陸八魔アルに転生しました   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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超久しぶりのムツキ視点
ほぼ全部戦闘パートです
決着まで書けたのですが長引いて文字数1万5千いったのでキリのいいところで2話に分けました

あと2話で終わるという話は何だったのか……

超今更ですが本作はアニメ要素も盛り込んでおり、以下の想定です*1
奇跡世界:アプリ+α
ベル世界:アプリ+アニメ+α
そしてアニメで量産機ゴリアテを余裕の様子で蹴り飛ばしたイオリと負傷で互角の『アル』の体調万全&やる気天元突破の全力は上限が高いです

*1
たとえば前話の啖呵を切る場面の武装ヘリは、アプリには無いがアニメにはある
なので奇跡世界のアルは武装ヘリを落としていないがベルは落とした




『陸八魔アル』の全霊

 

 

 

「"アレ"を急ぎ起動しろッ!!!」

 

「し、しかし理事! "アレ"はまだ調整中で、今使用するのは危険過ぎます!」

 

「構わん!!!」

 

「ぐはっ!?」

 

「何としてもここで対策委員会も、シャーレの先生も、奴らに与する便利屋68も潰すのだ!!!」

 

 

「特に連中を奮い立たせた女―――陸八魔アルだけは、絶対に許さん!!!」

 

 

 

「飼い犬の分際で手を噛んできた事を後悔させてくれる!!!」

 

 

 


 

 

 

『"ノノミ、横薙ぎに撃って牽制を!"』

『お任せください!』

『"セリカとシロコは散らばってる兵士達を攻撃!"』

『『了解!』』

『"ムツキとハルカは密集してる兵士を中心に爆破と射撃を! カヨコもサポートに回って!"』

『任せて~!』

『分かりました……!』

『了解』

『"そしてアル、君は撃ち漏らしの狙撃を!"』

『この私にサポートをしろと? ―――ふふっ! ええ、いいでしょう! ライフルを使っている甲斐があるというもの! 狙撃手の花道ね!』

 

 記録から再現された"アル(ベル)ちゃん"が、あっちの世界の私達や対策委員会の子達と共に駆け回る。

 何者でもなくなって、法の庇護と居場所を喪いそうな子達の味方をするために。

 

 それが、『知識』に沿った未来への過程だから。

 

 私達も辿った道。アルちゃんが発破を掛け、あの子達を奮起させて、先生との協業を経て追い返すに至った一戦。

 『陸八魔アル』が居なければ起きない戦いだった。

 『陸八魔アル』が居なければ、あの子達はそこで失意のままに潰れていた。

 だからこそ、不可欠で。

 それ故に"彼女"は駆け付けた。

 

 ―――でも、あの姿は違う。

 

 発破を掛ける時の言葉は、こっちのアルちゃんよりもずっと恐怖に満ちていた。

 あれは"彼女"の本心だ。あそこだけは、取り繕わなかった"彼女"自身の姿だ。たとえ『知識』にある『陸八魔アル』の姿を被り、過程を似せていても―――あれだけは、生まれてからこの時までの16年間、悩み続けた末の"彼女"だけの覚悟の言葉だった。

 

 その上で"彼女"は、アルちゃんと見紛う姿で―――自分の信じるもののために全力で目の前の事と戦っていた。

 

 それまでずっと痛々しくて、アルちゃんが歩んだ軌跡に近づけようとする姿は面白くなかった。

 アルちゃんとは根っこが違う。憧れのために一直線な彼女に比べ、"彼女"はずっと色んなことを考えて動き続けている。そのせいで恐怖に常に苛まれてすらいる。

 でも、今だけは―――どきどきするくらいに眩しかった。

 

『クソッ、調子に乗るな―――がぁ!?』

『おい!? くっ、この―――あぐっ!?』

『いちいち倒れる仲間に気を取られているせいで反応が遅いわよ! PMCの練度を疑うわね!』

『なんだと、この小むす―――ぐはっ!』

『安易な挑発にも乗るくらいやっすいプライド、いかにも実力相応って感じね!』

 

