ドラクエ3の女賢者さんが、遊び人になってダンまち世界に転移してきたよ   作:ポップ

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短くてすいません(・_・;

あんまり長く時間掛かるのもよくないと思い、お昼休憩の間にキリのいいところまでこれたので、一旦ここまでで投稿させて頂きます。


番外編(ロモス)第五話:テムジン「……なるほど。そういう事であったか」「正体を現したな!聖女を騙る魔の者め!大魔王の秘術を身に付けているという事は、この女は魔王軍の幹部に違いない!」

競技場の中央では、バニーとルークが、二人の間を十分に空けてそれぞれ開始位置に立っていた。

 

ルークの少し後ろでは、万が一の場合に備えて、王宮の魔法使い達がすぐさま魔法防壁を追加で張れるよう、万全の体制で控えている。

 

テムジンはそれを確かめ、確信に満ちた顔で頷いていた。

 

「これで、如何ですかな?」

 

「う〜ん……まぁ、私はいいんだけどもねぇ。ルークもテムジンさんも、後になって文句とか言わないでよ?」

 

バニーはそう答えてから、ルークに目を向けた。

 

「防げないと思ったら、絶対に怪我しないように逃げてね」

 

「はい。宜しくお願い致します」

 

そんなやり取りを見守る位置にいたテムジンだが、内心では、バニーに少し苛つきに近い感情を抱いていた。

 

(お前が危ないと言うから、ルークの他にも防壁の張れる魔法使い達を配置してやったというのに、それでもあくまで上から目線とは……一体何様のつもりだ?)

 

そうして、ルークが杖を構えて【フバーハ】を唱えると、淡い光の防壁が円形に展開される。

 

それをみた観客席の者達からも、感心するような声が上がってきた。

 

「あれが、修行を積んだ一握りの僧侶や賢者にしか使えないという、フバーハの呪文か……」

 

「あぁ。噂によれば、殆ど全ての火炎・氷雪系統の呪文から守れると聞くが……やはり、若くてもパプニカの賢者は優秀だ!」

 

これほど高レベルの呪文になってくると、話には聞いたことがあっても、一般の人が見る機会というのは、かなり稀になる。

 

それほど高位の呪文なのだ。

 

バニーもそれを見届けると、そっと目を閉じ始める。

 

【魔力覚醒】

 

ボゥッ!

身体の中を巡っていた魔力が、一気にその強さを増していく。

 

そんなバニーの様子を目の当たりにしたルークは、放つ前から

 

(これは……先程迄とはまるで違う!)

 

と、嫌でもその変化を感じ取っていた。

 

その異変に気付いた、観客席や貴賓席に控えていた魔法の心得がある者達も、驚愕の表情を浮かべたまま、揃って競技場中央のバニーへと視線を向ける。

 

一方、バニーとしては、かつて見た大魔王バーンのカイザーフェニックスには、いまだ届いてない気もするが、それでもこれまで何度か使いながら練り上げてきて、それなりの形に出来たという自負がある。

 

なので、ルークが自身の【フバーハ】を信頼しているように、バニーもこの【カイザーフェニックス】には自信を持っていた。

 

あれだけ言って、万一に備えてルークの後ろには他の魔法使いさん達も配置してもらったのだ。

 

だから、これだけ大きなイベントの最後の締めくくりとしても、それなりに見栄えのいい呪文を披露する事が出来て、結構盛り上がるのでは?

 

などと、そんな事を考えていた。

 

やがて、バニーは目を開いて右手を高く掲げると、掌の上に炎が集まりだす。

 

やがて、巨大な翼を形作り、見る者全てに畏怖を抱かせる、炎の鳥が今まさに顕現しようとしていた。

 

……見上げたルークの顔が、恐怖の色に染まる。

正直、彼はメラゾーマを受けるつもりでいた。

 

……いや、メラゾーマもメラ系の最上位呪文なのだ。

 

バニーの事を高く評価していたルークは、バニーならば【メラゾーマ】も使う事が出来るだろうと、本人は口に出していなかったが、そう堅く信じていたのである。

 

……だが、目の前に現れたこれは何だ?

 

その身を構成する膨大な魔力と、本当に生きているかの様に思える姿は、恐ろしくも神々しく、まるで破滅を告げる神鳥の様である。

 

……これは、本当に呪文なのか?

 

「それじゃ、行くわよっ!」

 

「バ、バニー殿!ちょっ、まって下さ……」

 

(メラゾーマだと思ってたのに!信じていたのに!!あんな炎を受けてしまったら、一瞬でチリになってしまいます!!!)

