シューターのヒーローアカデミア   作:なかりょた

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二宮幸せ見守り隊:名誉隊長ホークス、最高顧問:送崎咲


美人の雲り顔は最高だよね

「ホークス、送崎、次の任務には例の学生を連れていけ。奴の思考回路はヴィランと通じるところがある、それにあの戦闘能力を遊ばせておくのはもったいない」

 

「正気ですか、二宮はまだ子供ですよ?そんな子供を俺の仕事に同行させる?正気とはお思えない」

 

「私も反対です。彼は普通の子と変わらないただの子供です。」

 

「子供、か」

 

低い声が会議室に落ちる。

 

「……では聞くがホークス。お前は何歳で“こちら側”に来た?」

 

「っ……」

 

ホークスの表情がわずかに固まる。

 

上層部の男は気にした様子もなく続けた。

 

「送崎。君も理解しているはずだ。二宮匡貴は普通の子供ではない」

 

「体育祭での戦闘、潜入任務でのあの異常な戦闘への執着、そして心理分析。どれを見ても異常だ」

 

「恐怖を感じながら前へ出る。倫理観が欠如している。状況判断が速い。敵性環境への適応能力も高い」

 

資料が机に投げられる。

 

そこには倉庫で戦う二宮の写真。瓦礫の中で笑っている瞬間だった。

 

「特にこれだ」

 

「追い詰められるほど思考が冴えるタイプだ。これがヴィランじゃなくてなんだ?」

 

送崎が眉を寄せる。

 

「……ほかのヒーローだって窮地で真価を発揮する方はいます」

 

「だが、それこそ彼はまだ子供だ。こんな戦闘能力を持ったやつがヴィランになったらどうする?ヴィランの子供がヴィランにならないという保障はあるのか?」

 

男が淡々と言う。

 

「だから我々の管理下に置く」

 

「導線を誤ればヴィラン側に転ぶ。だが逆に言えば、正しく使えば非常に優秀な駒になる」

 

「駒?」

 

ホークスの声から、笑みが消える。

 

空気がわずかに張り詰めた。

 

「訂正しよう。“戦力”だ」

 

「同じですよ」

 

ホークスが椅子にもたれたまま睨む。

 

「二宮は道具じゃない」

 

「だが社会は結果を求める」

 

男が即答する。

 

「理想だけで守れるほど、この国は綺麗じゃない」

 

「……」

 

「それはお前が一番理解しているだろう、ホークス」

 

場を沈黙が支配した。

 

その沈黙自体が答えのようなものだった。

 

しばらくして、送崎が口を開く。

 

「……もし同行させるとしても、条件があります」

 

「ほう?」

 

「二宮くんを“処分前提の潜入駒”として扱うなら、私は降ります」

 

「送崎ちゃん?」

 

「彼はまだ雄英の生徒です。少なくとも私は、あの子を壊すために関わるつもりはありません。これは私だけの意見じゃありません、雄英高校の総意です。」

 

会議室が静まり返る。

 

やがて上層部の男は小さく息を吐いた。

 

「……いいだろう」

 

「当面は観察と補助任務のみだ」

 

「ただし――」

 

男の目が細くなる。

 

「もし彼がこちら側に適応した場合、いずれは選ばせることになる」

 

「ヒーローとして生きるか」

 

「それとも、“社会を守る側”に来るかをな」

 

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今日も元気におはようございます!!どうも皆さんおはようございます二宮匡貴です。え?なんでお前はそんなテンション高いのかって?いやそりゃあ期間限定とはいえ、ヒーロー仮免もらえたんですよ?盛り上がらないなら雄英生じゃないぜ!

 

さて、今日も今日とて咲さんの運転する車に乗って公安まで行く。

 

「咲さん、今日は何をするんですか?」

 

「・・・今日はおそらくホークスと一緒に監視任務にあたると思います。・・すみません、昨日あんなこと言ってましたけど本当はあなたにこんなことやらせたくなかったんですよ。・・そのサポートは任せてください」

 

ほえー。今日は監視任務か。にしても美人の曇り顔って最高だよねぇ。しかもそれが罪悪感からくるものだと・・・・デゥフ。ていうかこの時期に監視任務ってなに?

 

「いやいや、気にしないでください。咲さんのせいじゃありませんよ。それにしても監視任務って具体的になにするんですか?」

 

「・・二宮くんはステインというヴィランをご存じですか?」

 

「ああ、最近話題になってる“ヒーロー殺し”でしたっけ?」

 

まあ本当は結構知ってるけど。ここで公安に怪しまれたくはないからね

 

「はい、よく知ってますね。偉いです」

 

「はい、よく知ってますね。偉いです。」

 

咲さんが淡々と頷く。なんか褒め方が幼稚園の先生なんだよなこの人。いや好きだけど。

 

「現在、ステインの思想に影響を受けた人間が各地で増えています。特にネット上では“偽物のヒーローは排除されるべき”という思想に共感する者も少なくありません」

 

