第四の壁を越えて   作:タカリ

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最終試験開始

「最終試験のクリア条件はいたって明確。たった一勝で合格である! 誰にでも2回以上の勝つチャンスが与えられている。何か質問は?」

 

 ハンター試験名物。不公平な負け残りトーナメントの開幕だー!!

 いやあ、こうしてみると受験生の評価がはっきりとわかるね。

 

 6戦:俺(バン)、ゴン、ハンゾー、クラピカ

 5戦:キルア、ボドロ

 4戦:ギタラクル(イルミ)、レオリオ、メイ、レツ、幻海、ぼたん

 3戦:ポンズ、スパー

 2戦:ポックル

 

 四次試験でほぼお情けで合格したポンズ、スパー、ポックルの評価は特に厳しいみたいだね。

 ポンズ、スパーは念を習得したからちょっと加点されたのかな?

 

 

「はあ!? ゴンさんはともかく、オレよりもバンやハンゾー、クラピカの方が評価が上なのかよ……!?」

 

 ネテロ会長のトーナメントの組み合わせ基準を聞いたキルアがショックを受けているけど、わりと妥当なところだと思うよ。

 

「俺は二次試験でメンチさんが満足するスシを作ったし、ゴンさんは圧倒的なパワーを見せた。ハンゾーとクラピカは軍艦島でリーダーとサブリーダーとしてみんなを指揮した功績がある。じゃあキルアは?ってなると印象値に差が出るよね」

「そういうことかよ! ちくしょう、オレももっと活躍しておけばよかった!!」

 

 キルアは優れた身体能力はあるけど、正直それだけ。活躍らしい活躍というものがないんだ。

 

「俺よりいいじゃねえか、キルアにもボドロの爺さんにも評価で負けてるんだぜ……」

「レオリオは四次試験でポンズのナンバープレートを取れなかったからな。ボドロ氏より評価が低くても仕方ないだろう」

「ちくしょう……」

 

 レオリオは総合能力でゴンやクラピカより劣っているのとやはり見せ場がなかったこと、ギタラクルは実力を隠していた結果だろう。

 で、俺やゴンと一緒に行動していたけど、ほぼ出番のなかった女性陣4人も印象値は最下位に近いので4戦。

 四次試験で脱落していてもおかしくなかったポンズやスパーよりギリギリ上というラインだね。

 

「それでは最終試験を開始する! 第一試合! バン対ハンゾー!」

 

 トーナメント表からそれぞれの評価を考えているうちにルールの説明が終わった。

 ついに最終試験、俺の出番だ。

 ハンゾーと向き合う。体から流れるオーラは自然に垂れ流しているだけ。偽装には見えないのでやはり原作通り念は使えないのだろう。

 

「それでは、始め!!」

 

 まずは試しに横に走る。原作のゴンの動作のイメージ。

 

「おおかた足に自信ありってところか。認めるぜ」

 

 横に移動した俺の動きに合わせて静かに接近したハンゾーが、そのまま俺の横に立った。

 首筋を狙った手刀――『首トン』だ!

 

「なっ!?」

 

 ハンゾーの首トンが当たる瞬間に足にオーラを込めて一瞬で視界の外へ。

 そしてそのまま背後に回り込み、ハンゾーの首筋に指を当てた。

 

「認めてくれてどうもありがとう。そう言うハンゾーは何に自信があるのかな?」

「……たった今、自信をなくしたところだぜ。『まいった』。俺の負けだ」

 

「そこまで! 勝者バン!」

 

 俺とハンゾーの力量の差をちゃんと理解してくれたみたいだ。

 念の使えないハンゾーが真正面から戦って俺に勝てるわけがない。それくらい念能力者と非念能力者の壁は厚い。

 俺相手に食い下がって消耗するよりも、次のキルア戦に備えて体力を温存した方がいい。ハンゾーはそう考えたんだろう。

 忍者対暗殺者。闇に生きる者たち同士の戦い。一体どうなるんだろう。

 ただ、ここで勝てないとキルアは――。厳しいな。

 

「バンのやつ、こんなに強かったのかよ……。今の動き、まったく見えなかったぜ……」

「私もだ。さすがはゴンさんの兄ということか……」

 

 イエーイ、キルア君も見てるー? ねえ今どんな気持ち?

