第四の壁を越えて   作:タカリ

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G・Iへの最後の準備

「私の能力が完成したよ! ジャジャーン!」

 

 朝、俺たちみんなを集めてメイがそう告げた。

 メイが作った能力は『具現化系』。

 全員が注目する中で現れたのは――ガシャッとするとポンッと出てくる例の機械

 

「これが私の能力! 『念獣の卵(カプセルトイ)』だよ!」

 

 そう、みんな大好きなガチャ――なんでガチャ!?!?!?!?

 

「メイちゃん、よくガチャ回していたっけ……」

 

 デートでアニメショップとか行くとズラッと並んだガチャがあって、好きな作品の推しのキャラが出るまで回したりしたよね。懐かしい。

 

「カプセルトイ……ってなに?」

「ゴンさん知らねーのかよ。玩具屋とか……行ったことないのか。今度一緒に行こうぜ」

「うん! わかった!」

 

 ゴンさんはガチャを知らないようだ。そういえばくじら島でガチャを見たことがないな。まあ子供が俺とゴンさん、それにノウコ(年下の女の子。一応幼馴染)の3人しかいないし、需要がなかったんだろう。

 

「このガチャの料金は『3日間の絶』! 3日間、念能力を一切使えなくなる代わりに念獣の卵が手に入るよ。この念獣の卵をずっと身につけておくと念獣が生まれて持ち主を助けてくれる。そういう能力だよ」

 

 3日間の絶はけっこう重いなぁ。トリタテンの30日よりはマシだけど。

 

 ――あれ? 俺が絶になったら、このプールも、幻海師匠もレツもぼたんちゃんもみんな消えるんじゃないか?

 どうしよう。回せないんだけど……。

 

「んん! メイの能力の紹介がすんだところで、あたしたちからも連絡があるだわさ」

 

 3日間の絶と聞いて周りのみんなも及び腰になっているところに、ビスケが前に出てきた。

 

「今までの二か月間、一か月目を基礎訓練に、二か月目を発の開発に当てていたけど、あんたたち全員が一定の水準に達したと判断したのだわさ! よって、今日から3日間は自由時間! 街に繰り出すなり、自主訓練をするなり、このガチャを使うなり、なんでも好きにするといいわさ!」

「「「自由時間!?」」」

 

 これまでまともな休憩もなく、外出と言えばオモカゲ討伐に向かった時だけ。あとはずっとホテルに缶詰めで修行漬けの日々だった。

 そこに降って湧いた3日間の自由時間。嬉しくないわけがない。

 

「そして、もう一つ! 3日後からあたしたちは『グリードアイランド』の攻略に乗り出す! その時になって『念が使えない』なんて言い出したらこのあたしが直々に組み手をやるだわさ! 覚悟しときな!!!」

「「「「押忍!!!」」」」

 

 3日間の絶。ガチャを回すなら今のうちに回しておけということだね。

 まあ、どっちにしても俺は回せないんだけど。

 

「メイ、俺が回してみてもいい?」

「はい、ゴンさんどうぞー。他にも回したい人は並んでねー」

 

 今日の修行がなくなったので早速ガチャに群がって回し始めるグループと、メイに念獣について質問をするグループに分かれた。

 

「えっと、念獣の卵はね。出てきた時は真っ白なの」

「わあ! 白いボールが出てきた!」

「ほら、あんな感じ」

 

 ゴンさんがガチャから取り出した真っ白なボール。

 どう見てもプレミアボールだった。

 

「あのボールをずっと持ち歩いていると段々と色や模様が浮かんできて、最後は卵の中から念獣が出てきて仲間になってくれるよ。念獣は持ち主のオーラを吸収しちゃうからずっと連れてると疲れちゃうかもしれないけど、ボールに入れている時はあんまり吸わないから疲れている時はボールに戻してね」

 

その念獣、もしかしてポケットの中に入っちゃうモンスターでは……?

 

「念獣の能力は千差万別。でも持ち主の助けになる能力を身につけるようになっているから、3日間の絶になっても回す価値はある……はず!! たぶん!!!」

 

 最後がちょっと怪しかったけど、折角メイが作った能力だから、とみんなでガチャを回した。俺以外のみんなで。

 3日間念が使えなくなってしまったけど、この二か月間、襲撃などは一度もなかったし、問題ないだろう。

 

「強制絶は厳しいなぁ……」

 

 レツたちもガチャを回していたけど問題なく念獣の卵(プレミアボール)を手に入れていた。

 

「バンくん」

「ん? なあに、メイちゃん」

 

 さっきビスケに個室に呼ばれていたメイちゃんが戻ってきた。なんか野太い悲鳴が聞こえた気がしたけど気のせいだろう。

 

「はいこれ、バンくんにプレゼント!」

「え? この(ボール)どうしたの?」

 

 メイちゃんが白いボールをくれたけど、受け取る前に気がついた。メイちゃんの体からオーラが消えている。

 

「メイちゃんがガチャから手に入れたの? だったらメイちゃんが持っていた方がいいよ」

「ううん、ダメなんだ。これ、私の制約だから使えないの」

 

 『制約:メイは念獣の卵を孵化させることができない』

 

「だからバンくんにあげる。はいどうぞ!」

「……ありがとう、メイちゃん。大事に育てるね」

 

  ◇

 

 その後、それぞれのボールが徐々に変化して色や模様が出てきたのだが。

 

 ゴンさん:サファリボール(サファリゾーンでしか使えない迷彩柄のボール)

 クラピカ:ネットボール(水タイプや虫タイプのポケモンを捕まえやすくなる)

 レオリオ:ヒールボール(捕まえたポケモンのHPと状態異常を回復する)

 キルア:スピードボール(逃げ足のはやいポケモンが捕まえやすくなる)

 

 みんなのボールの模様が実に個性的だった。

 この模様に気がついているのは俺とメイだけだろうなぁ。

 

 俺のボールももちろん、模様が浮かんできたんだけど、ピンクにハートマークの浮かんだ『ラブラブボール』だったよ。ちょっと照れるね。




ちなみにビスケはメガトンボールである。
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