 

しかし、バニーは止まらない。

 

というか、今のバニーの耳は燃え盛る炎の轟音でいっぱいなのと、呪文を放つ直前に早口で言われたのも合わさって、正直よく聞こえていない。

 

「【カイザーフェニックス】!」

 

次の瞬間、灼熱の炎の鳥が、ルークへ向かって放たれる。

 

観客席では、押し寄せてきた熱気に圧されて、前列の者達が思わず顔を手で覆っている。

 

それほど迄の火力なのだ。

 

そんな炎を最初に受けたのは、ルークが張っていたフバーハの防壁だった。

 

この魔法が使える時点で、彼の優秀さが分かるというものだろう。それは、僧侶・賢者として中級者以上に至っている事の証なのだから。

 

……しかし、それでも炎の鳥は防げない。

 

フバーハに魔力を更に込めて、自身の命を奪うかのように迫る炎の鳥を食い止めようとするも、それは一瞬で蹴散らされる。

 

全く妨げになっていない。

 

呆然とするルークを他所に、その背後に控えていた者達も決死の覚悟で防壁を張り出すが、こちらも微塵も効果を発揮出来ていない。

 

全ての防壁を破られて、このまま最悪の結末を覚悟する受け手側の者達。だが、この時焦っていたのは、ルーク達だけではない。攻撃を放ったバニーの方も大概焦っていた。

 

(ちょっ!?だからあれだけ言ったのにぃ!!!)

 

このまま直撃すれば、ルークやパプニカの魔法使いさん達が死んでしまう。

 

……勿論、観客達も話の流れは聞いていたのだ。これで不幸な事故が起きたとしても、あからさまに非難されるという事はないだろう。

 

それでも、気持ちの問題は別である。

 

今回の集まり、一般の観客に関しては、その大多数をパプニカの民が占めている。そんな中で、自国の賢者や高位魔法使い達を殺した女……

 

絶対に取り返しが付かない……

 

ここまでくると、事前に警告していたとかは、もう多分関係ない。結果を見て、それに対してどういう感情を抱くかなのだ。

 

炎の鳥が、遂にルーク達へ直撃しようとする。

 

その少し前から、バニーは慌てて空をかき分けるように、何度も何度も腕を振っていた。

 

意図としては、自身が放ったカイザーフェニックスに、少しでもいいから横にズレてくれというものだったのだが、それが功をなしたのか、ルーク達に迫っていた不死鳥が首を反らし、大きな翼を翻す。

 

彼等を呑み込む筈だった炎の鳥は、目の前で急激に進路を変え、競技場の真上へと昇っていった。

 

そしてバニーは、遥か上空で大空を旋回していた炎の鳥を見上げたまま、徐々にその魔力を雲散させていく。

 

結果としては無事に終わったが、受け手側のルーク達は、すぐそこまで迫っていた死に震え、杖を支えに、片膝をついていた。

 

何とかギリギリ生きている。

 

衝突する直前に、バニーが炎を逸らしてくれたのだ。

 

「大丈夫?」

 

慌てて駆け寄ってきたバニーに尋ねられ、ルークは何とか頷いた。

 

それを確認してから、バニーは少し離れたところで固まっているテムジンを見て、

 

「だから危ないって言ったでしょ!」

 

と声をあげるが、テムジンとしても、自分の理解を超えた状況なのだろう。

 

呆然としながら、返事はない。

 

「今のは……何という呪文なのですか……?」

 

ようやく声を出したのは、ルークと一緒に防御にまわっていた王宮の魔法使いだった。

 

バニーは慌てて聞こえなかったのかと思い(まぁ、死ぬとこだったしね)先程唱えた呪文名をもう一度教える。

 

「カイザーフェニックスよ」

 

「その様な呪文は、これまで聞いた事も無いのですが……」

 

周囲の魔法使い達も、誰一人として心当たりを示さない。

 

バニーはルークに手を貸しながら、簡単に説明した。

 

「前に大魔王が使ってたのを見た事があるの。あまりにも凄い炎だったから、私も使える様になるまで練習したってわけ」

 

その言葉に、近くにいた者達の動きが止まった。

 

「……大魔王?」

 

誰かが口にした言葉が、周囲に広がっていく。

 

遠くの観客には、話の全てが聞こえていた訳ではない。それでも、大魔王の呪文を使ったらしいという話と、先程現れた恐ろしい炎の鳥が結び付き、一瞬歓声を上げかけていた者達まで、皆口を閉ざしてしまった。

 

「……なるほど。そういう事であったか」

 

テムジンが、ゆっくりと顔を上げる。

 

そこには、先程まで失われていた勢いが、その声に戻っていた。穏やかだった表情も一転して険しいものへと変わり、その指先がバニーを真っ直ぐに指す。

 

「正体を現したな!聖女を騙る魔の者め!大魔王の秘術を身に付けているという事は、この女は魔王軍の幹部に違いない!」




多分、次は第6話か、異世界編(「恋姫無双」「HUNTER×HUNTER」)か、オリジナル小説(2027年から2000年の過去に飛んでしまった青年が、AIのアイちゃんと共に頑張る話)になると思います。

(オリジナル小説はカクヨムの方がいいんですかね?)

どれも少しずつ書いていってますので、良ければ見て頂けますと嬉しいです。

それでは、今後とも宜しくお願いします。
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