 

「ちっ、バンのやつもなかなかやるじゃん」

 

 素直じゃないなぁ、まったく。

 

 ◇

 

 続く第二試合。ゴンさん対クラピカ。

 処刑場へ向かう死刑囚のような顔のクラピカが哀れだったよ。

 

「わ、私の負けだ……!」

「第二試合! 勝者、ゴンさん!」

 

 というわけで、一瞬で勝負がついた。

 真っ直ぐに距離をつめたゴンさんのアイアンクローが炸裂。クラピカが宙釣りにされてギブアップという流れ。あのまま腕に力込めたらクラピカの頭がグシャっていっちゃうところだったね……。

 もちろん心優しいゴンさんはそんなことはしないが、もしも力加減を間違えてたら危なかったかもしれない。

 

「うう、わ、私の復讐は、クルタの誇りは……、この程度では……!」

「そんな落ち込むなよクラピカ。相手はゴンさんだぜ。勝負の舞台にたっただけ、よくやったぜ」

 

 あっさり勝負が決まってしまって自責の念に陥っているけど次の試合までには回復するでしょう。

 

 ◇

 

 第三試合。メイ対レツ。

 

 メイは天空闘技場で戦ってきた戦闘経験が豊富にあり、四次試験の期間中に練も習得した。原作の天空闘技場時代のゴンたちくらいの強さじゃないだろうか。

 

「ごめんね、メイ。怪我はさせないから」

 

 だが、幻海師匠の厳しい修行を数年間耐えてきたレツとは実力差がありすぎた。

 メイは今までちゃんとした武術を習う機会もなくて、我流でなんとかしてきたらしく、幻海師匠の指導を受け始めたばかり。

 俺やゴンさんを相手に組み手をしているレツとは大人と子供ほどの差があったのだ。

 

「まいった。私の負けだよ。強いねレツちゃん」

 

 怪我をしないようにふわりと優しく転がされたメイが降参した。

 メイの修行もまだまだこれから。強くなるチャンスはいくらでもあるんだ、がんばろう!

 

 ◇

 

 第四試合、幻海師匠対ぼたんちゃん。

 

「まいったまいった。あたしの負けでいいよ」

「幻海さん、ありがとうございます……!」

 

 試合開始と同時に幻海師匠が降参した。まあ、この二人だとまともな試合にならないからなぁ……。

 ちなみに念が使えない人は相変わらずぼたんの姿が見えていない。

 

「なあバン。本当にあそこにぼたんって奴がいるのかよ?」

「これっぽっちも気配を感じないんだけど、オレたちのこと騙してんじゃねえの?」

 

 いるよー、いるいる。本当だって。

 ただ霊感(念能力)がないと見えないだけで、ちゃんとそこに実在しているんだよ!

 トラストミー!

 

 ◇

 

 第五試合。ポンズ対スパー。

 

 カチャ。

 

「降参よ! アサルトライフル相手に勝てるわけないじゃない!」

「ふふ、悪いわね。合格はもらっていくわ、ポンズ」

 

 銃口を向けられた瞬間にポンズが降参。スパーの勝利が決定した。遮蔽物も何もない場所でアサルトライフル相手に決闘は、流石にね……。

 万が一、銃弾の当たり所が悪ければ自分が死んで、スパーが失格になる可能性はあるけど、死んじゃったら何の意味もないし。

 というわけで第五試合の勝者はスパー、勝ち抜け決定だ。

 

 

 ◇

 

 現在の合格者:5名

 バン、ゴンさん、レツ、ぼたん、スパー。

 

 残り10名

 ハンゾー、キルア、ギタラクル、クラピカ、ボドロ、レオリオ、メイ、幻海、ポンズ、ポックル。




フリークス兄弟、普通に勝ってあっさり合格。
ハンター試験クリア!
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