「ボス、これが出ました」
「あ、『
「私が貰っていい?」
「いいよー。はい」
メイちゃんが欲しがったので『複製』を渡す。
「『贋作』オン! 指定ポケット099『メイドパンダ』!」
スペルカードの効果でCランクの『贋作』がSランク『メイドパンダ』のカードに変化した。メイちゃんがブックを取り出して、うきうきと楽しそうにカードを仕舞った。
「このメイドパンダちゃんはどんな子なんだろうね。早く実物を見たいな」
「あたしは早く本物の『ブループラネット』ちゃんが見たいのだわ」
ビスケも自分のブックを取り出して指定ポケット081『ブループラネット』のカードを見ては切なそうなため息をもらした。
「最後の一枚を当てたら攻略開始するからそれまではがんばってねー」
マサドラのスペルカードショップ。
この店でパックを買ったら店内でパックを開け、スペルカードを自分のブックに仕舞わないといけない。もしもパックのまま持ち出したり、ブックに入れずにカードを持ち出すと全部消えるという制限があった。
で、店の一角を占領している俺たち9人と、勧誘した14人の新しい仲間たちは山積みになったパックを一心不乱に剥いては要らないスペルカードを放り捨てるという動作をひたすら繰り返していた。
Gランク『
Eランク『道標《ガイドポスト》』。Gランク『
「『宝籤』が出たけど引きたい人ー?」
「あたしが引いていいかい? 今度こそ当たる気がするんだよ!」
「はい、ぼたんちゃんどうぞー」
「『宝籤』オン! ――ああっ! なんだこりゃ、変な犬のぬいぐるみじゃないか!」
ぼたんちゃんが変な……変わった……『眼鏡をつけた犬のぬいぐるみ』を引き当てた。
ええ、それを引き当てるの……? ある意味SSランク以上の大当たりじゃん……。
「ゲインしたら俺の収納に仕舞えるから、何の効果もないただのぬいぐるみだね」
『カード』や『特殊な効果があるアイテム』は念空間に持ち込めないようにプロテクトがかかっているんだけど、この眼鏡犬は普通のぬいぐるみだったらしい。
たまに出てくるよね、眼鏡犬。車のダッシュボードにしれっと置いてあったり、ヨークシンの値札競売市に混ざっていたり。9月のヨークシンで見かけたら買ってみようかな?
「ボ、ボス……これを……」
あ、やっと『
「『擬態』オン! 『
これで使った『堅牢』は
「よし、これでスペルカード集めは終わり! お疲れ様! ――ん?」
『他プレイヤーがあなたに対し「交信」を使用しました。』
「もしもし?」
『俺だ、ニックスだ! 聞きたいことがあるんだがいいか!?』
ちょうどこっちから連絡しようと思っていたところだけど、向こうから連絡が来たみたい。
「大丈夫だよ。聞きたいことって?」
『……どうやって集めたんだ?』
『99種類の指定ポケットカードをどうやって集めたのか』。ニッケスが聞いているのはそういうことだろう。まあ、冷静に考えればすぐにわかることなんだけど。
「スペルカード買ってたら『贋作』が大量に出たから全部使っただけだよ」
『『贋作』……だと……』
Cランクカード『贋作』。
指定カードのNo.001から099のどれかに変身することができるカード。
カードトレードなどで相手を騙すために使われる。Cランクなのでそこそこレア。
贋作で作ったカードをトレードショップに持って行ったら高値で売れるか確かめたけど、「このカードは『贋作』だ。うちじゃ買い取れないぜ」と言われてしまった。
残念ながら金策には使えなかったけど、『贋作』と『複製』の見分け方を知ることができたから一つ勉強になったね。
「用事はそれだけ?」
『……あ、ああ。よく考えたら一週間で99種を揃えられるはずがないよな。すまない、冷静に考えるべきだった』
一週間がんばったけど、まだ
「それじゃあこっちの進捗を報告するけど、仲間を14人スカウトしたんだけど合流できる?」
『なん……だと……』
◇
カード収集率 38/99 (+『贋作』61枚)
SSランク 1種。『大天使の息吹』。
Aランク 2種。『金粉少女』『秘密のマント』。
Bランク 全34種コンプリート。
Dランク 全1種コンプリート。『聖騎士の首飾り』。