 不敵に、尊大に笑いながら"アル(ベル)ちゃん"が次々とあちらの私達の攻撃から難を逃れた兵士達を撃ち抜き、仕留めていく。

 口にする挑発は多分だけど半分意図的で、もう半分は無自覚だろう。アルちゃんがテンションに任せて色々口走っている時の雰囲気を凄く感じる。そういう"素"の言葉に限って相手を怒らせる事が多いからとても分かりやすい。

 

 ―――『知識』さえ無かったら、なんて言わない。

 

 未来のためにいっぱい考えて。手筈を整えて。多くの段取りを踏んだ末に見せたアウトローとしての根幹は、アルちゃんと変わりなかった。

 だからこそ……公安局長達の死やあちらの私達の死を契機に自分を『偽物』と思い込むほど自責していた事実が、余計に悲しくなる。

 

『クッ……先生だ、先生を狙え! 指揮官を潰せ!』

 

 そこで何かの準備をしつつ、戦況を見てPMC側の指揮を執っていた理事が新たに指示を出した。

 それは戦闘に於いて誰もが考えること。相手の指揮系統を混乱させ連携を取れなくするための、今まさに"アル(ベル)ちゃん"達が狙っていることだ。それをあちらも狙ってきたというだけ。

 ただ、分かっていてもそれを狙う人はそう多くない。

 先生は外の人。銃弾一発で致命傷。銃撃戦が日常のキヴォトスでも人殺しは忌避するもの。それは子供だけでなく大人もそうだった。

 指示を受けたPMC兵の動きが鈍くなる。

 その隙を突くように"アル(ベル)ちゃん"が見える場所にいる兵達を撃ち抜いていく。

 

『えぇい、何を躊躇っている!』

『で、ですが理事! シャーレの先生は銃弾一発で死ぬ存在だと……!』

『足元を狙え! 射撃訓練課程を修了しているのだ、即死を避けて撃つくらいできるだろう! わかったらやれ!!!』

『『『『『り、了解っ!!!』』』』』

 

 恫喝と共に下された再度の指示に従うPMC兵達。縦社会の悪いところを見せながらも兵士達が銃口を先生がいる方へ向け、中には隊列を組んで突撃も始める。

 それを見て先生も慌てて車の遮蔽に隠れた。

 そこへPMC達は駆け寄っていき―――その集団の一つが、爆発に呑まれる。

 

『先生には近付けさせないわよ!』

『的が当たりやすくなるだけだね!』

 

 奥の手の割に頻繁に使う"アル(ベル)ちゃん"の爆発弾に続くように、あっちの私がノリノリでマシンガンの掃射で牽制しつつカバンに詰め込んだ爆弾をポイポイ投げていく。放り投げられた爆弾を見て回避しようとするも、逃がさないとばかりにあっちの私が撃ち抜き、起爆して無理矢理巻き込んでいく。

 バッグほど大きいならともかく手榴弾サイズのものを掃射しながら的確に撃ち抜くなんて、まずやろうと思っても困難な高等テクに内心引いた。

 あっちの私と"アル(ベル)ちゃん"、どれだけの修羅場を潜り抜けてきたんだろう……

 

『ぐっ、舐めるなガキどもォ!!!』

 

 そんな中、重厚な盾を翳しながら大柄なPMC兵が突っ込んできた。すかさず銃弾の雨や爆発に晒されるがその突進は止まる様子が無い。

 

『"―――アル! イオリの時みたいに止められるかい!?"』

 

 それをボロボロの自動車で隠れつつもシッテムの箱経由で把握したらしい先生から問いが飛ぶ。

 それを聞いた"アル(ベル)ちゃん"は、ふっと笑った。まるで、当たり前の事を聞いてくるなと言わんばかりの余裕の表情。

 

『当然よ! 矢面に立つのも社長の務め、任せなさい!』

 