「あー……」

 

まあ原作でも結構いたしね。というかヒロアカ世界のヒーローって半分芸能人みたいなもんだし、そういう不満が出るのもわからなくはない。

 

「今回の任務は、その過激派予備軍の監視です」

 

「へぇ」

 

「……ちなみにですが」

 

咲さんがちらっとこっちを見る。

 

「あなたはステインの思想についてどう思いますか?」

 

おっとぉ?公安からの心理テスト怖すぎん?適当に答えて地雷踏むのも嫌だしなぁ。

 

「……言いたいことはわかりますよ」

 

「ほう?」

 

「実際、ヒーローって人気商売みたいになってるじゃないですか。金とか名声とか目当てのやつもいるだろうし」

 

「ですが?」

 

「だからって殺すのは違うでしょ」

 

窓の外を見ながら続ける。

 

「気に入らないやつ全部殺してたら、それただの癇癪じゃないですか」

 

数秒、車内が静かになる。

 

……あれ?ミスった?公安的にはもっと正義感強めの答えの方がよかった?

 

すると咲さんが小さく息を吐いた。

 

「……安心しました」

 

「へ?」

 

「あなたなら“理解”はしても、“肯定”はしないと思っていましたから」

 

なんだそれ。俺そんな信用されてたの?いやちょっと嬉しいけど。

 

そんな会話をしているうちに車は市街地へ入っていく。人通りの多い繁華街。その一角にある喫茶店の前で車が止まった。

 

「ここです」

 

「喫茶店?」

 

「監視対象が定期的に利用している場所です。今日はここで接触相手を確認します」

 

なるほどねぇ。もっとこう、屋上で双眼鏡覗く感じかと思ってた。普通に地味だな公安。

 

店内に入ると、すでに奥の席にホークスがいた。変装なのか眼鏡をかけて新聞を読んでる。……いやオーラ消えてないって。イケメンは変装してもイケメンなんだわ。

 

「お、きたきた」

 

ホークスが軽く手を振る。

 

「おはよ、二宮くん」

 

「どうも。ていうか変装雑じゃないですか?」

 

「え、マジ?」

 

「マジです」

 

咲さんが無言で頷く。ホークスはちょっとショックを受けた顔をした。

 

「結構頑張ったんだけどなぁ……」

 

いやその赤い羽根隠せてない時点で無理なんよ。

 

席について数分後。ホークスが視線を動かさずに呟く。

 

「……三時方向、グレーのパーカー」

 

視線を向けないようにしながら確認する。そこにいたのは、痩せた男だった。年齢は二十代後半くらい。目の下に隈があって、妙に周囲を警戒している。

 

「あの人が?」

 

「うん。ステイン信奉者のコミュニティ管理人」

 

「ネット上で過激思想を拡散してるタイプね」

 

へぇー。思ったより普通だな。もっとヒャッハー系かと。

 

男は落ち着きなくスマホを触っている。すると数分後、別の男が席についた。帽子を深く被った男。

 

「接触確認」

 

咲さんが小声で言う。空気が少しだけ張り詰めた。

 

俺も何気ないふりをして観察する。……あ、なんか。

 

「咲さん」

 

「なんですか?」

 

「たぶんあの帽子の人、一般人じゃないです」

 

二人がわずかにこっちを見る。

 

「根拠は?」

 

「えっと……なんとなく?」

 

「雑だなぁ」

 

ホークスが苦笑する。いやでもほんとなんだって。

 

「でも、多分戦える人です。たぶんヴィラン側」

 

そう言った瞬間だった。

 

帽子の男が、こちらを見た。

 

――目が合った。

 

ぞわり、と背筋が粟立つ。

 

……あ。やばい。

 

あいつ、気づいてる。あ、逃げた

 

「っホークスさん!!」

 

「俺は後ろから追うから二人は車で回り込んで」

 

咲さんと一緒に車に乗り込む。

 

「咲さん、そこ曲がって!」

 

「っ、了解!」

 

タイヤが甲高い音を鳴らす。うわっ運転うまっ!?思わずシート掴んじゃったんだけど!?

 

帽子の男は人混みを縫うように走っていく。速い。いや普通に速いなあいつ。しかも逃げ方が妙に慣れてる。

 

「右の路地入ります!」

 

「見えてます!」

 

咲さんが即座にハンドルを切る。……いやこの人、普段から何してんの?公安こわ。

 

インカムからホークスの声が聞こえる。

 

『そいつ、ただの信奉者じゃないかも』

 

「やっぱりですか」

 

『逃げ方に無駄がない。追跡慣れしてる』

 

だよねぇ。というか。

 

「咲さん、ブレーキ踏んでください!」

 

「え?」

 

「多分あいつ、次の交差点左です」

 

「根拠は?」

 

「なんとなく!」

 

「またそれですか……!」

 

若干呆れながらも咲さんは左折する。すると――

 

「……っ!」

 

いた。

 

帽子の男が、ちょうど路地から飛び出してきた。

 

「うお、マジか!?」

 

「ほらぁ!!」

 

男の顔が歪む。次の瞬間、男が地面を蹴った。

 

「っ!?」

 

速っ!?

