告解の如く話していた彼女の感情が爆発した。
「アビドスで小鳥遊ホシノ奪還のために協力する事も! エデン条約調印式で先生が撃たれる事も! 空が赤くなった時にカヨコをオペレーターとして、自分達はビナーと戦わないと戦力が足りなくなる事も! シャーレが爆発して意識不明の重体になり得ること、それが地下生活者の仕業である事も、全部生まれた時から知っていた!!!」
「――――」
堪えていたものが堰を切ったかのようなその発露に、私は言葉を喪った。
何を言っていいのか。
何と言葉を掛ければいいのか。
私は咄嗟に判断できなかった。
きっと今の彼女が話した情報は、自身の事、先生の事、それ以外の事が混ざっている。冷静ではないのは明らかだった。
下手に刺激しては危ういと見て、何も言わず彼女の言葉に静かに耳を傾ける。
「そのためだった、私はそのためだけに生きてきた! 便利屋68は、要所要所で不可欠な役割を担っていたから!」
それはまるで、別人が『陸八魔アル』として生まれたかのような言葉で。
―――ストン、と腑に落ちた。
ああ、だから『本物』と私に言ったのかと。
そして彼女の陰鬱な気配の端緒も理解した。
彼女は、3人を守れなかった事で折れたのだ。
色彩の嚮導者になる前から赤い空の事を知っていたなら、おそらく今のこの世界の歴史が、彼女にとっての『本物』なのだ。
自身はそこに辿り着けなかった。
だから、自身にとって大切な存在のために、嚮導者のシロコによる滅亡を食い止めに向かった。
それを知っていながら、防げなかった責任を取るために。
先生の事故死も、砂狼シロコが色彩に触れた事も、彼女は悪くないというのに。
「……一人で臨もうとしたのは、ムツキ達への後ろめたさなのね」
「そうよ! こんな偽物なんかにあれ以上付き合わせる必要は無かった!」
生まれながらの別人。
明確に分かれた別人。
元々抱いていた前者による後ろめたさに、決定的な分水嶺を経て後者の罪悪感も乗ってしまった。
……彼女が『本物』という私、あるいは『陸八魔アル』という存在への申し訳なさ。本来ならそちらについているだろう彼女達を騙している意識。
それがあるなら……
死なせないために突き放そうとするのは、分からなくもなかった。
―――けれど、だ。
「いいえ。あなたは、偽物なんかじゃない。あなたも『陸八魔アル』よ」
「何を根拠に……!」
「あなたの世界に"私"はいた? あなたは、あなたの世界に元からいた"私"から全てを奪ったの? ―――あなたは、両親から『陸八魔アル』という名前を貰ったんじゃないの?」
「っ……」
私の怒涛の問いかけに彼女はぐっと押し黙る。
予想通りの反応であり、何よりも雄弁な沈黙だ。
「ええ、でしょうね。そんなことが出来ていたらあなたはそんな後悔は抱いてないわ」
曲がりなりにも私の事だ、それくらいは分かった。
出会ってない人の事を知っている。
未来のために必要な人を知っている。
だからこそ、未来のためにと彼女は奔走したのだ。
「あなたの不幸は、その未来の知識を持って生まれた事ね。きっと誰にも相談できなくて……全てが終わると知って、ようやく3人に吐き出したんでしょう?」
「……」
これにも沈黙。
否定じゃないのが、もはや答えだ。
「そして、あの子達は―――曲がりなりにもゲヘナを出奔してでも始めた便利屋について来てくれた3人は、そこで見捨てるような真似、絶対しないわ」
それは確信だった。
ムツキは勿論、高校に入ってから出会った2人の事も、私は理解している。
私が社員達を愛するように、彼女達もまた私のことを大切に想ってくれている。
そんな相手が、長年ずっと世界の未来のために奔走していて、今からその責任のためと嘯いて、死地に向かうと知って。
頑張ってと見送るような薄情な子達では断じてない。
「あなたも、それは分かるでしょう?」
「――――」
静かな部屋に、ギリ、と歯を食いしばる音が上がった。もう一人の私は、ぎゅっと目を瞑って、苦痛に耐えるような顔をしていた。
彼女も理解しているのだ。
そして、痛感させられた。
あの子達の想いの強さと深さを、その眼で見たのだろう。
……死という結果で。
「そしてそれを受け止められてない。あなた、ずっと渡り歩きっぱなしだったんじゃない?」
これにも、応えは無い。図星らしい。
……おそらくだが。