 溢れんばかりの自信と共にそう言い放って、"彼女"は地を蹴り、迫りくるカイザーの盾兵と後に続く兵の集団へ突撃した。

 

『何をしようと無駄だ! 最高純度の素材で組成された多重積層装甲のシールドを破ることは、お前達の装備では出来んぞォ!!!』

 

 それをあざ笑うように大柄な盾兵が言う。

 けど"アル(ベル)ちゃん"は構わず地を蹴る。一歩、二歩、三歩と歩を刻むほどにその速度も、一歩を踏むまでに進む距離も伸びていく。

 

『はっ! 生憎、本気を出せばその程度―――』

 

 そのまま、アスファルトを踏み砕く勢いで地を蹴った。砲弾と見紛いそうな勢いで兵士が翳す盾へかっ飛んでいく。

 

 

『―――関係無いわよッ!!!』

 

 

 そうして"アル(ベル)ちゃん"の全力のドロップキックが盾の中心に叩き込まれた。その途端、盾兵の勢いが反転し、後ろへとぶっ飛んでいく。

 

『な、にィっ!?!?!?』

『おわぁぁあああっ!?』

 

 馬鹿な、なんて心の声が聞こえてきそうなくらいに見事な驚愕一色の叫びを上げながら、大柄な盾兵はボウリングの玉のようにぶっ飛ばされて、そして後ろに続いていた兵士達がピンのように巻き込まれる形で倒れていく。

 手から離れて飛んでいく盾の表面には、深い足跡の形で罅割れが入っていた。素の身体能力で多重積層―――つまり装甲間にサスペンサー等の衝撃緩衝素材も挟んでいて、合金でもあるそれに靴がめり込むほどの勢い。耐える側の兵士の膂力も尋常ではないけど、その上からめり込ませた方の膂力は更に常軌を逸していることの証左だった。

 

「えぇ……何アレやばぁ……」

「ベル様、凄いです……!」

 

 それを見たこっちのアルちゃんは素でドン引いていた。ハルカちゃんはキラキラした目で見てるけど。

 どっちかというと私もアルちゃんの方の気持ちだ。ただ蹴っ飛ばすだけならともかく、めり込む程となるとちょっと……

 

『くふふっ♪ さっすがアルちゃん! 久しぶりの大暴れで滾ってるねぇ!』

『あんな暴れ方するのは本当に久しぶりだね。前は、マフィアを潰す時以来だったかな』

『確かそうだねぇ』

 

 ただ、あちらの私とカヨコちゃんは以前見た事があるらしい。話から類推するに多分ハルカちゃんをイジメる連中の後ろ盾になっていたマフィア『リガトーニ・ファミリー』を潰す時に見せたんだろう。

 『知識』を元にハルカちゃんを加えないといけない事もあって関わったんだろうけど、普通にキレてもいただろうなぁと思った。今の"彼女"の暴れ方は義務感だけじゃ多分無理だから。

 そんな感想を抱く私の視線の先では、ぶっ飛び倒れ伏した兵士達へ追い打ちを掛けるように"アル(ベル)ちゃん"が爆発弾を撃ち込み、何人もの兵士を纏めて戦闘不能へと追い込んでいく。

 それに加わりながら先生達は会話を交わしていた。

 

『"アルって本気になるとあんなに強いんだね……"』

『……強いね、本当に』

『アルちゃん社長さん、襲撃してきた時は本当に威力偵察で手加減されてたんですね……』

『前にムツキさんが本気で潰す気だったらという(てい)で話してくださった時とは戦い方が違いますが……』

『ああいう暴れ方するのは同業か本職(スジモノ)の中でも相当悪辣な手合い限定だからね。メガネっ娘ちゃん達相手には絶対やらないよ』

『更に言えば社長の気分も限界まで乗らないとだからね』

『ホシノ先輩とどっちが強いのかしら……』

『今の社長でも空崎ヒナは足止めが精々でまず倒せないから、そっちの委員長も本気を出して来たら無理だと思う』

 

