修学旅行2日目の夜
「明日の予定は以上だ。それと、周防くんは後で俺の部屋に来るように」
俺を含むいつものような特別待遇を受けるE組の連中は旅館の食堂で烏間さんから明日の行程の説明を受けていた。神崎たちの一件で今日の暗殺が中止となり、雇っていたスナイパーもタコのあまりのチートぶりを見たことで諦めて辞退してしまったから明日の暗殺もできなくなってしまっていた。故に明日は完全フリーとなるという話を聞かされたのだ。
そんな説明の言葉が響いていた中、俺は烏間さんからお呼び出しを食らってしまった。烏間さんからのお呼び出しの言葉が響くと周りが一気に騒がしくなる。
「ねえ、周防やつ今度は何かやらかしたの?」
「お土産屋で木刀買って喧嘩したらしいよ」
「こえー、同じ不良でもカルマは神崎さんのこと助けに行ってたのによ」
神崎たちをさらった不良の愉快な仲間たちを木刀でボコボコにした俺はそのことを片岡と磯貝にチクられてしまい、そのことで呼び出しを食らってしまったのだ。
「周防くん、烏間先生怒らせちゃったね」
「ただ木刀持ってただけで、喧嘩したとは一言も言ってないんだがな」
「でも喧嘩したんでしょ?神崎さんたちを拐った連中の増援部隊と。殺せんせー言ってたよ。『手を下すまでもなく
「違うと言ったら?」
「そんなわけないでしょ。1日目の新幹線で異常に気づいたくせに何もしてないわけないじゃん。俺らから離れたスポットを探してくれてたんだよね」
俺を揶揄うように声をかけてきた赤羽は確信してるような顔をしてこう話した。それを聞いた俺はいつも通り淡々と答える。
「まあ別にいいだろ。神崎たちだって無事だったんだし、お前らも大きな怪我はしなかったんだろ?」
「えー、俺はボコボコにされたけどね」
「それはお前が悪い」
今回動いたことに対して後悔はしていない。結果的に大した被害にならなかっただけで最悪のケースもあったからな。これ以上下がる余地がないほど悪い俺の評判など安いもんだ。
「まあ流石に烏間さんには事情は言うつもりだ。あの人も状況はわかってるはずだし、そんな怒られないだろ」
一応呼び出しは食らったが、烏間さんもタコから大方の事情は聞いているはずだ。少なくともこれ以上話がデカくなることはないだろう。
「そうだね。でも周防くんの剣捌き見たかったな〜殺せんせーと一緒に来てくれればよかったのに」
「嫌だ。めんどくさい」
「そっかー、残念。じゃあ俺たちはお風呂入ってくるから、問題児は呼び出し頑張ってね〜」
一通り揶揄って満足したのか、赤羽はこう言って風呂場に行ってしまった。相変わらず楽しそうな男だ。
だが、今回神崎たちが助かったのは赤羽の活躍があったからだろう。傷を見る限りかなりやられたっぽいが、あいつがいなかったらもっと被害は大きかった可能性は高い。そういう意味では今の赤羽はE組の中でヒーローのような扱いを受けている。
まあそんなのどうでもいいか。こっちも用事を済ませるとしよう。俺は木刀を片手に立ち上がると烏間さんの部屋へ向かった。
「失礼します」
「入ってくれ」
俺が声をかけるとすぐに烏間さんに迎え入れられる。そこにはなぜかビッチの姿もあった。
「なんでここにビッチがいるんだ?夜這いか?」
教員用の部屋はタコと烏間さんの部屋とビッチの部屋の2部屋ある。ビッチは個室のはずだ。なぜそんなビッチが烏間さんの部屋にいるのだろうか……?