先生を爆殺したという地下生活者と、色彩を介して先生やシッテムの箱を破壊して滅びを齎さんとする者、その両者を排除するために彼女は動き続けている。
彼女が滅ぼすのは、キヴォトスを滅ぼさんとする者、そして社員や大切な者達を傷付ける者達なのだ。
そして、自身の世界にいた存在を取り除いているだろうに止まれないでいる。
よっぽど3人の死が堪えたらしかった。
当たり前の事ではある。
「そうなるのは分からなくもないわ。私も、ムツキ達を殺されれば……どうなるか分からない。世界を超える程の憎悪を持てるかは、未来の知識を持って奔走してきたあなたとの差異なのかもだけど」
「……同情は不要よ」
「これは理解よ。私が同じ道を辿るかどうか、その確認」
「あなたは……きっと、辿らないわ」
「どうかしらね。多分場合によるわ。私とあなたは、そう変わらないもの」
きっと、彼女と私は同じ社長でも振る舞いに多少差はあったはずだ。
彼女には未来を想っての使命感があり、邁進していた。
私にそれはなく、ただ理想を追い求め、邁進してきた。
出力の結果は同じ。彼女が知る『本物』をトレースした結果似ただけの、根底が違う別物の在り方だ。
それでも―――
「だからね……あなたも、あの子達が認める社長に違いないのよ。彼女達からすれば、あなたこそが本物なんだから」
「――――ぁ」
か細く、震えた声が漏れ聞こえた。
ぐらりと大きな肩が揺らぎ、俯いて。
コートと髪で、顔が隠れた。
「彼女達からすれば、あなたこそが本物なんだから」
その言葉に、ガツンと思考を横殴りにされた。
……分かっていた事の筈だ。
彼女達は『本物』を知らないからと、ずっと演じてきた。そうして構築した人間関係を私は偽物と見てきた。ムツキ達を本物と思っていたのに。
何も知らない人からすれば、私こそが本物だって。
分かってはいたが、認められなかった。
それを受け入れるには、何もかもが遅すぎた。
『―――人生損してるよ!』
『―――お礼をしなきゃね』
『―――お元気で!!! さようなら!!!』
脳裏に蘇る、彼女達の言葉。
"私"へ向けられた、本物の言葉。
あの時だけは偽りの無い関係だった。
ずっとずっと脳裏に焼き付いた彼女達の顔は―――"私"に向けられた、最期の顔は。
とても幸せそうだったことを、覚えている。
生きて帰れないだろう死地へ向かうというのに。恐れも怯えも無く、私よりも前に出て立ち向かった。
私は生き残った。彼女達を犠牲にして。
けれどそれは、言い換えれば……3人の力があったから、生き残れたわけで。
偽り続けた"私"のためにそうしてくれたのだと思うと、涙が止まらなかった。
2人きりの事務所で、私の鼻をすすり、泣きじゃくる音だけが響く。
それは便利屋が全員揃うまでずっと続いた。
―――その後。
私はその世界に暫く留まる事になった。
今の私には休息が必要だと、本物―――この世界の陸八魔アルに諭され、追従したムツキ達を振り払えなかったからだ。
……いや、それは他責が過ぎるか。
私自身、一度立ち止まって振り返る必要があると感じた。
10年間、無名の司祭と地下生活者たちの抹殺にだけ思考を費やし、目を逸らしていた事を受け入れるためにも。
きっと違うものが見えてくるはずだから。
この世界の無名の司祭と地下生活者の抹殺はみんなから一旦止められた。
地下生活者は『原作』通りこの世界にやってきたシロコ*テラーの脅しで引き篭もっているらしい。
災いの芽は摘むべきだと訴えたが、彼は私にこれ以上手を汚して欲しくないと言った。
私としては取り返しが付かなくなる前にさっさと取り除きたいのだが―――問題解決の過程も重要だと言われれば、従わざるを得ない。知識にある通りその過程で得た繋がりや知見が後の解決に繋がる事もある。彼を殺しかけたアリウスの生徒が、赤い空の下で彼の力になったように。
ゲマトリアと協力することを先生が受け入れるかは甚だ疑問ではあるけれど……
ともあれ、これまで渡ってきた世界において私はほぼ不干渉を貫いてきた。それぞれの世界にとってイレギュラーだったからだ。ほとんどが手遅れで介入したところでだったのもあるが。
しかしこの世界の先生はまだ生きている。
この世界の無価値な者達は、怨敵である先生の慈悲で今しばらくの安寧を享受した事になる。
私が『色彩の嚮導者』である限り他世界からの侵略もまず無い。
私を介して危機を知り、準備に動く猶予も生まれた。
イレギュラーによる解決は、なんの成長も生まない。