 

一瞬で距離を詰められる。やば、個性持ちか!

 

「二宮くん!!」

 

咲さんの声と同時に、俺は反射的にキューブを展開する。

 

「バイパー!」

 

蛇みたいに曲がる弾丸が男へ飛ぶ。だが男は体をひねって回避した。……うわ、動きキモッ!

 

「雄英のガキかよ……!」

 

男が舌打ちする。

 

「公安がガキまで使い始めたか」

 

「ガキでも一応ヒーローやってます!」

 

軽口を叩きながら距離を取る。けど、なんだろ。

 

「逃げるの慣れてますね」

 

「……」

 

男が黙る。図星か?

 

「ステイン信奉者っていうより、元からそっち側の人間ですよね」

 

空気が変わった。

 

男の目が細くなる。やっべ。

 

「……ガキのくせに鋭すぎんだろ」

 

「褒められた♡」

 

「褒めてねぇよ」

 

次の瞬間、男の姿がぶれた。

 

「っ!」

 

反射的にしゃがむ。直後、後ろの電柱にナイフが突き刺さった。怖っ!?だからそんな個性ならヒーローやれって!まあステインの思想に共感してるような人だからそれはないか

 

「危なっ!!」

 

「二宮くん、下がって!」

 

咲さんが前へ出る。同時に、頭の中へ声が響いた。

 

『右、三秒後』

 

思考伝達。

 

言われた通り右へ飛ぶ。直後、男が蹴りを放ちながら突っ込んできた。

 

「うおっ!?」

 

やっぱり速い!でも――

 

「読める!!」

 

アステロイドを8つ展開。男の進行方向へ先回りするように配置する。男が目を見開いた。

 

「チッ……!」

 

急停止。そこへ、

 

「ハウンド!」

 

追尾弾が男の肩に直撃する。

 

「がっ……!?」

 

よし、一発。

 

だが男は倒れない。肩を押さえながら睨んでくる。

 

「……なるほどな」

 

「公安が欲しがるわけだ」

 

「え?」

 

「お前、“ヴィランの動き”を理解してやがる」

 

その言葉に、一瞬だけ空気が止まる。・・いや別に相手の動きが読めるのは実力だからね?思想関係ないよ?まあそういうことじゃないんだろうけどさ!

男が口元を歪める。

 

「ステインの思想、理解できんだろ?」

 

「……まあ多少は」

 

「ヒーロー社会が腐ってんのも分かってる」

 

「まあそれも多少は」

 

「だったら――」

 

「でも殺すのは違うでしょ」

 

俺は遮る。

 

男が黙った。

 

「ヒーローがクソなのは分かる。でも、気に入らないやつ刺して回るのはただの癇癪起こしてるガキだ」

 

「……っ」

 

「自分が正しいと思うなら、なおさら方法は選べよ」

 

数秒。

 

男はしばらく黙ったあと、小さく笑った。

 

「……なるほど」

 

「お前、ステインとも違うタイプか」

 

その瞬間だった。

 

――バサッ。

 

上空から赤い羽根が舞い落ちる。

 

「はい、そこまで」

 

ホークスが路地裏へ降り立った。

 

「逃走経路、全部塞いだよ」

 

周囲を見ると、いつの間にか赤い羽根が出口を塞いでいる。うわぁ、本物の包囲網だ。

 

男が舌打ちする。

 

「チッ……」

 

「悪いけど、君みたいなの放置すると社会に害になるんだよねぇ」

 

軽い口調。

 

でも目は笑ってない。

 

ホークスは男を拘束しながら、ちらりと俺を見る。

 

「……二宮くん」

 

「はい?」

 

「二宮さ」

 

ホークスが少し困ったように笑う。

 

「・・やっぱりヴィランの考え方は理解できる?」

 

「えぇ……」

 

「しかも無意識っぽいのが怖いんだよなぁ」

 

やめてよその言い方。俺だって傷つくんだからね!?

 

すると横で咲さんがぽつりと呟いた。

 

「……でも」

 

「少なくとも、あなたは“そちら側”へ行かない」

 

「いや、私がそちら側へは行かせない」

 

……なんか言い方、ちょっと重くない?




ああ、ステインさんの影が迫ってきましたね!!ステインめちゃくちゃ好きなんですよね!理解してくれる人います?・・あと書いてる身からはわかりにくいんだけど、話のスピード遅いですかね?そこらへんもコメントしてくれたら助かります

次回はようやっとステイン編に入れるかもしれません!!お楽しみに!!

咲さんの曇り顔は最高やなぁ

実はヒロインをもう二人増やしたいんですけど、さすがにキャパオーバーですか?(出すだけ出して、放置する可能性もあります)

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  • もうやめて!二宮のライフはもう0よ!
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