「うっさいわね!暗殺が中止になったから今後の方針を話し合ってるのよ!」
「その話はもう終わったんだがな。そして
俺の言葉を聞いたビッチが机をバン!と強く叩いて立ち上がりながら大声を出した。
どうやらビッチの話では、暗殺が中止になったから明日はどうするかこの部屋で話し合っていたようだ。確かに当初のプランとは変わったのは事実だ。新しく方針を建てる必要はあるだろう。
ここまで話すと烏間さんの表情が少しだけ厳しいものになった。どうやら本題に入るらしい。
「磯貝くんと片岡さんから聞いた。君は班行動を勝手に抜け出して木刀を購入し、そのままどこかで喧嘩してたそうだが……」
「げ、あんたそんなことしてたの?」
烏間さんがそう言うとそれを聞いたビッチがドン引きした顔でこちらを見てきた。まあこれは事実だ。否定することはできない。
俺は一息吐いてから特に言い訳もせずに淡々と口を開く。
「まあ事実ですけど、あのタコから事情聞いてないですか?」
「ちょっと?私だけ話ついていけてないんだけど説明しなさい!」
俺と烏間さんの淡々とした声が部屋に響く中でビッチがギャーギャー騒ぎはじめた。このビッチうるさいな。
烏間さんは呆れたような顔をしてため息を吐いた後、ビッチに対して改めて説明をはじめる。
「4班の神崎さんと茅野さんが修学旅行に来ていた他の学校の高校生に拐われたのは知っているな。その時に増援に行こうとしていた連中を周防くんがたった1人で半壊させたらしい」
「え、それ本当?」
烏間さんの説明を聞くとビッチの顔が信じられないというようなものになるが、それは無視して普通に状況を説明する。
「ああ。でも手加減はしたんで殺してませんよ。ちょっと気絶させただけです」
「これも奴から聞いた……まあ、今回は事情が事情だからな。この件は不問だ。だがその木刀は没収させてもらう。これでいいな?」
「はい……」
烏間さんは呆れた顔のままもう一度ため息を吐きつつこう言った。
まあこうなることは予想通りではあったが、残念ながら木刀は没収されてしまった。割とデザインや手への馴染み具合は気に入っていたから残念ではある。
そう思っていると烏間さんの表情がもう一度真剣なものになった。
「あとこれは教師として君に言うが、君が動いてくれなければ被害が大きくなっていたかもしれない。礼を言う」
「別にいいですよ。これくらい」
別に俺は必要だと思ったから動いただけだ。それに今回はあくまでも増援を潰しただけ。前線で戦ったのは赤羽や杉野だし最終的に解決させたのはタコだ。俺はただイレギュラーの要素を潰しただけで大したことはしていない。
まあ木刀も渡したし、これでこの話は終わりでいいだろう。
俺はそう思っていたのだが、何故かビッチだけは納得していない様子だった。
「ちょっといいの?この様子だとあのガキどもにこのこと知らせてないんでしょ?あんたの評判だけ落ちるじゃないの」
「別にかまわねえよ。あいつらが怪我なく帰ってきた。これだけで十分だ。それと、この件は話が結構大きくなってるからな。これ以上余計なことを言うと余計に混乱させるからこのことはあいつらに話すなよ。わかったなビッチ」
俺の評判なんてどうでもいい。神崎たちが怪我なく帰ってきた。赤羽はボコられたみたいだが、まああいつなら大丈夫だろう。他に必要なのは何もない。それでおしまいだ。
これにビッチは納得はしてなさそうな顔をするがこれ以上何も言ってこなかった。飲み込んではもらえたようだ。
「あと俺も烏間さんに用事あるから、用が済んだんなら出てってくれないか?ビッチ」
「わかったわよ……」
ビッチは不満そうに俯きながらも文句を言われることはなく、そのまま部屋から出て行った。ビッチがいなくなったことで部屋の空気が静かになる。
「……それで?用事とはなんだろうか?」
「少し長くなります。将棋でもしながらでどうですか?」
俺はこう言いながら部屋の隅にある将棋盤を指差す。
もともと、今日は将棋をやる予定だったのだ。俺の話は少し長くなるし、少しくらい嗜むのもいいだろう。
烏間さんも一瞬呆気にとられたような顔をしていたが、すぐにその仏頂面がわずかに綻んだ。
「……フッ、そういえば君はこういうのが得意だったな。いいだろう。俺は強いぞ」
烏間さんのいつもより楽しそうな声が教員用の部屋の中で静かに響いた。
***
渚side
岡島くんと杉野とともに旅館の廊下を歩いていると、なぜか男湯の方へ向かう中村さんと不破さんを発見した。
「ねえ」
「!?」
「2人で何してんの?」
「し!」
「決まってるでしょ。覗きよ」
2人に何をしてるのか聞いてみるととんでもない言葉が飛び出した。この2人はあろうことか男湯を覗いているらしい。普通は逆じゃないかな……
「それ俺らのジョブだろ!」
岡島くんも同じようなことを思っていた。だけど、ジョブではないよね……
僕らが同じことを疑問に思っていると中村さんがこの覗きの意図を教えてくれた。
「あの服がかけてあって服の主は風呂場にいる……」
中村さんが指を差す方に目をやると、そこには殺せんせーの服がかかっていた。なるほど……僕も2人の言いたいことが分かった。
「今なら見れるわ。殺せんせーの中身。首から下は触手だけなのか。胴体あるのか。これは暗殺的にも知っておいて損はないわ」
中村さんたちの覗きは殺せんせーの正体を探るためのものだった。
殺せんせーの中身は僕も気になる。お風呂の中に入っているということは殺せんせーの身体がはっきりと見えるということ。それを知ることは暗殺のヒントになるかもしれない。
あの常識外れな先生の正体はE組のトップシークレットなのだからこの機会を逃す手はなかった。
「この世にこんな色気ない覗きがあったとは……」
岡島くんはそそられてなさそうだけど……
だけど結局岡島くんも一緒に見ることになり、僕らは音を立てないように慎重に中村さんについていく。
そして浴場に繋がる扉を恐る恐る開けると、そこには泡だらけの殺せんせーがいた。湯船のお湯の色も濁っておりまるで入浴剤を入れたような色をしている。
……ここ入浴剤禁止じゃなかったっけ?
