さて、お茶子ちゃんとの対戦が終わってから何試合か挟んでいよいよ俺対轟くんの番になった。今まで散々轟くんに対してイキり散らかしたムーブかましてたけど真っ向勝負で勝てるかと言われたら微妙なんだよね。緑谷君との試合で覚醒して炎も使うようになっちゃったからさらに勝率さがってんだよね。轟ママもう一回お湯ぶっかけて♡まあそんな炎上しそうなクソウマボケは置いといて、合成弾も使えるようになったから翻弄しながらチクチク攻撃していくしかないな。でも合成弾使ったあと何秒か個性使えなくなるんだよな。あれ負荷高杉。
『さァァ来たァ!!トーナメント準決勝!!会場のボルテージも最高潮ォ!!』
『まず入場するのはァ!!推薦組!!圧倒的火力と制圧力でここまで勝ち上がってきた男ォ!!一年A組――轟焦凍ォ!!』
『氷で戦場そのものを支配する怪物級ルーキィ!!ここまでの試合、その実力は誰の目にも明らかだァ!!』
『……だがしかしィ!!その前に立つのはこの男だァ!!障害物競走一位!!騎馬戦でも存在感を見せつけ!!トーナメントでも無敗!!一年A組――二宮匡貴ゥ!!』
『読み合い!判断力!そして土壇場で生まれた合成弾!!試合を重ねるたび進化してやがるゥ!!』
『氷で押し潰すかァ!?それとも二宮が攻略するのかァ!?』
『推薦組の怪物・轟焦凍!!』
『話題独占の問題児・二宮匡貴!!』
『準決勝から決勝レベルゥ!!観客ども、瞬きするんじゃねェぞォ!!』
『――試合開始ィィィ!!』
マイク先生の実況で試合が始まる。おっと、お得意の氷大放出バーゲンセールで一気に固める気だな。メテオラで上空にげよ。・・・あっぶな!轟くんの個性ほんまにチートだよな。でも、炎はともかく氷なら近接戦に弱いだろ?メテオラで加速して一気に轟くんに近づく。マジカル八極拳で攻撃する―—けどなんで普通にやりあえてんの?これ習得すんのに毛結構かかったんだよ?チートがよぉ。
「っ!うぜえんだよ!!」
轟くんが力任せのごり押しで個性を発動して俺の足を凍らせる。そのまま追撃に来ようとしたけど事前に軌道を設定してた俺の発動したバイパーに邪魔される。その隙に氷から抜け出す。足の皮持ってかれたけどまあしゃあない。これぐらいは気合でどうにかなる。
「なんなんだよ、お前は!」
「ヴィランの息子だって散々言われて、それでも真正面から立ってる……お前は迷ってない」
「俺はずっと、あの男のせいで縛られてきたのに……っ、お前はなんでそんなに真っ直ぐ進めるんだよ!」
「……気に入らねぇ。お前見てると、自分が立ち止まってるみたいで腹が立つ」
「俺と同じように全部押しつけられてきたはずだろ……! なのに、なんでお前はそんな顔して戦える!」
轟くんの感情と比例するように、個性の出力が上がっていく。・・・まあ氷だけならいいんだけどさ。
「・・・またそれか」
「あのさ、その親への反抗ごっごいつまでやってんの?自分が立ち止まってるみたいで腹が立つ?じゃあ俺に勝って立ち止まってないってことを証明しろよ。さっきの緑谷との試合では炎も使ってたよな?なんで使わないんだよ、舐めてんのか?本気で勝ちたいと思ってるなら全力で来いよ!」
ああ↑ポジショントークで気持ちよくなっちゃう!!まあでもほとんど本音だけどね。炎使わないのはそっちの勝手だけどそれで俺に勝てなくてイライラするとか言われてもねえ。
アステロイドを8個生成して氷を解かす。仕方ない、轟君のためにお膳立てしてあげるか。両手に8つずつアステロイドを生成する。
「これは氷じゃ防げないぞ!!轟焦凍!!」
アステロイド+アステロイド
ギムレット!!
『――ッ!?!?』
『な、なんだ今のォ!?二宮が何か撃った瞬間、一気に土煙が爆発したァァァ!!』
『見えねェ!!会場中央、完全に視界が潰れてるゥ!!』
『速すぎた!!何をしたァ二宮ィ!?』
『地面が抉れてるゥ!!ただの砲撃じゃねェ!!威力も弾速も桁違いだァ!!』
『轟はどうなったァ!?直撃したのか!?それとも防いだのかァ!?煙で全ッ然見えねェ!!』
『観客席も騒然ッ!!準決勝で何てモンぶっ放してやがるんだ一年坊主ゥゥゥ!!』
・・・!!ど、どうだ?これで負けるならその程度だぞ轟くん。土煙が収まってそこには
『……お、おい待てェ!!煙の中、何か見えるぞォ!?』
『人影だァ!!ゆっくり前に出てくるゥ!!』
『轟だァァァ!!立っているゥ!!しかも――』
『炎ィ!!右側の炎で合成弾を相殺したのかァ!?防ぎ切りやがったァ!!』
『会場どよめきィ!!ついに使ったァ!!轟焦凍、ここで“炎”を解禁だァァァ!!』
『氷だけじゃねェ!!ついに本気モード突入ゥ!!二宮の超火力に対して、轟も最大火力で応えるゥ!!』
『準決勝ゥ!!ここからどうなるゥァァァ!?』
やっと本気ってわけか。デク君には使ってたのに俺に使わないってのはありえないよな?あたい、嫉妬しちゃう!!
