今回からはシャーレの先生が登場します。
しかし、なんだか普段と様子が異なるようで…
【Vol.1 喫茶 カゲロウ・フォックス編】
第二話 ウサギの教師
前回のあらすじ
幾千もの喫茶店が犇めくキヴォトス
ここで新たな喫茶店を開こうとするものたちがいた─────その名は、FOX小隊。
彼女たちは店舗名を【喫茶カゲロウ・フォックス】とし店舗探しに乗り出す…
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朝、目を覚ました私は気づいた。
身体が異様に軽いことに
四肢の感覚がとても薄い
自身が球体になってしまったかのようなそんな感覚…
どうにか姿見の前に向かうとそこには…
ウサギになった姿の自分が映っていた。
現実が受け容れられず思考が停止した脳をなんとか動かそうとするも、やはり動かない。
そんな中、FOX小隊のみんなが帰ってきた。
「先生!ただいま戻りましたよ~」
「って…先生!?その姿は?」
ニコはウサギになった私の姿を見て狐に摘ままれたような表情をした。
「気づいたらこうなってて…」
私はことの成り行きを説明した。
「ふふ…そうだったんですね♡」
「こんなにかわいい姿になって…♡」
ニコが私の背丈の何倍もあるからなのか、少しだけニコが怖くなった。
「先生?私の頭に乗ってみませんか?」
ニコのお耳の間にぴょこっと乗っかった私はどう見えているのだろうか?
威厳はあるのだろうか?
こうして私のウサギ生活がスタートした。
クルミは私を兎に角撫で回した。
オトギは私を引っ張って遊んだ。
ユキノは…まだ私をどう扱えばいいのか分かっていないようだ。
「先生がウサギでいることは暫くの間伏せておこうと思います。このことを知っているのは私たちFOX小隊と連邦生徒会長だけです。」
ユキノによるとこのことを知っているのはユキノたちと連邦生徒会長だけらしい。
「そっか、じゃあこのことは私たちだけの秘密だね!」
「私たちだけの…秘密…」
「ん?どうしたの?」
「い…いえ!何でもありません…」
「それでは、早速店舗候補の下見に…」
ユキノは私を外に出るように促した
まずは、トリニティの街角にある店舗だ
暫く空きテナントだったそこは、埃こそ被っていたものの設備の状態は案外よく希望に沿った建物だった。
「先生はどう思いますか?」
ニコが訊ねる
私は自慢のうさ耳をヒクヒクさせながら応えた。
「埃は被っているけれど…テーブルもあるし、カウンターも素敵だね。ニコたちが頑張ってる姿が目に浮かぶよ~」
「ふふ…私もそう思います」
「ここは、素敵なお店です。実際お店がやっていた頃はきっとお客さんの笑顔とウエイターさんの話し声で賑わっていたのでしょうね~」
しみじみと話すニコの姿は、彼女の頭上から見ても心を惹かれた。
「そうだね…今度は私たちがお店を盛り上げる番だ」
「先生…私たちに出来るのでしょうか…」
「自信なさげだね…大丈夫だよ!ユキノならどんな困難でも乗り越えて来たから…お店を盛り上げることぐらいなんてことないさ」
「小隊のみんながいれば尚のこと」
「ありがとうございます。先生」
「ここにします。お店」
「先生の言葉で決心が付きました」
「そっか…それじゃあ、これから頑張ろうね!ユキノ!ニコ!クルミ!オトギ!」
「「「「ハイ!!!」」」」
こうして、FOX小隊の喫茶店経営が幕を開ける…
それから、一ヶ月後…
この『喫茶カゲロウ・フォックス』に一人の客が来店する…
それはまた次回のお話
【Vol.1 喫茶カゲロウ・フォックス編】
第二話 ウサギの教師
fin