「これ先生の粘液です」
「は?」
どうやら殺せんせーは身体を洗うときは自分の粘液を水に混ぜて固めてから洗っているらしい。泡立ちが良い上にミクロの汚れも浮かせて落とせるそうだ。本当に便利な身体だと思う。
しかし、これだと粘液の濁りが邪魔をして殺せんせーの裸を見ることはできない。でも中村さんはまだ諦めていなかった。
「でも甘いわ。出口は私たちが塞いでる。浴槽から出る時必ず私たちの前を通るよね?殺すことはできなくても裸くらいは見させてもらうわよ」
「そうはいきませんせー」
「煮凝りか!!」
しかし、殺せんせーは粘液で固めたお湯で体を隠しながら立ち上がって粘液を纏ったまま窓の隙間から外へ逃げてしまった。
僕らの目の前には空になった浴槽だけが残る……
「……逃げた」
「中村、この覗き虚しいぞ……」
こうして僕らの覗きは失敗に終わった。
修学旅行でみんなのことはいろいろ知れたけど。結局殺せんせーの正体は
***
零二side
「単刀直入にいいます。現段階で烏間さんが国や防衛相上層部から渡されているあのタコの資料、並びに研究データを全て俺に見せてもらえませんか?」
「……っ!」
烏間さんの教員室に俺の言葉が大きく響くと烏間さんの目が大きく見開いた。俺は烏間さんと将棋を指しながら烏間さんが知っているタコの全データを要求をした。
烏間さんは信じられないものを見るような目で俺を見ている。
「……理由を聞かせてもらおうか?」
「まず確認ですが、あいつはこの国が極秘に作った改造人間、もしくは人造人間ですよね?目的は世界的なエネルギー資源かなんかだと思いますが。返答は『はい』か『いいえ』でお願いします」
俺はこう言いながら烏間さんの目の奥を見る。そもそも将棋を提案したのは暇を潰したかったからじゃない。この人の思考の癖を見たかったからだ。この人が物事を思考するときにどのような仕草をするのか。どんな癖があるのか。それを見たかった。それが分かれば隠し事があるかどうかもなんとなくわかるからな。
俺のこの言葉に烏間さんは黙って考え込むようにしていた。しかし俺に嘘はつけないと判断したのだろう。正直に話しているような仕草を見せて口を開いた。
「ああ、事実だ。その情報どこで手に入れた?」
烏間さんの目線が鋭くなる。俺はいつも通り口を開いた。
「勘です。別に知っていたわけではありません。ただ、先日浅野理事長が言ってましたよね。『世界を救う救世主になるつもりが、世界を滅ぼす巨悪に成り果てた』と。その時点であいつが何かの実験の成れの果てであることくらいはある程度想像できます。これなら月の爆発からわずか1ヶ月足らずで奴に対抗し得る武器が用意されていたことにも説明がつきますしね」
これはこの前理事長が話していた内容から推察したものだ。
『まあ、なんとも悲しいお方ですね。世界を救う救世主になるつもりが、世界を滅ぼす巨悪に成り果ててしまうとは』
この時点で国がこのタコをなんらかの目的で利用して、何かしらの方法で世界を救おうとしていたことは誰でもわかる。だが、問題はその先だ。
何が目的だったのか?
どう世界を救おうとしていたのか?
最初に考えたのは生物兵器として運用することだ。この戦闘機やどんな爆弾すら効かないような超生物を利用して世界中の戦争を止めようとした。だが、それでは逆にこの超生物を巡って世界中の戦争は苛烈さを増すリスクもある。だからこの可能性は低いだろう。
この次に考えたのは、あのタコが持っている莫大なエネルギーを享受して世界のエネルギー問題を解決しようとしたということだった。
ここで物理の勉強をしよう。運動エネルギーは速さの2乗に比例する。そしてあのタコの速さはマッハ20だ。ここまで話せばあのタコの肉体が持つエネルギーがとんでもないことはわかるだろう。
そして、あのタコが持つエネルギーを外部に取り出して運用することができれば世界を救うことは可能だろう。そのためにどこかの人間にそれぐらいのエネルギーを持つ“細胞”を投与して培養した結果あのタコが生まれたと俺は考えている。
「そうか。やはり君には分かってしまったか。だが何故、君があいつの資料を欲しがることと繋がるんだ」
相変わらず烏間さんの表情は厳しい。俺は一瞬俯いてからゆっくりと口を開く。
「……危惧してるんですよ。あいつの力の暴走を」
「何?」
「月の爆発はおそらくあいつがやったんじゃない。正確にはあいつの持っている“細胞”がやったんだ。それと同じものが地球にある。もし、暴走したら一環の終わりの可能性もある……」
「……」
もしさっきの仮説が正しいのなら月を7割も消滅させたエネルギーにも説明がつく。あの爆発はタコの持っている“細胞”と同じものを投与された生き物の“細胞”が何かしらの理由で暴走し、内部にため込んでいたエネルギーが外部に出たことで爆発が起こった。俺はそう考えていた。
なら、それが地球で起こったら?