それではきっとどこかで世界は詰む。
それは、私も望んではいない。
それでも―――そうと分かっていても。
私と先生は、究極的には平行線のままだ。
「必要な時には呼んでちょうだい。私は繰り返させないために世界を渡っているのだから」
"もしもの時は頼らせてもらうよ"
「……無名の司祭は本気でキヴォトスを滅ぼそうとしている。つまりは殺し合いよ。もしも、なんて甘い考えは捨てておきなさい」
"分かってる。でも、君が手を汚さない手立てを見つけてみせるよ"
「……私は、あなたのそういう所を尊敬しているけれど……同時に、今は嫌いよ」
"……そっか"
甘い理想論者でありながら、生徒のためなら地獄にも足を踏み入れる覚悟がある人。
それが、今の先生への評価。
きっとこの人は私を呼ばない。きっと―――『大人のカード』で、密かにケリをつけるだろう。世界を背負う者の責任だからと。
それでいいと思う。先生は、そういう人だから。
だからこちらも勝手に動くだけだ。先生の手を汚させるくらいなら、とっくに汚れている私がやった方がマシだから。
子供を導く聖職者が人殺しの罪と血で汚れているなんて、笑えない。
そんなのは手慣れた本職に任せればいいのだ。
「既に汚れているからと言ってまた汚れるのを黙って見てるなんてできないわ。私達はそこまで落ちぶれてないし、あなたの世界のムツキ達からどやされるもの」
「……けれど……」
「出来るところまでは私達にやらせてもらえないかしら? それでダメだったら、お願いするわ」
先生に追従した本物のアルは、そう言って仲を取り持つように私の凶行を諫めてきた。
……彼女の内心は、手に取るように分かる。
『私達の世界の事だから』と。私がしてきた事を、最悪彼女自身が為そうと考えているのだろう。
やるべき時が来た時は、と。
そして失敗した時を任せようとしている。
……二人とも、自ら汚れようとしないでほしい。
そして―――危険な死地へと、向かわないで欲しい。
あなた達が血で汚れて、あるいは死んでしまったら、何のためにいるのか分からなくなってしまうのだから。
きっと私達はすれ違い続ける。
私は止まらない。止まれない。
アルも同じ。
生徒に背負わせられないと、先生も。
曲がりなりにも人の死を背負うのだ。それは当然だ。
それでも、願わくば―――
私達の選択の先に、後悔に塗れた絶望が広がっていない事を祈るばかりである。
そして、私の居場所についてだが―――
「……本当に私が所属して良いの?」
「私が良いって言ってるのよ! 何に衒う事なく堂々と居なさいな!」
シロコ*テラーの前例もあってか、便利屋68に在籍する事になった。
ポストは副社長。
「いやヒラじゃないの?」
「べっ別世界とはいえアアアアル様と同じ役職なんておおおお恐れ多過ぎぎぎてててて」
「ハルカちゃんのためにも副社長で我慢してほしいなー?」
「いや我慢するのはあなた達の方じゃ……」
「別に私達、肩書きに執着無いし……社長が拘ってるだけだよ」
「その方が箔が付くでしょ! 同じ私同士、協力し合えると思うわ!」
本物のアルはそう言ってぺかーと効果音が聞こえてきそうな屈託のない笑みを浮かべた。
人を笑顔に出来る、素敵な顔。
……多分私が一度も出来た事がない笑顔だ。
私が笑った時、みんなはそれに合わせるようにするばかりだったから。
「はぁ……まあ、願ったりな話だし、あなた達が良いなら構わないけど」
「くふふ♪ 決まりー! あ、そういえば名前どうする? 流石に同名だとどっち呼んでるか分からないから不便だよね」
「そうねぇ。当人のあなたからは何かある? あ、ベリアルは無しね。何か嫌だから」
「なら『ベル』でどう?」
「それただ単にベリアルを縮めただけじゃない!?」
変に捻るよりはいいだろうという考えで案を言った途端、社長が白目を剥いた。
失礼な。
「安直だねー。いいのそれで?」
「まあ変に捻るより分かりやすくていいけど……」
「じゃ、じゃあ、ベル様とお呼びすれば……?」
恐る恐ると、3人が聞いてくる。
―――懐かしい光景だ。
そういえば、こんな風にやり取りしていたんだったっけ。
「ええ、これでいいのよ……――――改めて。便利屋68副社長、陸八魔ベルよ。これから暫くの間、よろしくね」
そうして、10年の放浪の末に私は一時の安息を得た。
……"そちら"に逝くには本当に長く掛かりそうだけど。
