はい、1年が経過しました。
あっという間でしたね。長く辛い修業期間でした……。
まあ、本当はゴンと一緒に野山を駆け回りながら楽しく念の修行をしていただけなんだけどね。
凝や流も最初はぎこちなかったけど、繰り返し練習したら自然にできるようになった。
ただ、念で人を殴ったら大変なことになるので、ゴンには念が使えない人には絶対に手をあげないように言っている。
さて、この一年の修行でオーラ量もそこそこ増えた。
練を維持しながらゴンと鬼ごっこする訓練を始めたんだけど、なんと30分も続くようになった。
身動きしない状態と比べて運動しているとオーラの消費が激しくなるので、これはかなりの成長だと思う。
「オーラも増えたし、そろそろ具現化に挑戦するか! 行ってくる!」
「わー! がんばってね、バン!」
ゴンと別れ、一人で集中できる場所へ移動した。
長かった……自分のオーラ量が少ないと分かっていたので、ひたすら顕在オーラと潜在オーラを増やすために訓練を続けた一年間。
それでも俺は我慢し続けて、ついに今日という日を迎えたんだんだ。
必ず成功してみせる。絶対に成功するはずだという意欲を持って発動に挑む。
念能力の具現化には詳細なイメージが必要になる。
だが、あえて曖昧な部分を残したまま特質系の――何でもありの力にかける!
「発動しろ! 『
俺のオーラが集まり、俺の身長を大きく超えた人の形を取る。
ピンクの着物。赤と白の帯。船もないのに
青白い色の髪をポニーテールにした――死出の旅路の案内人。
ハンターハンターの前作、幽遊白書の人気ヒロイン、ぼたんが俺の前に立っていた。
「やったー! 成功した!」
「……あれまぁ。こりゃ驚いた。まさかあたしを呼び出す人間がいるなんて」
ぱちくり、と目を瞬かせている顔も可愛い。男たちの理想の美人と言われるわけだ。
「ぼたんちゃん、今の状況とかわかる? 説明は必要?」
「あんたに呼ばれたのはわかるよ。ただ、ちょっと混乱しているからお願いしていいかい?」
「わかった! あのね――」
俺は嬉々としてぼたんにこの世界、ハンターハンターの世界についてと念能力について説明した。
もちろん、俺の能力『
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『
【能力】
・バンが望んだ者を呼び込み、念獣として具現化する
【制約】
・バンが知っている者しか対象にできない
・???死者か霊界(あの世)の者しか対象にできない
・???バンの生きていた世界、冨樫作品世界の者しか対象にできない
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「――なるほど。つまりあたしはバンちゃんの能力で召喚された召喚獣で、ここは人間界でも霊界でもない別の世界ってわけね」
「そんな感じ。ただぼたんちゃんが本物なのか、俺の能力が生み出した作りものなのか、それは俺自身もわからない。特質系ならどちらでもあり得ると思うしね」
「うーん。そう言われるとあたしも自分が本物かどうか自信がなくなってくるよ……」
俺のイメージしたのは幽遊白書の最終回を迎えた後のぼたんだ。
ぼたんにどこまで記憶があるのか確認したけど、幽助たちのことも覚えていたし、魔界統一トーナメントも、霊界のテロ事件も覚えていた。
「バンちゃんが読んだ幽遊白書って漫画にあたしたちが登場していたんだろう? なんだか変な気分だねえ」
「ぼたんちゃんは人気投票で毎回上位に入っているくらい人気だったよ。俺も好きだった!」
「あらま。ありがとうね、嬉しいよ」
にこにこと年上のお姉さんスマイルでかわされる。うーん、年齢不詳。可愛い。
「――で、この世界には危険がいっぱいで強くなるために修行しているんだけど、ぼたんちゃんにも手伝ってほしいんだ」
「あたしの心霊医術の腕を見込んでってわけかい。まあ頼られるのは悪い気はしないけどね」
「もちろんぼたんちゃんが好きだから一緒にいてくれると嬉しいっていうのもある! 結婚して!」
「あっはっはっは、バンちゃんみたいなちびっ子じゃちょっとねー」
「俺は前世含めてたら30歳くらいだし大丈夫!」
「生まれ変わったんだから6歳児でしょ!」
打てば響くような楽しいやり取りの後、ぼたんとじっくり話し合い、しばらく俺に憑いて手伝ってくれることになった。
「――まさか、こっちでどれだけ過ごしても、あたしの世界の時間が進まないなんて思わなかったよ」
「幽遊白書は完結して連載終了しているから時間が止まってるのかもね」
新ヒロイン・ぼたん、ゲットだぜ!
『
名前の由来はアメコミのデッドプールから。
「フィクション」と「現実世界」を隔てる「世界の壁」を越えて、ハンターハンターの世界に転生してしまった自分自身の存在にかけている。
【能力】
・バンが望んだ者を呼び込み、念獣として具現化する
【制約】
・バンが知っている者しか対象にできない
・???死者か霊界(あの世)の者しか対象にできない
・???バンの生きていた世界、冨樫作品世界の者しか対象にできない
※ 呼び出せる者には条件がある。それが制約となっている。
※ 送還も再召喚も可能。
※ ぼたんが本物か、自分を本物だと思い込んでいる偽物か、誰でもわからない。