どうなるかはご想像の通りだ。そして何かしらの理由で内部のエネルギーを留めておくことができなくなるまでのタイムリミットが来年3月だとしたら、あいつが3月に地球を破壊するという話にも納得がいく。
烏間さんはいつもの仏頂面ではなく驚きが隠せないという顔をしながら、俺の考えを黙って聞いていた。
俺はそのまま話を続ける。
「……それだけじゃない。おそらくあいつは一度力を暴走させています。月が爆発した日と同じ日に椚ヶ丘の近くのある研究施設が爆発事故を起こしたそうですね」
そして俺が撮影したとある研究施設の写真を見せる。これはこの学校から少し離れた場所にあるとある大手製薬会社の研究施設の跡地の写真だ。
「確かに爆発事故と言われれば納得の被害規模ですがどうにもおかしい部分がいくつかあります。まるで巨大な鈍器のようなもので削り取られたような傷跡のように見えます。そしてその事故が起きた日付は月が爆発した日……偶然にしてはできすぎています」
俺は暗殺に参加しないとは言ったが、何もしなかったわけではない。
あの月の爆発はなんだったのか?
あの日、何が起こったのか?
そもそもこのタコはどこから来たのか?
雪村あぐりはどこへ消えたのか?
タコがこのクラスに来たその日から俺が感じた疑問点を俺なりに調査をしてきた。
まあこの研究施設にたどり着いたのは“偶然”だったのだが……
雪村あぐりの行方を探っていたらこの施設にたどり着いた
ただ、月の爆発と同日の爆発事故。そしてわざわざその近辺の学校の担任を指定してきたということ。
その教室の前担任がその研究施設の関係者だったということ
これを偶然で片付けるには些か出来過ぎている。
「あの研究施設では世界的に画期的な新エネルギーの研究をしていたそうです。そのエネルギーの媒体としてあのタコを作った。そして月が爆発した日に暴走したと考えれば辻褄が合います」
「……だが、これはあくまで君の推測だ。証拠はないのだろう?」
そうだ。これはあくまで俺がこれまで集めた情報から組み立てた仮説だ。証拠はない。
「だから証拠が欲しいんですよ。烏間さん……」
俺は烏間さんの目を見たあと頭を下げた。そのまま俺は言葉を繋げる。
「この情報を世間に公表したいとか思っているわけではありません。俺はあのタコのことを教師として認めています。根はいいやつってことも。だからこそあの人の意思ではないところで暴走して生徒殺しの十字架を背負わせたくないんです……」
「——!」
静寂が支配する部屋で俺の“願い”を絞り出す。
俺は国家機密の情報を世間に公表する意図は全くない。ただ、俺はこの1ヶ月半あのタコのことをずっと見てきた。あいつの危険性やある程度の人柄は見てきたつもりだ。
もちろん人間なんて
「それだけじゃない。俺はあいつらを死なせたくない。傷つけたくない……もう目の前で人を死なせるわけにはいかないんです」
握る拳に力が入る。沈黙が支配する中、俺の声だけが響いた。
E組の連中は罪のないカタギの中学生だ。本来ならこんな危険なことに巻き込むことすら許されない。そんな罪のない人間をもう俺の目の前で死なせるわけにはいかない。
『誰も救えてないじゃないかぁぁああああああ!!!』
それがあのとき誰も救えなかった俺のせめてもの償いなのだから。
「それに、可能であればあいつのことも救ってやりたい。もしかしたら爆発を防げる方法があるかもしれない。あいつも救えて、他の連中にも
俺はあのタコのことは烏間さんにも知らされていないような裏があると思っている。その裏の話の中にはタコの爆発を防ぐ手立ても隠されている可能性はゼロではない。そして俺の知り合いならその裏にある闇も引き摺り出せるかもしれない。そのためにも俺が手に入れられる情報は全て欲しい。
——あいつらを守るためにも
だから俺は頭を下げた。将棋を指しながらだったため土下座のような格好をしている。烏間さんはその様子を見ながら黙っていた。何かを考えるかのようにずっと視線を下に向けている。
しばらくの間沈黙が続いた後、烏間さんの口がゆっくりと開いた。
「……わかった。俺には君が何を抱えているのかはわからない。だが君のことを信じよう。向こうに帰ったら俺が持っている資料を渡す。ただしこれはクラスメイトにも口外禁止だ。いいな?」