その日の夜見た夢の3人は、美しく微笑み、手を振ってくれていた―――
・陸八魔ベル
「この世界は、必ず守るわ」
あまねく奇跡の世界で休む事になったパチモンアウトロー*アラサーテラー
生まれた頃から偽り続けてきた関係は、嚮導者との血戦を前に終わりを告げ、ほんのわずかな間、『本物の関係』が作られていた
それを喪った事での自己否定は反転に至り、自責の念は色彩反転を介した司祭の支配を再度自己否定の反転で覆すほどに強い
自身を想い、未来へ繋げた3人の笑みは今も脳に焼き付いている
転生者とは今後も明かす気は無い
副社長としては、大切な人達にひもじい思いをさせたくない一心で資金繰り関連の改善に大貢献する
生徒としても先生の事は大切に想っており、元
・陸八魔アル
「社員も顧問も守るのが社長の務めよ」
「そのためなら、世界だって守ってみせるわ」
別名、肝心な時は外さない女
なんかめちゃくちゃ『本物』を神聖視してるな? という疑問からパチモンの内心と後悔を逆算して解きほぐし、そのまま行けば心が擦り切れ記憶も摩耗し発狂して死んでいた凶行を、あまねく奇跡による前例を基にパーフェクトコミュニケーションを叩き出して止めた
滅びを受け入れる気も世界を渡らせる気も毛頭なく、このあと両親や先生同伴でゲヘナに連れて行って姉として戸籍・学籍を持たせる予定
・浅黄ムツキ
「背負う時は一緒だよ」
真っ直ぐぶつかって押し留めた幼馴染
アルがグラついている時と全く同じ気配をかつてないほど感じたため直感的に抱き着き、パチモンが表面上冷静に対話に応じた理由の半分近くを作っていた
今後も定期的に抱き着きに行っている
事情を聞いてからはその世界の自分は気が気じゃなかっただろうなぁと同情しつつ、そこまで想われている事に報われただろうなと笑った
・鬼方カヨコ
「まったく……世話の焼ける社長達だよ」
横から手を引っ張り続けたブレーン
独りの闇を感じ取り、パチモンから手を離して突き放してこない限り手を放す気が無かった。パチモンが冷静だった理由のもう半分近くを担っている
事情を聞いて、そちらの自分も幸せだったんだなと納得している
資金繰りに貢献するパチモンを見て「そっちの便利屋けっこう安定してそうだな」と内心羨ましく思いもした
・伊草ハルカ
「いがみ合うくらいなら、私が……!」
殆ど後から話を聞いただけのヒラ
本物どうこう以前に『並行世界のアル』な上にそっちの世界の自分も助けられてるなら同じなのでパチモンもベル様呼びで細かい事抜きにまっすぐ尊崇・慕うように
そちらの世界の自分は最期まで本当に幸せだったんだろうと確信している
・便利屋先生
"この奇跡は、必ず守る"
デカグラ編終了後、第2部前の先生
ベルと究極的には相反することが決まっている
事を起こす前の司祭を捕まえたところで真っ当な手段ではどうにも出来ず、手を汚した上で先生を続けて更に際限なく背負おうとしている点でベルから理想論者と言われ、それを理解した上で覚悟を固めている
ちなみにベルの世界のシッテムの箱のデータを提供され、2つの世界のプラナがデータ合体して超絶パワーアップ。制約解除指揮がデフォルトになった
以上です
パチモンアウトロー*アラサーテラーもとい陸八魔ベルは、枝分かれしたキヴォトスの一つで便利屋副社長として拘束―――もとい腰を落ち着ける事になりました
いつまた放浪を再開するかは分かりません
本物便利屋の青春を見て失敗者・挫折者・憑依者として二重三重の苦しみを味わうでしょうが、アル達が死なない限り離れる事は無いでしょう
本物アルとはお互いに理想の姿を見出しながら支え合っていく事になります
先生とは司祭について、世界の守り方について幾度も激突しながら、それでもキヴォトスを生きていくと思います
未来を拓いた3人が見ていますから
人生のやり直しも、1回くらいはね
ちなみにタグの『ガールズラブ』は念のために付けたものでした
突発的なネタなのに多くの高評価、お気に入り、感想など嬉しかったです
昼頃にルーキー1位、あと17時頃に日間ランキング13位まで来てて驚きです
評価バーが右端まで赤く染まったのも初めて
2日半の間、ご愛顧いただき本当にありがとうございました
本筋はこれで完結とさせて頂きます
突発的に小話を投下する事はあるかもしれませんが、基本無いものと思って下さい
最後にこの一言で締めさせていただきます