第四の壁を越えて   作:タカリ

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合格者が多すぎる。ならばアニオリだ

 トンパは今回のハンター試験で35回目の大ベテランだ。

 彼がハンター試験に応募するのは世界中から集まった才能豊かな若手が、夢半ばで潰える姿を間近で見たいという願望から。

 カキン帝国の第四皇子と知り合ったらきっと親友(ダチ)になれただろう。

 

(あいつらは8人、しかも半分以上は女子供の戦力外。だがこちらは倍の16人いる。この場で争いになれば狩られるのはあいつらの方さ……!)

 

 ゴンさんはともかく、10歳前後の子供であるバンとキルア、か弱い少女のメイとレツは明らかに足手まとい……!

 足手まといの4人を抱えながら16人の攻撃を防げるか? 答えは否……!

 

(もちろん、俺たちはただの有象無象。俺が声をかけても動かないだろうが、あいつらの方から先に襲ってきたら話は別! 俺達16人は同じ穴の貉だからな、ルーキーどもの怒りの矛先になる可能性は高い。そう煽ってやれば16人対8人の殺し合いだ)

 

 もちろんトンパも己の命は惜しい。殺し合いまでいくつもりはないが、それでも16人という仮初の仲間はトンパの気を大きくしていた。

 

(それに次の試験は四次試験、そろそろ危険度が上がってくるが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。俺はあいつらとは違う! これは俺だけに許された圧倒的なアドバンテージなのさ!!)

 

 これこそが悪意と自己保身と愉悦に満ちた新人潰しのトンパの生存戦略だった。

 

 ◇

 

 おのれトンパ、卑怯な手を使いやがって……許せねぇ!!

 

 というわけでトンパと不愉快な仲間たちも三次試験を合格し、その後もイルミやハンゾーといった原作の面子が地上に降りてきて三次試験は終了した。

 

 なんと合格者は37名(生存者36名、死者1名)。三次試験の受験者が44名だったので脱落者はたったの7名しかいない。

 原作で4次試験に進んだ24名のうちヒソカを除く23名。原作に居なかった俺とメイたちを合わせて5名。そして顔も名前も知らないモブが8名という計算だ。

 

「というか、トンパ組(トンパと一緒に塔を降りた16名)に、原作のネームドが8名も混ざっていたんだな」

 

 ネームド8名+モブ8名の16名。

 

 16番・トンパ。

 53番・ポックル。

 105番・ポックルに弓で撃たれた人キョウ。

 118・トンパとチームを組んでいた猿使いソミー。

 197・198・199番のアモリ・イモリ・ウモリ三兄弟。

 281番・ヒソカに殺されたアゴン。

 

 ポックルいたんかい!

 

 普通に他のモブに混ざっていたから驚いたよ。そっかー……。

 自分の力で塔を下りれば良かったのに、楽な方に流れちゃったんだね。仕方ないね。

 

 ◇

 

 三次試験の試験官、賞金首ハンターのリッポー。

 

「思ったよりも合格者が多いがちょうどいい、ハンター協会に連絡してアレをやろう」

 

 パイナップル頭の男が協会に連絡を入れて、試験日程の変更を申請した。

 

 ◇

 

 無事に72時間経過して三次試験が終了し、飛行船に乗った俺たち。

 

「あ、島が見えてきた! あれが次の試験会場かな?」

 

 眼下に見えてきたのは南の海に浮かぶ三日月形の孤島。

 周囲には無数の難破船が流れ着き、さしずめ船の墓場といったところ。

 

 ――というわけで、旧アニの伝説のアニオリ回。

 『軍艦島』が飛行船から降りた俺たちの目の前に広がっていた。

 

「四次試験は今から三日後。それまでの当ホテルの宿泊費として、前金で1000万ジェニーいただきます」

 

 わー! 銭ゲバぼったくり夫婦だー!!!(銭ゲバでもぼったくりではない)

 

 というわけで、座礁した軍艦を改装したホテルの宿泊費を稼ぐために、周りの難破船からお宝集めのミッションである。

 

 ◇

 

 青い海、白い砂浜、南の島! すなわち水着回!

 いつもの『念空間』から水着を取り出して、さあ!

 

「あたしはここで荷物を見ているから、あんたたちだけで探してきな」

 

 ビーチチェアにパラソル、サイドテーブルにドリンクまで用意した幻海師匠が……普段着でそこにいた。

 どうして水着じゃないんだ……。しかも顔も覆面で隠したままだし、潤いが足りない……。

 

「バンくんどう? どう? 似合う?」

「うぅ……。どうしてわざわざ見せないといけないんだ……」

「そんなに可愛いのにバンくんに見せないなんてもったいないよ!」

 

 白とピンクのビキニの上に明るい水色のパーカーを羽織ったメイと、フリル多めの白いワンピースの水着のレツ。

 とても似合っていて可愛い。そして年の割にとても発育が……二人とも着痩せするタイプらしい。

 

「南の島に来たんだし、あたしも少しくらいはっちゃけちゃうか!」

 

 なんと、ぼたんちゃんがフリル多めの白いビキニに着替えている。櫂に乗って空の上から難破船を探し、ゴンやメイたちに指示してるね。

 くじら島でも水着に着替えたことがなかったし、原作でも見たことがないのでとても新鮮だ。ありがたやありがたや……。

 

 そして。

 

「ポンズさんとスパーさん、水着あるけど良かったら使う?」

「……なんで君、女性用の水着をこんなに持っているの?」

「あら。ありがとう坊や」

 

 残っている受験生の中でも女性の二人、ポンズとスパーに声をかけてみた。

 ポンズはキメラアント編で無残に殺された蜂使いの女性、スパーはこの次の四次試験でイルミに殺されたライフル持ちの狙撃手だ。

 ここで多少強引でも仲良くなっておきたい、というか仲間に引き入れたい。二人とも可愛いしね。

 

「俺は荷物持ちだし、うちのチームは女性が多いからこういう時のために用意しているんだよ。売るほどあるよ!」

「他に用意しておくものがあるんじゃないかしら……?」

 

 ポンズが怪訝な顔をしているけど、うちのチームはこういうチームなんです!

 

「まあいいや。気持ちは嬉しいけど、私は沈んでいない場所を探すから水着は大丈夫よ」

「私もね。(コレ)があるから気持ちだけ受け取っておくわ」

 

 海には入らないからと断る二人。

 よく考えたら蜂や銃を持って海に入るわけがないのである。

 

 ポンズとスパーの水着、見たかった……!




 実は旧アニでは三次試験の合格者(生存者)が36名いる。
 そこから軍艦島の話が始まり、四次試験に24名が進む。
 つまり軍艦島で名もなきモブ12名が海の藻屑と化している。

 この作品では原作キャラ23名+バンたち5名がネームドなので、モブは8名となっている。
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