「はい、ありがとうございます」
将棋盤に駒を置く音と共に俺の声が静かに響き渡った。
***
一方その頃
渚side
男子の大部屋では……
「やっぱ1位は神崎か」
「まあ、嫌いなやつはいないわな」
クラスの男子全員が気になる女子を1人ずつ選んでそれをランキングにしていた。1位は4票で神崎さん。その次に矢田さん、倉橋さんと続いている。
ちなみに未だに烏間先生のところから戻らない周防くんは入れてない。やけに遅いけどそんなに怒られているのかな……
だけどみんなはまだ戻らない周防くんのことは全く気にしてない様子だ。
でも、ほとんどのみんなは気づいていないけど彼が今日僕たちのために動いてくれたことはなんとなくわかっていたから、少し心配だった。
「みんなこの投票結果は男子の秘密な。知られたくないやつが大半だろうし女子や先生に知られないようにしないと……」
磯貝くんが口の前で指を立てながら静かにこう言う。
だけど、そのとき大部屋の外に誰かの気配を感じた。気配の方向を見てみると殺せんせーが僕らの投票結果をメモしていた。
「「「メモって逃げやがった!殺せ!!!」」」
男子のみんなは殺せんせーを追いかけに行った。
***
一方、女子部屋
岡野side
「え?好きな男子?」
「そうそう。こういう時はこういう話で盛り上がるもんでしょ?」
お風呂から上がってみんなが部屋に戻った後、莉桜の言葉で恋バナが始まった。確かに修学旅行で盛り上がるのなら定番なネタだと思う。
でも私は今までそういった経験はないし、好きな男子と言われてもあまりピンとはこない。前原や磯貝くんとはよく話すけどあくまで男友達という感じだった。
「はいはい!私は烏間先生!」
すると倉橋さんが真っ先にこう答えた。これは至極真っ当な回答だと思う。私も烏間先生はかっこいいなって思うし……。だけどそれを聞いた莉桜は呆れたような表情になった。
「はいはいそんなのはみんなそうでしょ。クラスの男子だと例えばってことよ」
「えー……」
露骨にテンションが下がる倉橋さん。
だけど、莉桜の言葉はもっともだ。私も烏間先生なんて回答はこういう時は面白くないと思う。でも、クラスの男子で考えたときに思いつく人はそんなに多くはなかった。
「うちのクラスでマシなのは磯貝と前原くらい?」
「え?そうかな?」
「そうだよ。前原はタラシだから残念だとして、クラス委員の磯貝は有料物件じゃない?」
確かにこの2人はかっこいいと思う。
特に磯貝くんは顔も性格もいいし、未だに本校舎の女子から人気があるほどだ。前原もタラシでうざいことはあるけど、なんだかんだ一緒にいて楽しいし、色んな女の子が近寄ってくるのはわかる気がする。
(前原は黙っていればいいんだけどなぁ……)
私がこんなことを思っていると、今度は矢田っちが口を開いた。
「顔だけならカルマくんもかっこいいよね」
「……素行さえ良ければね」
「「「……そうだね」」」
矢田っちがこう言うと他の女子たちはみんなカルマの素行の悪さを嘆く。
私も同じ気持ちだった。カルマは頭がいいし顔も悪くない。黙っていればポイントは高いと思う。でも暴力沙汰は絶えないし、イタズラ好きで学校も平気でサボる。そういったところは私としてもマイナスだった。方向性は違うけど前原と同じ感じかな。
「でも意外と怖くないですよ」
「普段は大人しいし」
「今日も私たちのために体張ってくれましたし」
そんな言葉が溢れる中、4班のメンバーがカルマを擁護しはじめた。
4班のメンバーは今日一日カルマと一緒にいたことでカルマの色んな一面を見ることができたのだろう。特に神崎さんと茅野っちはヤンキー高校の高校生に拐われた時にカルマが率先して助けに来てくれたそうだ。その話は私もかっこいいなって思ったし、本人たちからしたらもっと大きいと思う。
カルマの話で盛り上がっていると、今度は莉桜がこんなことを言い出した。
「見た目だけなら白い方……周防も悪くないのよね。ビジュアルだけは無駄にいいんだから紅白悪魔……」
「え?周防?」
「……まあ、顔とスタイルだけならね」
「……こっちはもっと終わってるから」
「……絶対将来はギャンカスのモラハラDV男でしょ」
(あいつ……?)