 ケラケラとあちらの私が笑いながら爆弾を放り、避けようとする兵士の膝や足関節を撃ち抜いて爆破範囲内で転倒させる。

 程なく爆発に飲まれ、その動かなくなった兵士が横たわった。

 

『よくやったわムツキ!』

『へっへ~、まあねー!』

 

 それを確認した"アル(ベル)ちゃん"はあちらの私を褒めた後、次の標的とばかりにまだ控えていた盾兵の方へ視線を向けた。

 

『ぐっ……ならば、これでどうだ!』

 

 狙われたと分かった盾兵が、アスファルトにめり込む勢いで盾をその場に突き立てる。

 走っている時は体幹や重量、慣性任せの勝負になるが、静止した状態で更に盾を立たせることで、同じように蹴り飛ばされるのを耐えようという魂胆だろう。勿論それには爆発弾を防いだり、"アル(ベル)ちゃん"の狙いを集めて時間を稼ごうという意図もある筈だ。

 けれど―――その盾兵の側面から、会話に参加していなかったハルカちゃんが音もなく忍び寄っていた。

 

『邪魔です』

『なに……!?』

『消えてください―――!』

 

 盾を軽々と持ち運んで扱える体躯も、盾で庇えない側面から見れば大きな的でしかない。その的目掛けてハルカちゃんが散弾を撃ち込み、ぶっ飛ばした。

 盾の影から兵士が押し出される。

 

『ナイスよ、ハルカ!』

『えへへ……』

 

 そこへすかさず狙撃弾が飛ぶ。爆発はしなかったが威力十分のその一発により、最後の盾兵は戦闘不能になった。

 

『今だ、突撃ィ!』

『纏めて数で掛かれ!』

『チッ……!』

 

 それを隙と見たか、まだ残っていた兵士達が四方から駆け寄りながら掃射を敢行。

 "アル(ベル)ちゃん"は舌を打ちながらもイオリを思わせる軽やかな体捌きで躱し、隙を見て近付いてくる兵士から撃ち抜いて倒していく。

 けれどPMC兵の勢いは止まらない。

 

「なんか先生そっちのけでベルちゃんばかり狙われてるね」

 

 直前の理事の指示だと先生狙いの筈だけど、どうも"アル(ベル)ちゃん"を執拗に狙っている気がして、私は首を傾げた。

 

「あらゆる意味で要になってるからでしょうね。士気を高める柱なのもだけど、私達の時と比べて戦力として一人だけ突出し過ぎてるから注目も集めてる」

 

 その疑問はこっちのアルちゃんが答えてくれた。

 盾に足跡をめり込ませた時のドン引きの様子から復帰して、冷静な顔でホログラムを見つめながらアルちゃんは話を続ける。

 

「言ってしまえば、ベルを落とさないと先生に手を出せない構図になってるのよ。ライフルで狙い撃てるし、弱点の数で押すのも爆発弾という手札で対処される。だから先生に迫るにはベルを倒すしかない」

「なるほど~」

 

 アルちゃんの解説に得心と共に頷く。それを察せたのも何だかんだ普段から私達を率いて指示を出す立場だからなんだろう。

 

 

 

『待たせたな、貴様らァッ!!!!!!』

 

 

 

 四方から襲い来る兵士達を"アル(ベル)ちゃん"が捌き、あっちの私達が倒していく中、唐突にガラの悪い大声が響き渡った。

 

 

『何者にも縛られないだと!?』

 

 

『何者をも恐れぬだと!?』

 

 

『信じるものを、決して譲らないだとッ!?』

 

 

 

『そんなものは幻想に過ぎんことを徹底的に思い知らせてくれるわッ!!!』

 

 

 

 怨嗟に満ち溢れた大声と共にその場に現れたのは真っ黒な巨躯、黒い装甲を持ったパワーローダー。声の主は、人体の胸骨にあたる部分に設けられたコックピットに搭乗するカイザーPMC理事だった。