「そこまで言うなら見せてやるよ、これが俺の本気だ!!」
氷と炎の波状攻撃きっつ!!しかもあっちは温度のバランスとってるから実質無限でしょ?まじで勝てないって!!ってことはなくてですね。一応こっちにも勝算ってものがあるんですよ。実はこの試合、さっきの合成弾を除いたら最初から弾を8個ずつしか生成してないんですよ。それはなんでかっていうとですね・・・この試合が始まった直後から頭の中で128個分のバイパーの起動を設定してたんだですよ。那須熊嵐を使うためですね。はい。え?なんで試合前からやらないのかって?そりゃあ轟くんとは少しでもフェアに戦いたいじゃん?
あとは発動させるタイミングですよね。今は波状攻撃をしのぐだけで手いっぱいなんですけど・・・・あれ、もしかしてこの状況まずい?そろそろ俺の個性の打ち止めも近いしまずいんだよなあ。しゃあないな捨て身で轟くんに特攻する。最初の数歩で体中がボロボロになる。・・・それでも、進む。俺にだって意地ってもんがあんだよ!!
「……っは、はは……それだよ轟君……! やっと『お前』と戦えてる……!! ずっとムカついてたんだよ……! そんな力持ってるくせに、自分で自分を縛って……親父への反抗だか知らねぇけど、勝手に立ち止まってるお前見てると、昔の俺みたいでイライラすんだよ!!」
「俺は“ヴィランの息子”ってだけで、勝手に人生決められてきた……! お前は“エンデヴァーの息子”として生きてきた……! お前はまだ過去に囚われてんだろ!?」
轟くんが荒く息を吐く。右半身の炎が揺れ、今までよりずっと強い熱気が会場を包む。
「……うるせぇよ」
「分かってる……そんなこと、言われなくても……!」
「お前見てると、嫌でも考えさせられるんだよ……! 同じように全部押し付けられて、それでも前に進んでるお前見てると……俺だけ止まってるみたいで……!」
轟くんが拳を握る。炎がさらに噴き上がった。
「……だからもう止まらねぇ」
「親父のためでもない。反抗のためでもない――これは、俺の力だ!!」
その言葉を聞いた瞬間、俺は笑みをこらえられなかった。やっとお前と戦える!!お前と対等に喋れる!!
「っは……そうこなくっちゃなァ!! 最高だ……!! 痛ぇ!! 苦しい!! でも、
こんな全力でぶつかれるの、初めてなんだよ!!」
「来いよ轟!! 俺も全部ぶつける!! 次の一撃で――決める!!」
轟君が巨大な氷を生成し、俺にぶつける。普段の轟ならそれで終わったかもしれない、でも今回は違う。轟君はこぶしに炎をまとわせて
「行くぞ、二宮!!これが俺の全部だ!受け取れ!!」
赫氷!!
「っはは!!来いよ、轟!!!」
那須熊嵐!!
莫大な量の炎と水蒸気が緑の極光と衝突する。水蒸気と炎の熱気で轟、二宮、両者の右腕が焼ける。次第に炎の勢いは弱まっていき、勝敗が二宮に傾く。そして、那須熊嵐が轟を場外に押し出す。
『熱風!!蒸気!!衝撃波ァ!!会場全体が揺れてるゥ!!一年生の出力じゃねェぞこれェ!!』
『見えねェ!!フィールドが完全に白煙に飲まれ――いや違う!!まだ押し合ってるゥ!!まだ終わってねェ!!』
『轟の炎が氷を砕き!!二宮の極光がそれを貫くゥ!!なんだこの準決勝!!プロでもそうそう見られねェぞォ!!』
『両者満身創痍!!それでも止まらねェ!!下がらねェ!!どこまで前に出る気だお前らァ!!』
『……っ!?押したァ!!二宮の技が前に出るゥ!!轟、耐え――』
『場外ゥゥゥ!!轟焦凍、場外ゥゥゥ!!!』
『勝者ァァァ!!一年A組――二宮ゥゥゥゥ!!!!』
『とんでもねェ試合だァ!!ただ強いだけじゃねェ!!意地と意地!!過去と過去!!全部ぶつけ合った末の決着ゥ!!』
『会場総立ちィ!!観客席大歓声ゥ!!誰だ今の試合見て一年生だって言ったヤツ!!レベルがバグってやがるゥゥゥ!!』
「勝者、二宮くん!!」
会場が熱狂に包まれる。・・・やばい、意識が・・・あ、でも向こう側にいる轟君の顔が心なしか明るい気がする。・・・じゃあいっか。もう意識を手放そう。
「まさくん、大丈夫ですか!?」
「匡貴、大丈夫!!」
・・あれ、なんか聞き覚えのある声が聞こえる・・・でもまあ気のせいか・・・・そこで俺の意識は途切れた。
戦闘シーンむずかしいい!一応デク君対轟くんとは差別化したつもりです。
次回はついに決勝です!最後に聞こえた声はもちろんあの人たちのです。ではまた次回!!感想とかも気軽にお願いします!!モチベになります
実はヒロインをもう二人増やしたいんですけど、さすがにキャパオーバーですか?(出すだけ出して、放置する可能性もあります)
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ヒロイン追加していいよ
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もうやめて!二宮のライフはもう0よ!
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好きにやんな