莉桜の口からもう1人の問題児の名前が挙がる。その名前を聞いて私は露骨にテンションが下がるのを感じた。
でも、周防も顔立ちは良い方なのは確かだ。ムカつくけど背も高くてスタイルがいい。女子の中でもあまり背が高くない私と並んだら大人と子供くらいの差がある。正直、黙っていれば悪くないのは否定できない。
だけど周防は普段の素行があまりにも悪すぎる。前に私たちのことを否定してきたのも許せないし、周防はカルマ以上にいい話を聞かない。しかも、挙げ句の果てには救いようのないギャンブル中毒で、未成年にもかかわらず学校をサボってカジノやパチンコ店に入り浸っている。多少の見た目の良さではカバーできないほどのマイナス要素が揃っていて擁護のしようがなかった。
当然、私以外の女子のみんなの反応も良くない。
「そういえば1班はどうだったの?あいつなんかやらかしたみたいで烏間先生に呼び出されていたけど」
「ほんと大変だったよ!勝手にいなくなって喧嘩してたらしいんだから!」
そんなことを思っていると莉桜がこう聞いてきたので私は即座にこう返した。
今日のことは本当に許せない。みんなの暗殺についても「俺は関係ない」と言わんばかりの態度をとっていたし、挙句の果てには勝手に抜け出して問題を起こして……。しかも、あいつを探していたせいで私たちの自由時間も無くなってしまった。それなのにあいつは反省の色が全くといっていいほど見られない。
思い出しただけでもイライラしてくる。
「まあ、ひなたが怒るのは無理ないよね……」
「でも周防くんすごいんだよ。未来が視えるんだって」
「は?」
「何あいつ?厨二病なの?」
「違う違う。行きの新幹線でみんなでババ抜きしてたんだけど、周防くん預言者のようにゲームの結果を当てちゃったの」
「え?どういうこと?」
すると、矢田っちが行きの新幹線でのババ抜きの出来事を話し始めた。その話の内容はあまりにも人間離れしていて他のみんなは驚きと困惑の表情を浮かべている。
「私も最初は驚いたわよ。周防くんが予言した後、全て彼の掌で踊らされてたような感じだったから」
メグもこう続けた。私は自然と拳に力が入る。
確かに凄かったとは思う。だけど、思い出したくはない。
あのババ抜きで私が最下位だったのもあるけど、それ以上に自分が周防の掌の上で動かされていたことが悔しかった。結局、全部あいつの思い通りの結果になってしまったのが本当に悔しい。
だから素直にすごいと認めることはできなかった。
「おーいガキども。一応もうすぐ就寝時間だってことを言いにきたわよ」
その時、ビールを持ったビッチ先生が女子の大部屋にやってきた。女子のみんなはビッチ先生を部屋に招き入れて私たちが今話していた内容をビッチ先生に説明する。
「なるほど、気になる男子ね。それで優良物件だったのが磯貝、顔はいいけど残念だったのが前原とカルマね……」
「……あと周防も顔とスタイルはいいってなったんだけど、あまりにも素行がってことで」
「……カルマより酷いし」
「今日だってカルマは神崎さんたちのために体張ってかっこいいって思ったけど、周防は関係ないところで喧嘩してたらしいし……」
「……」
周防の名前が出ると、また空気が暗くなる。
そうだ。カルマは茅野っちと神崎さんを助けるために自分が傷ついても必死になって戦った。でも周防は自分勝手に抜け出して、関係ないところで問題を起こして、自分のために力を奮っている。しかも周防はそんなカルマのこともバカにするような態度を取っていた。あれは神崎さんも怒っていたけど、本当に許せない。
でもこの話をビッチ先生は黙って聞いていた。それを聞き終わった後にビッチ先生は静かに口を開く。
「あんたらは周防ことどう思う?」
「嫌い!大っ嫌い!!あんな最低な奴、死ねばいいのに!!」
ビッチ先生の言葉に私は真っ先にこう答えた。
私はあいつのことが大嫌いだ。同じ班になったのも本当に嫌だったし、そもそも同じクラスにいるのも嫌だ。あいつは私たちが暗殺で頑張っているのに協力しないし、今日だって私たちが失敗する様子をただ冷たい目で見てただけ。
しかも、中間試験では結果を残していたことも気に入らない。私だって一生懸命頑張ったのにいい結果を残せなかった。でも、あいつはやる気を見せないくせに、涼しい顔して結果を残してる。それが本当に悔しい。
ああ、あの時なんで泣いちゃったんだろう。あの日あいつの前で泣いてしまったことも弱いと思われてそうで本当に嫌だった。
それはみんなも同じことを思っていた。
「……私も正直好きではありません」
「私もそうですね」
「私も」
結局、全員が周防のことを“嫌い”と言った。
当たり前だ。あんなやつどうやったら好きになれるのか全くわからない。もし、あいつを好きだと言った人がいるのなら顔を見てみたいくらいだ。
でも、それを聞いたビッチ先生の顔は少しだけ悲しそうな顔をしていた。そして、すぐに真剣な顔になって私たちを見据える。
「……私もあいつのことは正直“苦手”よ。でも、あいつのことを
突然のビッチ先生の話に私たちは困惑する。周防を知る努力をすることが何の役に立つのだろう?