 唐突な乱入に、PMC兵を含めた戦場にいる全員が動きを止めた。

 

『何よあれ!?』

『大きい……!』

 

 いつの間にか離脱していて、十メートル近い巨大な人型機械に乗って地響きと勘違いする重い足音を響かせながら舞い戻って来た理事に、セリカちゃんが驚愕を、シロコが戦慄を露わに声を上げる。

 それに続くように"アル(ベル)ちゃん"も声を上げた。

 

『ゴリアテ……! しかもカスタム機!』

『"アレがなにか知ってるのかい!?"』

『知ってるのは量産機の方だけどね!』

 

 

『ふはは! 見るがよい!』

 

『我々の技術の粋を集めた超強化外骨格!』

 

『最高純度の素材で組成した装甲とアクチュエーターを搭載した―――』

 

 

『最新兵器だッ!!!』

 

 

「何よあれ!? あんな黒いのは出てこなかったでしょッ!?」*1

「わーお……これはちょっと予想外」

「ど、どうなるんですか、これ……!?」

 

 ここに来て大きな変化が出てきたことにこちらも騒然となった。

 勿論こっちとの差異は"アル(ベル)ちゃん"をはじめ、覆面水着団とのやり取り、柴関ラーメンの爆破回避、空崎ヒナの便利屋に向ける関心の大きさなどもあった。

 でも出てくる敵自体が変わるのは―――

 

 ―――いや、そういえば武装ヘリが来てたっけ。

 

 ふと思い出すのは対策委員会の子達に発破を掛ける時のこと。あそこで"アル(ベル)ちゃん"は自分で出した答えを叫びながら武装ヘリを三台撃ち抜いたけど、私達の時は来ていない。*2

 多分―――これは、"アル(ベル)ちゃん"の依頼の経過報告による差異だろう。

 アビドスを襲撃した時の経緯の詳細、戦闘データ、そして先生の指揮の脅威度。多分だけどこれらの内、先生に関する情報がこっちのアルちゃんよりも多かった。それに加えてあっちの私達が強くて、それに持ち堪えた戦闘データもこちらより強度が上だった。

 それらを鑑みて『念には念を』で戦力を余分に持ってきたのが、武装ヘリやあの黒いゴリアテなんだろうと推測する。

 多分そう大きくは外れてない筈だ。

 先生がアビドスに来ていなければ順当にアビドスを潰せていただろうくらいにはアビドスを借金苦に陥れる狡猾な罠や契約関連の動き方からして、あの理事は生徒の事を無暗に侮っていなかったから。

 

『PMC全隊、私を援護しろ!!!』

『『『『『了解!!!』』』』』

『シャーレの先生、そして陸八魔アル! まずは貴様らから捻り潰してくれるわァッ!!!』

 

 黒ゴリアテに乗り込んで気分が高揚しているのか、怨嗟の中に喜悦を混じらせながらの咆哮がアビドスの街に響き渡る。

 

『はっ―――理事様直々のご指名とは、光栄の至りね!!!』

 

 それに"アル(ベル)ちゃん"は凄絶な笑みを浮かべながら芝居がかった言葉で応じると共に、銃口を理事へと向ける。

 

『みんな、先生の安全と兵隊の相手は任せたわ!』

 

 その宣言と同時に引き金が引かれ、銃弾が放たれた。

 それは"彼女"の十八番の爆発弾だったけど、剥き出しのコックピットまでの射線に三連ガトリングガンを搭載した両アームがクロスした形で割って入り、防御される。爆発による硝煙の中から依然変わらずの黒い装甲のゴリアテが走り出てくる。

 

『私もやる』

 

 そこでシロコが負けてられないという意志を籠めた言葉と共に、足元の左右四連ずつの計八連装ミサイルを搭載した白いドローンのエンジンを掛け、飛翔させた。

 間を置かずにコントローラーを握り込んでミサイルを全弾発射。

 

