「なんだかポカポカするー」
ゴンくん(5歳)を抱きしめて練をしているバンくん(5歳)です。
いやー、最初はちゃんと瞑想から始めようと思ったんだけどね。
瞑想中にそのままゴンが寝ちゃうのよ。5歳だからそうなるよね。
仕方なく俺が全力でオーラを出して、オーラってこういうものだよ、とゴンの体で覚えさせているわけです。
ウィングさんのやった乱暴な起こし方に似ているけど、オーラを直接ぶつけているわけでもないからセーフだと思います(適当)。
さて、そんなわけでゴンくん(5歳)に念を教え始めたんだけど、そうすると当然原作の流れがガラッと変わっちゃう。俺の知っている原作の知識が通用しなくなる可能性が高い。
――でも別にいいよね、どうにかなるさ。
俺が原作を変えた結果、人類が滅びるかもしれない、世界が終わるかもしれない、なんて危険があるなら慎重になるけどさ。
原作最強の敵だったキメラアントも貧者の薔薇で吹き飛ばせば死ぬんだから、多少原作から逸脱しても大した問題にはならないと思う。
だから大丈夫!
俺が失敗して滅茶苦茶になった時は、ネテロ会長が自爆して責任を取ります!!!
というわけで、俺は安心して好き放題を――『ゴンさん育成計画』を進めている。
「バン! なんかでてきた! ぶわって、ぶわーってでてきてた!」
「お、もう覚醒したのか。やっぱり早いなー。それじゃあ俺の真似をしてみて、そのぶわーってしているのを体の周りに留めてみような」
「わかった!」
ゴンの目の前で纏を見せると、すぐに真似して纏ができるようになった。
うーん、才能の塊。
念の修行もしつつ、たくさんご飯を食べさせて、しっかり運動して体つくりをして……。
あと6年の修行で、どこまでゴンさんに近づけるかなー?
◇
ゴンに絶や練を教えながら自分の修行も続ける。
今やっているのは練で放出するオーラ量を増やす訓練と長時間練を維持し続ける訓練だ。
ナックル風に説明するなら顕在オーラと潜在オーラを増やす訓練だね。
まず顕在オーラを増やす訓練だけど、これは天空闘技場でゴンたちがしていた訓練を参考にしている。
水見式のコップの前の練をして、変化量を増やす訓練だね。
俺も毎日やっているけど、コップの中に浮かんでくる白い物体の量が日に日に増えているので成長を実感している。
しかもこの訓練はそのまま発の訓練にもなるってウイングさんが言っていたし、一石二鳥でとても美味しい。
潜在オーラを増やす訓練はキメラアント編でビスケと一緒にやっていた訓練。
練の時間を3時間キープするのが最低限って言っていたけど、今の俺だと十分くらいで力尽きで疲労困憊になってしまう。
ナックル式計算だと潜在オーラは1000くらいかな?
5歳児という年齢のハンデが重い。
ただ、すぐに疲れるけど回復速度も速い。絶をしてお昼寝していると2~3時間くらいで復活する。
やろうと思ったら午前中に一回、午後に一回、夕食後に一回で三回はいける。
「バン! かくれんぼしよう! きょうはまけないよ!」
「おー? 絶を覚えたから調子に乗ってるのかー? ふふん、兄より優れた弟などいないと教えてやるよ!」
まあ、こうしてゴンと遊んだり、ミトさんの家事の手伝いしたり、通信教育の授業を受けたりして意外と忙しいから、そんな修行漬けの一日にはならないんだけどね。
「よし、俺が先に鬼だな! 勝負だ、ゴン!」
「きょうこそかつ!」
くじら島の大自然を舞台にした真剣勝負!
……結局夕食の時間まで発見できず、初めての敗北を喫してしまった。
ゴンのやつ、いくら主人公だからって才能あり過ぎるだろ……。あ、兄の威厳がががががが。
◇
その後、ゴンも無事に練を覚えたので水見式をやったけど、やっぱり原作通りに強化系だった。
強化系は単純一途……。きっと成長したらそのまま原作の性格になるんだろうなぁ。
そんな風にゴンが順調に成長している一方。
俺の発――水見式の反応が妙な変化を起こしていた。
水の中に浮かんでくる白い物体が集まって何かの形を作っているのだ。
「これは……もしかして、特質系?」
具現化系と操作系は後天的に特質系になりやすいという設定だったはず。
でも、これは……。
具現化系と特質系の両方、かもしれない。
――元々のバン=フリークスは具現化系だった。だけど、前世の記憶を思い出して前世の人格が蘇ったことで特質系の素質も併せ持つことになった。
コップの中身を覗き込みながら、なんとなくそんな直感がした。
「具現化系は『道具の具現化』、『念獣』、あとは『念空間』も具現化系で作れたはず」
クラピカの鎖。カイトのピエロ。シズクのデメちゃん。ナックルのポットクリン。アベンガネの除念の念獣。
原作で出てきた具現化系を参考にして自分だけの発を考える。
俺の欲する発。俺の願いを叶える能力。
具現化系と特質系を組み合わせた――。
オーラ=生命力だから5歳児デバフでオーラ量は少なめ。
体が成長したらオーラ量は自然と増えていき、更に修行による増加分も加算される。