「どういうことですか?」
「いろいろ理由はあるけど、まず今このクラスの中で一番暗殺の成功に近いのはあいつよ。何もできずに負けた私が言うのもあれだけど、これは絶対だと思うわ」
「どうしてですか?訓練もしてないのに」
ビッチ先生の言葉に私たちは疑問の表情を浮かべる。確かにあいつは喧嘩は強いのは事実だと思う。ビッチ先生に攻撃された時も私たちが目で追えない速さで後ろに回り込んで一瞬で腕を極めてしまっていた。実際に周防にやられたビッチ先生ならそう言いたいのもわかる。
だけど、あいつは暗殺の訓練はしていない。確かに周防が喧嘩慣れをしているといっても烏間先生に勝てるとは思えない。そしてその烏間先生ですら殺せんせーには及ばないのだ。
それに私たちだって暗殺の訓練を一生懸命やっている。最初に比べたらナイフも銃も相当上達したはずだ。運動神経だって自信はある。何もしていない周防よりは銃やナイフの扱いはうまくできる自信があった。
「あいつ、サボっているように見えてあんたたちの訓練の様子とか全部見ているわよ。それにあのタコの様子とかも暇がある時はじっと見てる」
「それがどうしたんですか?」
「ただ見てるだけでしょ?」
だけどビッチ先生は周防のことを相当評価しているみたいだった。でも、私にはビッチ先生の言いたいことがわからない。ただ見ているだけで何になるのだろう?
「あいつの『眼』を侮らないほうがいいわよ。私が負けたのもそのせいだから。あんたたちも心当たりあるんじゃない?」
だけど、この言葉で私たちの心の中にはさっきの会話が去来する。
『でも周防くんすごいんだよ。未来が視えるんだって』
『行きの新幹線でみんなでババ抜きしてたんだけど。周防くん預言者のようにゲームの結果を当てちゃったの』
そういえば、昨日周防に私たちのババ抜きがどうしてわかったのかを聞いた時、視線とか表情とか細かな動きの変化や癖を見ていたと言っていた。その時は意味がわからなかったけど、そうやって相手のことを見ることでギャンブルでは結果を出しているのも事実らしい。ビッチ先生が言いたいのはそういう細かいところを見れるところを言いたいのだろうか?
私たちの様子を見たビッチ先生は話を続ける。
「心当たりがあったようね。だけど暗殺の戦力としてを思って言ってるわけじゃないわ。さっき烏間に呼び出されてた件あるでしょ。あれ、木刀を没収しただけで他は不問になったそうよ」
「え?なんで!!」
「そうですよ!問題起こしたんじゃないんですか!?」
この言葉に私とメグが一斉に声を上げる。他のみんなもありえないといった顔をしていた。
意味がわからない。あんな問題を起こしておいて不問なのは絶対におかしい。周防のせいで私たちにも迷惑がかけられたっていうのに……
「これは烏間の判断よ。この件は不問で問題ないという判断をしたわ」
でも、ビッチ先生は私たちのこの不満は聞こうとはしなかった。ビッチ先生は一息吐いてからもう一度口を開く。
「……繰り返しになるけど仲良くしろとは言わないわ。だけどこの意味をよく考えなさい」
ビッチ先生の言葉に私たちは何も言葉を返すことができなかった。
「なに辛気臭い顔してるのよ。私の大人の話を聞きたいんじゃなかったの?」
そんな様子を見たビッチ先生はため息を吐いて、元気がなくなった私たちを元気付けるとそのまま自らのことを語り始めたこと。暗かった空気が元に戻る。
そこからは色んな大人の話をしてもらった。一番驚いたのはビッチ先生の年齢がまさかの20歳ということだった。ビッチ先生は背が高くて経験豊富だからもっと年上だと思っていたから、こんなに若いのは驚いた。
こんな感じで大人の話をしていたところだったんだけど……
「おいそこ!!さりげなく紛れ込むな女の園に!!」
「えー、いいじゃないですか?私も色恋の話聞きたいですよー」
いつの間にか部屋の中に殺せんせーが乱入していたことで私たちは大混乱になった。そして、自らの恋話を吐かされそうになった殺せんせーは逃げる。
「逃げやがった!!捕らえて吐かせて殺すのよ!!」
そんな殺せんせーをみんなで追いかけることになり、結局ここでも暗殺になってしまうのだった。
***
零二side
「詰みだな。俺の負けだ。参りました」
烏間さんが頭を下げる。この将棋は俺が勝った。
「こちらこそありがとうございました。では、さっきの話はお互いに他言無用で」
「ああそうしよう」
《バタン》
「いやー危ないところでした」
すると、このタイミングであのタコが部屋に戻ってきた。ずいぶんと遅かった気がするがどうせこいつのことだからあいつらにちょっかいかけて追いかけ回されていたのだろう。
「どうした?さっきから騒がしいが」