『効かんわァッ!!!』

 

 その八連装も、アームを翳す事で防御され意味を成さなかったが、その間に後方から"彼女"の下へ駆け出し、隣に並んだ。

 

『あなた……!?』

『元はと言えば、これは私達対策委員会(アビドス)の戦い。あなた一人に頼り切りにするつもりはない。そうなったらホシノ先輩に顔向けできない』

 

 彼女の行動は、対策委員会が明確に理事に立ち向かう何よりの意思表示に違いなくて。

 それを受け取ったのだろう"アル(ベル)ちゃん"は、満足そうに穏やかな笑みを一瞬浮かべた。

 それから迫る敵へ顔を向けながら、すぐに自信と気力に満ち溢れた表情へと変え―――

 

 

『途中で脱落したら承知しないわよ、()()()!!!』

 

 

 名を呼ぶと共に共闘を認めた。

 ぴこ、とシロコの狼耳がしばたく。

 

 

『そっちこそ!!!』

 

 

 意気揚々とした返事と共に彼女は自身の愛銃を構え、勢いのまま引き金を引いた。

 

 

 


 

 

 

・カイザーPMC理事

自ら前線に出るタイプの指揮官

対策委員会が状況を打開した鍵のシャーレの先生、依頼主に真っ向から牙を剥いて大暴れする『アル』を排除すべき敵認定。調整中の理事専用機を持ち出して自ら潰すべく乗り出した

ちなみに原作アプリでもゴリアテに乗ってこそいないがアビドス攻防戦に於いて最前線に出てきているし会話シーンのみながら攻撃を受けてもいる

アニメでは感情的になると手が出るタイプの上司

 

・理事専用機ゴリアテ(アニメ版)

調整中の最新兵器

以下の特徴を持つ

①12860馬力(戦車の10倍の馬力)

②至近での爆破にも耐える強靭な素材不明の装甲

③両腕の高火力かつ地面を殴っても砲身が無事なガトリングガン

④両肩合わせて十六連のミサイルポッド

⑤キヴォトス人すら傷付ける頭部のビーム砲

⑥巨大な体躯に見合わない高い機動力

 

・『陸八魔アル』

『便利屋68』最強戦力

色々目立ち過ぎたせいでアビドス侵攻のカイザーPMC側の戦力を追加してしまい、更に理事から滅茶苦茶ヘイトを買った

やるべき事とやりたい事が完全一致した結果の(全力)で全てを迎え撃っている。ムツキとカヨコ曰く、ハルカ加入前のマフィアとの抗争時にも同じレベルで大暴れしており、現時点でヒナに劣りはすれど真っ向から時間稼ぎできるレベル*3

このモチベーションが最高の状態だとどのポジションを指示しても「いいわよ!」の二つ返事で請け負う上に殆どに於いて期待以上の戦果を叩き出す

 

・(故)シロコ

対策委員会の残存戦力最強

一度はホシノをいいようにし、発破を掛けてくれた相手である『アル』のことを強く意識。名前呼びとアウトロー精神もあって懐いた

盾に足跡をめり込ませた点などは内心で引いている

 

・浅黄ムツキ

陸八魔アルの幼馴染

演技をして窮屈そうな姿を見続けただけにそれから解放され、恐怖や葛藤をすべて抱えた上で見せたアウトローとしての『アル』の爆発力に目を奪われた

『嚮導者の特性』がある今もロボットの悪い大人なら同じくらい暴れられるだろうけど、多分見れないだろうなぁとちょっぴり残念に思っている

 

*1
アプリでの該当任務『アビドス攻防戦(2)』のBOSSもゴリアテではあるが、理事専用の黒ゴリアテはアニメのみの出演

*2
武装ヘリを撃ち抜くのもアニメのみの演出。更に言えばアニメでも一台のみ

奇跡世界ではアプリ準拠で来ていない想定

*3
逃げれるとは言ってない

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