「生徒たちに恋話を吐かされそうになりましてね。ところで周防くんはどうしてここに?」
「今日のことを話していた後に流れで彼と将棋をしようという話になってな」
タコがなぜ俺がここにいるのか聞いてきたので烏間さんは普通にこう返した。まあ将棋中の話は一切触れなかったが。わざわざ表沙汰にする話でもないことだと烏間さんも思っているようだ。
「そういうことだ。ところで恋話ってなんだ?」
俺は恋話とやらには一切興味がないが、このタコの過去の話は興味がある。もしかしたらこのタコの秘密を得られるかもしれないしな。
するとタコは何事もなかったかのように喋り始めた。
「私だって過去の恋話などゴロゴロありますしねえ。この手足で数え切れないくらいのね……」
俺はこの時烏間さんにアイコンタクトを送ると、それに対して烏間さんは静かに頷くのが見えた。どうやら言ってもいいようだ。
一呼吸おいた俺は静かに口を開く。
「……その話はアンタの手足がまだ2本ずつだったときの話か?」
俺の言葉が響くと、タコの表情明らかにが変わった。いつもの薄ら笑いが消え、無表情で俺の顔を見つめている。俺も同じようにこいつの顔や姿に目線を向けていた。
しばらくの間沈黙が流れる。この沈黙を破ったのは俺だった。
「いや、この話はやめにしよう。どうせ話す気はないだろうしな……」
奴が口を割ることはないと判断した俺はこの話を終わらせる。
「賢明です周防くん。いくら旅先でも手足の本数まで聞くのは野暮ですから……」
「……そうだな、悪かった」
すると、烏間さんが思い出したかのように話しはじめた。
「……周防くん、そろそろいい時間だ。この様子だとまだお風呂に入っていないだろう。早く入って寝なさい」
「ああ、そうですね」
そういえばずいぶんと長い間烏間さんと話し込んでしまっていた。まあ今の時間なら誰も風呂にはいないだろうしちょうどいい頃合いだろう。
そう判断した俺は立ち上がり、襖に手をかけて振り返る。
「遅くまでありがとうございました」
「ああ、おやすみ」
「ええ、おやすみなさい」
この言葉とともに俺は烏間さんの部屋から出て行った。
俺がいなくなったこの部屋ではしばらくの間沈黙が流れる。残された2人は心のなかで同じことを考えていた。
——周防くん、君は一体何者なんだ?
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます。
零二くんは岡野さんに相当嫌われていますね。零二くんと因縁深い岡野さん目線で書いたら結構アンチみたいな感じになってしました。この作品はアンチ作品というわけではないのですが、今現在の零二くんへの他の生徒からの好感度を表現しようとしたら結構きつい言われようになってしまった感じです。
ですが、岡野さんから見た零二くんは前に自分たちのことを否定して泣かせてきて、修学旅行でも問題を起こして自分たちの修学旅行の邪魔をしてきた存在なのですからこのような反応になるのもある種当然とも言えます。零二くんが神崎さんを助けるために動いていたことも知らないので……
ただ岡野さんに限らず他のE組の生徒も零二くんに対しては同じようなことを思っています。一部を除いたほとんどのE組の生徒と零二くんの溝は相当深いのです。零二くん本人は自分の評判に無頓着で誤解されても言い訳しないですし、このままでは溝が深まる一方です。どうすればその溝がなくなるのでしょうかねぇ……
さて、次回からはオリジナルの3日目になります。
3日目でも波乱は起こるのですが、みんなに嫌われていた零二くんにとっては1つ大きな出来事になる。そんな1日になると思います。
また、来週も色々と立て込んでいるので予定通りできるかわかりませんが、修学旅行編はあと2話で終わらせる予定なのでなんとかその間は週2投稿できればと思ってます。
長くなりましたが、次回もよろしくお願いします。
【次回予告】
「……い、いや」
私の目の前ではナイフに光が反射して眩しく光っている。本物のナイフを突き立てられたのは生まれてはじめてだった。刺された時の激痛と死ぬかもしれないという恐怖が心の奥底からどんどん浮かんでくる。
その恐怖で脚が震えた。
「表に出るとこはやめとき……あとで厄介やさかい」
細身の男はそう言うがナイフを持った男の怒りは収まりそうにない。ナイフを持った男は細身の男の言葉を聞かぬまま私に向かってナイフを思いっきり振りかぶった。
——やられる
(……誰か、助けて!)
私はこれから襲われるであろう激痛に備えて目を閉じて心の中で祈るように助けを願った。
怖い。死にたくない。
でも、いつまで経っても痛みが来ることはなかった。
「……お前ら俺の連れに何やってんだ?」
次回 『修学旅行の時間 5時間目』